黄金の管理人 上 さーしーえー
※一枚目の挿し絵を追加。
※二枚目の挿し絵を追加。(*´ω`*)
『>>>はーぁ』
きみ達は。
今回の お話は、
お祭りを楽しむ、
ふたりの百合ップルの回だと、
思ったはずだ。
『>>>──やれやれだ』
──所が、どっこい。
今、ぼくは、
高層マンションの、
廊下を、歩いている。
手には、「管理人」と書いてある、
キーホルダーが、
パンチングの穴に通った、
カードキー。
それを、くるくると、
指で、回しながら、
気だるく、ぼくは、歩く。
『>>>ふふふ、ふふ〜〜ん♪』
気配を消す、って、
やり方には、コツがある。
全部を、閉ざすんじゃない。
環境に、まざる のだ。
元・暗殺者の ぼくは、
呑気な鼻歌を奏でながら、
とっとこ、件の場所に、向かった。
コツ、コツ、こっ────・……。
『>>>……ここだな』
とある、上層階の、
部屋のドアの前で、止まる。
四角い構造体の、
吹き抜けの空は、
真っ白な、幻影の空が、
ひろがっている。
『>>>……』
実際に、この部屋の前に来て、
まちがいない、と、確信する。
気配がある。
ふたり……だな。
『>>>こまるんだよねぇ、マジで』
──カードキーをスラッシュして。
────ぼくの行動は、素早かった。
〘++++++はやくして! バレるわよ・・・?〙
『──だ、だいしょーぶ、だって!▽
──ほら、やっぱり、ここが……◎▽◎』
『>>>──なにが、大丈夫だって?』
ふたりから したら、
おもしろい、現象だったろう。
振り向いたら、いきなり、
ポケットに両手つっこんだ、
ぼくが、いて。
いきなり、後ろから、
ドアが、吹っ飛ぶのだ。
まぁ、蹴破ったドアより、
はやく、声を、かけた、だけさ──。
〘++++++げっ・・・!?〙
『──……ぁ──らぁ──……!◎▽◎;』
ふたりの旧神は、
ぼくの顔を見て、
心底、ゾッとした、顔をする。
高層マンションの一室には、
似合わない、
デジタルな、幻影の、機械。
彼女たちは、
なにか、ヤバいものを、
つくっている。
『>>> ── 動くな。こ い 』
『──こ……こっぇ……(((◎▽◎;)))』
〘++++++だ・だから・言ったのにぃ・・・〙
少し、殺気を込めて言うと、
三つ編みメガネと、先生の娘は、
おとなしく、したがった。
リビングの食卓に、
席を、移す。
嘘の空間にしては、
いい部屋だった。
アップルと、クイック・クイーンは、
ひざに手を乗せ、
ショボンと、座っている。
リビングテーブルの上には、
エンジンのような、ホログラムが、
ズガンと、乗っかっている。
──。
『>>>今日は、同人誌 活動は、
>>>してないんだな? マンガ家さん?』
『──ふ、ふへへへ……!▽
──そ、その節は▽
──お世話に、なりまして……◎▽◎;』
『>>>──』
おさらいを、しよう。
この、ヘラヘラ笑ってやがる、
ビン底メガネで、三つ編みの女は、
アップル・メイップル と いう。
"この世界"の、
基礎となる、ゲームを作った、
"世界の印刷機"である、
宇宙ステーション、
" はぐるまどらいぶ " の、
七人のクルーの うちの、ひとりだ。
生前は、人工的に頭部を、軍事用の、
生体コンピュータに改造された、
くそデカ頭の、ミュータントで。
"この世界"に、なっちまった時。
ステーションから、"降下"し──、
植物を利用した、
"ネットワーク"を、構築した。
……"戸橋"の前の、
"木曜日"の、守護者である。
ちなみに、生前の ぼくを、
殺したのは、コイツだ。
アップルの本体は、
世界中に植物を広げ、
意識を拡散した ことに よって、
──狂った。
でかい、ツタの、
オオカミのような、
植物の魔物に、
ぼくは、殺された。
今は、デカイ頭は、
ナリを、ひそめ、
" 本来、こう成長するはずだった "、
姿に、"復元"されている。
先生と、ぼくが閉口するような、
ドグサレりんご腐女子だが。
三つ編みと、
ビン底メガネに飾られた顔は、
クラウンちゃん、ほど じゃあ無いが、
なかなかの、美人、
かも、しれない。
──。
となりの、もう1人の美人に、
標的を、移す。
『>>>アシスタントの傍ら、
>>>イタズラの お手伝いですか?
