とむらうしかた 上
やっべ、さっき、
少しだけネタバレ投稿しちゃった(^_^;)
冒頭、消しますたーっ!(´>∀<`)ゝ
結果から言うと、
カネトキは、止まらなかった。
『>>>いくよ』
『────ぃ:今はっっ……!☼
────まずいですって……!?☼』
〘#……カ……カネトキ!
#……落ち着くのだッッ……!〙
〘------いきなり呼び出して;
------どうしちゃったのんなぁ……??☆〙
『──ぉ、おにいちゃん❖
──ちょっと、こわいよ……?❖』
金の髪を持つ青年は、
止める、太陽神と、水曜神を、
半ば、引きずるように しながら、
前へと、進む。
その後ろを、月曜神と原火神が、
唖然と しながら、
追いかけている。
向かう先は、
かつては敵同士だった、
ふたりの、乙女の部屋である。
『────さ:さすがに:
────ぶっ飛ばされます……!☼』
〘#……この時間は、いかん……!
#……統計学的に、だッッ……!!〙
それでも、カネトキは、
止まらなかった。
『>>>関係、ないね……!』
〘------知らんのんよぉーっ☆〙
『──うわーっ……///❖』
禁断の部屋の扉を、
ブチ破る勢いで、
カチ開く────・・・!!
──ガチャ、 ド ッ ッ・・・!!!
そこに、ふたりの少女が 居た。
〘#……── 〙
カネトキの次に入室したギンガは、
まるで、"ウロボロス"のようだと思った。
互いの尻尾を、食い合う、龍。
それは、完全。
それは、永遠。
それは、不滅の、証で あったか。
ふふ、案ずる ことなかれ。
ふたりは、今は、食い合うのを止め、
互いの腹を、枕にして、
眠り合っている、だけである。
ただ、この物音だ。
目は、さめているだろう。
あれだ。
" ボス部屋 "に、入った時。
ムービーが、挿入される。
今は、そんな感じだった。
カネトキ、クラウン、
ギンガ、ローザ、
そして、シゼツが、入室し。
アンティとマイスナは、
ゆっくりと、起き上がった。
やわらかく、被さっていた、
純白の、サテンのようなシーツが、
滑り落ちる。
ゆっくりと、だ──。
──しゅるる──── 。
「 「 ( ¯꒳¯ )ᐝ( ¯꒳¯ )ᐝ 」 」
ゆっくりと、
上半身を、起こし合った、
ふたりを、見て。
カネトキが見た幻覚は、
不思議なものだった。
予想していたのは、
殺意のようなものだったが、
それとは、真逆で。
黄金と、白銀の、瞳が、
緩やかに、ひらかれる様に、
幻視するのは、
多数の、花だった。
アンティとマイスナが、
覚醒する時に、
美しい、きらめく花が、
彼女たちの背景で、咲いた。
『>>>……、──、 、…… 』
その、予想とは真逆の。
彼女たちの、寝起きの印象が。
彼の頭を、少しばかり、冷やし込んだ。
気づけば、彼女たちが眠っていた部屋は、
ふるい世界で言う、
マンションの、一室に、近い。
『>>>……』
〘#……これは〙
つまり、"現代風"だ。
まるで、ファンタジーとは、
かけ離れている内装である。
カーテン、ベッド、
チェスト、液晶テレビまで ある。
床のカーペットには、
脱ぎ散らかした、少女 二人分の服が、
無造作に、置かれており。
小さな机の上には、テレビのリモコンと、
食べかけの、
鶏肉と、ブロッコリーを炒めた物が、
飾り気の無い、
薄い、金属の皿に、
フォークと共に、入れられている。
ふたつの、コップの下には、
100円均一で売られていそうな、
木で できた、網の目の、コースター。
たぶん、この部屋は、
世界の、ルールから、外れ。
彼女たちこそが、"掟"だった。
さて、ボス戦前のムービーが終わり。
という冗談は、さて置いて。
すやすやと、先まで眠っていた、
アンティとマイスナは、
乱入者たちに対して、
どうしようか、考えている。
「……── 」
「……── 」
自分たちが、
盛りきっている自覚は、
もちろん、あるのだが。
秘密の部屋で、ふたり、
裸で寝ている所を、
いきなり、ノック無しで、
大人数で、立ち入られたのならば、
それなりの文句は、
言える、立場だろう。
多少、ヤっちゃっても、
良いかも しれない。
後ろの、白いカーテンを透過する、
ふわふわ とした、ソルギアの陽光は、
実に、のん気だ。
「おこったほうが、いい?」
「びっくりしちゃった」
ストン……と、カネトキは、
ひざを、床に落とし、
へたりと、座り込んだ。
『>>>ぼくが……"香"、だ』
「「 ……! 」」
『>>>ぼくが……"香"、で、
>>>先生が、……"桜"、だ──…… 』
アンティとマイスナは、
だいたい、察した。
『>>>すまない、でも……』
「「 …… 」」
『>>>そろそろ……教えて、欲しいんだ』
アンティは、そのまま、
ベッドの上で、あぐらを かき。
マイスナは、いつものように、
ぴとり、と、よりそう。
『>>>知って、いたんだろう……?』
「……。」
「……、」
アンティは、しばらく、
床の絨毯の方を、
眺めて、いたが。
