走れ我が家
※今日も温度差が激しいので、
体調には気をつけませう。
陽神:『────まもなく:
────中間地点です☼』
森を駆けている時は、
ずっとマイスナと、
おしゃべりしているかと言うと、
そういう訳でもない。
ふたりして、黙々と、
走っている事も、かなり多い。
自然の地形は、ひとつも、
同じ凹凸なんて無いから、
足運びにも、気を使う。
それに、けっこう、
風の音が、うるさかったり、する。
耳の後ろに、ゴゥゴゥと抜けて、
空気は、重いものだと、実感する。
となりに彼女が いるから、
よく、分かるのだけれど、
気温によっては、走った後に、
「雲の皿」みたいなものが、
まるで、私たちが、
ソコを突き破ったのを、
面白がっているみたいに、
ずっと──付いてくる。
これが、けっこう、髪を巻き込む。
速く走ると、体の後ろに「雲」が、
まとわりつくのは、
"郵送配達職"あるある、ってワケね。
この「雲の皿」のコト、
クラウン達に聞くと、
陽神:『────" ヴェイパーコーン ":
────というやつです☼』
金神:『>>>戦闘機とかで、
>>>たまに、あるやつさ』
と、ずいぶん、のん気な印象で、
返された。なんそれ。
時折、何かをズズズ、と、
飲んでる音が聞こえるので、
私が走っている間、
あの人妻神は、旦那の膝の上で、
最近ハマっている、
ほうじ茶を飲んでいるに、違いない。
銀聖:『今日は"雲の皿"、すごいね……!』
金聖:『ほんとうに! どーにか、ならんかね!』
本気で走っている時の、私たちの会話は、
もっぱら、"思念通信"が主流となっている。
心の中で響く、"音声会話"。
どれだけ離れようとも、
私たちは、どこかで、繋がっている。
金聖:『──やれやれ、しっかし。
えれぇーことに、なったわねぇ……』
銀聖:『受け取りサイン──どっしょっか……?』
ヒゲイドさんに頼まれたのは、
" 結 界 柵 " の配達だ。
つまり、
" 魔物避けの棒 " 、である。
ドニオスやら、王都みたいに、
でっかい壁に囲われた、
巨大な街ばかりでは、当然、ない。
私の故郷の街や、バヌヌエルの村など……、
とてもじゃないけど、
あんな分厚い壁を作れない人里には、
"結界柵"は、
生活、必須の物となる。
正直、"積荷"が何なのか、
分かるまでは、ヒゲイドさんに、
噛み付いた。
────。
ヒゲ:「"花守の村"、だったか?
新しい、エルフの集落が、
出来つつあるのは、
こちらでも、把握している。
良い事だと、思う。
ここ200年、彼らは人族との、
友好のために奔走し、
中々、"故郷"の再生に、
乗りだせなかった。
あの"花"には、特別な力が、
あるようだが──……まぁ、
それでも、"結界柵"は、
必要だろう。ふ、
花畑の上では、出来ないことも、
あるだろうからな?」
結界柵の棒は、
キレイな、術式彫刻が なされた木棒に、
小さな魔石が埋め込まれているのが、
主流だと思う。
決して、安価な物では無い。
ヒゲ:「カーディフの街も、
どうやら、山火事の後の処理を、
上手く、立ち回れたようだな。
街を広げるなら、今だろう。
来年の春までに、
"柵"で、覆わねば ならん」
カーディフに近い丘は、湿気が多く、
ほっとくと、すぐに植物が、
育ってしまう。
それは豊かな作物も育むけれど、
同時に魔物も集めてしまうので、
"焼け広がらない限り"は、
中々、開拓が、難しい。
ヒゲ:「"カーディフ"に、300。
"エルフの村"に、300、だ。
かなり太さもあり、いい物だ。
お前たちに、頼みたい」
銀聖:「……、……」
金聖:「……依頼人は」
ヒゲ:「──俺だ。
正直に言うが、これは、
俺の独断だ。
イヤな言い方をすれば、
"先行投資"ってヤツだが──」
ここで、葉巻を食む。
ヒゲ:「ふぅ──……。身勝手かもしれんが、
ま……礼の、つもり でもある」
金聖:「……! そ、それって、
あの……もしかして、
わ、"私ら"、への……?」
銀聖:「……!」
は、は……。つまり、なんだ。
ギルドマスターからの、
" 個人的な プレゼント "、、、って、コト……?
