星と白花の黄金考察 上
い、いそがしくて、
えちぃほうの絵が、かけねぇえ……!
(:3_ヽ)_
司書官と、受付嬢が、歩いている。
「……侮っていたな」
「──ふふ♪ 随分と、ご熱心に、
勧誘、なさって いましたね♪」
「あれは国の宝だ。この言葉に、
偽りは無い。心から礼を言ったのは、
久方ぶりだ」
「ふふふ♪ 凄かったでしょう」
「……ああ。完全に、侮っていた。
ひとつ聞きたい」
「──? なんでございましょう?」
「別れ際に、彼女たちに、
言っていたな。
──"今夜は、分室に お泊まりください。"
──"すべての許可は、とっております。"
……と」
「ええ。それが何か?」
「全てとは……つまり」
「はい。もちろん、
陛下も、お赦しでございます。
エルミナイシア王太妃殿下にまで、
話が行ったようですが、
すんなりと快諾されたとか」
「そう、か……」
「どういたしましたか?」
「あの者たちが、
例の"カトラリーセット"を、
王女殿下に、贈ったと聞く」
「間違いないようです」
「どう思う?」
「どう……思う、とは」
「あのような貴重な魔石を、
あそこまで完成度が高い、
マジックアイテムにする職人を、
私は、知らぬ。あれは……おかしい。
あんなものが、存在する……、
はずが、無い」
「……あやしまれて、
おられるのですか?
あの、お二人を──」
「……少し、違う。
あれはな、マリーよ。
あんな、世界に、唯一無二のモノは、
決して、"盗品"としては、
成立しないのだ」
「と、言われますと?」
「あんなものを盗んできたなら、
戦争に……なる。
アレは、そのレベルの、
レジェンダリー・アイテムだ」
「……"伝説の遺物"」
「あれはな、間違いなく、ワン・オフだ。
オルシャンティア王女の、ためだけに、
つくられている。それが……異常なのだ」
「……陛下たちは、
無理に入手経路を聞くことを、
おやめに なったそうです」
「……陛下は、わかっていたのやも、
しれぬな」
「……は?」
「マリー。アレを造ったのは、
多分……彼女たちだ」
「……、……、……まさか」
「あの、オクセンフェルト・レディは、
おそらく、ミスリルを、
自在に変形させるスキルを、
持ち合わせている」
「……、……そ」
「気づいたか。彼女の銀の装甲は、
すべて、反射色が……虹白色なのだ」
「……!! 虹白の、ミスリル……!
で、は……」
「──"百光"だ。
間違いない」
「……バカな。アレが……?
確かに、あれは、綺麗すぎると、
思って、いましたが……。どんな、
エルダー・ドワーフに、だって……、
そんな事は、不可能です……」
「歩く芸術だ、あれらは。
並では、ない」
「……。し、かし……、
それだけで、あの、
伝説級のカトラリーを、
あの、"狂銀"さんが、
つくったとは……」
「……もうひとつ、度肝を、
抜かれたことがある。
マリー。"銀星封"は、
知っているな?」
「……? 勿論で ございます。
ミスリルの繊維で織られ、
王族の魔力にて、封印が施された、
"無敵の封筒"──で、ございますわよね?」
「──ふ、これを、見ろ」
「……? ……!!
これ、は……」
「三通、あった。
あぶなかったよ」
「……!? 斬られて、いる……!?
ど……どうやっ、て……!?」
「これが、誰かにバレれば、
ややこしい事になった」
「王の……"解"で、なければ……、
中身など……見れない、
はず、なのに……」
「ま……マイスナ様は、
このような………特殊な、
魔力の籠った封印をも、
斬り裂いて、しまえるのですか……?」
「ちがうぞ、マリー。
それは、マイスナ嬢では、無い」
「……そんな」
「それを開けたのは、
──アンティ嬢だ。
私はな……ペーパーナイフを、
貸していたのだ。
"そこの封筒の山を、
すべて、開けてくれ"
とな──……」
「で、は……?」
「ああ。そこに、"三通"、紛れていた。
"あれ、あっかねーなぁ〜〜……?"と、
声が、聞こえたよ」
「それは……そうです。
王族の魔力が籠った、
ミスリル繊維の封筒が、
そこらの鉄のペーパーナイフで、
開けるはずが、ありません……。
なのに……これは、どうやっ、て……!?!?」
「マリー。アンティ君の鎧にはな……、
" リング "が、あるのだ」
「り、……りんぐ……、ですか?」
「ああ、そうだ。
あの、"クルルカンの鎧"には、
大小、多数の、"黄金のリング"が、
組み込まれている」
「……」
「よく、見れば、分かる。
表面は、ギザギザとしていて……。
……そう、"歯車"。
あれは、まるで、"じかん箱"の、
" はぐるま "の、ようだ」
「あの……それが、どういう」
「彼女の、指先の、"歯車"がな、
──回転、したのだ」
「……アバンテ様。
まさか……」
「その指で──"なぞった"。
マリーよ、一瞬だったぞ。
よく見るのだ、その、
"無敵の封筒"を。
"斬"られているのでは無い。
"削"りとられて、いるのだ」
「こ……ま、……魔力の籠った、
ミスリル銀の、多重繊維を、
です、、、か、、、……?」
「どんな無敵の鎧を着た強者でも、
アンティ君が触れば……砕け散る」
「……ミスリル銀をも、粉砕する力を、
アンティ様は……お持ちだと、
言うのですか」
「彼女が、"絶対封を"破った"のは、
私の、目の前だったのだ。
それも……三通、立て続けに、だ。
いいか、おそらく彼女は、
その封筒が……ミスリルで、
出来ていることにすら、気づいて、いない」
「……、……」
「私は、よく、声を我慢できたものだよ。
あの、クルルカンの前では、
どんな"機密文書"でも……、
意味を、成さない」
「あ、当たり前です……!
この"封"が、破れると、
いうことは……」
「まったく、頭が、いたいよな、
マリーよ」
「きょ、強大な魔術で、
無理やり、こじ開けるなら、
兎も角……! じ、純粋に、
パワーで、開けられる、と、
言うの……!?」
「それだけでは、ない。
マリーよ」
「ま、まだ……! 何か!?」
「あの双方……とんでもなく、
"刃物"の扱いに、長けているぞ」
後半に、つづく!










