シャンティちゃん、せめいる。
おまたああああああああああああああ!!!!!
ターンエーガンダムのプラモ、
めっちゃ組み立てたい。
「「 ……、── 」」
「 こんばんは。アンティさん、マイスナさん♪ 」
いきなりの来訪に、マイスナと一緒に、
正直、思考が止まってしまった。
ライトグリーンの、艶やかな髪に……、
その左右に、上品に垂れた、ラビットの耳──。
小柄な私たちより、少し背の低い、
可愛らしい ウサ耳の 女の子が、目の前で、
こちらを、華やかに、見上げている。
──まちがいない……、シャンティちゃんだ。
はじめて、ヒキ姉と会った時に、
シャンティちゃんと……体調を崩した、
おばあちゃまを、助けて……、
それで────、
「お料理をする、途中だったんですか??」
「「 ──っ……! 」」
王室図書館の、大きな書本机の上には、
この場所に、まったく似つかわしくない、
光る まな板と、その上に乗る、
細切れに なった野菜たちが、
図書館の魔法のランプに照らされ、
キラキラと、光っている。
玉ねぎ、人参、青椒……──。
し、しまった……!
どうせ、もぉ誰も来んやろ、汚しても、格納すれば ええやろ、と、
完っっ全に、余裕ぶっこいて、
お料理を気分、マンマンだった……!!
途中で、ヒゲイドさんからの通信に参加して、
手が、止まっていたけど……──、、。
「──ふふふっ♪ 黄金の英雄と、白華の狂銀が、
いっしょに、晩御飯を作ったり、
するんですねっ……☆」
「 、っ……こ、これは! 」
「そそ、その……」
「ふふふっ♪ 大丈夫ですっ♪
お父様たちには、だまっておきますね!」
シャンティちゃんに、いたずらっぽく、
笑われてしまった。
っ、つか、あぶねぇぇぇええ~~~~……!!!!
リビに言われて、ヨロイ、
前もって着といて、よかったぁぁぁああ~~~~……!!!
けっこう、ギリギリだったんじゃねっか……?
シャンティちゃんの、お父さんって言うと……、
バ、バルドさん……っつったっけ?
あの、ムキムキの……、
アバンテさんより、体のデッカイ、
貴族さんだよね……?
や、やっべぇ。
冷静に考えて、お城の図書館で、
私ゃ、なァにを、野菜、こまぎれ に、
しとんのだ……!
ち、ちくせぅ! ま、まさか、、、
われらが、メイド四天王……じゃなかった、
メイド六天魔王……じゃなかった……、
銅色おせっかいメイドチームの、包囲網が、
やぶられるとは・・・!!!
貴族さんの圧力に弱いなんて、
きいてないよぉぉおおおおおおお。
ま、まぁ、ちっちゃな女の子だから?
余計に、突破されたのかも、
しんないケド……!
「きょ、きょうは、どうし、たの?」
「こ、こんばん、は……」
「はい! 先日の、"お礼"と、おもって!
実は、御二人が、ここに来られた時に、
上の階の"渡り"から、見ていたんです!
でも、習い事が、なかなか、終わらなくって……!
ごはんの前に、抜けだして、きちゃいましたっ♪♪」
シャンティちゃんは、私たちに会えて、
なんだか、とっても嬉しそうだ……??
ん? 先日の、おれい、って、ナンだ……!?
例の、馬車で助けた件、のコトかな……???
や、やっべ、なんか、アタマ、まわんね……!
つか、今、" ごはん、抜けだして来た "っつったか!!???
……て、ことは、シャンティちゃんは、
お城で、ご飯を食べれる……くらいの、
めっちゃ! 超! ご身分の高い、
ご貴族サマの、娘……って、コトぉ!?!?
や、やっば……。
「いちおぅ、"お忍び"で、
"お祭り"には、連れてっていただけると、
お父様にも、許可は、いただいたんです!
でも、ひどくないですか!?
お城のまわりでは、連日! お祭りなのに、
私には、いつものレッスンが、あるんですよ!?
