おっす、おらおぉう! さーしーえー
(●´ω`●)+
おぉま、たん、たん、たぁーん♪
ぉおま、たんっ、たんたぁーん♪
(チャイム)
──香ばしい香りと、絶妙な空気。
どちらも、"本の城"には、
似つかわしくないものだ。
しかし、運命とは、奇なる事や。
いくつかの、有り得ない歯車が、
今日も、組み合わさっていく。
"黄金の義賊 クルルカン"
"狂銀 オクセンフェルト"
"銅の刑死者たち"
そして、
"王女 オルシャンティア"。
回転は、伝わり、
それは、共に動く、御伽噺となる。
──それは、つまり、
回 転 駆 動 であった。
──今日も、動力の伝達が、はじまる。
── 原作 ──
「 はぐるまどらいぶ。 」
( まさか・・・ )
キュイーヴル・クレフティス。
かつて、すべての世界を、恨んだ者。
今は──。
敬虔なる、
銅と青の鎧に、身を包み。
神々の従者の ひとり。
" 銅の刑死者 " コード・ネィム:" EVE "。
彼女も、また。
その状況を、正しく、
把握、し始めている────。
( まさか、お嬢様方は──…… )
「 お、美味しすぎませんか・・・っっ!?///////// 」
差し出された焼飯を、
美味しそうに、頬張る、王女殿下。
どこまでも、純粋。
粗野にして、美味。
やんごとなき身分であるからこそ、
手が届き難い、至高の料理。
その表情は────、真に、感激である。
── その、傍らで。
(( あばばばっばびゃびゃばばばばばぶぁ・・・・・っっ ))
・・・あっきらかに、
動揺を隠せていないのは、
それらを、提供した者たち である。
もちろんイヴも、
彼女たちの戦闘力を、
存分に、理解している。
──神々と共に、歩む者。
幼い乙女の身体の中で、
パズルのように噛み合わさった、
多彩な能力たち。
だが、その力に、
溺れ過ぎるることの無い、
少女の心。
並みはずれた、芸術のような、
黄金と、白銀。
光線波と共に、怪異を焼き払い。
灼熱の弾丸で、悪夢を討ち払い。
零度の刃で、邪魔者を薙ぎ払う。
それ即ち、真理である。
それが、いまは、どうだ──……。
(( ごびゃばばばばばぶばばばばばばなな・・・!! ))
毎夜、毎夜、互いを愛で蹂躙し合う、
かの、微笑と、狂喜は、消え・・・。
プニプニになった、ふたつの、
バールモンキーっ面からは、
滝のような分泌物が、
仮面と神秘の鎧の内側を、
濡らす、ばかりである──。
両手は、すっかり、お膝。
高級なソファは、微振動を繰り返す。
あのツインテールは、
重力を、無視している。
だめだ、こりゃ。。。
この状況から、察するに……。
つまり、アンティ・クルルと、
マイスナ・オクセンは ──……、、、
---------------------------------------
つまり、どーいぅことよ? ▼
繊細な お年頃であるが故
▼ 王女サマの顔 知らなかったんじゃね?
お花摘み ガマンしとんねん
禁欲症状でしょう いつもの事よ!
いっぱつ なぐってみる
---------------------------------------
( 知らな・・・・・
かった、、、の、か──……!? )
Aランク暗殺者の、
粋なる、現状把握能力たるや──。
その呆れは、
大恩と、忠誠には、
敵わぬ のだろう──。
( 全員……揃ってしまった。
まずかったか……、、、ぃゃ…… )
" 王女、単身 の来訪 "。
という、この、" 異常事態 " である。
" 銅の刑死者 "は、
イヴ含め、6体、すべてが、
すでに、この室内に、集結している。
従者の如く、
前の右手に、左手を重ね。
直立しながら、隣に居る、
メーチに、目線を送る、イヴ。
同じ仮面の下の、銅の瞳。
" ・・・おそらく、そうなのだろう "、という意味で、
メーチは、イヴに、目配せした。
( ・・・た、誕生日を祝う、
相手の顔を、は、、、、、
把握、していなかった、、、と!? )
こいつら、
なにを、やっとんのじゃ・・・・・!!
