聖なる樹の家の啓蒙 上
あけまして、おめで、ちがうんスよ。
正月絵が カコ絵うさ丸なのは、
手抜きとかじゃないんスよ
ちゃんと輪郭線ぜんぶタブで
書き直して尻尾の大きさとか
耳とか調整してっし決して
リア仕事でタレ忙しかったとかでは
とうございます。
バババ:
「それで? どうぃうコトだィ?」
アン⿸ィ:
「>>>まぁ……なんだ、
>>>現実逃避ってヤツだよ」
マ⿻スナ:
「#……申し訳ない。
#……まさか、引きこもってしまうとは」
バババ:
「あの子たち、なんか、あったのかィ?」
アン⿸ィ:
「>>>はぁ──……、ま、ちょっと、ねぇ。
>>>厄介なコトに、なっててねー……」
マ⿻スナ:
「#……遅かれ早かれ、こういう時が、
#……来るとは、思っていたがな。
#……ぅーむ」
バババ:
「厄介な事になってるってのァ、
アンタたちの喋り方みりゃァ、
イッパツで、わかんだよォうー。
言っとくけど、アンタたち、
今、かんわいんらしぃ声で、
実に、ひねくれた喋り方、
してっかんねェー?」
アン⿸ィ:
「>>>ひどいな、バスリーちゃん!
>>>ぼくは、そんなでも、ないだろぉー」
マ⿻スナ:
「#……くっくっくっく、ご婦人よ。
#……此奴の捻くれ方は、
#……200年そこいらでは、
#……治りはせぬ」
バババ:
「やーれやれェ。こんなヤツらに、
取り憑かれてちゃあ、
この子たちも、先の苦労が、
思いやられるねェー!!」
アン⿸ィ:
「>>>あのねェ、バスリーちゃん。
>>>これでも、ぼくら、
>>>けっこー、世話してんだぜ?」
マ⿻スナ:
「#……くっくっく。よせ、カネトキ。
#……自分の手柄など言い始めると、
#……いよいよ、年寄りくさいぞ?」
バババ:
「ほーォんっ。絵本の中と違って、
仲の、よろしそうなこったァ」
アン⿸ィ:
「>>>……。しかし、バスリーちゃん。
>>>コレ……だいじょうぶ、なのかぃ?」
マ⿻スナ:
「#……そ、うだな……」
バババ:
「ぁ、なにがだィ?」
アン⿸ィ:
「>>>いや、音! 音!」
マ⿻スナ:
「#……先ほどから、家の壁などが、
#……バキバキと、鳴っているようだが……」
バババ:
「昼間はねェ、幹が、
成長しやがんのさァ!
今日も、天気が、良かったからねェ!」
アン⿸ィ:
「>>>もぅ、コレ……木の中だな」
マ⿻スナ:
「#……まさか、家・自体が、
#……このような大木に、
#……飲み込まれて、いようとは……」
バババ:
「か──っかっかっか!!!
村の子供たちァ、アタシが、
ここに住んでるのを、なかなか、
羨ましがっとるよォーっ♪♪」
アン⿸ィ:
「>>>ははは……!
>>>ま、ファンタジックでは、あるよね!」
マ⿻スナ:
「#……ぅーむ……。
#……以前は、家の屋根に、
#……アフロのような精霊花が、
#……咲いていた、だけだったが……」
バババ:
「ホレ、アレだよ。
たまに、野菜が、バカでかく、
なってんだろォ?」
アン⿸ィ:
「>>>うん。……あっ。
>>>やっぱ、そゆこと?」
マ⿻スナ:
「#……"精霊花"、自身が、
#……精霊花を、"巨大化"させたのが、
#……"聖樹"、という事かね?」
バババ:
「ま、そういぅコト、だろぉねェー。
アタシも、最近、そうだと、
思いいたった、トコだけどもサぁ」
アン⿸ィ:
「>>>しっかし、この家、もう、
>>>完全に、飲み込まれてんな……。
>>>"聖樹の家"じゃん。
>>>どうすんの、コレ」
マ⿻スナ:
「#……ぅーむ。
#……今も、成長しているようだが……。
#……家の壁の強度は、
#……大丈夫なのかね?」
バババ:
「ま、そん時ゃ、そん時だよゥー。
アンタぁねェー、その可愛い声で、
"なのかね?"、なんたァー、
言ってんじゃないよォ!!」
アン⿸ィ:
「>>>コレ、危なくなったら、
>>>ちゃんと、逃げんだよ?」
マ⿻スナ:
「#……クックックックック!
#……これは、手厳しい」
バババ:
「せっかく、集まってきたヤツらが、
増築してくれたってのに、
あっちゅう間に、樹に、
なっちまったんだよォ!
まいったねェー。
地面から持ち上がった日にゃあ、
あやうく、すっ転びそうになったもんさァ!
か──っかっかっかっか!!!」
アン⿸ィ:
「>>>笑い事じゃ、ねーな。
>>>それ、落ちかけてるよね?」
マ⿻スナ:
「#……クックックックック!
#……これは、長生きしそうだ」
バババ:
「せっかく、手ェ入れてくれた家さァ、
できりゃー、ココがいいのさァね。
んで? アンタたち、どうする気だィ?
