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あびゃびゃびゃびゃ さーしーえー

PSPのモンハン初代を、

起動しちまった……。

どうすんだ……。

時間、とけるぞ……((((;゜Д゜))))*.+゜





「あびゃびゃびゃびゃ……」



 マイスナが、奇声(きせい)を発している。



「だ、だいじょーぶ……?」

「あばばばば……(((;゜Д゜)))」



 現在、私とマイスナは、

 (モゥ)スピードで、

 南から、北へと向かっている。


 ドニオスは、()(どお)りしたった。

 ちぇ……帰ってイチャイチャすんのは、

 もう少し、後回しに、

 なっちゃいそーだ。




『────スケイル・スケイター:

 ────起動します☼』


〘------ランディング・ブレード;

 ------展開するのん☆〙




 森の中では、基本は木をキックしまくり、

「横スクロール」を カマすんだけれど。


 ここみたいな、(たい)らな街道(かいどう)では、

 甲高(かんだか)足音(あしおと)が、

 あまりにも(ひび)いちゃうので。


 私は、ブーツを、ギアの車輪(しゃりん)のついた、

 ローラーブレードに。

 マイスナは、ハイヒールを、

 "スケート靴"みたいに。


 "電鎖歯車法(でんさはぐるまほう)"、で加工し、

 移動手段として、愛用している。




 ギュルルルルルルルル──・・・!!

 リィィィ──ギィイン──・・・!!




 私の足元の歯車から(ほとばし)る、

 黄金色の、稲妻(いなずま)と。


 マイスナの足元の(やいば)を支える、

 銀色に回転する、ベアリング。




『>>>姿勢制御、おーらい!』

〘#……氷結、良好。問題は無い〙




 以前より……デバイスの能力が、

 向上しているのを感じる。


 "歯車(ギア)"と"(チェーン)"の相性は、

 バツグンに、良い。


 私たちの"チカラ"は、

 確実に、"()ざって"いる。


 まじわり、あっている──。







 マイスナに、聞いてみた。




「パートリッジに行くの……、

 やっぱ……しんどぃ?」

「……ぅん……」



 マイスナは、高速移動しながら、

 私の()(よこ)で、コクリとした。



「私は……あの街に、

 めいわくを、かけすぎたから……」

「……」



 ……思い出す。


 暴走していた、マイスナのチカラは、

 雪山をひとつ、"神域(しんいき)"にするような、

 そんな、チカラだった。


 とまらない、ユキ。

 ふりそそぐ、イナズマ。

 テンからきこえる、ナゾのナキゴエ。



 はぐるまほう。

 ぷらずまほう。



 いまも……たまに、見てしまう夢。


 私たちが、"決闘(しょうぶ)"、した場所──。




「……。アンタが、悪いワケじゃない」

「……」

「んな顔、すんな」




 マイスナの、表情は暗い。

 私たちの心は、つながっている。

 ヘタに気をつかっていることなど、

 彼女には、もはや、

 (ツツ)抜けなのだ。


 だから、私たちの中には、

 ウソが、存在できない。


 お互いの心の中に、

 えぐりこみ合うしか、

 できないのだから──。



「……」

「……」



 高速で、流れる景色。

 見える。

 あの、ウェルダー(さん)が。


 街の後ろに、白く、そびえる霊峰(れいほう)が。

 徐々に、ちかづいてきている。


 私たちは、忘れ……られないのだ。


 歯車で、えぐった、内臓(ないそう)を。

 鎖刃で、つらぬいた、胴体を。




「……」

「……」




 それが……なんだってんだ。


 もう、私たちは、(とも)に、いる。


 誰もが知る、


"敵"と、"味方"、として──。



 だから──……。




「……」

「……」




 回転と、ブレードの音が、

 風に、まざり、()き消えていく。



 ……──。


 私は、とびはねた。





「 ──てやっ・・・! 」

「 ・・・!? 」





 地面を、超・もっくそ、()りあげ!

 すこし、あぶないとは、思ったけんど!


