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流路の申し子たち / 再び地下へ

PS2版のガングレイヴを

ポチッた かばたれが、

通りますよっと。(˙꒳˙* )=3





「ふんっ……なるほどな。

 話に、ならん── 」






 ガレキの山となった、

 地下に、足を、踏み入れ。


 思わず、年老いた心から、

 声が、()れ出す。






「──この程度の()()では、

 話に、ならんな」




「マイスナ、いくよ」

「うん、アンティ」





 私、ブレイク・ルーラーと。


 ヒロガー・ティーフレンド、

 エミリー・ニーズ、の両名は。




 " 無敵の配達職(レター・ライダーズ) "の実力に、


 戦慄(せんりつ)する、事となる。






 



「クラウン、装填(ソウテン)、たのむ」

「ローザ。()(デン)(セン)、つかうよ」






 ──結論(けつろん)から言うと。


 地下のガレキの中を徘徊(はいかい)していたのは、

 アイス系の魔物だった。



 アイスゴーレムなどの準・知性系は、

 鋭利(えいり)な氷などを飛ばしてくるので、

 少々、厄介である。 


 大量の矢のようなナイフを、

 同時に、多方向から投げられると思えば、

 どんな新人の冒険者でも、

 その恐ろしさを、想像できるだろう。



 まず、いきなり出現した、

 3体のアイスゴーレムを見て。


 ヒロガーとエミリーが、

 顔を青くする。





「げっ・・・!? マジかよ!?」

「ひっ・・・!! まずいですよっ!?」


‎[[ メ──チチ・・パキキ・・・ ]]

[[ ゴゴ・・・テスラパ・・・ ]]

[[ グデアパ・・・ ]]





 6本の氷の腕が。

 こちらに、あげられようとした、

 瞬間────。





 ────ドォン、ドォンッっ!!!

 ────シュビィイアアアっ!!!




「「 ……っ!? 」」




 氷は、爆散し。

 紫の、光が流れる。


 ガラスのように、

 花が、散る。





「ありーっ。ほんとだぁ。

 前は、いなかったのになぁー……?」

「こらーっ! あほこおりーっ。

 ふほうしんにゅーだぞーっ!」



「ぇ……。今……、

 やっつけ、た、のか……?」

「す、ご……どうやって……?」



「──ほおぅ」




 アイスゴーレムの"(コア)"を、

 一撃で破壊する、正確さと、威力。


 体表の氷の乱反射で、

 やつらの弱点を特定するのは、

 思うより、難しいのだ。


 腕の良い重盾職(シールダー)と、

 中級者の炎使いが居なければ、

 かなり、苦戦する相手でもある。


 ──しかし。


 最低ランクだと思われている、

 ふたりだけのクランは、

 落ち着きはらった様子で、


 こう、言うのだ──。




「……ブレイクさん、けっこういます」

「私たちの後ろから、ゆっくり来てね」

 

「ふんっ……やれやれ。

 どれくらいだね?」


「私たちの前、半径50メルに、

 18……いや、今、19体になった」

「あと、下のフロアにも居る。

 何体かに、気づかれてます」


「ふんっ。わかった。

 ……ずいぶん、だな」


「まったくです」

「おるなー」




 ふんっ! くくく。

 敵の数のことを、

 言ったのでは、無いのだがなぁ。


 話を聞いている限り、

 異常な、索敵(さくてき)能力(のうりょく)である。


 恐らくは……球体状に、

 全方位で、察知(さっち)できるのか。

 本気を出せば、壁や、ガレキなどの、

 遮蔽物(しゃへいぶつ)など、

 まるで関係なく、位置を知れるようだ。


 "奇襲されず、逆に、奇襲する"。


 "勝利"とは、これに尽きると、

 私は、思っている────。



 ──ドドドドドドドドドドド・・・!!!

 ──キュゥオン・キュゥオン・・・!!!




「──クラウン。弾の質量、

 もう少し、落としていいや。

 こっちで回転、(くわ)える。たのむ」

「ローザ。電槍体(デンソウタイ)

 二本、セミオートで運用して。

 結晶刀は、ふた()り、こちらでやります」


『──── " Ready " ☼*.+゜ 』

〘------ " Non problem " ☽ *.+゜〙




 ──きゅぅおおおんんん、かちち・・・!!

 ──しゃうびぃぃいやああんんん・・・!!




