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王の龍脈と、エレクトラムの嘘。

前話の誤字の多さに

全かばやきだれが泣いた<(_ _)>。





 どうも、私たちは、

 探されていたらしい。


 迷子の親子を引き合わせた後、

 お城の騎士さんに案内されたのは、


 王都の、秘密の抜け道だった。




「ぁー……、一応、この道は、

 本来は、一般の人々には、

 公開していないんだ。

 わかるね……?」


「……ぉーけー、誰にも、

 言いませんっっ」

「でも、わたし達に、

 教えて、大丈夫なの?」


「ふふふ、"至高の冒険者たち(プレミオムズ)"で、

 知らないのは、あなた方だけのようだ」




 地下へと続く階段を抜けると、

 石のブロックで組み上げられた、

 四角いトンネルの道が、

 延々と、続いている。


 クラウンの、

 マッピング・フィルターの感度が、

 最大になったのを感じる。




「王都の騎士、衛兵は、ね。

 まず、最初の訓練期間に、

 この道を、しこたま、

 歩かされるのだ」


「こんな地下道が、王都の真下にあるなんて、

 知りませんでした」

「まるで、迷宮みたい」


「その通りだよ」




 先を行く、初老の騎士の言葉に、

 私たちは、おどろく。




「ふ、ふ。──"移動王都"、

 という言葉を、

 知っているかね?」




 私たちは、首を横に振る。

 あれ、まてよ……?




「どうもね、

 この王都の基礎になった街は、

 昔は、" 歩いていた "らしいのだ」


「……??? どゆことです??」

「……んゅ???」


「はっはっは。言葉通りの、意味だよ。

 昔、この街はね、

 "(かめ)"のように、

 歩いていたのだ」




 ……。

 まるで想像が つかない話に、

 反応が出来ない。




「新天地を求めるための、

 古い魔術だったようだ。

 "()(くう)(しょ)"、という、

 伝説の魔導書の、

 数ある ひとつを、使い潰して、

 歩かせていた のだという」


「……え、ガチの、話……なんスか!?」

「街を、歩かせる、魔導書……?」


「ははは。ワシも、まったく、

 想像が、つかんがね!

 とにかく、この街は、昔、

 えっちら、おっちら、

 歩いていたそうだ。

 そして──とある日。

 この、"ダンジョン"に、

 ハマってしまった」


「は、はまった、って……」

「まさか……」


「はっはっはっはっは!

 相当ふるい、ダンジョンだったようだ。

 地盤が、もろくも、

 なっていたのだろうよ。

 街の"(あし)"は、

 大きな、大きな、

 ダンジョンという、落とし穴に、

 ズッポリ、ハマってしまった、

 と、いうわけさ──」


「それが……ここォ??」

「その時のダンジョンが、

 現存しているんですね?」


「ここはね、その古いダンジョンの、

 地下、1階に該当する。

 当時、落とし穴に、ズッポリ、

 ハマってしまった"移動王都"は、

 動けなくなり……どうしようも、

 なくなってしまったらしい。

 だが、(さいわ)いにも ダンジョンは古く、

 あまり、魔物は出なかったそうだ。

 それに、迷宮特有の資源も豊富で、

 結局、その場所に、

 "()()"は、根を降ろした、

 と、いうわけらしい」


「……はじめて、聞きました」

「そんなの、知らなかった……」


「300年くらい前だと、

 言われている。

 何やら、つい、最近のような、

 気も、してしまうがね。

 ははは、まぁ、街の基礎は、

 古くから、あるのだろうから、

 この街、自体の"年齢"は、

 もっと、歳上なのだろうが」




 老紳士の騎士さんの話は、

 地下の石の道を歩きながら、

 まったく退屈を、感じさせない。


 "上"の祭りが、ウソのように、

 この トンネルの中は、静かだ。


 この、壁の側面に、等間隔で、

 設置されている 光の魔石も、

 昔から、あるもの……なのかな??




「祖父から、子供のころに、

 よく、聞かされた、話なのだよ。

 はっはっは。

 やれやれ……エルフと、

 昔から仲良しだったなら、

 当時の様子も、もう少し、

 詳細に、記録に残ったのだろうが。

 300年前というと、

 ファイヤードラゴンの生息が、

 まだ、観測されていたような、

 大昔の時代だからね──。

 ある意味、神話が終わった時代、

 とも言えるのやもしれん」




 エルフと人間が、

 仲良くなり始めたのは、

 だいたい、200年前くらいよね、先輩?




「ま、という訳で、

 せっかく、"街の下敷き"になった、

 都合の良い、"秘密の道"だ。

 今は、街の警護をする者たちが、

 もっぱら、利用している、

 という訳だ」




 キングダム・ガード、()(よう)(たし)の、

 連絡通路、って、ワケね……!


