セイジャたちの礼祭 前
年末ふにゃふにゃで、かなり短めです!
ごめぬよ……!^^;
僕は、小太りで。
僕は、メガネを、掛けていて。
僕は、オーバーオールを着ていて。
僕は、白衣を、着ている。
僕が、生きている頃からの、
これは、スタイルだった。
僕は、ボサボサの、茶髪の頭を掻き、
「まいったな」
と、呟く。
この、白い空間が、
何処まで続いていくのか、
僕は、知らない。
「とんでもないな。ただ、
確かな事は──」
僕は、死んでいる。
それは、間違いない。
「どうしたもんかな」
僕は、生前のように、
白衣のポケットに、
ぶっとい、両手を、突っ込み。
パタパタと、登山靴のような、
革製のシューズで、歩き始めた。
「……ここは、あの世かな?
だとしたら、イメージに反して、
いやに、白い場所だ。
いや……天国が明るく、
地獄が暗いなど、誰が、決めたのだろうか。
科学的では無いし、としたら、
ここは、地獄かも、しれない」
顎の、自分の ザラ髭を、
触りながら、ひとり言。
まだ、別に慌てず、
歩いているが、
やはり、白い風景は、変わらない。
「……自分の手足は、正常に見える。
光が強い訳では無い。
まったく、どうして僕は、
こんな事に、なったんだろうか」
ふぅ、と、ため息みたいなものを、つく。
「……ずっと、このままだと、
流石に、退屈だな」
もし、この、白の空間に、
ずっと、自我が確定した自分が、
ずっと、ひとり、ぼっち、
なのだと、したら。
「もし、そうなら、
確かに、地獄だ」
……。
そうならない様に、
ただ、歩くしかない。
止まっていても、今は、
なにも、好転しないだろう。
「……」
少し、立ち止まり。
後ろや、右や、前を見て。
「……叫んでも、無駄そうだ」
僕は、また、パタパタと、
のんびり、歩き始めた。
「……なんで、こんな、
奇妙なことに、なっているんだ?」
歩きながら、
あまりに、変わらない風景に、
僕は、過去を考察することに、した。
「……僕は、彼女に、
会ってたように、思うのだが」
驚いたことに、
今の僕には、過去の、記憶があった。
あまり、薄れずに、
まだ、自分の心の中に、
少し、戸惑いつつも、
しっかりとした、表情を持つ、
ロボットの少女の顔が、
焼き付いている。
「……ふふ。クラウンは、
元気そうに、していたな」
大きな、お腹を。
オーバーオールの、デニムの生地の、
上から、ジリジリと掻いて、
僕は、歩いた。
月面の上の、灰色の、美しい砂漠。
あそこにある、あたたかい、木の家で。
僕は、確かに、"娘"に、出会った。
確かに、"名前"を──……
「ふふふ、記憶が定着するなら、
こんな白い亜空間より、
あの、月の家の方が、
良かったのだが」
ここにも、あそこのような、
暖炉が無いものか、と、
探してしまう。
「ひどい、広さだなぁ」
僕は、やっぱり、
まったく、慌てずに、
この、無限の白の中を、歩いた。
博士かな?(*´▽`*)