 金と銀の髪が、光り──。

 それぞれの"武装(ウェポン)"が、更新される。


 黄金の(うで)は、咆哮(ほうこう)をあげ。

 白銀の(へび)が、稲妻(いなずま)(はら)む。



「──バレルファイア」

「──サンダーアクト」



 ドドドドドドドドドドドドドド!!!

 ぐぅおおおおあああああんんん!!!




「くくく……ふんっ。

 これが……"新人"だと?

 まったく……つまらん冗談だ。

 なぁ? ヒゲイド──」



 "新人殺し"のアイスゴーレムは、

 この二人の前では、

 チロンが落とした、

 ガラスのコップ程度の、価値しか無い。



「もろいなっ……クラウン!

 射間、少し落として!

 単発で狙うわ!

 そのほうが、はやいっ!」


『────レディ(準備完了)

 ────シゼノリボルヴ:

 ────弾倉:マニュアルモード☼』



 ──ドドドっ! ドドドっ!

 ──ドドドドドドきゅうおおおんん・・・!!





「……ふんっ。心地よい振動(しんどう)だ」




 あの、(きん)軽装(けいそう)(よろい)……。

 両腕(うで)が、射出体になっているのか。

 小型の、砲身という(わけ)だな……。


 成程(なるほど)……空間接続で、

 連続(れんぞく)して、装填(そうてん)が可能なのか。


 そして、精度が、バカげている。

 両腕とも、一発も、外していない。




「ふふんっ……♪

 もはや、"曲芸(きょくげい)"だな──。

 ──さて、もうひとりは」




「ローザ、チェーン・ウィップ、

 変形させて。中距離(ちゅうきょり)(てっ)する。

 あとは、(けん)で、やるから」


〘------了解のん〜〜っ☆

 ------プラズマ砲の;お味;

 ------知ってるのんかぁ〜〜〜〜っ☆☆☆〙



 ──ちゅおんんっ!

 ───ちゅうおおんんっ!

 ────ドッキュゥおおおンンン・・・!!





「……ふんっ。槍のような、光だ」



 (ぎん)のドレスと()()(ちが)(よろい)からは、

 (りょう)(こし)(あた)りから、

 錨槍(アンカーランス)のような頭のついた(くさり)が、

 蛇のように、首を持ち上げ。


 その口元から、()ける紫雷(しらい)を、

 前方に()()(つづ)けている。


 まるで、雷王蛇(サンダースネーク)のようだ。

 中級魔法ほどの威力があるのは、

 間違いない。




「チッ、めんどくせぇか──。

 やるか、マイスナ──……?」

「わかった、水で、とめる。

 アンティ、やっちゃお──」



 ──スラァァアアあぁああ──……!




 銀の花嫁の両手に。


 美しい、()り返った(けん)が、


 異光を、(はな)っている──。




 ──それは、(ヒカリ)軌跡(キセキ)







「 ──" 凍輝(イテ)氷乱(コルラン) " 」


 ──シャァアン・・・!

 ──シュピィイインンン・・・!!






 ガレキ(まみ)れの地面を。

 ふたつの、氷の(キバ)の道が。


 すべてを、(かみ)み砕くように、

 錬成(れんせい)される。


 そうだ。喰われていくのだ。

 あの、蛇行(だこう)を、見よ──。




[[ ギガ・・・テスラパ・・・! ]]

[[ ペル・ミ・・・? ]]



 ──シャリぃぃぃぃイイんんん・・・!!!



 7体ほどのアイスゴーレムの、

 足が、すべて、氷結する。


 彼らが、氷では無く、

 もし、生身(なまみ)だったのなら。


 (すで)に──(さか)氷柱(ツララ)の、

 串刺しと成って、

 あの世に行っているのだろうが──。




[[ デ・・・パ、チッ、カ・・・! ]]

[[ ド・コ・・・? ]]




 足が動かない者たちの()()きは、

 素敵(ステキ)なダンスに、

 見える、ほどであり──、


 ──そして。






「あれっ、クラウン、マフラー?」


『────そっちは:

 ────そちらで:どうぞ☼』





 黄金の一閃(いっせん)は、

 ────閉幕(へいまく)を、意味する。





「──よぉぉおおい、しょっ!」




 ──キィイイ──ンンン・・・!!

 ────しゅぱぁああんんん・・・!!




「うわっ・・・!?」

「の、のびまし、た……ッッ!?」


「 ほぉう──……!

