隠蔽成功!?
『────あれは:ダメですよ……☼』
『>>>ははは……!
>>>ぜったい悪手だったでしょー!!』
「うっ、うっしゃいなーっ……!!!??
ほっ、ほかに、
ドコに逃げろってーのよぉーッッ!!?」
〘------ものっそい☆
------見られてたのんなぁ〜〜♪☆☆☆〙
〘#……くく……! あれだけ、
#……飛び跳ね回っては、な──……〙
「く、くすん……! だってぇ〜〜……!」
私とマイスナは、
先ほどの、カフェ広場から離れた、
小さな路地裏に、
何とか、隠れていた!
ち、ちくせぅ……!
私も、マイスナも、
肩で、息をしている……!
くっ、くっそう、なぜに……!?
お祭りの最中、
怪盗よろしく、屋根の上やら、
建物の窓カウンターやらを、
飛び跳ねて、逃げ回らにゃあ、
ならんのじゃあぁああ────あぃ!!!!!
『────洗濯物を干していた:
────ご婦人……驚いて:
────いらっしゃいましたね……☼』
〘------2階の窓から;大通り 見てた;
------あの兄弟は;めっちゃ☆
------喜んでたのんよぉ〜〜っ♪☆
------あれは;嬉しいのんなぁ〜〜っ♪♪☆〙
クラウンと、ローザの言う通り……、
全力ジャンプ逃走する合間に、
かなりの人数に、ドッキリを、
しかけちまったわ……。
だ、だって、
しょーがないでしょーよぉおおおお!?!?!?
2階の窓の前の、1階の屋根の上が、
イチバン、走りやすい
でしょぉおおお〜〜〜……っ!?!?
『>>>1万人くらいには、
>>>見られたんじゃね?』
〘#……くっくっくっくっく……!
#……この世界にも、新聞は、あるのだろぅ?
#……今日の夕刊が、楽しみだな?
#……くっくっくっくっく……♪〙
「笑い事じゃ、ないんですケドぉ……??」
「あぅぅ〜〜……、正体、
隠さなきゃ、なのにぃぃ〜〜……!」
ヒゲイドさんやら、色んな人の話では、
なんか、王都に住んでる、
一部の貴族さんたちが、
変なことを考えてる節が、
あるらしいって、コトですがぁ……???
ま……なんか、ウワサだけのよーな、
気も、個人的には、
するンですけどね?
「……てーか、どうしょぉ〜〜っ!?
あんな、すぐバレるんじゃ、
いくら、仮装パーティの、
お祭だからって、安心して、
歩けないよぉおぉ〜〜〜〜……!?」
「あんなに……完成度が、
高い像だとは、聞いてません……。
あれは、確かに、最っ高に、
アンティ、でした……!」
「うん。マイスナのほぅも、
さいっこーに、マイスナだった……!
あれは、ヤバいわ……。
なにに、情熱を注いどんのじゃ……!」
「ミニチュアが販売されたら、
買います……♡」
そ、それは、どうなん……?
いや、マイスナのは、欲しいな……///
いやいやいやぃゃぃゃぃゃ……///
「像の出来が悪ければ、
難癖つけて、破壊する気でした」
「マイスナさん!?
それは……二代目クルルカンとして、
看過できないかんね……っ!?」
「……ジョーダン、ダョ??」
あっ、この目は、冗談じゃねーわ。
わたし、わかゅわ。
こっ、こいつ、本気や。
『────数人に:現在のヨロイのデザインも:
────デッサン:されていましたから:
────次は:黄金マフラー.verの:
────巨像に:なっているやも:
────しれませんね☼』
「ああぁあぁぁ……///」
『>>>紫電ちゃんも、ドレスの意匠、
>>>今度、来た時は、
>>>パワーアップ、してるかもねー』
「やっ、やめてください……///」
ゆるさんぞ、カフェの店長……!!!
プラス、キッズ・デザイナー共おおおおお。
今度 来たら、脇目も振らず、
うさ丸バスターで、集団スケッチを、
阻止、してやるぅううう・・・!!!
うさぎの勇者の跳弾を、
ナメるんじゃないわよ・・・!?
「……あっ、そーいや、うさ丸、いねぇわ」
「キッティと一緒に、行っちゃったねー……」
カンクルも、肩に、
乗っけてったわねぇ、キッティ。
今も、フサフサ、にょきにょき、
しとるんやろぉか。
……まさか、一緒に、
"発表会"にも、出るつもりか?
