聖女たちのいる場所で 下
「つまり……"時空の書"を狙う、
頭の弱い貴族が……、
お姉様たちを、
嗅ぎ回っている──と……?」
「ほこまでは、言ってないけど……
(パリポリ……)」
「なぁにを食べてるんですか、
お姉様……」
リビは深刻そうになったけど、
私は、クラッカー・ビスケットを、
パリパリ、頬張りながら、
紅茶を嗜んでいる。
しまった……塩味の心地良さには、
高級な紅茶よりも、
やっすい、ポタタ・ポタージュの方が、
ナイス・カップリング、
だったかもしれない。
「お姉様方に手を出す輩は、
裏から手を回して、消しますわよ?」
「ぶっほうなコト、言うんじゃねぇわ……」
13歳のガチんちょの、
言うセリフじゃあ ねェー。
「せっかく、マザー・レイズとも、
"お近づき"に、なれたんですから?
ふふ、使えるものは、使うのが、
ギルドマスターというものですわ?」
「リビ、私の前で、
あの人の話は しないでっ……」
「なんでですのぉ」
あの人は……なんだか、
得体がしれなくて、
いまだに、ニガテだ。
マイスナの関係者……というのは、
もう、ハッキリしてるんだけど、
いや……それが、なんとなく、
カンに障っているのかもしれない。
会う度に、警戒して、
胸元を隠す構えをしている気がする……。
うーん、絶対的な、
敵では無い、とは、
思ってるんだけど……。
「やれやれ……私のヘソまがりに、
理由なんて ないわっ」
「きれいな おヘソ ですこと!」
「み、見るんじゃねぇわ!
金とるぞっ・・・!//////」
「ホホホホホホ……!!//////
それは、むりな話です。
お姉様方に出会って、
その芸術的な おヘソを
見ない人は 居ません♡」
「ヒキ姉みたいな笑い方、
しやがって……//////
食堂娘のヘソに、
芸術点も へったくれも ねェや!」
「あら、そう言えば、
オシヒキ姉妹も含め、
こちらに出向いて
いるようですわね?」
「──……" 含め " ?」
「ええ。お姉様方を含め、
プレミオムズは、どうやら、
この、"お祭り王都"に、
顔を、出すようですわよ?」
「なんですって?」
プレミオム・アーツの、
ポインター機能を、起動する。
みんなの、現在位置は……。
ほ、本当だ、
みんな、こちらに、
向かっている?
あ、ベアさん……!
もう、王都の中にいる。
これ、オシ姉と、一緒にいるよね。
仲良しさんめ。
「どうしてだろう?」
「この騒ぎですもの。
来たい理由も、分かります。
ふふ、だって、
"お姉様方の お祭り"、ですよ?
ほら、仲間としては……ねっ♪」
「ねっ、じゃ、ねぇわ……///
だいたい、さっきから
言ってっけど、別に、
私らの──、」
「あの像は?」
「だまらっしゃい……!!//////」
「お姉様ぁ。この、お祭り。
ヘタしたら、100年後まで、
毎年、やるかもですわよ?」
「かんべんしちくり……///
こっちは正体、隠してんだよぉ……」
クラッカーの塩味は、
食堂娘の、涙の味である。
泣きっ面のココロに、
ちっこい教会の、
ステンドグラスの光は、よく染みる。
「しかし……そうですか。
厄介ですわねぇ……。
もし、本当に、魔道書を、
付け狙う、者が いたら……」
「単なる憶測なら、
いーんだけどねぇ……。
はぁ……パリポリ……ごくん。
だいたい、"時空の書"が、
どんな風に"コンニチワー"、
してくるのか、
中身が食堂娘の、私にゃー、
サッパリだっての……!」
「そのビスケット、
のど……乾きません??」
「食ってみろや。つか、アンタたち、
さっきの見てると、バチバチに、
観光目的ね?」
「パリポリ……あら、そのままも、
美味しいですわね……♪
だから、そう言っているでは、
ありませんか。
やっとこさ、ギルドの職員を、
気兼ねなく使いたぉ……、
……協力してくれるように、
なったんですもの。まだまだ、
ピチピチ、13さいっ♪♪
たまには、
バカンスは必要ですわっ♪♪」
「使いた──"ぉ"、、、まで言ったら、
言い直す意味、無ぇー」
リビとは、
数回しか会ってないはずだが、
なんだか、やたら仲良くなってしまった。
……ま、まぁ、情事……じゃなかった、
ゃ……夜戦/// ……を、
見られちまった……///
というのも、あるケド……。
何に したって、
コイツ、ギルマスで、聖女なのに、
さらけ出し過ぎな気もすっが……///
「ぁ"ー。お姉様方が、
ディープ・ちゅー、してるとこ、
見てぇー♡♡♡」
「おまえ、そーゅートコだぞ……//////」
「毎夜毎夜……この世界は、
浄化されている…….*・゜」
おい、このステンドグラスの神サマ、
この、乱れた幼女を、
はやく、なんとかしろ。
ろくな大人に、ならんわよ……ん?
