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おっす、おらおぉう! さーしーえー

(●´ω`●)+

おぉま、たん、たん、たぁーん♪

ぉおま、たんっ、たんたぁーん♪

(チャイム)






 ──香ばしい香りと、絶妙な空気。




 どちらも、"本の城"には、

 似つかわしくないものだ。


 しかし、運命とは、奇なる事や。


 いくつかの、有り得ない歯車が、

 今日も、組み合わさっていく。




  "黄金の義賊 クルルカン"

  "狂銀 オクセンフェルト"

  "銅の刑死者たち"


   そして、


  "王女 オルシャンティア"。




  回転は、伝わり、

  それは、共に動く、御伽噺システムとなる。

 





 ──それは、つまり、


   であった。







 ──今日も、動力の伝達が、はじまる。













      ── 原作 ──



     「 はぐるまどらいぶ。 」











 







挿絵(By みてみん)


( まさか・・・ )





 キュイーヴル・クレフティス。

 かつて、すべての世界を、(うら)んだ(モノ)


 今は──。

 (けい)(けん)なる、

 (どう)(あお)(ヨロイ)に、身を(つつ)み。




 神々の従者の ひとり。

" 銅の刑死者(ブロンズ・ワークス) " コード・ネィム:" EVE "。


 彼女も、また。

 その状況を、正しく、

 あく、し始めている────。





( まさか、お嬢様方は──……  )








挿絵(By みてみん)


「 お、美味しすぎませんか・・・っっ!?///////// 」



 差し出されたを、

 美味しそうに、(ほお)()る、王女殿下。

 どこまでも、純粋。

 粗野にして、美味。


 やんごとなき身分であるからこそ、

 手が届き(がた)い、至高の料理。


 その表情は────、真に、感激である。




 ── その、(かたわ)らで。








(( あばばばっばびゃびゃばばばばばぶぁ・・・・・っっ ))



 ・・・あっきらかに、

 動揺を隠せていないのは、

 それらを、提供した者たち である。


 もちろんイヴも、

 彼女たちの戦闘力を、

 存分に、理解している。



 ──神々と共に、歩む者。


 幼い乙女の身体のナカで、

 パズルのように噛み合わさった、

 多彩な能力たち。


 だが、その力に、

 (おぼ)れ過ぎるることの無い、

 少女の心。


 並みはずれた、芸術のような、

 黄金と、白銀。


 光線波と共に、怪異を焼き払い。

 灼熱の弾丸で、悪夢を討ち払い。

 零度の刃で、邪魔者を()(はら)う。


 それすなわち、真理である。


 それが、いまは、どうだ──……。






挿絵(By みてみん)


(( ごびゃばばばばばぶばばばばばばなな・・・!! ))




 毎夜、毎夜、たがいを愛でじゅうりんし合う、

 かの、()(しょう)と、(きょう)()は、消え・・・。


 プニプニになった、ふたつの、

 バールモンキーっ(ツラ)からは、

 滝のような(ぶん)泌物が、

 仮面と神秘の(ヨロイ)の内側を、

 濡らす、ばかりである──。


 両手は、すっかり、おヒザ

 高級なソファは、微振動を繰り返す。

 あのツインテールは、

 重力を、無視している。

 だめだ、こりゃ。。。

 




 この状況から、察するに……。


 つまり、アンティ・クルルと、

     マイスナ・オクセンは ──……、、、








---------------------------------------


  つまり、どーいぅことよ? ▼


    繊細な お年頃であるが故

  ▼ 王女サマの顔 知らなかったんじゃね?

    お花摘み ガマンしとんねん

    禁欲症状でしょう いつもの事よ!