 ぁ……元・ダンジョン? の、

 石の(かべ)の、所々に、

 「→ラン・ド・エルシエ方面」

 「←ヤキソ・バパン大学」などの、

 道案内が、彫り込まれている。


 きひひ、こいつぁ、

 いいじゃあ、ないですかぁぁ♪

 誰にも、見られることなく、

 王都の何処へでも、

 いけるんじゃあ、ないのぉーっ!?

 なんか、ワクワクすんわね!




「ふぅん、へぇえ……!

 王都の下に広がる、

 秘密の抜け道、かぁ……!」

「ふふ、悪いやつに見つかったら、

 たいへんな、道だねぇー」


「まったく、その通りだ。

 封鎖していない、

 "王の龍脈"の入り口には、

 絶対に、見張りの者が立っている。

 わざと、トラップを残しているエリアも、

 存在する。ワシの後ろを、

 はなれては、いけないよ?」


「"王の龍脈"……てのは、

 また、隠し通路にしては、

 すっごい名前ですね……了解です。

 でも──……きひひ♪

 こぉんな"盗賊"に、こんな道──、

 教えて、いいんですかぁ?」

「わたしー、きょうぎんーっ♪」



 とぉぞくと、

 わるぃやつだゾーっ♪♪



「──ふむ。

 今回の祭りで、

 使用している資源だが──、

 君たちが、6割ほどを運んでくれた、と、

 マリー嬢から、聞き(およ)んでいる。

 驚異的な、物量だ……。

 王都の冒険者ギルドでも、君たちは、

 一目、置かれる存在と、

 なっているよ!」


「「 ……!! 」」


「正直に言うが……、

 君たちが現れるまで、

 (えい)(へい)()()の間でも……、

 "郵送配達職(レター・ライダー)"というクラスを、

 知らなかった者は、多かったのだ。

 何百年も前に、(すた)れた、クラス……──。

 だが、その運搬力。スピード。

 我ら、(じゅう)()(まち)に与えられる恩恵は、

 (はか)り知れぬ、ものと、なるのだろう」


「ほ……められて、ます……?///」

「えーっと……??///」


「皆の、信頼を、

 勝ち取ってきている、と、いう事だ。

 "街の繋がり" を支え、

 "至高の冒険者"でもあり、

 "王城"にも、(まね)かれている。

 ふふ、極めつけは、

 "お祭りの双主役"、そうだろう?」


「「 ぁ。は、はィ……//// 」」


「うむ。王都の──、

 街の表情を見ていると、

 よく、色々なことが、分かるのだ。

 どうも──、

 王の(たみ)たちは、君たちが、

 "至高の冒険者(プレミオムズ)"、であると、

 いうことを、あまり、知らないようだな?

 ははは! 君たち自体は、

 とっても有名だから、

 冒険者としての実力が知れるのも、

 時間の問題だとは思うが。

 君たちの活躍が、

 正しく、皆に評価されるのは、

 もう、すぐそこの事だと、

 ワシは思うぞ!」


「ぃ、いやいやいやいやいや……///

 ナイナイナイナイ……///」

「むしろ、そっとしておいて、

 欲しいのですが……///」


(けん)(そん)するでない。

 いや……それもまた、()(とく)(はな)か!

 しかし、あの広場の像を、

 もちろん、ワシも見たのだが──!

 クルルカンの お嬢ちゃんは勿論、

 狂銀の お嬢ちゃんの方も、

 これまた、ソックリだったなぁ!!

 今、こうやって、実際に、

 ふたり(そろ)って、しゃべっていると、

 本当に、そう思うよ!」


「は、は……カンベンして、

 欲しいんすわ……///」

「ぜったいバレないと踏んできたのに、

 追いかけ回されそうに、

 なったんだよ……///」


「──はっはっは!!

 君たちの金と銀には、

 なにか……本物の輝きのようなものが、

 感じられるからね!」




 "ようなもの"、じゃあ、

 ないですからなああああああ。

 




「まごうことなき……」

「こらっ、マイスナ……!」


「ん? 何か言ったかね?

 いやぁ! しかし、

 各・街への配達も、

 ()ることながら、

 今回は、王都のギルドの、

 お手伝いとは……ははは!

 アレかね? "郵送配達職(レター・ライダー)"と、

 言うくらいだから、

 やっぱり、書類仕事にも、

 めっぽう、強いのかね??」


「ぁー、ま、まぁ……?

 それなりに……100(にん)(りき)だとは、

 思います……かね?」

「けっこう、いけるクチですっっ」


「お! ははは! それは、心強い!

 最近のマリー嬢は、

 もうすぐ、心が壊れそうだからな!」




 わ、笑えねーッ……!!?

 老騎士さんっ!

 それ、けっして笑って言うことじゃ、

 ないかんなっ……!?




