ウイスキーは必要ですか? 上
おまたんたん(●´ω`●)。
ヒゲイド:
「 ……ふゥぅ──・────・──・~~……、── 」
西のギルドの一室には、
葉巻の芳醇な香りが、
立ち昇っている。
白い煙は、すぐに溶けるように落ち、
黒いスーツの生地を、駆け下りていく。
呑気で平和な味わいが、
巨人の中に、残っている──。
ゴリル:
「──この時間から、
フかしてるのは、珍しいな?」
ヒゲイド:
「む……」
ゴリル:
「ハ、火酒なしで、
葉巻だけ、やるってぇたァ、、、
そんなに──、、、手ごわかった、のか?」
よく煮詰めた、キャラメルのような、、
透き通った、深茶色の、革鎧。
丁寧に手入れされ続けた道具は、
美しいものだ。
腰に着けた、
衝撃槌と、打込剣。
彼だけの、オリジナルの、武器──。
煙の返答が、行われる。
ヒゲイド:
「……アンティとマイスナが、な。
前に、言っていやがったんだ……。
最強の魔物は──ドラゴンでも、
グリフォンでも、クラーケンでも ない。
そこら辺、そこらじゅうに居る──、
──ガキ共 だとな。 」
ゴリル:
「──ゴぁッハッハッハッハッハッハ・・・♪♪
はァーっ、そいつァいい。
なら、オレん娘も、もう少し育ちゃあ、
最強の、ナカマ入りだァ。
グリフォンよりも強ぇってのは、
実に、景気がいいぜ」
ヒゲイド:
「──その意味が、やっ、、、、と、
心の底から、理解できたのだ・・・ったく。
……俺みたいなヤツに、
隣街の ガッコーの生徒なんざ、
任せるんじゃ、ねーっつの……ッ!」
ゴリル:
「ゴハハハっっ♪♪♪
今日も、世界はァ、平和だなァっと♪
ギルドマスターが、子供たちに大人気で、
古株 冒険者組のオレも、
鼻が高いぜ──……!
ドッ・こい・ショーッ・・!」
サル顔の、偉大な戦士は、
西の巨人の、となりに、座った。
巨大な紳士は、ビミョーな表情をしている。
ヒゲイド:
「ほぅお……? お前の鼻の高さは、
バールモンキーと、
イーブンくらいかと思ったが?」
ゴリル:
「ユー・ビーのヤツが、
クスクスと、楽しそうに笑いながら、
カウンタ越しに、教えてくれたぜ?
西のギルドマスターに直撃!!
アリーヴァ学院☆☆
大インタビュー大会!!!
だったってョお……♪」
ヒゲイド:
「あぁ、アイツめ……くそ、
いらん事を……。
もしかして、他の冒険者にも、
言ってるのか? はぁぁ……。
キッティの、わるいトコだけ、
似なきゃあ、いいが……」
ゴリル:
「いやあぁ、アレは、器量がいい、
ほうだろうがよォ! まったく、どっから、
あんな有望株、拾ってきやがった!
さっそく新人 冒険者どもの中で、
ファンクラブが出来てそうだぜェ??
神に誓ってもいいが、
あと数年で、確っっっ実に、
クエスト告白合戦に なるわな」
ヒゲイド:
「やれやれだ・・・。
もし、俺が親なら、娘の夫に、
冒険者なんて職業のアホは、
承諾せん・・・」
ゴリル:
「そんなこたァ、器量も、
身体も、何もかもが、
デカい嫁さんを見つけてから、
言うモンだなぁー! 孤高の巨人?」
ヒゲイド:
「パパさん気取りか? 革鎧氏?」
ゴリル:
「気取りじゃなくて、実際に、
パパさんな、モンでなぁーっ♪♪
つーか、マジで、
そろそろ、見つけろよ・・!
お前なら、もったいねぇぞ?
この ご時世、種族的にデカい女は、
いるモンだしよォー!」
ヒゲイド:
「あぁ、うるせーるせえー」
ゴリル:
「 ──ほれ! アレなんか、どうだ?
ホラ……王都の、ギルドマスター!
あれ、たしか、女で、巨人系だろ……?