    いっぱつ なぐってみる


---------------------------------------

    



(  知らな・・・・・

   かった、、、の、か──……!?  )



 Aランク暗殺者(アサシン)の、

 (すい)なる、現状把握能力たるや──。


 そのあきれは、

 たいおんと、ちゅうせいには、

 かなわぬ のだろう──。




( 全員……そろってしまった。

  まずかったか……、、、ぃゃ…… )




 " 王女、(たん)(しん)(らい)(ほう) "。


 という、この、" 異常事態 " である。




 " 銅の刑死者(ブロンズ・ワークス) "は、

 イヴ含め、6体、すべてが、

 すでに、この室内に、集結している。


 従者(メイド)(ごと)く、

 前の右手に、左手を(かさ)ね。


 直立しながら、(となり)()る、

 メーチに、目線を送る、イヴ。


 同じ仮面の下の、銅の瞳。


 " ・・・おそらく、そうなのだろう "、という意味で、

 メーチは、イヴに、()(くば)せした。





( ・・・た、誕生日を(いわ)う、

  相手の顔を、は、、、、、

  ()(あく)、していなかった、、、と!? )





 こいつら、

 なにを、やっとんのじゃ・・・・・!!



 という気持ちを、忠誠心で、

 何とか抑える、六人の暗殺者である。




(( あばばばばぶぁぶぁぶぁぶぁ……!?! ))




 ふたりの、絵本の ご主人様から、

 いつもの、夜のベッド・レベルの、

 滝汗が、流れ続けている。


 ふつうなら、

 脱水症状に見舞われるぐらいのモノだ。


 これは・・・まずい。







「──これ、ホントに、

 美味しいですっ!!!//////

 お城のシェフに、レシピを、

 教えて欲しい、くらいですっ……♪///

 ふっはぁぁ〜〜……っ♪♪///////」



「「  、    、 ……   」」





 先ほどから、アンティとマイスナは、

 ガチガチの、ガチである。


 王女の反応に、まったく、

 対応できていない。


 今は、あまりの美味しさに、

 絵本の敵味方の " フリーズ " を、

 気にも、止めていない、

 オルシャンティア だが。


 このままでは、不審がられるのは、

 時間の問題である。




( ええぃ……! 純粋な子供らしさが、

  悪い、方向に……!!

  有事ゆうじの時は、あれほど、

  頼もしいと、いうのに……! )




 ──イヴは、銅の仮面の下に、

 よく分からない、姉のような心を、

 宿やどして──。


 姿は、とうに六人、

 王女の前に、さらしているが──。


 " ばっちゃん焼き飯 "とやらの、

 美味しさを、信じ────。




( ・・・イヴ!

  どうするつもり・・・!? )




 同じく、直立する、

 心配そうな、メーチの目線を、

 びつつ──・・・!





( ・・・よっ、と──……! )




 ──────っ、、、、!



 音も、なく!

 気配を、恐ろしく、殺し──。

 イヴは、プニプニ顔の、

 ふたりの、アホっツラあるじすわる、

 フカフカのソファのそばに、

 煙のように移動することに、成功した!



( よ、よう、やる…… )

( ひ、ひえぇ……視認されている相手の前で、

  気配を消して、スライド移動したぁ…… )

( ありえんスキルアップだな……、

  私も、鍛え直さないと )

( 一瞬、輪郭が、歪んだぞ…… )

( あとで、プチお祝い会だな…… )




 銅の姉妹たちが、

 イヴのせた、トンデモ☆歩行術に、

 様々なしょうさんを、心の中でおくる。


 開花した才能と努力は、

 何処で役に立つか、わかんないモンだ。


 イヴは、あくまで、

 メイドの、待機ポーズを、

 、しながら。


 プルってる、アンティと、マイスナに、


 ──ギリギリ、オルシャンティア殿でんに、

 聞こえないくらいの、小声で、


 ささやかな、アドバイスを、

 するしか、ないのだ。




( ・・・知ってた、てい、で )


(( ・・・ッッッ!? ))