「……キッティの"発表会"、
けっこー、夜遅く、って、
言ってたわね? まぁ……、
こんな、お祭じゃあ、
そう、なってくるか……」
「日程、ずらせなかったのかな。
それとも、お祭に、あえて、
合わせたのかも、しれないね」
「ぁー、たしかに?
人、集まるだろうし??
魔物の、研究、ねぇ……」
「アンティ。
宿とか、どうしようか……?」
「それよねぇ……! この人の量じゃあ、
また、"コムギ亭"も、
アウトだろうなぁ……。
メリちゃんと、グルテンさんにも、
会いたかったンだけど……」
「あっ、ああ、あの、美味しい、
バジルパンの……!!
……じゅるり!」
「どっかで、隠れて、時間、つぶすかぁ……?
あんなに、あっさり、
"ご本人サマ"って、バレるんじゃあなぁ……」
「そ、そーだねぇー……」
『>>>──や、"像の前"で、なけりゃあ、
>>>大丈夫だって』
〘#……ふむ。私も、そう、思う──〙
先輩と、先生の、意見が揃った。
「そ、そーかなぁ〜〜?」
「あの像の前だと、すぐ、バレましたよ?」
『>>>あれだけ、ソックリなカタチの、
>>>巨大な像が、目の前に ありゃあ、
>>>そりゃ、指、さされるって!』
〘#……くく、良い出来だったからな。
#……お前たちの放つ、独特の雰囲気も、
#……よく、出ていた。〙
それは、そう。
私らが、見惚れるレベル、
だったかんなぁ……///
『>>>逆に言えば、あんな"お手本"が、
>>>なけりゃあ、"クルルカンを探せ"は、
>>>できなく、なるって!』
〘#……明確な、"正解"が、無ければ、
#……今、この街は、リラックスして、
#……歩き放題だと思うがな?〙
「……だって?」
「た、ためす?」
先輩と先生に、説得されて、
ものっそい人の流れがある、
メイン・ストリートに、
戻ってみる。
みんな、楽しそうだ。
進むスピードは、けっこう、
ゆっくり。
「……ぁ、流石に、バレない、か……?」
「さっきの場所、すこし、
像の周りの人、少なかったし、ねー!」
私とマイスナは、相変わらず、
手を、繋いでいる。
マイスナの、言う通りだ。
さっきの、わたし達の像の"根元"は、
みんな……少し、引いて、
10メルトルテの像を、見たいのか、
ポコっと、人が居ない
スペースが、あった。
私とマイスナは、そこで、
ポカーンと、見上げて、
しまった、モンだから……///
周囲の、
お祭りギャラリーさん達からしたら、
よく見える場所に、
目の前の像と、クリソツの女、2人が、
突っ立ってたコトになる。
「近づかんかったら、
大丈夫って、コトか……///」
「でも、ジャンプ逃走した時に、
けっこう、見られちゃったね……///」
『>>>人混みに紛れりゃあ、
>>>良かったのにぃー』
〘#……くっくっく! そうだなぁ〙
か、カンタンに、言って、
くれるわねぇえ・・・!?
そりゃあ、"初代サマ"チームなら、
そゆことも、カンタンお茶の子、
なんかも、知んないケドさぁ──っ……!?
『────あの様な密度の人口に、
────入り込む事など:
────できるのです??☼』
『>>>ぁ、まぁー……、コツだよね。
>>>人は、動くからなぁ。
>>>慣れると、こっちの姿勢で、
>>>向こうが、避けるんだよ』
うわー、先輩、
そーゅーの、うまそーっ。
『>>>はは、しっかし、すげぇな……。
>>>本当に、街中、
>>>コスプレ・パーティじゃん?』
〘#……ふーむ。てっきり、
#……カネトキの格好が、
#……多いかと、思っていたが──。
#……存外、私の格好をしている者も、
#……見かけるものだな?〙
「そっすねー。まぁ、ゆーめいな、
絵本の、敵、味方、ですから。
てか、ぜったい……! あの、
像の、せいだってぇー!
像のマイスナのドレス、
めちゃ、綺麗だったじゃーん!」
「えっ……/// な、なに?///
やだなぁ、アンティ、照れるよ……///」
「嫁、かわよ。
女の人が、銀色のドレスが多いの、
ぜったい、そうだって。
てか、ホンット、仮面屋さん、
多いなっー……!!?
