王の依頼……うけまる??
おまたったん。\( 'ω' )/.・*
──ちゃぷ──・・──。
──気づけば。
アンティとマイスナは、
ひみつの図書館で。
部屋の中心。
くらやみ の なか──。
また──お風呂に、つかっている。
ふたりが、夜湯で。
何度も、浄め合うのは、
めずらしい事では、なかった。
「 ……──、、 、、、/// 」
「 ……──、、、 、、/// 」
あたたかく。
夜は、深い。
部屋のテーブルの、
ガラスの、器の上に。
銀の鎖が絡まった、
金の歯車が、コトリと置かれ、
そこから、小さな灯が、出ていた。
物悲しい、大切な、橙色の光に、
しかし、従者たちは、映らず。
だが、6人の忠臣は、
この、本の城の、どこかで。
はだかんぼ の ふたり の 姫を。
まもっている に、ちがいなかった。
「…──、…///」
「…──、…///」
……ちっ、ぷ────。
王が、居た時間のことを──。
あまり──、、、
ふわふわと、思い出せない。
ふたりは、普段は重なり合って、
浸かる事が多いが、
今宵は珍しく。
ギルドマスターに貰った、
猫足のバスタブの中で、
互いに、向かい合って、
お山座りを している。
互いの つま先あたり が、
デリケートな所に、
当たり合いそうでも あったが。
今さら、そんな事を気にする、
ふたりでも、なかった。
「──……、んふぅ"──……、、///」
「──……、はあぁ"──……、、///」
ちゃぽ・・──……、っ…──。
ふかい、ため息を、つき合い。
頭を。
ヒザを抱える、両手の枕に、
──落とし込む。
────湯面が、ゆれる。
わずかな灯火に照らされる、
豪華で、アンティークな本棚たちは、
たいへん、魅力的だ。
もう、10の月とはいえ、
血色の巡る、
ふたりの、湯汗が、
ポタポタと落ち、湯に、混ざり、
ピタっ……。 ぽたっ……──
──と、
音を、おとす。
「 ……──、 」
「 ……──、 」
湯の中で、うつむいた顔を上げると、
前の人と、目が、合った。
鏡のようで、
鏡で、ない。
アンティも、マイスナも、
不思議な、感じが した。
彼女と会ったのは、運命だったし、
彼女と共に居るのは、奇跡だった。
お城の図書室で、
風呂なんざ入っているのだから、
とても贅沢であるし、
とんでも空間である。
神秘的な、他が、得難い雰囲気だろうし、
たぶん、ずいぶん、畏れ多い事だ。
そして、目の前の少女が、きれいだった。
灯りの銀は、剣戟のようで、
灯りの金は、聖炎のようだ。
切り札のカードの、
絵柄のように、向かい合い。
まるで、その中にある、
ふたつだけの、道化師のような。
────そんな、カンケイ の。
ふたりの、全裸の少女は。
ただ、思い出し、
話す。
「……どぉ、思う?」
「……わかん、なぃ」
王は、しっかりと、言葉を届けた。
「"時空の書" は、無限に魔力を増幅するが故に、
最後は、必ず……本体が崩壊し、暴走する 」
「・・・」
「・・・」
「 300年前、この王都を歩かせていたのは、
── " 時空歩法 " という、魔導書の、
ひとつ であった── 」
王は、たくさんの、
" ひみつの おはなし " を。
つい、数時間前の、
ヨロイに身を包んだ、
おもう、ふたり に、
御伽噺のように、
言い聞かせた。
✦ はるか 昔。
"時空月酒"が、
神を、何かに、変えたこと。
✦ 700年前。はじめて、
"時空歩法"が、
審議局によって、発生したこと。
✦ 500年前、たくさんの劣化品が、
"書"の、魔力により、
産み出されたこと。
✦ 300年前。崩壊寸前の"書"が、
炎のドラゴンによって、
撃ち抜かれたこと。
✦ "時空の書"は、