  (かた)いな……! 」




 黄金の義賊(クルルカン)のシンボルとも言える、

 ジグザグ模様(もよう)(くび)()きは。


 (テン)羽衣(ハゴロモ)のような長さに()び、

 そして、巨人の(やいば)(ごと)く、

 氷の化身たちを、両断する。


 あれは……逃げられんな。


 ふんっ……、

 アイスゴーレムの弱点を見つけるのは、

 非常に(むずか)しい、はずなのだがな?


 10体以上を、

 あんな不定形なもので、

 同時に斬り伏せてみせる。


 1秒も、かからず。

 大量の針の穴に、

 糸を通すようなマネを、

 やってのける技量を。


 あの娘は──持っているのだ。


 


 夜明け色に(かがや)く、

 流れる光のマフラーは。


 寸分(すんぶん)(ほつ)れも、

 無いように、見受けられる。


 ふむ……。

 つかい、こなしている。


 装備だけの、力では無い。

 



「うわっ。()えてきとるやんけ……」

「きんもーっ!」


「ひ、ひぇえええ……!?」

「だ、大丈夫、なんですかっ!?」


「──ふんっ♪」




 氷のザコ共が、

 20体ほど、バキバキと発生するので。

 ヒロガーとエミリーは、

 ガクブル、しているようだが。


 私は……シラフで、立っておく事にする。




「ふんっ……♪ そぉら、来たぞ?」




 雨のような、氷のナイフが、

 ()り注ぐ──……!





      ギ オ オ ──


 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽







「うおおおおお!! ──っ。

 …………………あれっ?」

「ひぃいえええ!? ──っ。

 ……………えっ!? あっ!」



「──ふんっ。

 これは、見事だな」







 きゃぅおおおお・・・ん・・・!!!



 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎






 すべての、ナイフの雨は。


 空中に出現した、金と銀の、

 光輪(こうりん)の中に、


 ──"格納"、されている。



 雨の日に、

 水()まりの上で(はじ)ける、

 幾重(いくえ)の、"波紋(はもん)"のように。


 金と銀は、伸縮(しんしゅく)し──(おど)り。

 そして、"無"が、残るのだ。




「ふんっ……まさしく、

 ──"無敵の盾"、だな──?」




 "空間使い"とは、

 ここまで、出鱈目(でたらめ)な、ものか。


 私の見識(けんしき)も、甘かったようだ。


 どのような攻撃も、魔法も、

 放出系なら……この技で、

 すべての防御を、

 (こと)、足りるのではないか──?


 いや……技ですら、無い。



 金と、銀から、声が、かかる。




「あの……。ご不安でしょうが、

 防御には、その……けっこう、

 注意を、はらってますんで」


「どこから、おそってきても

 ちゃんと、守ってるので、

 安心、してほしいです」



「む……? ふんっ……♪

 あぁ、わかった!

 続けたまえ」



「「 ──はいっ! 」」



 くくっ、く……!

 おもしろい、青臭(あおくさ)さが、残ったものだ。

 初手を見てから、まるで、

 心配など、しておらんのだが……?


 この手の者が、

 油断しなくなると、

 手が、つけられなくなる。


 ……ふんっ♪



「 ──さぁ、ページは、

  彼女たちによって、

  めくられるのだ 」





「クラウン、浮遊歯車を出せ。

 遊撃(ゆうげき)する」

「ローザ、七振り、全部だして。

 さよなら、しよう」





 ──" ()()らされる "。



 と、いう言葉は、

 このような時のために、あるのだろう。



 "お(ハナシ)に"、ならんだろうな──。





「す、すげぇ……」



 ヒロガーたちは、

 この頃になると、

 阿呆(あほう)のように口を開け、

 ぼーっと、突っ立っていた。


 シャリン、シャリンという、

 氷が砕け散る音は。


 もはや、美しくすら、

 あったのだ────。



「あそこまで……安定、してるとは……。

 マイスナのやつ……、

 てっきり、力の加減は、まだ、

 できないのではと、

 思ってたんだが──……。

 これじゃーまるで、

 "ダンス・パーティ"じゃねぇか・・・!!」


「まったく、暴走しているようには、

 見えませんっ……! それが、逆に、

 圧倒的なように、見えてきますっ……!

 そ、それに、あの金色の子も……!