 こっち、向くなって。


 小声の意味、なくなるでしょうが。


 前向け。前……。


 アゴの小さな動きで、


 プニプニ共を、可動させる。






( ……最初っから、"知ってた"、()()、で、

  乗り切るしか、ありません )


( ・・・・・っえ"え"ッッ……!? )

( ・・ム"リム"リムリムリムリ……!! )




 アンティとマイスナも、

 ギリギリの、小声を発する。


 ……なにを、ビビって、

 いらっしゃるのか。



 この二人の能力は、

 余裕で、国、ひとつを、

 おどし、交渉できるほどの、

 ものである。


 この城より巨大な化け物を、

 キックひとつでせんめつできる者たちが、

 なにを……恐れる事があるのか。


 小さな、銅色の ため息は、

 ガクブルの、黄金と白銀に、

 "あきれ"の心情を、伝えたようだった。




( きょ、きょ、きょちとらっ、

  はしっこの町の、食堂娘、

  なんだじょ〜〜〜〜っ!?!?!?/// )


( し、指名手配中だって、バレたら、、、

  アンティと、いっしょに、

  いられなく、なっちゃう・・・!/// )




( はぁ・・・ )





 んなもん、邪魔するもの、

 すべて、吹っ飛ばして。

 無理やり、一緒に居続けたら、

 いーだろーが、と、

 思わないでも無い、

 キュイーヴル で あるが。





( ……まぁ、そんな事を、すぐ、

  考えるような方で、あったら……。

  私たちは、ここには、居ないのか…… )




 困った冷や汗を、己も、かきつつ。

 見捨てる事は無い、幼き主人たちを、

 銅の下僕たる、我が身にしたがい、

 イヴは、助言を続ける。





( ……さいわいな事に、

  オルシャンティア王女殿下は、

  お嬢様方から、直接、

  誕生日プレゼントをもらったと、

  思い込んでくれております。

  まぁ……実質、その通りなのですが )


( ……!? そ、それは……? )

( なにが、さい、わい……!? )




 ……だから、こっち、向くなって。




( 王族に、ちょくで、

  プレゼント 渡すなんて行為は、

  本来なら、非常識、きわまりますが……。

  お嬢様方は、どうやら、

  たいへん、信用されていらっしゃいます。

  この、護衛なしの来訪を含め、

  好印象を持たれているのは、

  間違いないでしょう )


( は、はにゃ……!?/// )

( だ、だから……!?/// )


( だから、きらわれてないって、

  コトですって、言ってるでしょう!

  必要以上に、ビビるなって、

  ことです! 国のトップの娘に、

  かれているって、大きいですよ! )




 あ、震えだした。

 ……"国のトップの娘"という表現が、

 まずかったのかも、しれない。


 あきれ顔のキュイーヴルは、

 しかし、緊張感も持って。

 忠言を、発し続ける。




( 今は……さっさと、この城から、

  出てしまう事が、最善です!

  しかし……王女に、

  食事をっておいて、

  いきなり消えるわけにも、

  まいりません……! )



( ぉ、ぉ、王女サマが、

  私らの、料理、食ってる……!?///

  あばぶぁぶぁぶぁぶぁ……!! )


( と、途中から、アンティに、

  教えられた通りに、やったけど、

  だ、だいじょ、うぶ、かなぁぁ……/// )

 


( だから、落ち着きなさいって……!

  いいですか、不審がられず、

  城から出れるタイミングを、

  探すのです……!! ちょ、

  その顔を、やめなさい……!!

  どーなってんですか、

  その、ほっぺ・・・!!!