という気持ちを、忠誠心で、
何とか抑える、六人の暗殺者である。
(( あばばばばぶぁぶぁぶぁぶぁ……!?! ))
ふたりの、絵本の ご主人様から、
いつもの、夜のベッド・レベルの、
滝汗が、流れ続けている。
ふつうなら、
脱水症状に見舞われるぐらいのモノだ。
これは・・・まずい。
「──これ、ホントに、
美味しいですっ!!!//////
お城のシェフに、レシピを、
教えて欲しい、くらいですっ……♪///
ふっはぁぁ〜〜……っ♪♪///////」
「「 、 、 …… 」」
先ほどから、アンティとマイスナは、
ガチガチの、ガチである。
王女の反応に、まったく、
対応できていない。
今は、あまりの美味しさに、
絵本の敵味方の " フリーズ " を、
気にも、止めていない、
オルシャンティア だが。
このままでは、不審がられるのは、
時間の問題である。
( ええぃ……! 純粋な子供らしさが、
悪い、方向に……!!
有事の時は、あれほど、
頼もしいと、いうのに……! )
──イヴは、銅の仮面の下に、
よく分からない、姉のような心を、
宿して──。
姿は、とうに六人、
王女の前に、晒しているが──。
" ばっちゃん焼き飯 "とやらの、
美味しさを、信じ────。
( ・・・イヴ!
どうするつもり・・・!? )
同じく、直立する、
心配そうな、メーチの目線を、
浴びつつ──・・・!
( ・・・よっ、と──……! )
──────っ、、、、!
音も、なく!
気配を、恐ろしく、殺し──。
イヴは、プニプニ顔の、
ふたりの、アホっ面の主の座る、
フカフカのソファの傍に、
煙のように移動することに、成功した!
( よ、よう、やる…… )
( ひ、ひえぇ……視認されている相手の前で、
気配を消して、スライド移動したぁ…… )
( ありえんスキルアップだな……、
私も、鍛え直さないと )
( 一瞬、輪郭が、歪んだぞ…… )
( あとで、プチお祝い会だな…… )
銅の姉妹たちが、
イヴの魅せた、トンデモ☆歩行術に、
様々な称賛を、心の中で贈る。
開花した才能と努力は、
何処で役に立つか、わかんないモンだ。
イヴは、あくまで、
メイドの、待機ポーズを、
維持、しながら。
プルってる、アンティと、マイスナに、
──ギリギリ、オルシャンティア殿下に、
聞こえないくらいの、小声で、
ささやかな、アドバイスを、
するしか、ないのだ。
( ・・・知ってた、てい、で )
(( ・・・ッッッ!? ))
こっち、向くなって。
小声の意味、なくなるでしょうが。
前向け。前……。
アゴの小さな動きで、
プニプニ共を、可動させる。
( ……最初っから、"知ってた"、てい、で、
乗り切るしか、ありません )
( ・・・・・っえ"え"ッッ……!? )
( ・・ム"リム"リムリムリムリ……!! )
アンティとマイスナも、
ギリギリの、小声を発する。
……なにを、ビビって、
いらっしゃるのか。
この二人の能力は、
余裕で、国、ひとつを、
おどし、交渉できる程の、
ものである。
この城より巨大な化け物を、
キックひとつで殲滅できる者たちが、
なにを……恐れる事があるのか。
小さな、銅色の ため息は、
ガクブルの、黄金と白銀に、
"呆れ"の心情を、伝えたようだった。
( きょ、きょ、きょちとらっ、
はしっこの町の、食堂娘、
なんだじょ〜〜〜〜っ!?!?!?/// )
( し、指名手配中だって、バレたら、、、
アンティと、いっしょに、
いられなく、なっちゃう・・・!/// )
( はぁ・・・ )
んなもん、邪魔するもの、
すべて、吹っ飛ばして。
無理やり、一緒に居続けたら、
いーだろーが、と、
思わないでも無い、
キュイーヴル で あるが。
( ……まぁ、そんな事を、すぐ、
考えるような方で、あったら……。
私たちは、ここには、居ないのか…… )
困った冷や汗を、己も、かきつつ。
見捨てる事は無い、幼き主人たちを、
銅の下僕たる、我が身に従い、
イヴは、助言を続ける。
( ……幸いな事に、
オルシャンティア王女殿下は、
お嬢様方から、直接、
誕生日プレゼントを貰ったと、
思い込んでくれております。
まぁ……実質、その通りなのですが )
( ……!? そ、それは……? )
( なにが、さい、わい……!? )
……だから、こっち、向くなって。
( 王族に、直で、
プレゼント 渡すなんて行為は、
本来なら、非常識、極まりますが……。
お嬢様方は、どうやら、
たいへん、信用されていらっしゃいます。
この、護衛なしの来訪を含め、
好印象を持たれているのは、
間違いないでしょう )
( は、はにゃ……!?/// )
( だ、だから……!?/// )
( だから、嫌われてないって、
コトですって、言ってるでしょう!
