教えて、ヒゲイドさん! さーしーえー
※前話のキッティの挿し絵を、
ちょちょっと修正。(๑•̀ㅂ•́)و✧
PiPiPiPiPi──▼
アンティ から ヒゲイド へ
コール ▼
第三基板時限通信▼
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ヒゲ:「──現着したか?」
アン:『問題なく。ただ、
ちがう問題が起きてる』
ヒゲ:「……。すべてが、
フルスピードな奴だな。
言ってみろ」
アン:『大街門の最終を
通った時に、
ギルドカードが反応して、
衛兵が出てきた』
ヒゲ:「数は。今は何処にいる」
アン:『増えてる。3……、
いや、今、4人。
門の近くの柱の影から、
マイスナと見てる』
ヒゲ:「そいつらの武装を
教えてくれ」
アン:『全員、槍、持ってる。
おそろいの装備』
ヒゲ:「槍だと? そいつら、
ヘルムは被っているか?」
アン:『頭装備? かぶってる。
スポッと被る、鼻筋に、
ガードが付いてるやつ』
ヒゲ:「王城直轄の部隊だな。
お前ら以外に、
反応したという触りは?」
アン:『王城直轄!?
ぃ……いいえ。
タイミング的に見ても、
間違いなく、私たち』
ヒゲ:「ぅーむ……」
アン:『バレたかな……』
ヒゲ:「……ランク情報は、
初期記録では、
表示されないはずだが……。
祭りの最中だ、人は多いな?」
アン:『──? もちろん、
かなり います』
ヒゲ:「では、Sランクがバレたとは、
考えにくい……」
アン:『5人目が、詰め所から出てきた。
なんか、焦ってる』
ヒゲ:「あせってる? 衛兵たちの、
様子を教えてくれ」
アン:『ん? なんていうか……、
ほんとに、アセアセ、
って、感じです……。
さっきから、すっごく、
キョロキョロしてる。
ぜったい、誰か探してる』
ヒゲ:「……? 奇妙だな……。
声がけは、あったか?」
アン:『だから、隠れて、
覗いてるんだって』
ヒゲ:「ちがう。"全員、とまれ!"、
などの、全体を、
制止するような、号令が、だ」
アン:『……?? そ、それは、無いです。
今も商人さんとか、
いっぱい、進んでるし……』
ヒゲ:「尚更、妙だな……。
5人の直轄駐在は、
ひとつの門に配属される、
マックスの人数だ。
そいつらが、5人とも、
出張ってくるのは、
確かに、異常事態だ。
なのに……いやに警戒度が薄い」
アン:『待って。何か……配ってる』
ヒゲ:「くばってる?」
アン:『最後に出てきた、
5人目の衛兵さんが、
他の4人に、何か、
ひとつずつ、渡してる』
ヒゲ:「……?」
アン:『──"指輪"だ。
5人、全員分、
あるみたい。
みんな……慌てて着けてる。
……索敵用の
アイテムか、何か、かな………』
ヒゲ:「索敵装備なら、
5人、全員が、
着ける必要は無い。
アンティ、その指輪、
色は分かるか?」
アン:『黄金。紋章が、
彫り込んである』
ヒゲ:「……お前ら、何処から、
見てるんだ?」
アン:『だから、柱の影だって。
まだ大丈夫、
25メルは、離れてる』
ヒゲ:「……二代目クルルカンの、
視力検査をしたい所だが……。
金色の指輪、と言ったな?
紋章の意匠は分かるか?」
アン:『クラウン、ズーム。
──"ラビット"……!』
ヒゲ:「間違いない、"式典用"だ。
安心しろ、二人とも。
ランクがバレている訳では、
なさそうだ」
アン:『……どういう?』
ヒゲ:「その指輪は、王城に仕える者が、
"礼装"として身に着ける物だ。
アンティ、そいつらは、
槍を、左手に持ってるだろう」
アン:『……!? は、はい。
5人全員、左手に持ってます』
ヒゲ:「うむ。警戒時には、
右脇に無ければ、おかしい。
どういう事かは、
分からんが……」
アン:『こっちだって、よく、
分かんないですよぅ……!