やがて、顔を上げ、
あぐらから解いて、
まるで、合掌をしたかのような、
自分の足元を、
両手で、包み込みながら、
話を、した。
「あの時に──。
ミュステルの座の、上にあった、
大聖堂で、宝石の光を、
撃ち、込まれた時──。
言われたのは、
" 助けるための 条件 "、だったの」
『>>>だれに……言われた?』
「たぶん、"白の王"──」
マイスナが、継いで、答えて。
『──、えっ……!?❖』
かつての、"死"と、"火"の王が、
ドキリと、した。
彼女の髪の色は、
燃え尽きた炭のように、
真っ白である。
『>>>……』
カネトキは、たずねたいことが、
ありすぎたが──。
『>>>……──つづけて、くれ……』
まずは、話を、聞くことにした。
黄金の髪の少女が、続ける。
「要約、するとね……。
宇宙にいる、カオコの"魂"を、
"壁"を超えて、
地上に、" 引っ張ってこれる "かも、
しれない、って、こと、なの──」
『>>>……!!』
〘#……"魂"を、ひっぱる、だと……?〙
これには、ヒョウテイたるギンガも、
言葉を、引き出されるに至った。
"壁"とは。
"今"の世界の、上空、50 ケルラ-メルトルテ、
または、50ケルメル、つまり──。
50,000 m、
または、50 Km、上空の、
成層圏 付近に存在する、
絶対 踏破不可能な、
透明の、" 障壁 "の こと である。
とあるプログラムが元になっている、
この世界の あらゆる生命体は、
この、"仕様"となる"壁"から、
"空の上"に、出ることは、出来ない。
香桜子が居るのは、宇宙だった。
今にも、壊れそうな、
七分の一の ユニットになった、
宇宙ステーションの、残滓の中で、
今も、"木曜神"として、
"地上"を、見守っている──。
✧
✧ ×
× ×
×
×
〘#……〙
『>>>呼び寄せる方法とは、
>>>どんな、ものだい』
ふたりの少女が、裸な ことなど、
今は、どうでも良い──。
マイスナが、アンティの肩に、
そっと、寄り添いながら、継ぐ。
「"かお"、"ことば"、"し"は、
元々、ひとつの、ものでした。
それらは、たがいに、
引き合うチカラを、宿しています」
「それを、利用するんだって。
でも、厄介な、法則がある」
『>>>……!?』
カネトキは、"利用"という点に、
突っ込みたかったが、
"法則"、という言葉に、
声を、詰まらせる。
その差で、ギンガの方の、
問いの速度が、勝った。
〘#……"法則"とは、なんだ〙
「「 みっつ に すること 」」
『>>>なんだって?』
当然、誰も、理解できなかった。
「"四"、に、到るまでには、
"三"までが、必要なの」
「本当は、"かお"、"ことば"、"し"の、
みっつ で、いいのに、
それが、バグって、しまったんだって」
『────どういう……☼』
クラウンも、一歩、踏み出す。
「"かお"、"ことば"、"し"、
これらが、合体する時に、
"よっつ"、必要なの」
「3じゃなくて、4。
これが、厄介な、ルールになってる」
『>>>……』
〘------どういう意味のん?☆〙
〘#……訳が、分からん……。
#……なぞなぞの、ようだ〙
ローザと、ギンガが、
首を捻るような顔をする。
ただ、カネトキだけは、
じっと、考えている。
『>>>……。
宇宙の、香桜子の、"言葉"を、
呼び寄せる、ためには、
本来なら……"顔"と、"死"の、
2つだけで、よかった。
合計で、"3"……。
でも──この世界の、
なんらかの、バグで、
その、すべてのファクターは、
4つに、する必要がある。
だから、変な、とんち話みたいな、
訳の分かんねぇ状態に、
なっちまってる……』
「「 うん 」」
『>>>……ならば』
『────:……!』
カネトキは、謎に近づき、
クラウンは、ハッとした。
『>>>……"黄金の仮面"、
>>>……"白銀の仮面"、
>>>……"死神"、
>>>……"木曜神"。
>>>──これで、"4つ"──だな?』
〘#……ッッ!!!〙
『────カネ:ト……!☼』
「「 そう 」」
アンティとマイスナの言葉は、
ひとりのように、重なる──。
「「 いくつかの、偶然が、
可能性を、生み出す 」」
カネトキは、いつの間にか、
絨毯の上に、
座り込み──。
爽やかな陽光の中で、
重々しく、言った。
『>>>ぼくと、先生の"魂"を、
>>>消費すれば──……。
>>>戸橋の"言葉"を、
>>>呼べるかも、しれないんだな?』
『────:……っ!!☼』
アンティと、マイスナは、
一糸まとわぬ姿で、
"ぼくたち"を、見つめている────。
「「 " ことばおろし " は、
ふたつの仮面によって、
せいりつ、しているの 」」
『────ぎっ……☼』
クラウンは、はじめて、少しだけ。
アンティを、にくらしく、思った。
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