必要以上に、ビビるなって、
ことです! 国のトップの娘に、
好かれているって、大きいですよ! )
あ、震えだした。
……"国のトップの娘"という表現が、
まずかったのかも、しれない。
呆れ顔のキュイーヴルは、
しかし、緊張感も持って。
忠言を、発し続ける。
( 今は……さっさと、この城から、
出てしまう事が、最善です!
しかし……王女に、
食事を振る舞っておいて、
いきなり消える訳にも、
参りません……! )
( ぉ、ぉ、王女サマが、
私らの、料理、食ってる……!?///
あばぶぁぶぁぶぁぶぁ……!! )
( と、途中から、アンティに、
教えられた通りに、やったけど、
だ、だいじょ、うぶ、かなぁぁ……/// )
( だから、落ち着きなさいって……!
いいですか、不審がられず、
城から出れるタイミングを、
探すのです……!! ちょ、
その顔を、やめなさい……!!
どーなってんですか、
その、ほっぺ・・・!!!
今度、つつかせてくださいね……!? )
( な、なんでやねん…… )
( かね、はらえや…… )
少し、垣間見えた、
従者の欲望に、わずかに、
冷静さを取り戻す、
アンティと、マイスナである。
( こ、コホン……失礼……///////。
ま、まぁ、見てください。
王女殿下の、幸せそうな、お顔を。
完全に、あの米料理に、
心を奪われております。
流石です )
「 うぅう〜〜〜っん♪♪/////////
しあわせですぅぅうう〜〜っ☆☆☆/// 」
( あやしまれなければ、
ぜったいに、チャンスは、
あります……だから。
" てへっ☆ 実は、
今の、今まで、
アンタが 王女サマ だって、
知らなかったんだぁ〜〜☆
(ノ≧ڡ≦)テヘペロ "
ってコトを、命懸けで、
隠せっつってるんですよ……! )
( ひ、ひいぃぃぃい〜〜……っ!!/// )
( でもっ、でもっ、おうぞく、だから!? )
( よく見てください……!!
たかが、10歳の、女です……!
いつも、街で、大量に登られてる、
ガキンチョたちと、
なぁにが、変わりますか……!! )
必死に、主君たちを、
鼓舞する、銅のメイド。
少しだけ、主の口の悪さが、
うつっている……。
はたまた、それは、元々の、
育ちの、糧か──……。
( この様な、幼き姫が、
件のランク関係、
はたまた、"聖女"の称号のことを、
知っているとは……思えません )
( ……っ! …… )
( それ、は…… )
( とにかく、" 話して " 。
お嬢様方は、格好だけは、
かなり、不審者寄りです……!
挙動不審な所が出れば、
たちまち、目立ってしまいますよ……! )
( ……し! 失礼な、やっちゃな…… )
( あとで、お仕置きです…… )
相変わらず、冷や汗は、止まんねぇが。
幾分か、腹がキマってきた、
アンティと、マイスナである。
今……大切なのは、
逃げるまでの……"会話"である。
共通の目的は、正しく、構築される──。
「 ……え、えへへ、ぉ、美味し、ぃ……?/// 」
「 すっ……、すっごく、おいしそうに、
たべるね……?/// 」
まだ、回らない頭で、
しゃべりはじめる、アンマイ。
「……!!/// はいっっ!!//////
これ、すっごいです!!!