増幅する自身の魔力に、
いつか、耐えられなくなること。
✦ "時空の書"は、
完全に滅びる時。
──"次"の、"書"の場所を、
示すこと──。
「たくさんの──劣化品が、作られた。
"時空火炎"。"時空水泡"。"時空雷環"──。
しかし、その、どれもが、
出力に耐えられぬ、欠陥品であった。
すぐに決壊する、湖の ようであった。
それでも、
ひと時の、権力と共に。
ひと時の、豊さと共に。
それは、街と歩き、
そして、時空の花と共に、
大きく、街を巻き込み、
幾度も──消えていった」
「「 ・・・ 」」
「「「「「「 ・・・・・・ 」」」」」」
「百年ほど前に、王都から消えたという、
"時空呪肉"も、反応が、消えた。
恐ろしい、劣化品だった。
我が母、エルミナイシアが、それに気づき、
樹霊との、特殊な感応能力を持つ、
オルシャンティアと、急ぎ、
調査に出向いたが、
とうとう、穢れた大地は、
見つからなかった」
『>>……、……』
「 アンティ?」
「 ッ ──・・ 」
「「「「「「 」」」」」」
マイスナは、
驚愕する、アンティの顔と、
6人の暗殺者を、見た。
そして、完全同調による、
記憶の相互交換が、行われる──。
金と銀の束は、つながっている。
ふたりは、流路に、誠実である──。
ピ、はぱ、ピ、ピピ、ピピピピ────。
「「 ──、、、、、、。。。 」」
「……少しだけ、掴めたのは、
最近の、ことだ。
フ、フ。我が母は、
義理堅く、口も、かたい」
「……な」
「……ぁ」
「つよいようだな」
「・・!! ……、……、ッ、──っッ……!!」
「……っ、ァん、てぃ……── 」
金と銀の、ヨロイと、汗。
「──お前が言う──……、 」
「「 ……っ!? 」」
「「「「「 ──……!! 」」」」」
あせる、アンティとマイスナの前。
メイドのイヴが、呪い、謳う──。
「お前の言う……"穢れた大地"、とやらは、
とっくに……、……完膚、なきまでに、
"浄化"、されている……。
やはり、そうだったのだ……。
確証は……持てな、かった……。
だから、せめて……財、のみを……」
Aランクの、冒険者、とて。
王を、"お前"呼ばわりなど、
言語、道断である。
「感謝……、するがいい。
お前は……、私たちに……、
ゆるされたのだ……。
怒りは、ある。
だが……私たちは……わずかに、
取り戻せたのだ……。
お前は、感謝せねば、ならないし、
謝罪せねば、ならない……」
キュイーヴルの声と、身体は、
震えていたが、
辛うじて、
従者の 姿勢は、保っている。
「お前は……知らん。
あの……爛れ焦げた、肉の大地を。
あの……肉塊となった、私の家族を。
確かだ……王よ。
お前たちは、神に、愛されている。
勘違い、するな。
謁見しているのは、貴様だ。
私は……過去に、有り得ぬ事に、
今は……神を、信じられる。
神秘の前に……"心"が、あるのだ。
わかるか……。
お前には……わかるまい。
だが、精霊王の寵愛は……、
──ここには、あるのだ……!」
「……── 」
「「 …… 」」
アンティとマイスナも、
自らの従者の言葉の重さに、
その暴言を留めることは、
はばかられた。
「・・・なんと・・──」
恐らく、怒りで感極まり、
少し、錯乱もしていたイヴの、
しかし、その、理解できる言葉の箇所で、
王は、目の前の者たちが、
かつての、王都の"誤ち"の、
犠牲者であると、悟った。
「・・・・・──。
・・・────すまぬ・・。
この・・・とおりだ──・・」
「「「「「「 ・・・、・・── 」」」」」」
震える、6人の従者は、
直立を、崩さず。
しかし、銅の仮面の瞳には、
皆、露涙が、光っていた。