プンプンっ!! お祭りは、もう少し、
人混みが、落ち着いてからだってぇ……!」
そういえば、
この間、王女様の誕生日パーティに、
もっくそ、呼ばれとったもんなぁ、
シャンティちゃん一家……。
王家のパーティに呼ばれるってコトは、
王サマに、信用されている、
貴族さん一家、なんだろうなぁ……。
意外と、王城の仕事の、
かなり重要なポストに付いている、
お方なのかも、しんないなぁぁ……。
つか、えと、どうしよ、
リビには、すぐ、城から逃げろと、
言われたけど・・・!?
こ、、、シャンティちゃんとの、遭遇を、
ど、どうすれば!?
マイスナと、秘密で繋いだ、
髪の、通信ケーブルで、
相談する・・・!
( ど、どうしよっか……!?
い、いま、慌てて出て行ったら、
あやし、まれるかな・・・!? )
( わ、わかん、ない・・・。
アンティ、わたし、いちおう、
おたずねもの、だから・・・、
こぅ、なったのなら、
はやく、にげちゃいたい・・・ )
そ、そぉだった!
北の教会、ドォーン!!
( そっ、それには、完全同意、
だけどっ・・・! い、今、
シャンティちゃんに、不審がられたら、
後で、誰かに報告、されちゃうカモ・・・!? )
( そ、そぉ、だね・・・。
ただでさぇ、王城の図書室で、
料理、はじめちゃってるもんねー・・・ )
どぐぉおおあああああああああああああああああ。
「──でもでもっ♪♪ 御二人に会えて、
ふふっ♪♪ ちょっとだけ、私も、
お祭り気分に、なれました! なんたって、
" クルルフェルト祭 "、ですから・・・っ♪♪
わぁあ・・・っ♪♪ 御二人の、ヨロイ・・・!!
前にも、思いましたが……! 本当に、
おきれい、ですねっ・・・!!!」
「えっ、あの、ど、どぅも・・・?」
「アリガトゥ、ゴーザイマゥス」
ゃ、やべぇ……。マイスナが緊張で、
バールモンキー顔のママ、
カタコトに、なってきてるぅぅぅ。
クローザル、ソックリやんけぇぇ……!
ほ、ほっぺ、プニプニしてぇぇー……!
「……ほんとうに、すごい……♪
私、まだ、子供ですが……わかります!
あの、さわってみても、いいですか……!?」
「──え"っ!? さ、さわる……!?」
「コ……コオッチャウカモ、シンナイヨ」
「こ!? コラッ、マイスナ!?」
ナニを言うとるんじゃあー!!
こにょ、サイコ嫁ぎああああああ。
「 だ・・・だめ、です・・・? 」
「え"っ・・・!? ぃ、いや、
そ、そんな目で、見られても・・・!?///」
「ジャキン、ジャキーン・・・//////」
どうしますか?▼
▼ 好きなだけ さわるがいいさ!!
それなりの報酬を いただこうか?
まずは こっちからだ
火傷しちゃうぜ 兎ちゃん?
よし にげよう!
「・・・ぃ、いい、よ?///////」
「・・・ォテヤワラカニ、オナシャス///////」
「──本当ですかっっ!? わぁーい!!!♪♪♪」
そ、そこまで、よろこぶ、かぁぁ・・・!?///
シャンティちゃんの、ちっちゃな手が、
のびてきたので、私とマイスナは、
あわてて、ヨロイの" 鋭さ "を落とすように、
気を・・・落ち着かせる。
ドラゴンと、ホーリーホエイルの ヨロイは、
かなり、物騒だ。
なぜか、このヨロイたちに気に入られている、
私たちの"心"は、
この全身ヨロイにも、同調している。
私たちが殺気立つと、
ヨロイの各所の鋭利さは増し、
かなり、アブなくなる。
ブチ切れた、ヨロイ姿の私たちの上から、
紙の束なんかを、ぶちまけたら、
スッパスパ切れて、紙吹雪になるレベルだ。
キレた時の私たちは、ある意味、
全身凶器だ・・・。
当然、シャンティちゃんの、可愛いお手々を、
みじん切り に、するワケには、いかない・・・。
例え話でも、考えたくないわ・・・。
幸い、このヨロイとも、
まぁまぁ、長い付き合いなので、
いま、黄金龍と、天空鯨のヨロイは、
限界まで、まるっこくなり、
その美しさは失われないまま、
ただの、ド派手で、安全な装甲に、
なっているはずだわ。
「・・・すごい。装甲に、
さわっているのに・・・まるで、
きよらかな、毛並みを、さわって、
いるみたい・・・
「「 ・・・?? 」」
毛むくじゃらでは、ないのだ、けんども・・・?