名前は、た、たしか……ソル……、
ソル……、ソル──、、、ソルデちゃん!」
ヒゲイド:
「……、ありがとう、ゴリル。
葉巻の味が、
一気に消し飛ぶ魔法だったよ」
ゴリル:
「なぁあんだよォぉぉぉ、冴えねぇなァ!
会ってみたら、デカいだけで、
カワイイかかも、しんねえだろォおーっ!?」
ヒゲイド:
「初対面の時にビビられて、
父親に箱、被せられてた女だぞ……」
ゴリル:
「なぁ。オレ、それ、ナマで見たら、
一時間くらい、爆笑してる自信あるわ」
ヒゲイド:
「他人事ならな……。
自分が、やられてみろって……。
次のメシの味なんて、
わからなくなるんだぜ……」
ゴリル:
「ま、オメェの場合、前科のせいだろォ!
そりゃ、ご実家に血まみれの魔物ん死体、
投げ込まれりゃぁなぁァーっっ♪
ゴッッハハハッハッハハ!!!
まっかっか巨人ちゃんは、丸くなって、
ドニオスで、まっくろに、なりましたとさ!」
ヒゲイド:
「前科って言うなッ! 俺はクリぃいーンだ・・!
そォろそろ、要件を言えィ、バカタレがァーッッ。
このままだと、そこの棚の火酒に、
でっかい俺の手が、伸びちまう・・!」
ゴリル:
「おお、ソレだった。おまえ──……、
あの隣街の学生ら──、
どぉすンだよ……?」
ヒゲイド:
「……、、。
……やっぱり、バレまくっているのか?」
ゴリル:
「おまえ……、
バレまくってる、なんてモンじゃねぇよ……!
たぶん、今の、ドニオスじゃあ──、あの、
◆ 絵本からハローワールド・ペアは、
◆ 地元が カーディフの街ですよー♪
って情報は、そこら辺の、
キャンディよりも安いぜ?」
ヒゲイド:
「あぁ、くそったれ……。
やっぱり、冒険者 連中も、質問攻め なのか?」
ゴリル:
「ヒゲイドさんよぉ……、
キラキラした若者ってのは、
ありゃあ、コワいぜ……?
純粋な、蛮勇ってモンだ。
顔にキズがあるベテラン勢も、
年下の、男子女子に話しかけられまくって、
ドギマギしてやがる」
ヒゲイド:
「あぁ……何人かの、アホの顔が、
容易く、想像できちまうな……。
くそ、やはり、職員たちの口止めだけでは、
限界が、あるか……」
ゴリル:
「いや、それでもなぁ。
言っちゃナンだが──、
新人・ベテラン含め、
冒険者 連中は、うまく躱してる、、
ほうだと思うぜ?」
ヒゲイド:
「……、本当なのか?」
ゴリル:
「こればっかりは、
あの二人の、人柄と格好が、
幸いしていやがるのさ。
──ハッ!
さいしょに、あの義賊サマが、
この場所に来た時に、真っ先に、
突っかかった、オレがァ言うのも、
ナンだァだがよぉ──……! 」
ヒゲイド:
「 ん? 」
ゴリル:
「──そろいの仮面!
──みわくの軽鎧!
──あきらか美人!
──せいかく最強!
──素人目から見ても、
明らかに高い身体能力!
──どんな大量の荷物でも、
一瞬で格納できる奇術!
──どんな馬車よりも、ぜってぇに速ぇ、
驚異の配達スピード!
──依頼 達成率・十割で、
至高の冒険者とも、大の仲良し♪」
ヒゲイド:
「この酒、そろそろ、
飲み切らんとなぁー」
ゴリル:
「
あれだけ──、
" 自分たちわッ、ワケありでェぃすっっ♪♪♪ "
ってな具合に♪
周りに宣伝しまっくてるコンビなんざ、
そんじょソコぃらァじゃ、あいつら以外、
居やァしねぇーよっっ・・・♪♪
」
ヒゲイド:
「
・・・はぁぁ、、。
ちがいない・・・・ 。
一等賞だよな・・・
」
──カチリ、しゅぽん。
あいたで(●´ω`●)。










