拠点と裸女と式神と。
活動報告に挿し絵まっちくりと
投稿しましたが、次回にまわす
ことにしました(笑)
トリャー(っ'ヮ')╮=◎.*・゜
『>>>大丈夫かい?』
目の前に、
黄金の仮面が、ころがっている。
『────覚醒しました☼
────問題ないようです☼』
「……」
私は、寝転がっていたみたい。
……身体を起こし、
頭の上の、ふわふわ、
浮いているはずの、
王冠型の、歯車の相棒の、
手触りを、確認する。
にぎにぎ。
『────な:なんですか☼
────なんですか///☼』
「わたし……気を、失ってた?」
『>>>いや、ものの数秒だよ?
>>>……どうした?』
「……」
『────アンティ……?☼』
『>>>なにか、見たのか?』
すぐ横の、起き上がろうとする、
マイスナと、目が合う。
銀の仮面が取れ、床に転がり、
身につけているのは、
紫の宝石が光る、
鎖を帯びた、
白銀の、ティアラだけだ──。
「──…… 」
「──…… 」
『────:……アンティ?☼』
マイスナと私は、すぐに、わかった。
私たちは、同じものを見た。
夢のような。
誰?
……たぶん、さんにん、いた。
男のひと。
女のひと。
そして……小さな、おんなのこ。
でも、ひとりしか……、
姿は……思い出せない。
私は、マイスナを、見る。
「……、……」
「……、……」
あのこは……マイスナに、似ている。
マイスナも、そう、私が、
思っていることを、
私の……瞳から、察してるはずだ。
「……クラウン。私たちの記憶から、
画像データを作ることは、可能?」
『────え?☼』
彼女は、少し考え、返答する。
『────:……肯定します☼
────私だけでも可能ですが:
────アップルと、MissQQが居れば:
────格段に鮮明度が向上すると:
────予測します☼
────ただ……不鮮明な記憶の場合:
────修復に:少し時間が:
────かかりますが……☼』
「……! 後で、お願いしたいと、
伝えておいて」
『────了解しました☼』
……。
…………" セルルナ "。
そう、呼ばれていた……。
しゃべり方は、
シーニャに……似てたな。
言葉たらずで、
ストレートに、
心を、伝えて、くる、感じの。
私は、マイスナに、
シンプルに、きく。
「……わかる?」
「……ぅうん、知らない」
『────……?☼』
でも……。
あの、顔立ちは……。
逆に、マイスナから、問われる。
「どう……思う?」
「……わからない」
〘------;……???☆☆〙
……。
仮に……。
今の……"思念"……? が、
この子に……関係してたと、して。
なぜ……こんな、服屋さんの、
地下の、得体の知れない、場所で……?
正直、ワケが、分からない、、、
というのが、本音だわ。
でも……ぜったいに、
無関係じゃあ、ない。
「 ……、…… 」
「 ……、…… 」
変な空気の、私とマイスナに、
ローザと先生も、声をかける。
〘------どうしたのん?☆
------ピカって;光った後から;
------なんか;変のんよぉ〜〜???☆〙
〘#……あの、"式神モドキ"……、
#……の、ようなモノは、
#……動かなくなってしまったようだな〙
床を見ると、
先ほどまで、フワフワと、
意思があるように浮いていた、
ふたつの半透明の布っきれは、
ハルマキの皮のように、
ペラン……と、床に広がっている。
『────完全に機能を:
────停止しています☼』
『>>>まったく、なんだったんだろーな?
>>>ふぅ! けっこうビックリしたよ!』
先輩が、ため息をするのが分かった。
『────……画像記憶の再構成は:
────任せてください☼
────最悪:お絵かきゴーストに:
────復元描写を依頼します☼』
……! あはは……!
それは確かに、最終手段かな。
元・宮廷画家さんのエロ幽霊だ。
フワっとした記憶の画像から、
あの女の子の"顔"を描き出すのは、
お手の物かもしんない。
でも、なんだろう。
記憶はフワフワとしているのに、
鮮烈に……イメージは、
のこっている。
「マイスナ……こっち来て、
顔、見せて……」
「うん……」
ティアラだけを身につけた最愛の人が、
私のそばに、すっと身を あずけて、
よく、顔を見せてくれる。
お互い、素足で、
ほとんど、同じ背の高さ。
よく、綺麗な顔立ちを、
覗き込む事ができる。
「……やっぱり、似てる」
「そう、だね……」
銀の頬に、
私の手を、そっと、さしのべる。
マイスナは、少しだけ、
不安そうに、私の腰に、
手を、そえた。
『>>>うおっわ、ぉ、おい……///
>>>このアングルは、ヤバいゃ。
>>>ここで、おっぱじめるなよ?』
〘#……くっくく。
#……そろそろ、拾ってもらえるかな?