「心が壊れる者は、とある日、

 いきなり、壊れるからなぁ……。

 はっはっは! そんな顔をするな。

 いやぁ……しかし、

 各地の配達が忙しい合間に、

 このような……助かるよ。

 王都を代表して、礼を言おう」


「ぃ、いやいやっ、そんなっ……!///」

「まだ、なにも、してませんし……///」


「……ふむ……。"配達"……、か。

 そぅ、か……」




 ……?

 石のトンネルを歩きながら、

 目の前で、老騎士さんは、

 何やら、考え込んでいる。




「……アンティ・クルルくん。

 マイスナ・オクセンくんよ」


「はいっ」

「なんでしょう」


「君たちは……各・街の、

 (うわさ)(ばなし)には、明るいかな?」


「へ? うわさ……」

「ばなし、ですか」




 

 ……どうだろぉーなぁ?


 私たちの"お届け"は、

 街の外周門にある、

 ギルド出張所を、よく、

 窓口に、すっかんなぁー……。


 街の中まで、入るワケじゃあ、ないし?



 けれども──……ただ。


 ここ、最近は、

 なぁーんだ かぁーんだ、


 "プレミオムズ案件"で、

 よく、"街の内部"まで、

 立ち入っていたような気も、

 すっけどねー。


 なして、そんな事を、聞くんだろうか?





「ぅーん……なんとも、言えないっ、

 と、いうか……???」

「何か、知りたい事が、

 あるんですか?」


「ははは、(ばく)(ぜん)とした、

 問いかけ()ぎたな。申し訳ない。

 どれ──東の街の、"聖女"と、

 "小さな審議官"──殿(どの)は、

 仲が、よろしいのかね?」


「──……!? それって、リビと──」

「……エコたんの、こと??」


「ほぉう。どうやら、(した)しそうだな?」




 あっ、いっけね。

 思わず、聖女チームのことを、

 ほぼ、ニックネームで呼んでしまった。




「さすが、プレミオムズか……。

 ワシも、君たちへの態度を、

 改めた方が、良いのだろうか……?」


「いやいやいや気に、しないで下さい。

 "ふたりは仲良しか?"

 と、問われたなら、

 あの二人は、けっこうな、

 仲良しだとは、思いますよ」

「いっしょに、

 お風呂はいってるらしいよ」


「ほ、本当かね!?

 それは……ほっとする、話だな?」




 ちがいない。

 お茶目で、素敵な返しだ。

 で、なんで聞いたん?


 やろうと思えば、

 今すぐ、本人たちと、

 話せるけんども……??




「……お二人が。お忍びで、

 この街に来られている──、

 というような、事案は、

 聞いては……おらんかね?」


「えっ、あの二人が、ですか??」

「旅行、って、ことです???」




 この お祭りに、遊びに来てるか、

 って、ことよね……???


 ……いやーっ、わからんなぁ……!

 まったく、知らない。


 あの子らが持ってる水晶球、

 逆探知とかしたら、

 今、いる場所、わかんのかなぁ……??




「ちょっと……聞いたことは、

 ないです、ね……」

「リビっちと エコたんが、

 なんか、あったんですか」


「うーむ。実はな、

 先ほど、西の(おう)(がい)(もん)で、

 少し、(さわ)ぎがあってね」







 ……いやな予感がする。







「──"聖女"の称号を持つ者が、

 なんと、おふたりも、

 西の門を通過したと、

 水晶球に、表示されてね。


 ははは! 当直の現場の五人は、

 それはもう、大慌てさ!


 しかし……聖女リビエステラと、

 エコープル・デラ・ベリタでは、

 ないと、なると、なぁ……。


 ──君たち。

 我が国が、まだ()(あく)していない、

 どこか、ちがう国からの、

 ──お忍びの "聖女様"のような、

 情報は、知らないかね?


 例えば……、三人目、四人目の、

 新しい聖女──などと なれば、

 そりゃあもう、大ニュースなのだが!

 はっはっはっはっはっは♪♪」




「──ナンノォ、コトッスカネッッッ???」

「──ゼェンゼン、チラナイナァァー???」










 マッチャク、

 ワカンヌァイヌァァアァァアァアアア?????




 ( 泳ぎ目 )






ソュコトデスカァァァァァァ。꜀ (゜∀。) ꜆

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[一言] いやーダレダロウナーゼンゼンワカンナイナー ゴールドとシルバーに光ってるなんてソウゾウモツカナイナー()
[気になる点] 今後王都に入る時は、門以外から… いや、目にも留まらぬ速さで入ればw
[良い点] あ、漠然と「重要人物」どころか「聖女」って属性までしっかり判定されるんだ……すげぇな水晶球。 女性かつ二人組ってとこまでは絞り込まれちゃってるねぇ。 [一言] ……聖人がガチのオネエに転向…
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