◉◉◉
『────攻撃対象の撃破を確認☼
────右腕:インパクターソレルを:
────格納します☼』
『>>>内部フレームに、異常は無いよ。
>>>今日も、きみの中のゴーストは、
>>>ごきげんさっ♪』
「ふーっ。デカけりゃいいって、
モンじゃー、ないわなぁ── 」
私の右ストレートは、
きれいに、貫通した。
世界は、砕け散った、
ガラスのダンスのように、
嘘の雪を、ふらせている。
『────ふふ:幻想テキですね☼』
『>>>なかなか、キレイじゃないか♪』
「まぁ……ここだけ切りとりゃ、ね……?」
サラサラ、キラキラと。
無いような音の中、
針のような、無限の氷は、
透明な、足元の水の大地に、
溶け消えていく────。
ふぅーッ……!
一撃で、おわったわね……!
しょーじき、ホッとしたわ。
トゲでか氷さんは、
油断していたのか、
わりかし簡単に、
魔石ごと粉砕することが出来た。
あっ……いっけね!!
まぁーた、魔石、ぶっ壊したわ。
ヒゲイドさんに、怒られるやんけぇぇ……。
まぁ、、、「安全第一で行動しろ」とは、
言って、くれてンだケドぉ……。
「っま、いまさら、か──……。"ねっ?"」
『『『 キュゥウウ……!? 』』』
あらためて、うしろにいる、
デブ野郎のほうに、ふりかえる。
「よぉ、タイショー」
『『『 キュワキュワァ〜〜〜〜……!! 』』』
おぉぅ……!
やっぱ……デッカい!!
カーディフで戦った、
バーグベア、くらいは、余裕であるわぁ……!!
「……おまえ、ケガ、したんか」
『『『 キュゥヮア"〜〜〜〜っ!! 』』』
まっしろな毛並みに、ジワリ、、、と。
赤い、痛々しい"染み"が、
まばらに、広がっている。
特に……ハラのキズは、ひどい。
「まもった……のか」
『『『『 キュキュキュ〜〜!!! 』』』』
『キュ?』『キュキュ?』『キュ?』
『キュキュキュ!』『キュウーっ!』
『キュウキュウ』『シャーっ』
デブさんの後ろには、
小さなサイズのモフモルが、
大量に、モフモフしている。
……。
……このデブな、モル公は。
あの、巨大なアイス・スライムを前に。
仲間のために、
一歩も、引かなかったのだ。
……ふん。
「……ホレ、こいよ。治すから、さ?」
『『『 キュキュキュ……!? 』』』
デブ助は、
黄金の仮面をつけた私を見て、
ずいぶんと、警戒していた。
みたいだけれど……、
それどころじゃ、ねぇから。
バッグ歯車から、
酒飲み精霊王の体液に、
水を混ぜて希釈したものを、
霧状に、散布する──……!
──コォオオオオオ──……!
──ブシュウゥ──キウゥ────……!
『『『 キュぅ……!? 』』』
ローザの、エリクサーが、
かかった場所は、小さな、
白い翼が、新芽のように、
花ひらく エフェクトが、発生する。
꒰ঌ໒꒱ *.+゜
꒰ঌ໒꒱ *.+゜
꒰ঌ໒꒱ *.+゜
꒰ঌ໒꒱ *.+゜
꒰ঌ໒꒱ *.+゜
『『『 キュッ・・・! 』』』
デブ助のキズは、
浅くは なかったものの、
致命傷では、なかったようだわ。
痛々しい、赤いキズたちは、
瞬く間に、
白い毛並みを、取り戻していく──。
『『『 っ、キュゥ・・・?? 』』』
はっ、首、ひねってら!
おっけーい! 完治ぃーっ!
デブ助は、自分の おなかを見て、
不思議そう、カキカキしている。
もう、キズ、ないって。
はは……しかし、
デッケーな、コイツ……!
「よーぉ、タイショー。
……私のこと、おぼえてっか?」
『『『 キュキュ・・・? 』』』
おっ……。わすれとるか。
……。
バッグ歯車から、
" 光る まな板 "を、ふたつ、出す。
────ぺっか、ぺかーっ!
「……ほれ」
『『『 ……。──キュキュッ!?!!? 』』』
あっははー!
思い出したかぁー!!
そぉーだぁー、わたしだぁーっ!(笑)
デブ助が、ガタガタと、ふるえ出す……!!