 めちゃくちゃ……、

 強すぎじゃないですか……!?」



「そっち行ってるわ」

「逃げはじめてるなー」




「チームワーク、

 バッチリじゃねぇかよ……」


「正直、あいた(くち)が、

 ふさがりません──……」




 ヒロガーと、エミリーは、

 もはや、(ぼう)()ちである。




 黄金と、白銀の、髪は。


 今も、暗闇の中で。


 ほうほうと、光っている────。



 ……。





「……ふんっ。どう、思う」



 私は、ヒロガー達に、問う。


 それが、"流路"についてだと、

 彼らは、正しく、理解する。




「……、……"高密度"、すぎる。

 普通なら……、

 魔力が霧散(むさん)して……、

 寝たきりに、なるレベルだ。

 だが……。"魔無し"で、あるからこそ、

 それに……適応(てきおう)

 できちまったのかも、しれない……」


「えぇ……。あれは……まさか、

 全身、に……? きれい……。

 私たちは……"彼女"の流路を、

 何とか、成長させようと、

 躍起(やっき)に、なったものですが──。

 あれは、それなのかも、

 しれません……」


「……ふんっ♪

 思った以上、と、いうことかね?」



「当たり前だっ……!」



 ヒロガーが、

 氷の雨の中に立つ、

 ふたりを、見て、言った。



「見ろよ、ジィさん!

 あれは……"流路の申し子"だ!!」




 ──彼女たちの、(ヨロイ)のエッジが、


   輝いている。





 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!





 さいごに、かなり大きな、


 氷の、イケニエが、出た。






「 自動照準、いらんわ。

  おわ、でかいなぁ!  」

「 もう、冬は過ぎた。

  くたばるがいい  」





 ──きぃぃぃいいイイんんん・・・!!!

 ──ぎゅうつおおおおんんん・・・!!!






「「 C.U. 」」






 光り輝く、"レター・ライダー"を、

 止められるものなど、いないのだ。












 ──A.Part-END.















 ・・・パキ、キ・・・!




「ふんっ……、── む ? 」




 足元の近くから、

 氷が、せり上がり。

 どうやら、アイスゴーレムが、

 発生しかけているらしい。




「────失礼」




 ──ドォゥオオオンウウウ──ッンンっ!!


 ──バッキャアアアアア・・・!!




 (どう)色の、給仕(メイド)(ふく)を着た女が。


 生まれかけた氷人(こおりびと)を、

 容赦(ようしゃ)なく、()(くだ)く。


 ────(かろ)やかな、ステップ。



 ──ドゥオオウウンンゥゥゥ・・・!!




「──……ふんっ♪

 ずいぶんと、おもしろい音が鳴る、

 ブーツだな?」



 この国で、一番有名な暗殺者に、

 少し、小粋(こいき)な言葉をかけてみよう。



「──お(みみ)(よご)しを、ミスター。

 このヨロイには、全身、

 様々な箇所に、高位な魔物の、

 筋組織(きんそしき)由来の素材が、

 ()(めぐ)らされておりますので」


「ほぉう……! "バネ付き"か……!

 昨今(さっこん)(めずら)しいものだ」




 このような仕掛(しか)け鎧は、

 今では、時代遅れとさえ、

 いわれるシロモノである。


 "バネ付き"は、動きのクセが強く、

 使い方を(あやま)れば、

 戦闘中の、

 思わぬ弊害(へいがい)となるからである。


 しかし……アンティとマイスナの鎧も、

 確実に、それの(たぐい)である。


 こやつらは、いったい、

 どこで……?

 



「あの御方の(つく)る"ヨロイ"は、

 まさに、神がかっておりますよ。

 博物保管庫にあるような玩具(オモチャ)とは、

 一線を(かく)しています」


「ほぉう……ふんっ……♪

 あの、両傑(りょうけつ)の鎧も、

 同じ者が?」



 手がけて、いるのかね?

 と、興味のまま、問うた。



「──ふ。

 心の主君たる、お嬢様方と。

 同じ(めい)の、ヨロイを着る──。

 我らの、身に(あま)る光栄の、

 ひとつに、ございます。

 このヨロイが無ければ、

 あの御方たちのスピードには、

 到底、付いていけませんので」


「ふんっ、そこまでか。

 やはり、はやいかね?」


「光の(ごと)く」


「……くくっ! なるほど。

 そこも、絵本どおりと、

 いうことか──」




 暗殺職(アサシン)という中クラスは、

 軽技職(ライトラン)という大クラスに(ぞく)する。


 つまり、移動速度(ランニング)では、

 すべての冒険者の中でも、

 トップクラスに、位置するのだが。


 しかも、この6人は、

 全員が、Aランクの化け物である。



 それを、(こころ)御業(みわざ)で、

 "追従"させるという、愉快(ゆかい)さよ────。




「おわった? あれっ、

 うごかない……??」

「アンティ、あれもう、

 かき氷だよ」




「……ふんっ♪

 お互い、良い者に、

 出会ったものだ」


「……」


「そう、警戒するな」


「……いぇ」


「故意に、利用する気など、無い。

 そのために、貴様らが、

 いるのだろう?」


「……! ……はいっ。 」




 うーむ。

 確かに、この者たちは、

 付き従う者の、顔をしている。




「やっほー!