ひと皿だけで、こんなに、
満足できる、お料理が、
あるんですね……!!!//////」
エメラルド・グリーンの魔石が光る、
王女のスプーンには、
キティラ食堂名物の、
ばっちゃん焼き飯の、光る具材が輝き。
のこる、ナイフとフォークの煌めきは、
オルシャンティアの、心と、
呼応するように、彼女の周囲を、
キラキラと、浮遊している。
今まで、あまりにも、だった、
アンティと、マイスナにも。
彼女に……プレゼントした、
この、三つの思い入れのあるアイテムが、
確実に──"彼女専用"と、なった事が、
よく、実感できる、光景だった。
( シャンティちゃんが、
この国の、第一王女……。 )
( 次期、国の、いちばん、
えらい人に、なるヒト……。 )
ずいぶんと、ほっぺのプニプニは、
おさまったが。
まだ、アンマイ姿勢は、
座ったまま、まだまだ、
シャチホコ張っている。
だが──会話は、続けねば、ならない。
他に、話が広がりそうな、
話題と、いえば────……。
---------------------------------
王女さまと なに話そ♪▼
おばあちゃま 元気?
この国の 情勢は?
▼ おっと 用事を思い出したわッ!!
お前は まだ 真の料理を知らない
私の名前は アンティ・キティラです
---------------------------------
( ちょ、バカ、お嬢様がたっ!?
無理やり逃げようと するのは、
止めてくださいねっ!?
バカですかっ……!?
もうっ!! ぜったい、
不審がられますよっ……!? )
( ……ちくせぅ )
( チッ……/// )
---------------------------------
王女さまと なに話そ♪▼
▼ おばあちゃま 元気?
この国の 情勢は?
おっと 用事を思い出したわッ!!
お前は まだ 真の料理を知らない
私の名前は アンティ・キティラです
---------------------------------
「 ぉ……おばあちゃまは、元気? 」
「 ……ぇ、えへへ…… 」
「 ……!! ……その件は、
本当に、有難うございました 」
オルシャンティアは、神秘のスプーンを、
焼き飯の皿の上に置き、
表情を、深いものに した。
「思えば……あれは、
私が、初めて遭遇した、
命の、危機でも、ございました。
本来ならば……王族として、
正しい、謝礼を以て、
お応えしなければ、と、
実は……あのパーティの後、
反省していたのです」
「……! ぃ、いやいやっ……!?
そっ、そゅこと、じゃ、なくって……!?」
「ぁ、アンティに、聞いた、けど……!!
馬車で、たいへん、だった、
ってね……!?」
「はい……。ヒキハさんと、
護衛2名……体調を崩された、
おばあ様に……あの、襲撃。
今、思うと……恐ろしいです」
「そ! そうだったわね……。
つーか、ヒキ姉……ムッかぁ……。
知ってたんなら、
教えろってンだぁぁぁ……!!」
「 ぁ、あはは……! で、
おばあちゃま、
元気、なんだよ、ねっ!? 」
「──! ええ!!///
それは、とても……!!
エルミナイシア おばあ様は、
きびしく、優しい お方なのですが……!
あの、一件からは、なぜか、
とても、なんというか……、
私に、心をこめて、接して、
くださるんです……!!!」
「そ、そう……! ょ、よかったわ……♪」
「私も、いっしょに居れたら、
よかったなぁー……っ!」
少し、大人びた表情で、
凛々しく、対応する、
オルシャンティア。
ただ、その、華やぐ表情は、
まるで、朝に光る草露のようであり、
あたたかな、印象を、
見ている者に 与える──。
「 ふふふっ……♪ あの、夜明けに見た、
アンティさんの、ヨロイの、
朝日に輝く姿は、
今でも、忘れません……っ♪ 」
「 へっ……!? ぁ、あはは……////// 」
「 あぁ、朝、キラキラだもんね……! 」
「ぁ……せっかくの、お料理が、
さめちゃいます……!!