  今度、つつかせてくださいね……!? )


( な、なんでやねん…… )

( かね、はらえや…… )




 少し、かいえた、

 従者の欲望に、わずかに、

 冷静さを取り戻す、

 アンティと、マイスナである。




( こ、コホン……失礼……///////。

  ま、まぁ、見てください。

  王女殿下の、幸せそうな、お顔を。

  完全に、あの米料理に、

  心をうばわれております。

  流石です )




「 うぅう〜〜〜っん♪♪/////////

  しあわせですぅぅうう〜〜っ☆☆☆/// 」




( あやしまれなければ、

  ぜったいに、チャンスは、

  あります……だから。


  " てへっ☆ 実は、

   今の、今まで、

   アンタが 王女サマ だって、

   知らなかったんだぁ〜〜☆

   (ノ≧ڡ≦)テヘペロ "


  ってコトを、命懸けで、

  隠せっつってるんですよ……! )



( ひ、ひいぃぃぃい〜〜……っ!!/// )

( でもっ、でもっ、おうぞく、だから!? )



( よく見てください……!!

  たかが、10歳の、女です……!

  いつも、街で、大量にのぼられてる、

  ガキンチョたちと、

  なぁにが、変わりますか……!! )




 必死に、主君たちを、

 する、銅のメイド。


 少しだけ、あるじの口の悪さが、

 うつっている……。


 はたまた、それは、元々の、

 育ちの、かてか──……。





( この様な、幼き姫が、

  くだんのランク関係、

  はたまた、"聖女"の称号のことを、

  知っているとは……思えません )


( ……っ! …… )

( それ、は…… )


( とにかく、" 話して " 。

  お嬢様方は、格好だけは、

  かなり、不審者寄りです……!

  挙動不審な所が出れば、

  たちまち、目立ってしまいますよ……! )


( ……し! 失礼な、やっちゃな…… )

( あとで、お仕置きです…… )




 相変わらず、冷や汗は、止まんねぇが。

 幾分か、腹がキマってきた、

 アンティと、マイスナである。


 今……大切なのは、


 逃げるまでの……"会話"である。


 共通の目的は、正しく、コウチクされる──。






「 ……え、えへへ、ぉ、美味し、ぃ……?/// 」

「 すっ……、すっごく、おいしそうに、

  たべるね……?/// 」



 まだ、回らない頭で、

 しゃべりはじめる、アンマイ。




「……!!/// はいっっ!!//////

 これ、すっごいです!!!

 ひと皿だけで、こんなに、

 満足できる、お料理が、

 あるんですね……!!!//////」




 エメラルド・グリーンの魔石が光る、

 王女のスプーンには、

 キティラ食堂名物の、

 ばっちゃん焼き飯の、光る具材がかがやき。


 のこる、ナイフとフォークのきらめきは、

 オルシャンティアの、心と、

 呼応するように、彼女の周囲を、

 キラキラと、浮遊している。


 今まで、あまりにも、だった、

 アンティと、マイスナにも。


 彼女に……プレゼントした、

 この、三つの思い入れのあるアイテムが、

 確実に──"彼女専用"と、なった事が、

 よく、実感できる、光景だった。



( シャンティちゃんが、

  この国の、第一王女……。 )

( 次期、国の、いちばん、

  えらい人に、なるヒト……。 )




 ずいぶんと、ほっぺのプニプニは、

 おさまったが。


 まだ、アンマイ姿勢は、

 座ったまま、まだまだ、

 シャチホコっている。


 だが──会話は、続けねば、ならない。


 他に、話が広がりそうな、

 話題と、いえば────……。







---------------------------------


  王女さまと なに話そ♪▼


   おばあちゃま 元気?

   この国の 情勢は?

 ▼ おっと 用事を思い出したわッ!!

   お前は まだ 真の料理を知らない

   私の名前は アンティ・キティラです


---------------------------------







( ちょ、バカ、お嬢様がたっ!?

  無理やり逃げようと するのは、

  止めてくださいねっ!?

  バカですかっ……!?

  もうっ!! ぜったい、

  不審がられますよっ……!? )


( ……ちくせぅ )

( チッ……/// )






---------------------------------


  王女さまと なに話そ♪▼


 ▼ おばあちゃま 元気?

   この国の 情勢は?

   おっと 用事を思い出したわッ!!