#……お嬢様方?〙
「「 ──……! 」」
私たちの足元に、
クルルカンと、オクセンフェルトの、
仮面が、転がっている。
目の穴は大きく、
ふたつとも、美しい仮面だ。
心地よい暗闇の中、
淡い、セピアの魔石に照らされて、
改めて、そう思う。
「……なによ///。
今までだって、緊急事態とかに、
さんざん、見てきてるんじゃない?」
「……えへへ/// この場所って、けっこう、
ロマンティックな、秘密の場所だね♪」
『>>>下から見上げるのは、
>>>あからさまなアウトだと、
>>>ぼくは思いますケドね……///
>>>前に、嫁さん座ってんだぞ。
>>>どうしてくれる』
〘#……ふぅ〜〜〜〜……っ。
#……後で、娘に白い目で、
#……見られたくは無い〙
「きひひ……!」
「それは、そう!」
マイスナの言葉どおり、
暗い部屋で、
数本のスポットライトが、
降り注ぐココは、
中々、秘密の逢瀬っぽい雰囲気があり、
ふたりで、裸で触れ合うのは、
ぶっちゃけ、特別感があって、楽しい。
ただ、先輩と先生が、
"御家族"と同居している事を考えると、
そりゃ、気まずいわな! と、
自然と、笑ってしまった。
『────じと──っ☼』
『>>>ジト目も可愛いね。
>>>さて、そろそろ、
>>>ドレス、しまいな?
>>>見なよ、
>>>"色"、戻ってるよ──』
「「 !! 」」
マイスナに気を取られすぎて、
視界に入っていなかったけど、
私たちの そばには、
ふたつの、美しいドレスが、
天井からの、最低限の光で、
ライトアップされている。
マネキンには、
顔と腕が無かったけど、
ふたりの女王が、
そこに、立っているみたいだ。
裸の私たちが、
ちょっと、萎縮してしまうほどの、
存在感。
太陽と、月の、ドレス。
「やっぱ、すっごぉ……!」
「めちゃくちゃ、きれいだね……!」
『────ふぅ☼ 格納:開始します☼
────よろしいですね?☼』
「やっちゃって」
やっとこさ、しまえるぜ、
と、言いたげなクラウンに同意し、
太陽のドレスの足元には、
黄金の歯車が。
月のドレスの足元には、
白銀の鎖が、
展開される。
輪の内側は、
シャボン玉のような、亜空間──。
きゅぅううおおおんんん・・・──!
ぎぃぃいいんんんぁああ・・・──!
ふたつのドレスは、
下に、ゆっくりと。
しずみこむように、格納されてく。
──とぽん・・・!
『────格納:完了しました☼』
〘------これは;
------こーきゅーひん;
------のんよぉお〜〜〜〜!!☆☆☆〙
元・王女の記憶も持ってる、
ローザが興奮するってことは、
マジもんの、貴族サマ仕様って、
ことだわな……!
こんな裏路地の謎のお店に、
あってはイケない、
クオリティである。
「まったく、アブノさんったら!
ビキニアーマーの片手間に、
なぁにを、作り出してんのか……!
ヤレヤレ、いちおー、
もらっていーかどーか、
聞きにいくか……」
「ていうか、アンティ。
けっこー、時間、たっちゃったよ。
もう、真夜中かも」
げ……そういや、そうだ。
今、何時……視覚のスミの、
タイマーは……な!?
夜の、1:10 ……!?
「足音のデカい主人公のヨロイじゃ、
おいそれと、出歩けない、
時間帯じゃないのよぉ……!」
「そ、そうだね。みんな、
起こしちゃったら、
ヒゲイドさんに、迷惑が……」
キンキン、ギンギン、
100メルトルテ先からも、
私たちの足音、聞こえるって、
言ってる冒険者さんも、いるからなぁ。
最近は、流石に、
ウソだとは思ってるケド──。
「あ! てゆーか、
ヨロイ、調整中だったわ」
「そうだった! どする?