食べちゃいますね……!! もぐもぐ♪
うんっ♪ 本当に、美味しい……♪♪///」
再び、美味しそうに、
器に がっつき始める、
オルシャンティア王女殿下。
( ぉ、おし……食べきれ……!
そんで、は、はやく、
普段の居場所に、
戻ってくりぇえ〜〜……っ! )
( お皿、返してもらったら、
ば、バイバイして……、
部屋から、 逃げよ……! )
「もぐもぐ♪ んぐんぐっ♪」
アンマイの心のウチは知らず──。
新しい食文化の発見に、
心底、嬉しそうな、
オルシャンティアである。
( ……ふぅ、これなら、
何とか、なりそうですね…… )
三人の様子を見て、
少し、安堵する、
六人の、銅の従者である。
緊張は、見て取れるが、
ずいぶん、冷静さは、
取り戻している、
アンティと、マイスナである。
……まぁ、ヨロイの内側は、
ビッチョリで、あるだろうが。
( だいたい、なぜ、
次期、女王となる御身が、
単身で……やれやれ )
元々は、この城の財源を狙っていた、
キュイーヴル含む、"銅の刑死者"である。
土地を、末の妹を呪われ、
その、治療費や、顛末を呪っていた、
六人の姉たちに とって、
この城は、
" 何も してくれない金ヅル " に、
他、なかった。
今でこそ、八つ当たりに過ぎなかった、と、
思える、六姉妹であるが。
ユービィが、醜い肉塊であった時は、
呪い、殺し、金銭を奪おうと、
本気で考えてしまっていた、相手である。
キュイーヴル自身も、
片目が潰れていた時には、
何度も、王女の誘拐と、
身代金の要求を、計画・立案していた身である。
そんなモノたちの前に、
単身で、王女が訪れ、
笑顔を、振りまこうとは・・・。
「──あの、後ろの、
六人の従者さま方は、
アンティさんと、マイスナさん、
専属の、従者さんですよねっ……♪
すごい、ヨロイとか、おそろいで、
カッコイイです……っ!!♪///」
(((((( ぺ・・・ぺこり……/// ))))))
何とも、罪悪感と、
妙な、居心地の悪さを感じる、
空間である。
「 は、ははは……ぃ、いーでしょ……? 」
「 なんでか、こーなっちゃって……はは 」
取り繕う、
黄金と白銀の、作り笑いは、
なんとも、たどたどしい。
( やれやれ……。ここまで、
けっこう、悪いこと、
してきました、からね……。
これから……多少は、
返して、いかねば──…… )
ふぅ、と……少し、上のほうを見て。
小さな、ため息をする、
キュイーヴルである。
もちろん、アンティとマイスナが、
いつだって、最優先事項だが。
善意こそ、善意を以て。
取り扱うべき宝だと。
今は──そう思える。
銅の、六人である。
( ……ドニオスにいる、
ユービィは、元気でしょうか…… )
今の彼女たちには。
笑顔の、七人目の、
末の妹の表情が、
やすやすと、想像できるのだから。
元・暗殺者と。
元・食堂娘と。
元・手配犯と。
王女がいる、空間。
……いや、"元"でも、
なんでも、ないのだが。
まぁ、時間の、問題だろう。
誰もが、そう、思っている。
「あぁ……もう、
なくなって、しまいます……!!
でも、これくらいの量が、
いちばん、美味しいと、
思えるのかも、しれませんね・・・!///」
「ぉ……おそまつ、さま♪」
「ま、また……いつか、ね♪」
「ご馳走、さまでした……!!!
めっっちゃくちゃ、
美味しかったです……!!!!!///
お世辞じゃ、ありませんよ……!?
これは、王族のパーティでも、
通用しますっ・・・!!!!!」
ははは、と、湿った笑いを隠し、
やっと、動き出せる、アンマイである。
「ぁ……マイスナ。
ダ……フライパンの、中に、
けっこー、焼き飯、残ってるわね……」
「あっ……ちょっと、作り過ぎたね……?