ヒゲ:「どの道、タイミングは、
今をおいて、他に、無い。
──"どちらも"、だ。
有意義な、"さしいれ"に、
なるはずだ。
ふ、この街のギルマスになって、
もうすぐ10年になるのだ。
" ご近所付き合い "ってのは、
大事だろう?」
金聖:「……その、……」
銀聖:「アンティ……」
ヒゲ:「言いたい事は……よく分かる。
だが……昨日、最後に一晩、
考えたが──、結局、
お前たちが適任だと、判断した。
やり方は、任せる。
他のやつには、任せたくないのだ」
金聖:「……ぅ、──」
銀聖:「あーっ、ずるいぞーっ!」
ヒゲ:「……はは、そうだな!
それでも、"未来を作る仕事"だ。
間違いなく、な。
ふふ、どうだね?
やってくれるかな?
" レターライダーズ " ──?」
────。
金聖:『──ホンっっト、ずりぃゃ……!』
銀聖:『ぇへへ、そっだねー♪』
ひでー、話だ!
くそっ、あんな風に言われて、
ことわれるかぁああー……!!!
ここで断ったら、
"郵送配達職"の、名折れじゃねぇか!!
はぁ……。
生理みたいな、ストマックだ……。
だけど、受けたからには、やりとげよう。
えーっと。
バババばーちゃんの村の前に、
カーディフの方に、"配達"する事にした。
まぁ……アレだ。
先に、不安のタネを
取っときたい、感じだわ。
銀聖:『アンティ、複雑そうだね』
金聖:『ま、そりゃあね……。
身バレしたら、あの街、
"人質"にされちゃうかも、
しんないって、
本気で、思ってんもん。
ただ……、
"いち・カーディフの住民"、
としては、ヒゲイドさんの、
"プレゼント"は、
めちゃくちゃ、有り難いのよ。
"上級・結界柵"、300本よ?
街の発展が、5年は早まるわ』
牧場や、畑を拡げるには、
まさに、バッチリの、
タイミングなんだよなぁ……!!
食堂が実家の、一人娘なのだ。
これの大切さは、痛感できる。
とどのつまり、だ。
やっぱり重要なのは、
"受け渡しの方法"、な、ワケで──……!
銀聖:『作戦、どうする?』
金聖:『……走りながら、考える』
銀聖:『……あっと、いう間だよ?』
金聖:『……うっうっうぅ……っ!!
格段に性能が良くなった、
ヨロイが、うらめしい〜〜……っ!!』
新しいヨロイは、
なんとも、すこぶる調子が、良い。
なんというか……、
"裸"みたいな、ヨロイなのだ。
……カンちがい、すんなよ?
とにかく、"動きの阻害"が、
無いって、ハナシよ……///。
前も正直、"外見"以外は、
文句の付けようが無かったけれど……、
今回のヨロイで、さらに、
良くなっていることを、
走ってる今も、
ヒシヒシと、実感してる・・・!!
銀聖:『アンティの、腕の弾倉、
そんなに上手く格納できるなんて、
思わなかったね!』
金聖:『それやろ……。この、
腕の、ドラゴンのクチ、
みたいなトコロに、キレイに、
おさまってんだもんなぁ……。』
両腕の、"シゼノリボルヴ" は、
きれいに腕の中の装甲に、
格納されており、"展開式"と、なっている。
シゼツ由来の、あのリボルバーの弾倉は、
絶対に壊れないはずなのだが、
何故か……" 伸び縮み "する性質が、
より、強化されているみたいだ。
発動すると、腕の装甲が展開し、
まさしく、" ドラゴンのガン・アーム "、
的な、アレになる。
かなり、イカつい。
どうなってんの、アブノさん……。
金聖:『しっかし、チカラの調節、
ラクに、なったわねぇ……!』
銀聖:『ホント、ホント♪
さっき、木を蹴った時、
ぜんぜん、ブレなかったよ!』
関節部のストレスが、
まったく、無くなっており、
それでいて、強度は ある。
身体がヘンな方向に曲がろうとすると、
ドラゴンの装甲と筋肉が、
肉体を、補助・調整する。
頭のイメージ通りに、
思ったとおりに、
チカラの向きが、通る。
ありえんくらい、なじむ。
アブノさんの謎・技術は、
悔しながら……舌を巻くばかりである。
しかも、ね……?