私服きて、コッソリ、帰る??」
ドニオスギルドの、
"塔の家"まで、なぁ〜〜……。
ぶっちゃけ、
コッソリ帰るのは、
出来なくは無いと、
思うんだけど。
万が一が、あっからなぁ〜〜……!
いちおー、顔・隠したい派としては、
私服の姿は、警戒心・MAXなんよね……。
大丈夫だとは、思うけどさぁー。
「いや、それか、
"わーぷどらいぶ"で……、
ゃ、危ない、か……。
見える場所に直線移動しちゃうし、
ヨロイが無いから、どっかに、
身体、ぶつけたら……」
「ぅーん……アブノさんに言って、
お泊まり、させてもらう?」
「こっ、ここで!?」
た、たしかに……?
部屋は、いっぱい、あるみたいだし、
地下にしては、換気も、
シッカリされてるようで、
息苦しさは、ない。
たぶん、風の魔石も、
仕込まれている建物なんだろう。
それに、この部屋の服は、
ほぼ、しまっているので、
空きスペースは、十分だ。
「ぅ〜〜ん、そうねぇ。
アブノさんなら、言ったら、
泊めては、くれそうだな??」
「えへへ……でも、さすがに、
外出先だと、服は、
着た方が、いっかな……?///」
は? 笑ったマイスナが、可愛い。
というか、いっかな、とか、
私の口癖とか、
うつってない?
「そ、そうだね……///」
「なぁに、アンティ? えへへ♪
なんか、反応、可愛いねっ♡」
「……!?///」
なんか……めたんこ、
惚れ直すんだが……???
『>>>いーから、服、着ろよぉー///』
「「 ……!! 」」
そ、そうだった!
い、いかんいかん……///
突然、変態店長が、
顔を出してくる可能性がある、
場所だもんね……!!///
ええぃ、服か……妙な感覚だわ。
塔の家で寝る時は、もっぱら、
むしろ、全裸の開放感を、
楽しんでっかんなぁ……!///
「クラウン、ぱんつ出して」
『────は? ないですよ☼』
いま、『 は? 』って言いました?
「なんでぇ」
『────あああ:あなたが:
────食わせろって:
────言ったんでしょう!?☼』
!?
ぱんつ、食わすって、 ナ ニ !?
『────頼みますよ……☼
────私は:オーダーどおり:
────すべて:排出しましたよ……?☼』
……。
──!? あぁっ!?
そ、そうだった!?
たしか……布の式神!? が、
なんか、弱ってて……!?
何故か、ドレスが色褪せてきたから、
思わず、直感で、
あのヘンテコ・クラゲ野郎どもに、
私らの、おぱんつ、食わせて──・・・!?
「ぇ"、ローザ、わたしの、ぱんつも……?」
〘------ないのんよー☆☆☆〙
マイスナが、"どうしよう……"、
という目で、私を見ている!!
「──ぜ!? ぜぇーんぶ、
ぱんつ、食わせちゃったの!?
な、なぁーんで、
ひとつぐらい、残しとかないのよーっ!?」
『────ふ:不服:不服です!!☼
────アンティが:ぜんぶ出せって:
────言ったんですよーっ!?☼』
『>>>め、めっずらしい……。
>>>ケンカしてるや』
〘#……クックックッ!!
#……まさに、"不服"だな?〙
先生、オヤジギャグですか?
「アンティ、わたしたち、のーぱんだ!」
「うぅ、どうすっか、
アブノさんから買うか、
今、格納した、この部屋の服から、
肌着、チョイスするか……!」
い、いや……! でも、
着るなら、あの " ぱんてぃ "が、
良かったんだよなぁ〜〜……!
ほとんど、着てるの、
わかんないほど、かるいんだもん!
アレ、なんだかんだ、
かんなし、気に入ってたかんなぁ〜〜……っ!!
「アンティ、私……、
あの " ぱんてぃ "じゃないと、
違和感あって、眠れないかも……///」
「……!! 私も、ちょうど、
そう思ってたわ……。 くそぉ!
どうすっぺか……!」
アブノさんなら大丈夫だとは思うけど、
今、"肌着売って!"、っつーのも、
深夜だし、ひじょーしき、よなぁ……!
やっぱり、今日は帰って……ん、
いや、それだと、
我が家の肌着の、
備蓄がゼロになる……!?