後ろの、仲間たちを、
かばうような、ポーズになった!
『────ぁはは……☼
────怖がられて:いますね☼』
『>>>ははは! 健気じゃないか♪
>>>さっきの、きみの攻撃、
>>>見てるのにねぇーっ♪♪』
はっはは……。まぁ……。
"さっきの、アイス・スライム、
一撃で、ブチ砕いた相手と、
今から……ヤらにゃあ、ならんのか!?"
みたいに、なっとるわなぁ……。
はぁ……。
ま、、、と、とにかく、、、。
ワビ、入れとくか……。
「ぁー……。こ……。この前は!
正直──ゴメンだった!」
『『『 キュ……!? ……キャゥ?? 』』』
────ぺこり!
巨大ネズ公に、効果が あるかは、
まったく、わからんのだが、
とりあえず、誠心誠意、
アタマを、さげておく。
くっ……! 食堂娘としては、
ネズ公に頭を下げるのは、
たいへん、屈辱なんだけんども……!
食堂で見つけたら、
即・スマイル&デストロイだかんなぁ……。
『────物騒ですね……☼』
『>>>きみのお母さんなら、
>>>笑顔で、やりそうだねぇ……』
うっしぇーわねぇ!
今は、あやまってんじゃないのよォーっ!?
ぇ……ぇえいッ!
こうなりゃ、トコトンだ!!
『『『 キュウぅー??? 』』』
「ほ、ホレ! これ、食べなっ!
と、とくべつ、だぞ!?!?」
───────────────────
何を あげますか?▼
▶ 聖芽ブロコロ(ほかほか) ✕ 1
花守の村フラネットで
収穫された巨大ブロコロを
アンティが 職人技で茹でたもの。
神々の野菜の ひとつ
素晴らしい ご馳走だが
うさぎの勇者にあげると
お腹を壊す
▶ コガネリンゴ ✕ 30
一般的な よく熟れた
アップル種
酸味が ほどよく
紅茶用にも オススメ
───────────────────
『『『 キュキュキュ〜〜!? 』』』
きひひっ・・・♪♪♪
デブ助は、いきなり出てきた、
見たことも無い、デカいブロコロに、
おどろいているようね!
フフフ……すごかろう!!
超・カンペキな、茹で加減やぞぉお!?
マヨは、付けてやらんけどなあああああ。
『『『 ・・・キュッキュ? 』』』
「ホレ! いっから、食べな!
おっ……おわびの、シルシだから!」
デブ助は、少し戸惑っていたけど。
ひとくち……かじった後は、
むしゃむしゃ、やりはじめた!
『『『 ッ……! キャゥヮ〜〜……!!♡ 』』』
ちっ……!
たいへん、美味のようだ……!
『────"ちっ"……?☼』
『>>>……なんで? なんで、舌打ち……』
にゃ、にゃんでもないヮョ……!
くっ……!
貴重な、バババばーちゃんに もらった、
巨大なブロコロが、5個から、
4個に、なっちまったヮ……!
『────セコい:ですね……☼』
『>>>野菜は、食べてナンボだろぉー……?』
う、うるせぇーっ!///
食堂娘の本能が、
さけんどるんじゃーい!!
ち、ちくせぅ……!
うまそうに、食いやがってぇえ……!
……んっ?
『『『 キュッキュ! (ポイ) 』』』
『 キュキュ! キュキュ! 』
『 キュワワー! 』
『 キューッワ、キューワっ♪ 』
……。と、思ったら。
デブ助は、食べていた巨大ブロコロを、
小さく、ちぎっては、
後ろの、チビデブたちに、あげている。
いや……ソレは、アンタのぶんだから。
しょ、しょーがねぇ……。
追加で、フツーのサイズの、
茹でブロコロも、
何個か、出してあげる。
『────アンティ☼
────茹でブロコロのストックは:
────現在:390個も あります☼
────もっと……もっと:
────出してください!☼
────もっと:です!!!☼』
『>>>そーだ、そーだぁー!
>>>いやーっ、せいせいすんなぁー!!
>>>きみ、野生のも収穫してるからねぇ、
>>>アホみたいな量になってっからさぁー!!』
なッ……!?
なんてコト言いよんのじゃ!
この、新婚ねとり夫婦がッッ!!!