>>>おねーさんっ♪』
〘++++++こ・こわい・こわい・・・。
++++++その笑顔・
++++++シャレになって・
++++++ないっ・から・・・〙
こっちの、髪が、
透き通る水色をした、
おねーさんは、
元・水曜日の守護者だ。
当時の呼称コードは、
" クイック・クイーン "、
略して、Q.Q.、、、だったと言う。
今の、箱庭上での、正式な型式番号は、
" クイック・クイーン・クワンタム "、
──" Q3 "と、なっている。
彼女は、
遺伝子的には、
先生の、"娘"に当たる。
先生こと、氷帝 銀我の妻、
氷帝 雫の身体は、
病死した後、お腹の子供ごと、
実父である、中国富豪によって、
冷凍保存され──。
後に、"悪意を持った経営者"によって、
"クイック・クイーン・システム"という、
早死する、遺伝プログラムが組み込まれた、
使い捨ての、
クローン兵シリーズに、利用された。
数ある、シリーズの中で、
奇跡的に、彼女だけが、
ぼく達に、たどり着いた。
最近、"Q3"という名前では、
あまりにも、だろうと、
先生から、" 汲霞 "という、
名前を、もらった。
──" 氷帝 汲霞 " 。
先生に よると、
〘#……霞のような、小さな雫も、
#……汲みあげ、水と成す者 〙
という、意味で、名付けたそうだ。
はは、かっこいぃ──……。
こちらの名前で呼ぶと、
彼女は、とても、照れる。
──。
『>>>" キューカ "さん、さぁー。
>>>こーんな所で、コソコソ、
>>>ぼくは、悲しいなぁー』
リビングテーブルの上で、
頬杖を、しながら。
ぼくは、ナナメに立てた、
カードキーを、くるくる、
手遊びしながら、
ダランと、言う。
〘++++++そ・・・!?///
++++++その名前・っで・・・!?///
++++++気やすく・呼ばないでよねっ!?///
++++++ま・まだ・慣れてないって・
++++++いうか・・・!?///
++++++ぱ・パパも・まだ・
++++++あんまり・
++++++呼んでくれないのに・・・//////〙
『──あー▽ あー▽ ぁー……▽
──オウノの、カネトキ、さん?◎▽◎;
──本日は、いったい▽
──どういった、ご要件で……?▽
──今は、"はじめての お祭り"の▽
──"見守り警護"で、忙しいんじゃ……▽』
『>>>んふーっ♪』
ぼくは、わざとらしく、笑った。
『>>>脅威度が低いと判断して、
>>>お嫁さんに、任せてきたよ──。
>>>──で、コレだ』
──ペラリ。
かしこまって座る、旧神どもに、
ぼくは、一枚の、
マンガの、原稿用紙を、
見せてやる。
……この、BL漫画の、モデルは、
明らかに、先生と、ぼくだ・・・。
『>>>なにが 言いたいか、わかるかぃ?』
『──ぇ──っ……と、モデル料?▽』
〘++++++ちょっと・・・!〙
『>>>はは、なめられたもんだ──』
ぼくは、黄金の流路に侵食された、
左腕の義腕で、
原稿用紙の表面を、
パンっ、と、はじく──。
────Vovovovovovo──nn・・・!
〘++++++・・・っ!!!〙
『──で、でこぴん一発で……っ!?▽
──アナログ パスワード、ぜんぶ▽
──突破かよ……!?◎▽◎;』
──ホログラム。
この、原稿用紙には、
未知の、ホログラム・データが、
"転写"、されている。
しかも……"手描き"、でだ。
バカみたいな、"隠し方"、である。
しかも、これは──、
────"設計図"だ。
『>>>ぼく達に、
>>>流路束 感知されないように、
>>>アナログに近い やり方で、
>>>設計したな?
>>>なるほど、箱庭のパソコンで、
>>>こんな情報量のモン、"設計"したら、
>>>すぐに、"検査対象"だもんね?』
『──ひ、ひえぇ──……(((◎▽◎;)))』
〘++++++だ・だから・
++++++バレるわよって・
++++++言ったのにぃ・・・///〙
『>>>──この、設計図。
>>>そこの、機械……だね?』
目の前にある、
ホログラムで組まれた、
エンジンのようにも見える、
──"複合機"。
ただ、ぼくの、予感は、当たる。
たぶん、これは──……、
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これは、なんですか ? ●▼●.*
▼ A.プリンター
B.炊飯器
C.タイムマシン
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『>>>──……" 印刷機 "、だよね? 』
『──っ……!!!!???◎▽◎;』
〘++++++ど・うして・・・ッ!?〙
宇宙ステーション、" はぐるまどらいぶ "。
世界を、印刷できる、
禁断の、七つ星。
原初の、クルー達。
──" 印刷機 " は、ヤバぃ。
『>>>……"何"を、するための、モノだ。
>>>くわしく、話せ』
『──・・・◎▽◎;』
〘++++++ひえぇ〜〜……っ・・・〙
金色の神さま である ぼくは、
漫画家とアシスタントに、
にらみを、きかせた。
ちと多忙ふにゃふにゃ中です! (:3_ヽ)_