 彼女(マイスナ)身体(カラダ)を、(ヨコ)に、ひっぱる!!



 ──きぃぃぃいいんんん──・・・!!!




「──……、!? ぁん……っ?!」

「──── っ──  」





 ──すべてが、よこむき だ。



 猛スピードで吹っ飛んでる間に、


 マイスナの身体を抱きしめ、


 キスをする。






 ── 「 「」 」





 ──けして、あさくは、なく。


 かみあい。つながり。

  歯車    鎖


 カチあう、仮面 ──。




「──……っ///」

「──……っ///」




 ──きぃいん……!

 ──ぎぃいん……!


 手を(つな)ぐ着地は、(なめ)らかである。

 バカみたいに神妙(しんみょう)に、言ってやった。



「──いつも……私が、そばにいる。

 それだけしか、言えないもん……///」

「──えへっへ……♪///」




 ……そーよ。

 ずっと、その顔、しちくり。




「アンティは、

 たまに、とっても、

 ダイタン、だねっ♪♪///」

「……///」



 カッコつけたかったが、

 少し…照れてしまった。

 銀色の月の姫は、わらっている。


 私は、手を、はなさない。




「エスコートを、いたしましょう。

 愛しの、狂銀(きょうぎん) (ひめ)──///」


「よろしくおねがいします。

 最愛の、義賊(ぎぞく) (さま)──///」





 風のように、私たちは、

 北の街へと、向かった。






「「 お待ちしておりました! 」」


「「 ──・・・ん"ぅ!? 」」




 ──なん……?


 パートリッジの街に着くと、

 いきなり、頭を下げられたので、

 ふたりで、おどろく!


 その、制服、まさか……?



「もちろん、パートリッジギルドの者です!」

「ささ、おはやく! こちらにどうぞ!」


「「 えっ、ぁ、あのぉ……? 」」



 なぜ、ここに()ることが……、

 バレてんのかなあああああ……!?


 あっ!

 ま、まさか、ギルドマスターの誰かが、

 前もって、連絡なんぞを……?





「「 どうなさいましたか??? 」」


「ぃや、えーっと……」

「ぁわわわ……っ//////」




 ぶっちゃけ、油断してたわ……。

 さっきの"空中くちづけショー"、

 見られて、ねーだろぉーなぁ……///


 北の街の、いちばん、南の大門。

 マイスナは、少し萎縮(いしゅく)して、

 私の背中(せなか)に隠れ、様子を見ている。


 しょうが……ない、わよねぇ、、。

 仮面で顔を隠してるとはいえ、

 "紫電の魔法使い"は、

 この街の、"指名(しめい)手配(てはい)(はん)"だ……。


 それに、この街を一度、

 雪で、埋めつくしかけとるワケだし……。

 マイスナの、申し訳なく思う心は、

 察するに、あまりある。



「うあぅ〜〜っ//////」

「ま、マイスナ、肩、おもい、おもいって」



 ただ、その……あはは。


 彼女の素敵(ステキ)白銀(はくぎん)のドレスは、

 私の黄金(おうごん)のシルエットから、

 もっくそ、ハミ()まくって、

 いるんだけンども。


 個人的には、後ろでチョコチョコする、

 マイスナの可愛らしさの方に、

 目が、行っちゃったりする……あはは///



「アンティ〜〜、わたし、

 まだ、心の準備、

 できてないよぉ〜〜っ!///」

「だ、だぁいじょうぶ、だって……!」



 実は、私もなのだが……。

 ぇ、コレ、ギルドに直行コースじゃ、

 ねっっっだろぉーな……?


 とりま……出迎(でむか)えしてくれた、

 ギルド職員さんに、

 話しかけてみることにする。



「ごっ、ご()()()しています。

 もしや……ヒゲイドさ、、、

 ヒゲイドの方から、

 連絡が、ありましたでしょうか……?」


「──! いいえ!

 そういう訳では、ございませんよ!」



 えっ、そーなの!?

 じゃ、、なして、

 前もって、でむかえ、なんぞ……?