ぇ、と、どうしよ……。こっそり、
物陰で、格納して……?」
「ぁ、あの、お皿、
ここに置いておいたら、
よろしいでしょうか?」
銅のメイドの一人が、
心からの笑顔で、
王女より、皿を、受け取る。
「ぁ、ありがとう、ございます……!
えっと……ずいぶん、
長居を、してしまいましたか!?」
「あはは……まぁ、仕事は、
終わってるから、だいじょぶよ」
「あとは、ほとぼりを見て、
帰るだけだか、ら……」
「そうですかぁ〜〜、残念です。
また、王都に遊びに来て、
くださいね!!」
「きっ、きき、きっ、
……機会が、あれば……?」
「あっ、あはっは……!
また、来るね……」
「──はいっ♪///」
過ぎれば、なんとも、
平和な空間であろう。
王女が、食事を、振る舞われた。
それだけだ。
私たちは、その、お話に、
心を、あたためられるだろう。
だって、ここには、
不思議な──優しさが、
いつものように、
こめられて、いるのだから。
だが。
だが、もし。
忘れている。
これが、真に。
──"物語"、なのだと、したら。
読み終えた、
次の、
項には────、
必ずや────── -- -- -
─────新しいページが、あるのだから。
──ガチャ・・・!
と、音がした。
ドアは、優雅に、ひらかれる。
「 ──ほぉう・・!!
美味そうな、においが するのは、
ここで、あったか ── 」
「 「 -、 」 」
( ・・・ありえんぞ )
これには、キュイーヴルも、
笑顔のまま、固まり、
仮面の下で、思った。
「 あ! お父様っ!!/// 」
「ははは、シャンティよ。
ここで、食べておったか」
主人に、願おう。
ただ────吐くな、と。
「ほぉう……これは、良い、香りだ。
食欲を、そそられるな」
ドスン、ドスンと、
大きな、赤毛の、大男は、
本の城たる、この部屋の、
中央へと、入室する。
なんとか、
なんとか、だ。
アンティと、
マイスナは、
立ち上がっていた。
ギリギリの、反応だった。
「ふむ……。やはり、そうか」
金と、銀を。
赤斧の眼差しが、
豊かに、大きく、捉える────。
「──此度の件は、聞いている。
ふふ……我が国のために、
出向いてくれた事、
感謝する」
「「 ぃ、、 ぇ、…… 」」
「ぅーむ。迷惑ついでに、
もうひとつ、頼みたい。
今日は、夜は いらぬ、と、
爺に、言ってしまったのだが──」
けったいな、予感がする。
「この部屋に入ってから、
どうも、腹の調子が良い。
シャンティと、同じ物で、構わぬ。
我にも……振舞っては、
貰えぬだろうか?」
「「 ・・・、・・・ 」」
「──!! お父様っ!!
それは、たいへんステキな、
お考えですっ♪♪♪//////
アンティさんたちの お料理は、
それは、もうっ!
美味しいんですよ!!!//////」
「ははは。わかった、わかった。
ほぉう……。貴殿たちの、従属か。
貴殿たちと同じく、
流麗だな── 」
銅の鎧のまま。
六人の暗殺者が、立礼する。
すんません。
昔、アンタに、
身代金を、要求するつもり、
だったんですが。。。
赤い髪の大男は、
中央のソファに、ズシリと、座る。
「いきなり、すまぬな。
先だってのパーティでの、
ヨゲンナの奇行についても、
謝りたい。
……。それについて、
聞きたい事も あるのだが……」
もはや、アンマイは、
プニプニほっぺにすら、なりはしない。
よく見ると……ただ、ただ、
半泣きである。
「──それは、今は、良い。
アンティ・クルル。マイスナ・オクセンよ。
食事の後で、
少し、時間が欲しい」
これで、逃げられなくなった。
「話したい、ことがある」
「「 ・・・・・ひ ゃ、ぃ・・ 」」
こうして、アンティと、マイスナは。
バルドアックス国王陛下に、
焼き飯を、見舞うことと、なったのである。
おっす、王!!!!!(*`・v・)ゞビシィ!!










