" 時空歩法 " の最期。
「おおきく、傾いたぞ!!」
「うゎ、あああ!!?」
「ほんとうに、ドラゴンなのか!?」
「カン爺を連れてこい!!
安全核の使い方を広めるんだ!」
「あんな骨董品に、
頼れっていうのか!?」
「このまま、あんな風に、
壁に、ブッ潰されたいのか!?
はやくしろっ!!
伝達するんだっっ!!!」
「く、そっ……!!
区画長の制服のやつを、集めろ!!
そいつは……ダメだ!!
もう、ダメなんだ……」
「第二地区に、被弾したんだ!!
火の海だぞ……!」
「ぉおぃ……、鳴き声が……!?
き、聞こえなかったか!?」
「いま、ライダーたちが、
街を守っている!!
だから、俺たちが、
代わりに、伝えないと!!」
「よ、世迷言だ……!!
あんな……、あんな!!
老いぼれ達に、
なにが出来るっていうんだ!!?」
「そんな言い方は、ないだろ!!」
「だって……」
「さすがに、無理だ……、
空を、飛んでいるんだぞ……!?」
「うわぁっっ!!
今の音は、あ、ぁあッッ!?」
「エルフの市場が、焦げまみれだ!!
ぐえぇ……!! もったいねぇっ……!!」
「おぃ、たいへんだ!!! 外……ッ!!」
「なんだ!? どうなった!?」
「第三ギ脚も、破壊された!!
もう、歩行は……無理だ……」
「バ、か、な……!?」
「助けてくれ!!
エリーが、頭を打った!!!」
「俺は、信じないぞ」
「王都の旅が……、終わ、るのか……?」
「立て!!! 立てって、……!!!」
「あきらめんな!!!」
「今、王族が、ライダーたちと協力して、
最後の魔法を使うっ……!!」
「最後の魔法って、なんだよ……!?
よせよっ……!!
そんなの、眉唾じゃあないか!!!」
「うるせぇ……!!!
おれは、見たんだよ……!!
ドラゴンって、幼体でも、
あんなに、デカぃのか……ッ……」
「どうにかッ、ならないのかっ……!?
だって、あの、魔導書は……」
「……もう、ギリギリ、だったのさ……。
みんな、知ってるだろ?」
「バカかっ……!?
今、そんな場合かよ!!!」
「もうすぐ、あの魔導書は、死ぬんだ。
この街を巻き込んで、死ぬんだよ」
「だまれ」
「見ろよ。あの光を。俺は、知ってんだ……。
あれはな、そういう、もんなんだよ。
大きすぎるから……、さいごは、
みろ、あれは、
あの火竜の、ブレスなんかじゃない」
「やめろって、
いってんだよおおおおおおおお!!!!!」
「無限のチカラなんて、
あるはずが、ないんだよ。
たぶん、今までだって……、
ずっと、そうだったんだ。
あの、あれと、おなじ、
しゅるいの、あれらは、
人の……欲望に、負けて。さいごは、
ぜんぶ、巻き込んで、死ぬんだよ」
「おい。それ以上、しゃべったら、
その前に、お前を、殺すぞ」
「本当、なの……?」
「……今は、生き残るんだ」
「あの空、なんだ……?」
「な……」
「……こわい」
「あんな、きれいなの、イヤよ」
「おぃ、そこに居たら、傾いてる、おい、
馬車が……逃げッ……、……バカめ」
「あれ、ぜってえ、マズいよな」
「ツケが、きたんだよ。
ずっと、歩かせて、きたんだ。
神さまが、お代を払えって、
せっついてんのさ」
「……、……ほんとうに、
神が、いたら、
我々に、こんな惨い、ことはしない」
「花が、咲くぞ。光の、華が。
そして、終わるんだ。
最強の魔導書の、さいご だよ」
「おまえ……」
「──見ろ、ドラゴンだ!!!」
「もう、一緒さ。どの道、この街は……、
時空に、飲み込まれて、消えるんだ」
「きれい……」
「おい」
「爆発、したぞ……!!!」
「真上から、撃たれた!!!」
「……!? 花、が……」
「消え、たぞ……」
「空が、……もど、る……」
「──ぉい!!!!!!」
「──当たったぞ!!!!!」
「──はははははははははは!!!!!
──はははははははっはは!!!!!
死ね、しね!!! 爬虫類が……!!!
羽根が生えただけの、ごみクズが……!!!
ニンゲンサマに、ケンカを売るから、
そうなるんだ……!!!」
「顔が、半分……」
「ああ、えぐれてる……!」
「まだ、飛んで、いられるのか……」
「いやな、声……」
「──うぉぁあ……っ!!!!??」
「どこか、崩れたの……っ!?」
「ぃ、いや……。今のは、
たぶん……" すわった "んだ……」
「……。もう、流れる大地は、
見れないんだな……」
「……ああ。だが、見ろよ。
火吹きトカゲが、逃げてくぜ……」
「オレたちは……助かった、のか……?」
「ひでぇ日だ……あの、
煮込んだ、鍋みたいな、
大地を、みろよ……」
「……な、ぁ、オレだって、その、
あの、魔導書のウワサは、
知ってるよ……」
「……おい。……」
「は、話させて、くれよぉ……!
ど、どうなったんだ……!?
だって、さいごは……だろ!?」
「でも、私たち、いきてる」
「あれは、あの花は、
ヤバかったよな……!?
何故、なんだ……!? だって……、
……ドラゴンが」
「……もう、よせ。生き残ってるヤツらを、
助けよう……なぁ」
「なぜ、オレたちは、助かったんだ?
──あの、ドラゴンが、さ。
実は、神の、使者……か、なんか、でさ!!」
「こいつ、殺すぞ」
「よせ……混乱してるだけだ」
「……ッ、く……、……。
神の使いは……おれの、妹を……、
殺したりなんか、しない……」
「……その通りだ」
「やっぱり、ダメなんだよ!!!
伝承の、通りじゃないか……!!!
あの、悪魔の道具に、どんな魔力だって、
籠めては、いけないんだ……!!
はは……はは……! そうさ、
"罠"、罠、なんだッ……!!!
俺は、わかったよ……!!!」
「……こいつも、目の前で、母親を、
半分、飛ばされてる……」
「……わかって、あげて。
こうなっても、おかしく、ないわ……」
「……、……。
……あぁ。悪かった……」
「……。よ、し……。
革袋を、持ってきてくれ。
使える水は、ありそうか?」
「探してくるわ」
「おれも行こう」
「……動かない、そら」
「お散歩は、おわったのさ」
「──なぁ、聞けよ!!! 俺の、
言うこと、を さぁ・・・!!!!!
な!? あの、ドラゴンが、
さぁ・・・・・!!!!!」
「っ……」
「気にするな、行こう……」
「ええ……」
「
あの……限界だった、
バカげた、魔導書を、さ……!!
破壊! してくれたんじゃあ、
ないのかっ……!?
はは・・・っ♪
だから、たすかったんだよッ・・・!!!
審議局の、言う通り、だったんだ……!!
やっぱり、俺たちは……
" 選ばれた、人間 " なんだよ……!!!
」