どゅことなの……?』
ヒゲ:「"警戒"されている、
というよりも、
恐らく──、
" ビビられて " いるな。
そいつらの反応は、
まるで──"お忍び"で、
お偉いさんが、
いきなり来ちまった!
みたいな時の、反応だ」
アン:『……!? なおさら、ワっケ、
わっかんないんですけど……!?』
マイ:『……! ねぇ、アンティ。
あの衛兵さんたち、
キョロキョロしながら、
何か……緊張してるように、
見えるよ?』
ヒゲ:「マイスナか。そいつら、
動きが、ギクシャクしてないか?」
マイ:『すっごい、してる。
どうしたら いいんだ〜〜!?
って、顔、してます』
ヒゲ:「アンティ、マイスナ。
かまわん、今すぐ、
そこから逃げろ」
アン:『いや、でも……!? 後で、
迷惑、かかんないですかね……!?」
ヒゲ:「なんだ、俺の心配を、
しているのか?
──ハッ! 今さらだ。
気にするな。行け」
マイ:『で、でも、なんで探されているのか、
理由が、分からないままです』
ヒゲ:「ギルドカードは、
ふたりとも、振動したのか?」
アン:『そう、だよね……?』
マイ:『はい、わたしのも』
ヒゲ:「誰かが、お前たちを、
"要人登録"している、
──のやも、しれん。
王都の門を くぐったら、
王城の衛兵が、
挨拶をしにくる、レベルの、だ」
アン:『な、なんスか、それ……!?』
マイ:『こ、心当たりが、ありません……!』
ヒゲ:「俺は、逆に、
あり過ぎる気もするが……。
とにかく、逃げろ。
もし見つかったら、確実に、
"ヤバい地位"の奴が、
居る所まで、
" ご同行 "を、お願いされるぞ?」
アンマイ:
『『 ひ、ひえぇぇぇぇ……!? 』』
ヒゲ:「幸いなのは、
罪人として、
捕捉されている訳では、
無いという点だ。
恐らく、門の水晶球に、
"要人が二名、通過した"と、
表示が出ているんだろう」
アン:『な、なんでなんですか、
それぇー!?』
マイ:『指名手配犯としては、
フクザツな気持ちなんですが……』
ヒゲ:「ほぼ、任意同行の流れだ。
逃げても、今は……、
罪に問われんだろう」
アンマイ:
『『 ぃぃ、いまはッッ……!? 』』
ヒゲ:「何故、そのような反応が、
門の水晶球に あったのかは、
今は、わからん。
もしくは……、根本的に、
俺の仮説が間違っていて、
全く別の理由で、
追われてるのかも、
しれんしな……」
アン:『そ、そんにゃー!?』
マイ:『す、すっごく、コワイんですが……!』
ヒゲ:「だから、逃げろって。
こっちに、気を使わなくて良い」
アン:『ぃ、いいんですね……!?
ホントに、逃げますよぉお……!?』
マイ:『後で、怒られても、
知らないです、からね……!?』
ヒゲ:「くっくっく。何を、今さら。
ただ、お前たちの足音は、
うるせぇからなぁ……。
どうだ、溶け込めそうか?」
アン:『 ぁっ……! 』
マイ:『 ぅぇ……! 』
ヒゲ:「どうした?」
アン:『す、すごい……』
マイ:『うわあ……!』
ヒゲ:「 む? 」
アン:『──そこらじゅう、
" 黄金の義賊 クルルカン "と──』
マイ:『" 白華の狂銀 オクセンフェルト "、
だらけ、です── 』
ヒゲ:「 ──ほぉぅ? 」
そいつは、まぶしそうだな、と、
ヒゲイドは、思った。