   お前は まだ 真の料理を知らない

   私の名前は アンティ・キティラです


---------------------------------





「 ぉ……おばあちゃまは、元気? 」

「 ……ぇ、えへへ…… 」



「 ……!! ……その件は、

  本当に、有難うございました 」




 オルシャンティアは、神秘のスプーンを、

 焼き飯の皿の上に置き、

 表情を、深いものに した。





「思えば……あれは、

 私が、初めてそうぐうした、

 命の、危機でも、ございました。

 本来ならば……王族として、

 正しい、謝礼を以て、

 おこたえしなければ、と、

 実は……あのパーティの後、

 反省していたのです」



「……! ぃ、いやいやっ……!?

 そっ、そゅこと、じゃ、なくって……!?」


「ぁ、アンティに、聞いた、けど……!!

 馬車で、たいへん、だった、

 ってね……!?」



「はい……。ヒキハさんと、

 護衛2名……体調を崩された、

 おばあ様に……あの、襲撃。

 今、思うと……恐ろしいです」



「そ! そうだったわね……。

 つーか、ヒキ姉……ムッかぁ……。

 知ってたんなら、

 教えろってンだぁぁぁ……!!」


「 ぁ、あはは……! で、

  おばあちゃま、

  元気、なんだよ、ねっ!? 」



「──! ええ!!///

 それは、とても……!!

 エルミナイシア おばあ様は、

 きびしく、優しい お方なのですが……!

 あの、一件からは、なぜか、

 とても、なんというか……、

 私に、心をこめて、接して、

 くださるんです……!!!」


「そ、そう……! ょ、よかったわ……♪」

「私も、いっしょに居れたら、

 よかったなぁー……っ!」




 少し、大人びた表情で、

 凛々しく、対応する、

 オルシャンティア。


 ただ、その、はなやぐ表情は、

 まるで、朝に光るくさつゆのようであり、

 あたたかな、印象を、

 見ている者に あたえる──。

 



「 ふふふっ……♪ あの、夜明けに見た、

  アンティさんの、ヨロイの、

  朝日にかがやく姿は、

  今でも、忘れません……っ♪ 」


「 へっ……!? ぁ、あはは……////// 」

「 あぁ、朝、キラキラだもんね……! 」


「ぁ……せっかくの、お料理が、

 さめちゃいます……!!

 食べちゃいますね……!! もぐもぐ♪

 うんっ♪ 本当に、美味しい……♪♪///」




 再び、美味しそうに、

 器に がっつき始める、

 オルシャンティア王女殿下。


( ぉ、おし……食べきれ……!

  そんで、は、はやく、

  普段の居場所に、

  戻ってくりぇえ〜〜……っ! )

( お皿、返してもらったら、

  ば、バイバイして……、

  部屋から、 逃げよ……! )



「もぐもぐ♪ んぐんぐっ♪」



 アンマイの心のウチは知らず──。

 新しい食文化の発見に、

 心底、嬉しそうな、

 オルシャンティアである。





( ……ふぅ、これなら、

  何とか、なりそうですね…… )




 三人の様子を見て、

 少し、安堵する、

 六人の、銅の従者である。


 緊張は、見て取れるが、

 ずいぶん、冷静さは、

 取り戻している、

 アンティと、マイスナである。


 ……まぁ、ヨロイの内側は、

 ビッチョリで、あるだろうが。




( だいたい、なぜ、

  次期、女王となる御身が、

  単身で……やれやれ )