そ、そこらじゅうに、あんわね」
『────質は:あまり良くないですが:
────ちゃんと:薄くとも:
────金属素材を使った:
────お面が:多いようですね☼』
『>>>防具として見たら、アレだけど、
>>>お祭りの商品として見たら、
>>>ありゃ、高級だよね!
>>>ぜったい、子供、喜ぶよなぁ……。
>>>やれやれ、ぼくみたいな暗殺者が、
>>>えらく、明るく、勘違い、
>>>されたモンだなぁ──……』
〘#……くくく、なんだ、カネトキ。
#……お前も、照れているのか?〙
『>>>バッ……!?/// ちゃ、、、
>>>茶化さないで、くださいよぉ……!
>>>アンタも、二本ヅノのレディが、
>>>こぉーんなに、量産されている事に、
>>>なんか、思わないんすかぁー///』
〘#……くく、私は──、
#……"娯楽"に、してくれている分、
#……かなり、"救い"を、感じるがね?〙
『>>>……、コメント、しづれぇよ……///』
〘#……くく、素直に、なれ。
#……お前だって、そう、思っているだろう?〙
『>>>……ノーコメント///』
「……きひひ♪」
「照れてるね♪」
『>>>てっ、照れて、ねーし……!///』
初代、クルルカンとオクセンフェルトも、
色々と──思うトコロが、あるみたいだ。
──わぃわぃ……!
───パッパラー……!♪
────がやがや……!
「──確かに、
こんだけ人がいる所だと、
バレなさ、そうね……?」
「あっちで、ダンスしてる!」
「んぁ、ホントだ。
このまま、道なりに、観光して──、
当初の予定通り、
マリーさんの所、行くかぁー……」
「んだねぇー」
……あれ? つーか、
マリーさん……って、
王都の、冒険者ギルドの、
受付嬢、だよね……?
えーっと、たぶん、前に、
いた所が、職場だからぁ……。
……そーじゃん。
今から行くの、"王城"、じゃん……?
「なんか……緊張してきたわ。
大丈夫かなぁー……」
「そっかー。お城、だもんねぇー」
前も、お城の図書館に、
フツーに、おじいちゃんの執事さんと、
入って、来てたしなぁー……。
「つーかさぁ、なんか、
アヤしい貴族が、
いるかもしれないってーのに、
王城に向かって、いーんだろーか……」
「ぁー……、目立っちゃう、かな??」
マイスナと、心配になる。
〘------個人的な;意見のんけどぉー☆☆
------王城に;変なウワサが;たってる;
------貴族なんて;絶対に;
------長居;させないのんよぉー?☆☆☆
------こっちも;安心;
------したいのんからね──っ☆☆☆〙
あ……ウチの酒飲み精霊王、
そーぃや、"王女サマの記憶"も、
持ってたわ。
『>>>ほぉ……ちょっと、
>>>説得力、あるかな……?』
〘#……くく、あの城の、
#……唯一の、良点だったかもな〙
なにやら、先輩と先生が、
納得している。
……少し、突っ込んで、聞いてみた。
「……昔、先輩と、先生と──、
……"戸橋"さん、が、
召喚された、国の……"お城"の、コト?」
「……いい、お城、だったんですか?」
『>>>……はっはっは! 見た目、はな?
>>>どっかの遊園地よりは、すげーよ』
〘#……くっくっく。人は、腐っていたがな?
#……逆に、"敵"は、入れないような、
#……そんな、城だった〙
〘------そうなんよなーっ☆☆☆〙
そうなんよなーっ、て、アンタ……。
〘------父様は;芸術を見る目は;
------あったけど;
------サイコ野郎;だったから;
------のんなぁー☆
------今;目の前に居たら;
------ぶっ殺すのんよぉ──っ☆☆☆〙
『>>>〘 #……まちがいない 〙』
「……お祭りの日に、
なんてコト言うのよ、
この、精霊王はぁ……」
「えへへ……気持ちは分かります。
もし、アンティが、戸橋さんと、
同じコトされたら、
私も、殺します」
「あんたも、同時に、死ぬって!」
「──あっ、そうだった!」
楽しい、お祭りの雰囲気の中、
私たちは、えっちら、おっちら、
かがやかしい道を、進んだ。