「ふふふ、(うつく)しい足音が、

 ここまで、(ひび)いておりましたので!」


「「 あぁ……/// 」」




 どうやら……///


 さっき、チューするために、

 巨大(きょだい)(よこ)()跳躍(ちょうやく)したのが……、

 たいへん、マズかったようだ……///



「ふふふ、すぐに、わかりましたよ!

 よく、聞こえますから。

 ようこそ、アンティ様方!

 パートリッジは、歓迎いたします……!!」



 二人の、モコモコ職員さんに、

 かるく、頭を下げられる。

 あ、(ふく)的なイミの、モコモコである。


 もちろん、前に来た時より、

 気温は、かなり(あたた)かい!

 七分袖(しちぶそで)なのに、

 装飾が、モコモコなギルド服は、

 なんだか、とっても可愛らしく見えた。



「何なりと、お申し付けください!!」

「お食事は、お済みでしょうか!?」


「ま、待て待て……!!」



 いきなり、こんなグイグイ対応では、

 食堂娘のメンタルに、、、

 グサグサ、くるってモンでしょ・・・!



「ぁ、あの、そんな、

 めたんこ丁寧(ていねい)に、

 していただかなくても……!

 そ、その、こちらは、

 いきなり立ち寄った、だけですし……!?」


「何を、おっしゃるのですか!!!

 北のパートリッジ、

 あの冬の大恩を、

 忘れては、おりませんよ……!!」



 うわー、

 そのポーズ、かわいー。



「アンティ様が来れば、

 お出迎え差し上げるのが、道理!

 街の借りは、私たちが、

 率先して、返すが良し・・・!!」



 まぁ……ギルドの人たちは、

 私が120箱くらい、

 救援物資、もってきたの、

 知ってるかんなぁ……。


 つーか、ヒゲイドさんに感謝しーや。

 私に、そんな、

 へりくだらんとってくだしーな。



「それに……我らギルドは、体面上は、

 隠してはおりますが、、、!!

 大量の物資運搬に、

 あの、"奇跡の雪解け"──。

 もはや、"義賊(ぎぞく)のウワサ"は、

 もはや街の隅々(すみずみ)まで、ひろがっております!」


「へあっ・・・!?」



 ん だ 、 と ぉ お お ・・・!?

 この職員さんっ!?

 今っ、サラッと、

 えらいこと言っとらんかぁあ!?




「そんなに……私のコト、

 ウワサに、、、なってんスか……?」


「──あっ!!

 も、申し訳ありません……!!

 "黄金の義賊クルルカン"の英雄譚(えいゆうたん)……!

 このように(きら)めく、ウワサ話には、

 戸は建てられませんで……!」


「いまや、アンティ様は!

 この北の街では、どう転んでも──、

 "黄金の英雄"あつかいが、

 妥当(だとう)な所かと……!」


「かっ、カンベンしてよぉ……!///」

「アンティが、まつりあげられとる……!」



 あっあぁ〜〜っ。

 おうちに、帰りたくなってきたなあああああ。


 はぁぁ……はやくマイスナと、

 40メルトルテ上空で、

 サドンデス・マッチしたい……//////



「ご要件などあれば、お聞かせください!

 僭越(せんえつ)ながら、

 お(ちから)()えなど、

 させていただきますから……!」


「どうぞ、なんなりと!!!

 当ギルドは、アンティ様の大ファ……っ、

 ──(ばく)()しです!!!」




 ばくおしって、なんやねん……。




『>>>ぁー……。これ……後輩ちゃんさぁ、

 >>>"アイドル(あつか)い"に、

 >>>なってや、しないかぃ……?』


〘#……くっくっく、くっくっく……!〙




 あいどる、だぁああ……?

 かんべん、しちくり……。


 ギルド職員さんたち、

 なんだか、鼻息が荒くて、

 こええんだよおおおおおおおおお。



「わぁ……! そのマフラーは、

 はじめて、見ました……!!」

「かっけぇー……!!