 終わりましたー♪」

「氷でケンカ売るとは、

 アホなやつらだなー」


「お疲れ様でございます」

「「「「「 お見事です 」」」」」


「おいっ、全員で拍手(はくしゅ)するな。

 やっ、やめろ、最悪だ……///」

「小っ恥ずかしいやつらだなーぅ///」




 ふんっ……♪ この者たちを、

 何らかの"絶望"から、

 救い出しただけでも──。


 国益(こくえき)と、言って良いのだがな?



「な、なぁ……ブレイクさんよぉ。

 この、かっけーメイドさんら……何なの?」


「む? ──ふんっ、

 知らんで、今まで おったのかね」




 やれやれ、教えてよいか?

 と、目で問うと、

 御随意(ごずいい)に、と、一礼で返される。




「え"っ……? こっ、この人ら、

 あの……"銅の刑死者(ブロンズ・ワークス)"……、……へ?」


「わ、わたしたちの、マイスナが……っ!?

 こっ、国内一の、

 諜報(ちょうほう)部隊(ぶたい)に……!?」



 ヒロガーとエミリーは、

 目を、白黒させている。


 くく、無理も、ないか。

 この女たちは、

 何十もの盗賊団と、

 汚物のような貴族を、

 駆逐(くちく)している。

 


「──ご安心を。

 あの御二方が望まなければ、

 国をとる気は、ございませんので♪」


「いや、あの……」

「どうなって、いるんですか……」


「くくくくく……ふんっ♪

 では望めば、とるのかね?」


「ほほほ……♪」

「「「「「 ほほほほほ 」」」」」



「いや、こえぇ、こえぇ、

 こえぇ……!?」


「ま、マイスナ……!?

 いいですかっ!?

 世の中、ワルい人も、

 いっぱい居ますが……!

 良い人も、いっぱい、

 いるんですからねぇ……!?!?」


「エミリー、かた、はなせーっ」

「きひゃひゃ……大丈夫ッスから♪」


「ふんっ、良いか?

 そろそろ、いくぞ」


「あっ、そうだった!」

「エミリー、はなせーっ」



 どうも、このガレキの下に、

 地底湖が、広がっているらしい。



 私たちは、

 (かたむ)いた床の上を、


 ゆっくりと、降りていくのだった。




「けっこー崩れてて、

 道、わかんねぇな……?」


「えっ……!? 見て、ヒロガー。

 これ、第一研究室の、

 外壁だわ……。なんで、

 こんなフロアに……」



 ふんっ……やはり、そうか。

 地形が……変わり過ぎておる。


 無理もない。

 もう……丸、二年なのだ。


 ……。


 ダメ元で、カマを、かけるか。




「……ふんっ。すまん、

 アンティ、マイスナ!

 地図は、つくれるか?」





「えっ……!? あ、ハイ。

 あーっ、そっか、

 私たちだけ、見てたヮ」


「ブレイクさん、ギルド球、

 もってるなら、

 すぐ、転送しますよ」




「…………ほぅ?」

 







 ────ヴォん。







 球体の中に浮かび上がる、


 立体の、地図を見て。






「……」



「その、点滅(テンメツ)してるトコロが、

 ここっスわ」

「目的地が、ココねー」








 流石の私も、


 歳を取ったな、と、思うのだった。






‎\\\\٩( 'ω' )و ////

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― 新着の感想 ―
[一言] 久々に安心して見れる無双は良いですね〜
[良い点]  終始リラックスしているブレイクさんの貫禄よ [気になる点] これダンジョン化していない? [一言] これはマイスナが離れた、というより、QQさんが干渉しなくなったのが原因だね。
2022/07/22 05:15 退会済み
管理
[良い点] ガンシューティングばりの爽快無双アクション!神世代型新人はやっぱ格が違うな 箱庭驚異の未来技術に歳を感じるお爺ちゃん。びっくり箱の中身はまだまだあるんやで [気になる点] 軽やかなステップ…
2022/07/19 16:25 ズブロッカ
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