てしかに、私もマイスナも、
髪の毛の量は、すごいが。
なんなら、自由に、
伸ばし縮み、できるが。
ただ、装甲に、毛は、生えとらん。
シャンティちゃんは、ずいぶんと、
感受性ゆたかな、貴族ちゃんの よぉだヮー。
「装甲を撫でても、手が、
引っかからないんです!
とっても、不思議です・・・。
金色が、少し、あったかくて、
銀色が、少し、ひやっとします・・・。
でも、それが、たまに、入れかわります。
すごい・・ですね。まるで、生きているみたい」
( めちゃくちゃ・・・超、
なでられとるんやが・・・ )
( ・・・装甲に、毛、はえて、
ないよね・・・? )
( にゃい、にゃい、にゃいやろ。
それは私、やぁよ )
( じつは、目に見えない、
産毛みたいなの、
生えてたり・・・? )
( ええっ、ゃあめてよおおおお )
( ちょ、ちょっと、拡大、してみる・・・? )
( ぇえ・・・? そ、そんな、ワケ・・・? )
ウィーンンン──。
ウィーンンン──。
マイスナと、目の中のレンズを、
アナライズ・カード式の拡大鏡で、
すこしだけ・・イジって、
視界倍率を、拡大する。
・・・ほ、らあぁ!!
装甲に、毛なんて、
生えて、ないじゃ、ないのよおおおおお。
いちおー、私らも、
女の子、ですからねええええ。
自分たちの金属質 装甲に、
なんか、ムダ毛が、生えてるってぇのはァ────……、、、!
「「 んっ? 」」
……、……。
……何の、音……?
「「 んん? 」」
また。だ。
思わず、マイスナと、
声を、あわせてしまった。
……なんか、聞きなれた、音だな。
「……ぁ、……。
アンティ、あんてぃ」
「──へっ?
……あっ……── 」
「──……っ、……////////////////// 」
目の前で、シャンティちゃんが、
頬を、真っ紅にして、
下に……俯いている。
たいへん、恥ずかしそうだ。
「・・・、・・うぅ・・・//////////////////」
……ぁー……。
ごはん……、
ぬけだして、きたって────……、、、、、。
どうしますか?▼
チキンフラフラ定食 540イェルでーっす!!
求めよ さすれば与えられん
はよ家かえれ おまんま待っとる
ここは危険だ 逃げよう
▼ ・・・なんか、食べる?
「・・・・・・・・・・・な、
なんか、つくろっか・・・?」
「 えおっ!? 」
えおっ。
「 ──い、いいんですかっ・・・!?/////////」
あっ。
ぐおああああああああああああああああ!!!
しょ、食堂娘の、
サガ、がああああああああああああああああああああああああ。
「ぁ・・・・・アンティ・・・」
「だ・・・! だっ、てぇぇええ~~……っ!///」
「ぜっ、ぜひ!!!!!!/////////
ご相伴に、あずかりたいですっっっ!!!!!/////////」
シャンティちゃんは、
すっごく、キラキラな目で、
こちらの方を、見つめている・・・!
「や・・・・・焼き飯、だな・・・」
「た・・・たまご、割っとくね・・・」
すんません、聖女サマ・・・。
お城から逃げんの、
もちっと、おそく、にゃりそうデス・・・・・。
こ、これがッッ・・・!!
食堂娘のッ、さだめ かッ・・・!( ノД`)+