時間停止するんだから、
何個ストックしてても、
えぇでしょーやぁ……!!
な、なんだ、その、
無言のプレッシャーはぁ……。
♛
≪≫ ≪≫
>>>じとーっ☼
黄金の王冠と、黄金の仮面に、
なんか……圧かけられてる、
気が、すりゅ……。
くッ……! わったわよぉーっ!!
仕方なしに、
100個ぐらい、出してやる!!
ぜんぶ、茹でたて!
サイコウに、美味しいヤツだゾっ!
『キャキュキュ〜〜〜〜っ♪♪♪』
『キュッキュ!』『もぐもぐ!』
『はむはむはむもこもこもこもこ!』
おぉ……チビどもも、
食っとる、くっとる。
もってけ、ドロボーがぁ……。
──むっ。
しかし、デブ助は、
自分のブロコロを、
千切るのを、やめない。
『『『 キュッキュウ……モゴモゴ 』』』
もう、デブにやった巨大ブロコロは、
5分の2くらいの、
大きさに なっている。
しかも、デブ助は……、
リンゴのほうには、
まったく手をつけない。
うしろのチビたちに、
すべて……食わせてやがる。
……こいつ。
「──いいから!!
テメーも、食えっつーの!!」
『『『 ──キュッ・・・!? 』』』
──どしゃん!!
むしょーに、ハラが立ったので!
デブの口に直接、3個ぐらい、
コガネリンゴを、ブチ込んでやった!
リンゴ爆弾である!!!
『────本当に爆散しましたよ☼』
『>>>ぐしゃぐしゃに、
>>>なっとるやないかーぃ!』
『『『 ……! もしゃ、もしゃ、もしょ♪ 』』』
ひろがる甘味と、酸味の香り──。
やはり、このデブ、
リンゴがキライというワケでは、
まったく、なさそうだ。
……ちっちぇえ子供のモフモルに、
優先して、ゆずってるワケか。
……やるやん。
「……みとめるわよ。
たいしたネズ公だわ。アンタは──…… 」
『『『 ・・・キュウッ? 』』』
でっかい、まっしろのハラを、
手で、ポンポンして、称賛を送った。
デブ助は、最初は、ビクッと、
していたが。
私が褒めていることは、
何となく、伝わったみたいだ。
「……アンタみたいな親玉が、いて。
そこのネズ公たちは、幸せねっ」
『『『 キュッキュ 』』』
デカい毛むくじゃらは、
もぐもぐしながら、首を、ひねっていた。
「さて……はやく、ヒロガーさんたちに、
このデブ、会わせてあげたいけど──」
『────少し:時間が:かかるようです☼
────かなり:急ぎましたから☼』
そう……だね。
ひとりで、先行、し過ぎたかな。
もしかしたら、
軽薄だったかもしれない。
私とマイスナの命は、繋がっているし。
本来なら……至近距離……同士で、
お互いを、守らなければ、
ならないんだけど──。
『>>>…まっ、今回は、
>>>しょうがないさ。
>>>急がなければ、
>>>デブ助たちが、危なかったからね』
『────マイスナとのケーブル接続は:
────上手く機能:しています☼
────今の所:暴走傾向は:ありません☼』
「うーん、まぁ、体調はいいわな」
どうするか……。
もどって、ヒロガーさんたちに、
合流しょうかな?
それとも、デブ助たちを、
引率して、連れていく……?
いや、現実的じゃ、ないか……。
なんにせよ、
となりにマイスナが居ないのは、
なんか……落ち着かねーわ。
『『『 キュッキュ!!
キュッキュキュ、
キュッキュ〜〜〜〜?? 』』』
「 ──んあっ!? ぉ、
おぃコラ!! 仮面に、
ちょっかい、かけんなって!
ゃ、やっぱ、前歯のコト、
根に持ってんの!? 」
前歯で、ガシガシすんな。
おまえ、デカいんだから……。
敵意が、あるというより、
なんか……調べられている感じだ。
か、カムなや……。
強度は、調べるな。
おまえ、アレか、
あの波キリンの、仲間か……。
────……ジジ。
『────ノイズ:が──☼』
『>>>なんだ?』
水面に、女が、立っていた。
「──クラウン、あれやばい」
『────えっ……!?☼』
ツインテールの、女だ。
顔。
◉ ◉
◉
なんかきたぞ((((;゜Д゜))))