なんだ、ガラスの神さま。
私を見るんじゃねぇ。
私らのは、純愛だってば……//////
「はぁ……生きてて良かった♡///
なんにせよ、"動き"があれば、
即・ご連絡を。
お陰様で、ステキな通信手段が、
ありますので」
「アンタそれ、13歳の おにゃのこが、
言うセリフじゃねぇってぇ……。
連絡──……あ"っ、そっだ……!!」
「んぇ……??」
リビに、今朝、寝ぼけて、
消してしまった、
メッセージの話をする。
「け、消してしまったんですの??」
「その反応は……、
リビじゃあ、ないのね?」
「え、えぇ……私では、
ありませんわね。
心配だったんですが、
お姉様方なら、難なく、
切り抜けそうな気もしてて……」
「なんじゃ、そりゃあ……。
んー、でも、それだったら、
誰からの、手紙だったんだろう……」
「まずいんでは、ないですか……?
もし、緊急の連絡だったら……」
「いや、急ぎだったら、
この時間まで、連絡なし、
ってのは、無いと思うんだよね」
「あー、確かに……。
いや、でも、むしろ、
全員に、"なんの用でした?"って、
送ってみるとか……」
「ぃぃい、イヤよぉお……!!///
自分が消したの、
バレるじゃあん……!?///」
「えぇ……有り体な、
小心者ムーブじゃ、
ありませんか……。
大丈夫かなぁ……」
「へーん……! そぉだよーっ///
どうせ、小心者で、
ビビり街娘ですよぉーっ。
あぁ、くそ……なんで、
消しちまったんだろぉぉお……」
「ビビり街娘は、
ヘソ出しで クルルカンの仮装をして、
破壊光線で身長200メルトルテのカニを、
粉砕したりは しません。
はぁ……ギルマスとして、忠告しますが、
そーいぅの、ほっとかない方が、
いいですわよ……?」
「あぁ……やみちくり……。
これでも、ケッコー、
気にしてんだ……」
「うぅん、だったら、
余計に……まったく、いじらしい♡」
なんでハートマーク、ついたんや。
「……つーか、埋まったな」
「はい?」
「アマロンさん」
目の前に、立派な、
にょきっと山が、出来上がっている。
「がんばりました!!」
「ごりっぱ!」
「にょん……」
ごりっぱ!
じゃ、ねっぞ、マイスナ。
哀愁 漂う、
となりのウサミミ勇者を見よ。
うん、エコちゃん。
がんばる方向、まちがってるね。
リビに向き直り、言う。
「教育。姉」
「I don't know - ♡ 」
「きひっ♪ こンにゃろーめ。
あぁあァ、古墳みてーだ……」
アマロン、ここへ寝る。
この、忌まわしき祭りの、創世種。
すべての、はじまりの者。
慈悲なき欲望。
うさぎの支配者。
やれやれ……とんだコトに、
なったなぁ。
「まぁ、素晴らしい方だとは、
思いますよ」
「あのウサギに、
埋まってる御方が?」
「この街は、今、
笑顔で、あふれています」
「……── 」
ぐぅの音も、でねぇ。
「欲望というのは、大事ですよ」
さらりと、聖女に言われた。
「それは、愛情のようなものですから」
「……」
あのさぁー……。
歳下なのに、いきなり、
ウェイトの高い お言葉、
謳わないでくれる?