さっき、下の幹に、
階段板、打ち付けるの、
手伝ってくれた時にゃあ、
もう、"替"わってただろォ?」
アン⿸ィ:
「>>>よく、見てんなぁー……」
マ⿻スナ:
「#……くく、聖樹の幹に階段を打つなど、
#……少々、バチ当たりかも とも、
#……思ったのだがな?」
バババ:
「植物、ナメんじゃないよォー。
ま、これだけ地面から離れちまうと、
ちと、景色も、良くなるってモンさ──」
アン⿸ィ:
「>>>……! ……そうだね──」
マ⿻スナ:
「#……うむ。忖度なく、美しいな──」
バババ:
「そうさァ。見なァ。
コレが、アタシたちの、"故郷"さァ──」
アン⿸ィ:
「>>> ── 」
マ⿻スナ:
「#…… ── 」
バババ:
「かっかっかっかっか……♪
そっちの、銀さんの墓も、
おっ建てて、みたァ、どうだィ?」
アン⿸ィ:
「>>>ははははは……」
マ⿻スナ:
「#……ん? そうだな。
#……確かに、眠るには、良い場所だ」
バババ:
「アタシも、そう思うねェ」
アン⿸ィ:
「>>>ここから眺めて見ると、
>>>ずいぶん、エルフが、増えたなぁ……!
>>>コココと、リリリも、
>>>走り回って、くれてんだろ?」
マ⿻スナ:
「#……このような、美しい土地だ。
#……仲間に教えたくも、なろう。
#……もう、街に、なりつつあるのでは?」
バババ:
「はん。あの、アベックは、
どうも、張り切ってるようだねィ。
やれやれ、せっかくの新婚だ、
家で、ゆっくりしてりゃあ、
いいモンを!」
アン⿸ィ:
「>>>ははは……おいおぃ。
>>>今、ぼくと目が合ったエルフが、
>>>深々と、頭を下げて来たんだけど」
マ⿻スナ:
「#……ほぅ、本当だな。
#……ククク、さすが、
#……エルフたちの英雄だ」
バババ:
「結界柵の事も、
この村の一員として、礼を言うよォ。
あんがとねェい」
アン⿸ィ:
「>>>よしてくれよ。
>>>英雄なんて、何処にも居ないさ。
>>>結界柵は、あの、デッカイ、
>>>粋なギルドマスターが、
>>>やってくれた事さ」
マ⿻スナ:
「#……クク、先見の明が、
#……あるのだろう。当然だ。
#……この場所は、"隣街"、
#……と、なるのだからな?」
バババ:
「アンティたちからの見聞もあって、
アタシたちは、西の巨人のことは、
かんなり、信用に足ると思っててねェ。
まぁ、良かったよォ。
皆、故郷の独立を認められたと、
喜んでてねェー……!」
アン⿸ィ:
「>>>あっちの街から、
>>>けっこうエルフが、
>>>引き抜かれているのか?
>>>なんて街だっけ?
>>>民草が減って、
>>>なんか、文句とか、言ってこないの?」
マ⿻スナ:
「#……! かつて、
#……お前と、ロザリア王女が旅をした、
#……" 大河と橋の街 "、……か」
バババ:
「──" シーテルアギア "って、国だねィ。
今ん所、エルフが減って、
文句なんざ言われた事ァ、
聞いた事が無いよォ。
あそこは、自由な国風って話サ。
河を中心に、人も、エルフも、
気ままに流れていくらしいよォ」
アン⿸ィ:
「>>>へえぇ、あの街がねぇ……」
マ⿻スナ:
「#……今は、エルフも人も、
#……仲良く、暮らしているんだろう?」
バババ:
「ああ。コココ達の話を聞く限りァ、
いい国のようだよォ。
あそこは、"公国"だからねィ。
仕切ってるのは、貴族なンだが、
どうも、なかなか、
慕われているらしぃネ」
アン⿸ィ:
「>>>貴族……てことは、セリゴの、
>>>子孫なのかな……?」
マ⿻スナ:
「#……セリゴとは、お前が助けた、
#……子供のことか……?」
バババ:
「その名前は、伝わっているよォ。
" 穏やかな名君 "だったってねェ」
アン⿸ィ:
「>>>は♪ アイツがねぇ── 」
マ⿻スナ:
「#……不思議な、ものだな。
#……二百、数十年前の、
#……お前が会った事のある人間が、
#……友好の歴史を紡いでいる、
#……と言うのは」
バババ:
「かっかっか♪ シーテルアギア公国には、
アンタの像が、あるらしいよォ♪
一度、見に行ってみたら どうだィ♪♪
あそこは、"義賊クルルカン"の、
聖地、だからねィ♪♪♪」
アン⿸ィ:
「>>>は! 勘弁してくれ──。
>>>そんな、色んな所に、聖地が、
>>>あって、たまるかよ。
>>>けど……そうか。
>>>あの、ちっちゃな、セリゴが──…… 」
マ⿻スナ:
「#……お前との出会いから、
#……大切なことを、学んだんだろう。
#……"他"を思いやる、"自"らの、心だ」
バババ:
「はん。ところで、アンタたち。
マッズイお茶の、おかわり、いるかィ?」
この3人 話してるの、
なんかイイよね^^