銀聖:『ぁ、やっぱり……"エロ下着"、
ヨロイの中で、変形、
してるみたいだね……///』
金聖:『"エロ下着"って、
言わにゃいのっ……!///』
どうやら……、
例の、、、" 超ドエロ・ランジェリー "の上から、
ヨロイを装着すると……、
さらに、性能が増すみたいなのだ・・・!!!
な ん で な ん !!?
明らかに、インナーマッスルの、
反応速度と精密さが、
わずかだけんど、
確実に、上昇すんだけど……ッ!?
銀聖:『ょ、"夜"も……す、すっごぃ……///
"変形"、してた、モン、ね……』
金聖:『ゃ、ゃめい、思い出させんな……///
あぁ、やめ、集中力がぁぁあ……』
こんの、エロ下着ぃ……。
ヨロイと一緒で、
自由自在に、変形可能でありゅ……///。
ヒラヒラが、増えたり、減ったり。
脇下まである、
手袋っぽいのを、増やしたり。
はたまた、ニーソックスっぽいの、
形成したり……///。
その……好きな形に、できたり、すゅ。
"こうゅーカタチの……、
マイスナが、見たいな"
と、思うと、ほぼ、その通りに、
チェンジするのである。
トンデモ・エロ下着である・・・!!?
銀聖:『途中でね……女神様みたい、
だったよね……私たち……//////』
金聖:『言うな言うな、
いぅないぅな……//////』
ありえんのだが、
あの、エロ・ランジェリー……、
何故か、汗をかくほど、
布地が、綺麗さを増す。
つまり……"戦い"が増すほど、
お互いが、"エロキレイ"に なっていくので、
大変、困るのである。
"延長戦"を回避するには、
チューしながらガマンするか、
二人で気絶するかしか、にゃい。
あと、最近クラウンが、
ちょっと、アレだ。
陽神:『────実験してみたのですが:
────やはり:吸収させれば:
────させるほど:復元し:
────強度と艶やかさが:
────増すようですね……☼
────どうです!☼
────"貯蔵"しといて:
────良かったでしょう☼』
金聖:『だまれ人妻。たいがいだぞ』
銀聖:『ぁ、あはは……//////』
ニャーナたちから……、
アレは止めたほうが、
良いんじゃないか……、と、
相談を受けている。
ヤバい趣味だ。
もう、泳げるほど、あるらしい。
月神:〘------いっかい;興味本位に;
------見に行ったのんけど;
------すごい透明度だったのんよ☆
------100パセルテルジ;
------なちゅらる;ぶれんど〜〜っ☆〙
金聖:『……っ//////。 こっ、
これだからっっ、
神ってヤツぁぁぁああ……!///』
銀聖:『……っ//////。 ろっ、
ローザ、めっ、だよぉお……!///』
……。
湖くらいあったら、どうしよう……。
陽神:『────昨夜も少し:
────秘密で:浸しておきました!☼
────どこまで強化できるか:
────楽しみですね!☼』
ごるらああああああ!!!
先代っっ、クルルカぁぁああンンン!!!
嫁の貞操概念ってヤツを、
再教育、しやがれぇえええいいい!!!
何やってんの!!?
つーか、そんなっっ……!?///
シロップ漬けみたいなモン、
毎夜毎夜、着させる気かあああ!!!
金神:『>>>ははは。だまりな、元凶♪
>>>何かが、ねじ曲がってるのなら、
>>>そちらの百合カップリングが、
>>>100パー、原因さっ♪』
水神:〘#……し、信じられん……。
#……この、検証データ……。
#……ほ、本当に被爆テストを、
#……クリアしたのか……?
#……あの、卑猥な、下着が……?