 華が、ありますよね……!!!」



 この男女のギルド職員さん、

 けっこー、わけーな……。

 私と同じくらいの歳か、、、

 もしかしたら、ユービーちゃん、

 くらいかも、しんない。


 私、ばっかりみて、

 キラキラしてんじゃねーよ……/// 


 ぁ……でも、こンだけは先に、

 言っとくか。




「やれやれ……さきに、ひとつだけ」


「「 ……!! 」」



 背中に隠れている姫様を、

 かるく、抱きしめて、言う。



「彼女は──もうひとりの私です。

 そのように、(あつか)うようにね?」

「ぁ、アンティ……!?///」


「「 ……!!!///

   かしこまりました・・・!! 」」




 北の、わっけぇ、ギルド職員さん達は、

 ノータイムで、あたま、さげよった。



「「 たいへん、おにあいです!!! 」」


「ど、どーゆぅ、いみよ……///」

「…………ポッ……っ///」




 何だか、妙に……こそばゆい感じだ///

 どーして、こーなった。

 私たちゃ、新婚旅行に来てんじゃ、

 ねーんだぞ……//////


 と、ともかく……職員さん達に、

 ロックオンされちゃった事は、

 しょーがない……。


 本来の目的は、伝えておこう………。



「実は……今回は、ブレイクさんに、

 お伝えする事があって、

 参りました。

 その、いきなり来て、

 申し訳ないのですが──。

 2件ほど、いそぎの用件です。

 居場所など、教えていただければ──」


「っ! かしこまりました!」

「ご案内させていただきます!」




 えっ、あっ、

 ちょと、待って……?

 

 ふたりの職員さんが、

 (さそ)ってくるように、

 街の中へと、入っていく。


 げ、コレ……、

 同行しなきゃいかん、

 ヤツやんなぁああ・・・!


 場所さえ、教えてくれりゃー、

 コッチのタイミングで、

 勝手に、行くってえええええええ。

 



(ひえぇーっ……! どっ、どーせなら、

 少しは観光(かんこう)してから、

 行きたかったんだがああ・・・!?)

(え、コレ、そのまま連行(れんこう)……?)




 マイスナと、顔を見合わせ、

 お目目、パチクリする。

 

 ぁ、あ、ちょと待って……!?


 ち、ちくそー!

 しょーが、ねぇえええええ。


 義賊(ぎぞく)狂銀(きょうぎん)は、

 きんっ、ぎんっ、と

 着いていきますよぉおおおおおっと・・・!!





「おとーさん、見てえ──っ!!?」


「──わぁぁあ!! クルルカンの、

 おねえちゃんだああ・・・!」


「ぉ! おいっ、あれって……!?」


「あぁ……!!

 すげぇよなああ・・・!!」


「あ、あの、銀色の姫はっ……!?」




「「 ……////// 」」





 街の中を、職員さんに先導されて、

 歩いていると。

 何やら……少し距離を置かれつつも、

 ウワサ話は、聞こえまくってくる。


 だーから、すぐに入るのは、

 イヤだったんだぁ──!!!

 しまった、こんな時の、

 神官服……も、あかんか……?


 あぁ……もう遅い。

 きんぴか、ぎんぴかは、

 めだつんだぞぉおおおおおお!!?


 し、しかも、

 ギルドの職員さんに、

 先導されちょるし……!

 


「──ぁあーっ!!

 あの人だよなぁ……!!

 こないだの冬の、物資不足の時!!

 めちゃくちゃな量の支援を、

 即行、運んでくれた人ってゆぅ・・・!?」


「ぉお……!!! そうらしいなぁ!!

 あの時の、火の魔石の恩──っ。

 パートリッジは、忘れられねぇぜ!」


「でもよ……! ギルドがさ?

 一応は、隠してるってことは、、、

 なにやら、ワケありっぽいのかな?」


「ぉー! どうも、

 そういう話らしいなぁ。

 普段から、すげぇ量を、

 届けてくれてるらしいぜ?

 能力を持った、高貴な方が、

 正体を隠して、

 冒険者やってるとか、さ!