お姉さん、嫉妬しちゃうわ、
なぁーんて、にやけながら、
明後日の方向を見上げつつ、
だらんと、教会のベンチに座り、
紅茶を、流し込む。
今日の、光の祝福は、
となりの、聖なる少女に、
向いている気がする。
だって、やっぱり、
今の世界の、聖女は──。
「──お姉様方も、毎夜、
痛感してらっしゃるでしょう?」
────だいなし、だ・・・・・(´△`)。
「あっ、あにょっ……!?//////
さっ、さっ、//////
さいきんっ、いちばんっ!!?//////
激しかったプレイを、
おしゅっ……!?///
教えて!!!!!//////
いただきたいんでしゅがっ・・!!?//////」
「おまぇ、ぶっ飛ばされてーのか、
まじでよ……////////////
歳、かんがえろや……//////
おまえは、私の、何なんだよ、
って、ハナシじゃねーか……!!//////」
「私は!! お姉様方の、
従順なる、下僕です・・・!!!//////
で、で……!? どっ!!!//////
どんなっ、プレイおっ・・・!?!?//////」
「こえーよ!!!//////
やっ、やめろって!!!//////
エコたんも、いるんだぞ!!!//////
バカっ、バカか、てめぇー!?///」
「さいきんは、のばすのに、
ハマってるよ」
マイスナ……よけいなコト言うな。
「たのむから……//////(ポッ)」
「それなりにだよ……//////(ポッ)」
「?? マイスナお姉ちゃん、
何を のばすの??」
「にょんやぁー……(あきれ)」
エコちゃん、ダメだよ?
あっちで、あそんできな……????????
お姉さん、まっすぐ、
アナタの顔……、
見れなくなるかンね……??//////
「──えぇっ、ええ……!?!?///
どッッ、どういうこと、
ですのっ……!?//////
わ、わたくしにも……!!??//////
こっ、この、無知な、私めにもっ!?///
わ、わかりやすくっ・・・!!!???//////」
「リビ、まじ、
黙らせるぞテメェ??????//////」
「まだ、はやいよーっ♪♪♪//////」
「──だって……!!!///
お姉様方の、せぇで……!!!?///
もぉぉ〜〜〜〜書物、だけではっ……!!!」
「……あっ///」
だれか、この性女の欲望を、止めれ。
「お願いです!!
さ、さわり、だけでも!!!///」
「ゥ、うるせぇー!!!!!//////
いまの、マイスナので、
充分、だろがああああああああ!!!//////」
「ありゃ。エコたん、どうしたの?」
「えっ……あの、なんでも、なぃ……です//////」
「にょんやぁー……」
「くーゆ、くーゆくゆくゅ、
かんかん、くゆくゆくーぅ……」
「……ナナナナナナナナナナナナナナナナ……、
ナナナナナナナナナナ……!!✧✧」
「──にょ、き っ と……ッッ、……!?」
──── バ タ ー ン !!!!!
「──た! たいへんですっ!!
アンティさん、マイスナさん!!
聖女さま、たちも……!!!」
小教会の、どっかの扉が、
すごい音を立てて、
慌てた キッティが、
入ってくる。
「──ぅわわわわぁあぁああ──……っ!?!?
な、ナンデスカ、このっ、
うさ丸☆ビッグ・タワーは……っ!?!?」
「しあわせ……Zzzzzzz」
うん、教会に入ったら、
うさ丸☆ビッグタワーがあった。
そゅ日も ぁるよね。
ええねん、キッティ。
なぁーに、あったん?
「──そうだ、それどころじゃない!!
アンティさん!! マイスナさん!!
聖女さま方も……!!!
────いますぐ、逃げてください!!」
「「「「 ──……!?!? 」」」」
「にょきっと?」
「くんゆ?」
「ナナぁー??」
「──"追手"、です・・・ッ!!!
──ここに!!
押し寄せて、きますよ……!!!」
「「「「 ・・・ッ!? 」」」」
戦慄する、
私、マイスナ、リビ、エコちゃん、
四人の、乙女・・・!!
ど、どーゅーコト・・・ッ!?
王都の教会に、
なぁーんの、追手が、
くるってーのさ・・・ッ!?!?
「──キッティ!!
いったい……誰が、、、
来るっ、てーのよ……!?」
「──はっ。
ぉ、お姉様……まさか……」
「 ──……!? な……── 」
リビと、目が合う。
ま、まさか……?
──" 時空の書 "を、狙う……、
貴 族 の 、 追 手 ……!?
──そして、受付嬢・キッティは、
高らかに、それを、告げるのだ。
四人の、聖女たちを狙う、
その、不届き者たちの、
────正体を──────。
「 ──かっ、、" 観 光 客 "
──── で す っ !!!!! 」
「「「「 (´°ω°)(´°ω°)(´°ω°)(´°ω°) 」」」」
……。
…………。
──────────。
……………………な、
……にゃっ、
にゃんどあっとぇぇええええ〜〜〜〜〜〜???????
ある意味、天敵。((;º言º))