#……しかも、傷んでも、
#……吸わせたら、復元と強化……?
#……だとしたら、
#……防御的にも、たいへん、
#……心強いのは、確かだが……〙
あのねぇ、せんせぇ……///
いくら、最強の防御力が あっても、
あんな所に、スリット入りまくってたら、
イミねーんだよ……//////
しかも、念じるだけで、
どの場所にでも、増やせるし……///。
着たまま花つめるわ、バカタレ。
銀聖:『アンティ……、ちょっと……///
あの……今のうち……///』
金聖:『……! ぅ……/// も、もうすぐ、
着くもんね……///』
相互隷属紋章での、
「おあずけ」は、
もう、解除し合っている、状態である。
お陰か、すこぶる体調は、良い。
ヘンな強制力は、まったく感じてない。
が、禁止されていない分、
どうも……急に、
スイッチが、入ったりする……///。
だから、森で無言が続くと、
たまに、横に すっ飛びながら、
キスをする、ハメになるのだ。
金聖&銀聖:
『 『 〜〜 』 』
けっこう、深いやつだ。
回転だ。
これ以上、互いに独占欲が増えたら、
本当に、、、狂いかねないので、
カンベン、、、してほしいのだが。
銀聖:『しんぼー、たまらんです……///』
金聖:『……っ! きひひ……っ♪♪///』
玉兎:「にょきっとぉ〜〜???」
花狼:「くゆぅ〜〜???」
あっ、こっち、見るんじゃねぇ……!//////。
おとなしく、カバンさ、入っとけぃ……!
ま、まったく……。
今回も、モフモフチームは、
肩かけカバンに、ぎゅむぎゅむ している。
今みたいな速度で走ってると、
衝撃波が都度、すごいので、
カバンの中の、
うさ丸とカンクルが、
心配に なることも、
あったんだけれど。
いっつも、止まって、
そろ〜〜っと、確認すると、
たいてい、ケロッとして、
カバンから、にょきっと!
くゆくゆ! するので、もう、
心配しないことにした。
どうやら、このモフモフども、
中々の、頑丈さのよーだ。
ただ……、前に一度だけ、
衝撃波で、
うさ丸のオヤツの人参が爆発し、
土に還っていったことがあった。
カバンの外に顔出して、食うなよ……。
なので、ほどよく休憩は、
入れてあげるようにしている。
あの時の、うさ丸の悲鳴は、忘れない。
最近、"にょきっととマスター"を応用して、
カンクルの言語翻訳にも、成功している。
花狼:「くゆっくゆー!」
玉兎:「にょんやぁ……」
──PON.
──────────────
:欲情しやがってー!
:ほどほどにね……
──────────────
金聖:『……///……///』
銀聖:『……///……///』
なんも、言いかえせねぇ……///。
うさ丸さん、きさま、
苦労人だな……?
銀聖:『アンティの、おうちで……、
ガマンできなくなったら、
どうする……?』
金聖:『そのへん、わりかしマジで、
心配してる。ただ、今さら、
不用意に、"オーダー"、
使いたくも、ないのよねぇ……』
銀聖:『そうだねぇ……。
やっぱり、チューしたまま、
髪の毛のワイヤーで、
ぐるぐる巻きに、固定する?』
金聖:『いきなり一人娘が、同年代の女の子と、
巨大な サナギに なってたら、
親、おどろかない……?』
陽神:『────アンティ! マイスナ!
────カーディフの街:
────見えましたよ!☼
────ヨロイ:着替えましょう!☼
────ランジェリア装備も:
────脱いでください☼
────今日も、漬けときますから!☼』
銀聖:「えぇ……」
金聖:「漬物は、
あんなフローラルな香り、
しねぇから……」
金神:『>>>クラウンちゃん、
>>>後輩ちゃんらの肌着、
>>>この2つしか、無いんだろぅ……?
>>>それは、流石にやめよう……?
>>>帰郷でノーパンは、まずいよ……』
いいぞ、クルルカン。
問題は、たえにゃい。
さーぁ……、どうやって、
切り抜けようか・・・!
上は上品、下は下品、
ナルホド、これが真理か……!!
+|˙꒳˙ )