 元々は、この城の財源を狙っていた、

 キュイーヴル含む、"銅の刑死者"である。


 土地を、末の妹を呪われ、

 その、治療費や、顛末を呪っていた、

 六人の姉たちに とって、

 この城は、

 " 何も してくれない金ヅル " に、

 他、なかった。


 今でこそ、八つ当たりに過ぎなかった、と、

 思える、六姉妹であるが。


 ユービィが、みにくい肉塊であった時は、

 呪い、殺し、金銭を奪おうと、

 本気で考えてしまっていた、相手である。


 キュイーヴル自身も、

 片目が潰れていた時には、

 何度も、王女のゆうかいと、

 身代金の要求を、計画・立案していた身である。



 そんなモノたちの前に、

 単身で、王女がおとずれ、

 笑顔を、振りまこうとは・・・。




「──あの、後ろの、

 六人の従者さま方は、

 アンティさんと、マイスナさん、

 専属の、従者さんですよねっ……♪

 すごい、ヨロイとか、おそろいで、

 カッコイイです……っ!!♪///」


(((((( ぺ・・・ぺこり……/// ))))))




 何とも、罪悪感と、

 妙な、居心地の悪さを感じる、

 空間である。




「 は、ははは……ぃ、いーでしょ……? 」

「 なんでか、こーなっちゃって……はは 」




 取りつくろう、

 黄金と白銀の、作り笑いは、

 なんとも、たどたどしい。





( やれやれ……。ここまで、

  けっこう、悪いこと、

  してきました、からね……。

  これから……多少は、

  返して、いかねば──…… )




 ふぅ、と……少し、上のほうを見て。

 小さな、ため息をする、

 キュイーヴルである。


 もちろん、アンティとマイスナが、

 いつだって、最優先事項だが。


 善意こそ、善意を以て。

 取り扱うべき宝だと。


 今は──そう思える。

 銅の、六人である。




( ……ドニオスにいる、

  ユービィは、元気でしょうか…… )




 今の彼女たちには。

 笑顔の、七人目の、

 末の妹の表情が、


 やすやすと、想像できるのだから。






 元・暗殺者と。

 元・食堂娘と。

 元・手配犯と。


 王女がいる、空間。




 ……いや、"元"でも、

 なんでも、ないのだが。




 まぁ、時間の、問題だろう。

 誰もが、そう、思っている。




「あぁ……もう、

 なくなって、しまいます……!!

 でも、これくらいの量が、

 いちばん、美味しいと、

 思えるのかも、しれませんね・・・!///」


「ぉ……おそまつ、さま♪」

「ま、また……いつか、ね♪」


「ご馳走、さまでした……!!!

 めっっちゃくちゃ、

 美味しかったです……!!!!!///

 お世辞じゃ、ありませんよ……!?

 これは、王族のパーティでも、

 通用しますっ・・・!!!!!」




 ははは、と、湿しめった笑いを隠し、

 やっと、動き出せる、アンマイである。




「ぁ……マイスナ。

 ダ……フライパンの、中に、

 けっこー、焼き飯、残ってるわね……」


「あっ……ちょっと、作り過ぎたね……?

 ぇ、と、どうしよ……。こっそり、

 物陰で、カクノウして……?」



「ぁ、あの、お皿、

 ここに置いておいたら、

 よろしいでしょうか?」




 銅のメイドの一人が、

 心からの笑顔で、

 王女より、皿を、受け取る。




「ぁ、ありがとう、ございます……!

 えっと……ずいぶん、

 長居を、してしまいましたか!?」


「あはは……まぁ、仕事は、

 終わってるから、だいじょぶよ」

「あとは、ほとぼりを見て、

 帰るだけだか、ら……」


「そうですかぁ〜〜、残念です。

 また、王都に遊びに来て、

 くださいね!!」


「きっ、きき、きっ、

 ……機会が、あれば……?」

「あっ、あはっは……!

 また、来るね……」


「──はいっ♪///」









 過ぎれば、なんとも、

 平和な空間であろう。



 王女が、食事を、振る舞われた。

 それだけだ。



 私たちは、その、お話に、

 心を、あたためられるだろう。



 だって、ここには、

 不思議な──優しさが、

 いつものように、


 こめられて、いるのだから。









 だが。



 だが、もし。






 忘れている。






 これが、真に。







 ──"物語"、なのだと、したら。










 読み終えた、








 次の、









 こうには────、










 必ずや────── -- -- -


















 ─────新しいページが、あるのだから。
















 ──ガチャ・・・!