「それは、乙女として、
ダメかな……!?///」
「し、したぎが、ないのは、
まずいね……!?///」
『────今更な気もしますよ☼』
『>>>ほとんど、はいてないだろ』
ぅ、うっしぇーな!!///
おだまっとりゃー、黄金夫婦め!!?//////
最近は、ちゃんと、
はいたほうが、いーよなぁー!!
って、思ってきてたんだからね!?
うぅ……そんな矢先に、
なんで、こげなコトに……。
「……まぁ、いーや……。
ほとんど、生理おわってっし、
パンツ無しで寝巻き着て、
今日は、泊めてもらおっか……?」
「うんっ♪ わたし、
アンティの、シャツ、着るぅ〜〜!」
かわいいかよ。
アブノさんには……ぅ、
……も、いーや。
なんか、面倒になってきた……。
「勝手に泊まろう……。
アブノさんも、ヨロイの調整で、
集中しとるやろーし」
「うんっ! 次、会った時に、
あやまろーっ♪♪」
無断外泊が、決定した。
マール服飾店・地下3階。
ここを、我が拠点とする。
こーゆー時、
ベッド、持ち歩いてるのって、
ゆーずー、利いて、いーわよねーっ♪♪
『>>>はよ服、きろって』
「わーってるわよぉ!!///
うっしぇーなぁーッ!!///」
『────アンティ・・・☼』
クラウンの、声が おかしい。
……なんや、久しぶりに、
プチ・口ゲンカして、
呆れられとるんか。
「……ぁによぅ、クラウン。
そ、そりゃあ?
わたしゃー、健全な、
食堂娘A、ですけどねぃ。
その……ぃ、いつもいつも、
品行方正な、イイ娘ちゃん、
ってワケでも、ないって、ゆーか……?」
『────違います:アンティ☼
────うごいて:ます☼』
「なにが」
『────ぅ:うしろ☼』
マイスナと、振り向くと、
ふたつの、布切れが、浮いていた。
「 「 」 」
マジで、思考、止まる。
『>>>まだ、終わってないのか・・・!?』
〘#……! いや、様子が、妙だぞ……?〙
(((((( 〜〜〜〜〜〜〜 ))))))
この、ふたつの、
ギョーザの皮みてーな、
お化け布は、
私たちの、ぱんつ を、
計・20枚、食ったことになる。
────ヴぉん。
────────────────────
進化条件を満たしました▼
ゴールド・ニュンクス
▼▼▼
??????????
シルバー・ニュンクス
▼▼▼
??????????
進化 させますか? ▼
はい いいえ
────────────────────
「「・・・!?」」
『────な:なんと……!☼』
『>>>ぱんつを食って、
>>>進化、するだと……』
謎のポップアップに、
冷や汗が、とまらない。
なんにも着てないので、
首すじから、ふくらはぎまで、
汗が、すべり落ちやがる。
──ヴぉん・・・!
────────────────────
────────────────────
進化に ともない
マスターが、上書き されます▼
〖 式神 〗 属性 が
〖 アイテム 〗 属性 に
変更されます▼
──
────────────────────
「「 ・・・!? 」」
二重に、ポップアップした……!!
なんやコレ……!?
あ、アイテムに、なる!?
「これ、ワンチャン、あんじゃね?」
「すーぱー、ぱんつに、なりそう!」
『────!?☼
────この:得体の知れないもの:を:
────進化させて……肌着にする:
────おつもりですか!?☼』
『>>>そもそも、下着になるか、
>>>わかんなくね……?』
「いや、だって!! お気に入りの、
ぱんつ、各・10枚も、食われてんのよ!?」
「そーだ、そーだぁ!!
はいりすく・はいりたーんだぞーっ♪」
〘------マイちゃんは;
------もはや楽しんでるだけのん☆〙
〘#……くく、最近、茶目っ気が出てきた。
#……良い、傾向だな?〙
(((((( √√√√√√√√√√√√ ))))))
──ヴぉん!
───────────────
目の前の式神たちは
仲間になりたそうに
こちらを見ている▼
───────────────
「知らんがな♡」
「ぱんつを、かえせ♡」
わたしたち、
ふたりで、『 はい 』を、
ポチッとした☆
──────────────────
進化 させますか? ▼
▼ はい いいえ
──────────────────
カ ッ !!
「 「 ──・・・ッ ! ? 」 」