王の依頼……いつまる??
※とうじょうじんぶつ、さんにん
「信じられないわ……。
本当に、600幾年も前から、
来たというの……?」
「……。貴女が信じて、
私の気が狂っていなかったのなら、
そうなんでしょうね」
「……いいえ、信じるわ。
まず、人は、信じる所から、
積み重なるんですもの」
「……フン、おめでたい頭ね」
「あら、そうでもないわ。
私は……これでも、
ずっと、誰かを疑わなければ、
いけない、立場だから……」
「……きひひ! たまには、
誰かを信じなきゃ、
やってられない?? それとも、
私のような、明らかに気の狂った、
無関係そうな女のことは、
警戒する必要が、ないってか……!!」
「そんな風に、自らを、
扱き下ろす言い方は、やめて……。
貴女の言い分が、
すべて、本当にすれ、嘘にすれ……、
私たちの敵が、
一緒だという事は、確信しているわ」
「──ぁ"あ"!! くそ!!!!!
こ"ろ……す!!!! かナらず!!!
こロ"す・・・!!! きひひ・・!!!
コこが、グぐ……、こ、ここが、
ろっぴゃく、と……数十年も、
未来、ならばっ……!!?
──何故、アイツらは、
滅んでいないノかッッ!?
おまえ達ィィの祖先は、
何を、やっていタ!?
あんな、イカれた奴が、
創設した、組織に・・・!!!!」
「……魔導書や、王都の歴史の解析で、
あの組織の右に出るものは居ない。
……最近では、"審議官"なんて、
人の虚偽を見抜く、
子供たちまで、"開発"していて……」
「…………"かいはつ"……?
こども、を、かいはつ、だと……?
おまえ……王、なのに、
その、意味が、わか、らないのか……?」
「重々……理解、しているわ」
「 だ っ た ら !! 」
「だからって、あまり好き勝手、
言わないで……!! 貴女は、
時を越えてきて、
今の、この国の、
内情を知らない……!!」
「き、ひ、手を拱いているのか、
いま、この瞬間も、どこぞから、
拾われた子供たちが、
人体実験されていると、いうのに……!?」
「……今の私には、
信用できる人間は、少ないのです。
見せかけは、あの"忌まわしき者たち"を、
潰せても……今のままでは、
何十人かは、逃げおおせ、
完全なる"駆逐"には、
至らない……!」
「なにを……! 悠長なことを・・・!!
虫けらのように、追いかけまわし、
殺しつづければ、良い……!!
おまえは……それでも、王かッッ!?」
「──この600年の間、
一度も、アイツらへの反逆が、
無かったとでも、思うのッッ……!?」
「……ッッ、……」
「わたしだって、本当は、
王なんかじゃ、ない……。
本当の王は……、
愛する、ひとは……」
「あんたも、愛する人を、
あいつらに、コロされたんだね」
「……公には、できない。
貴女との出会いは、
運命よ……」
「……き、ひ、ひ……。可愛いカオして、
女王サマも、恨みツラミが、
ある、ご様子で──」
「夫を暗殺されて、
わたしは、恨んだわ。
……貴女は?
あなたの……愛する、ひとは……?」
「……。
わたしは、"未来"へ。たぶん……、
あの人は、"過去"へ、飛ばされたわ。
……もう……あの人には、会えない。
……会えない、のよ……」
「……そう」
「時間が、かかるのね?」
「……!」
「アイツらを、殺し尽くすには」
「ええ」
「チカラを、貸すわ。
こんな身体、どうなってもいい」
「バッ……!! 有難いけれど、
物騒な事は、考えないで……!!
貴女だって……!
その、身体、なのよ……!?
情報が……欲しいわ……!!
ただ、それだけ……!!
貴女は、剣が得意なようだけど、
その、身重で……!!?」
「うるせぇよ……てめぇだって……」
「それに、結晶化させた、
あの、女の子の赤ちゃんは、
どうするの……!?
その、ふたり、にとって、
貴女は────、
"母親"に、なるのよ……!?
その手が、命が、
血みどろに、なっても……!?」
「うるさい、うるさいッッ……!!!
あの子の母親は、
──わたしじゃあないッッ……!!
あの子の母親は、……セルルナっっ、
ただ、ひとりだッッ……!!!
わたしの、かわいい、かわいい、
ソーラと……! セルルナとの……間の……、
たったひとりの……娘だ……!」
「でも……あの子が、目覚めたら……!!」
「だ、まれ……! 殺すぞ、やめろ……!
きひひ、そうだ、おやが、いないなら、
この子が……そうだ! きひひひ……!!
この子は、また、産まれ直す……!
あの子は、死んだけど、
ここに、戻ったんだ……!!
やり直せるんだよ、きひひひ……!
きひひひひひひ……!!
それが、運の、ツキだ……、
しんぎきょく、どもめ……!!!
かならず、かな、らずゥ"……!!!!!」
「……、……」
「エルミナイシア、たのむ……。
見ろよ、この、わたしを。
わたしは、この子を、産み落とすまで、
ベッドに、じっとしているなんて、
たぶん……完全に、狂ってしまうわ」
「……そんな」
「だれかを、殺させて、たのむ。
できれば……とびきりの、"悪人"を」
「……、……」
「エルミナイシア」
「……、……。
わかった、わ」
「……!」
「わたしと、いっしょに、
ころして、くれる?」
「……ありがとう、エルミー」
「…………………」
「……どうしたの? ヨゲンナ、
さっきから、黙ってしまって」
「なんだ、オメーよォ……。
このハラ、見せモンじゃ、
ねっかんなァ?」
「……いや……、アンタたち、
妊婦ママ友の殺気に、
気圧されちゃって……。
あの……さぁ?
いっこだけ、質問、いい??」
「……彼女に?」
「……あんだよ。
てめー、ヨゲンナ、つったか?
どうせ……、何百年も、
過去から、来たって……。
そんなヨタ話、
信じられねーって、話だろ……」
「いや、そうじゃ、なくって。
この……アンタの、
お腹ん中に、いる子って……、
息子さん、" だった "……って、
話……なのよね??」
「……??」
「……?
……ソーラは、
ダンナの生き写しで、
黒髪の戦士だった。クリソツさ」
「はてなぁ……。
この子……たぶん、女の子よ??」
※もういっかいよむ、うえ⬆