 と、音がした。







 ドアは、ゆうに、ひらかれる。











挿絵(By みてみん)



「 ──ほぉう・・!!

  そうな、においが するのは、

  ここで、あったか ── 」










「 「    -、    」 」











( ・・・ありえんぞ )








 これには、キュイーヴルも、


 笑顔のまま、固まり、


 仮面の下で、思った。








「 あ! お父様っ!!/// 」


「ははは、シャンティよ。

 ここで、べておったか」








 主人に、願おう。


 ただ────吐くな、と。








「ほぉう……これは、い、かおりだ。

 しょくよくを、そそられるな」





 ドスン、ドスンと、


 大きな、赤毛の、大男は、


 本の城たる、この部屋の、


 中央へと、入室する。






 なんとか、



 なんとか、だ。




 アンティと、




 マイスナは、





 立ち上がっていた。






 ギリギリの、反応だった。








「ふむ……。やはり、そうか」








 金と、銀を。



 あかおのまなしが、


 ゆたかに、おおきく、とらえる────。









「──たびけんは、いている。

 ふふ……くにのために、

 いてくれたこと

 かんしゃする」



「「   ぃ、、  ぇ、……   」」




「ぅーむ。めいわくついでに、

 もうひとつ、たのみたい。

 今日きょうは、よるは いらぬ、と、

 じぃに、ってしまったのだが──」






 けったいな、予感がする。






「このはいってから、

 どうも、はら調ちょうい。

 シャンティと、おなもので、かまわぬ。

 われにも……ふるっては、

 もらえぬだろうか?」



「「 ・・・、・・・ 」」



「──!! お父様っ!!

 それは、たいへんステキな、

 お考えですっ♪♪♪//////

 アンティさんたちの お料理は、

 それは、もうっ!

 美味しいんですよ!!!//////」


「ははは。わかった、わかった。

 ほぉう……。殿でんたちの、じゅうぞくか。

 殿でんたちとおなじく、

 りゅうれいだな── 」





 どうヨロイのまま。


 六人の暗殺者が、立礼する。



 すんません。


 昔、アンタに、


 身代金を、要求するつもり、


 だったんですが。。。






 赤い髪の大男は、


 中央のソファに、ズシリと、座る。





「いきなり、すまぬな。

 せんだってのパーティでの、

 ヨゲンナのこうについても、

 あやまりたい。

 ……。それについて、

 きたいことも あるのだが……」





 もはや、アンマイは、

 プニプニほっぺにすら、なりはしない。


 よく見ると……ただ、ただ、

 はんきである。






「──それは、いまは、い。

 アンティ・クルル。マイスナ・オクセンよ。

 しょくあとで、

 すこし、かんしい」







 これで、逃げられなくなった。









はなしたい、ことがある」



「「 ・・・・・ひ ゃ、ぃ・・ 」」









 こうして、アンティと、マイスナは。



 バルドアックス国王陛下に、



 焼き飯を、見舞うことと、なったのである。











おっす、王!!!!!(*`・v・)ゞビシィ!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 金銀コンビのほっぺスクイーズかわいすぎ [一言] いつも面白いよカバさん
2023/07/31 21:08 古池に飛び込んだ松尾芭蕉
[良い点] げっ歯類(風)が、多い挿し絵 ※バールモンキーより、デブ助寄りにに見えるんだ…orz [一言] まさか、あんな肉体派な国王だったとは… もう少し歳上で、シブイ系統だと思ってましたw って、…
[良い点] 水着イラストがとてもとても良いです デザインがかなり刺激的なのにエロよりも健康的な印象を与える絶妙なバランスですね [一言] 王様もLINEグループにいれて味方にしてしまおう あと接点ない…
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