 いろんなウワサ、あるよなぁ!!」


「ははっ! それよォ!

 なんか、ワクワクするよなぁ!

 何にせよ、ありがてぇ話だ……!!

 おい! おがめ、

 おがんどけ……!!」



 ぉ、おいっ/// やめぇや……!!?

 こちとら、田舎町の、

 食堂娘、だっつーの!?//////


 ま、待て待て待て待て……!

 ホントに、おがむんじゃねぇわ……!

 うわぁぁぁあ……//////


 ちょっと来なかっただけで、

 なンなの、このあつかい……!?

 やめてくださいよぉおおああぁ・・・///




「ふふ、雪解けしたパートリッジも、

 美しいでしょう……!!」

「おかげさまで、

 たいへん迅速(じんそく)に、

 街の修復が、進んだんですよ……!?」



 前を歩く、ギルド職員さんが、

 ニッコニコで言ってくるけど。

 あんたら、ちょっと周り見ろや・・・!?


 ──うっわ!?//////

 ぁ、あそこの、おばあちゃんなんて、

 こっちみて、土下座してんじゃないの・・・!!


 やっ、やめなさい!?

 わたしゃ、お殿様(とのさま)じゃ、ねーんだぞ……!!

 おもわず、ひきつり気味の、

 黄金の愛想(あいそ)笑い、したわ!



「アンティ、(した)われてるねっ……♪」

「いや、胃にくンだけど……」



 街のみんなの、

 こっちを見てくる目が、

 みなさん、キラキラして、

 いやがりますわぁ〜〜……!!!



「う、うわあああーっ♪♪♪ 黄金の、

 クルルカンだああ・・・っ!!!✧」


「す、すげぇ、かっけえええええっ!✧」


「おかあさん、あのマフラー、ほしい!!」


「あの……うしろの、きれいな、ひと、

 きょうぎん・・・?✧」


「あの、ドレス、きれい……!

 わたしも、あんなの、着たぁーい♪✧」


「うっぉおおぉぉ〜〜っ!?

 あの、黄金と、白銀の、対比(たいひ)よ・・・!

 ぅ……美し、すぎないか・・・!?」


「こいつは、おどれぇたナ……!

 かかかっ・・・♪

 絵になる御仁(ごじん)たちだぁ・・・!!」


「これは、、、良いモンが見れたぜ。

 ギルドに向かっているな?

 また、大事なクエストを、

 任されるのか?」


「て・・・・・・てぇてぇ」



「ょ、よこしまな視線も、

 感じンだけど……、///」

「……/// こ、こんな感じで、

 見られるとは、思ってなかったね……///」




 結婚式じゃ、ねーんだぞ……//////


 ぅ、うーん……まさか、

 こげな(むか)()れられ方を、

 されるとは……///



「……///」

「ぇ、えへへ……♪」



 私が、唯一、心配だったのは、

 あの、"とけない冬"のせいで。


 "狂銀"であるマイスナが、

 北の街の人たちに、

 (きら)われてや、いやしないか、という、

 ただ、その一点だった。


 あの時……。

 たぶん、そんな、ウワサも──。

 


 でも……?

 どうやらそれは、

 いらん心配だったようである……//////

 


 私とマイスナが、

 横を、通り過ぎる、たびに。


 子供たちは、みんな、

 目が、キランキランである……///


 とくに……ちっちゃな女の子の視線は。

 可憐(かれん)な、(ぎん)花嫁(はなよめ)に、

 くぎづけ、なんよなぁ──//////




「ドレス、かわいぃ〜〜♡♡」

「きれいぃ〜〜♡♡」

「すごぉいぃ〜〜♡♡」

「おひめさまっ、みたい〜〜♡♡」

「おとーたん、わたし、

 あの、おうかんみたいなの、ほしぃー♡♡」


「よ、よかったわね、マイスナ」

「・・・/////////」




 ったりめーだ。

 ウチのよめ、かーいーだろ。


 ちなみに、それ王冠じゃなくて、

 ティアラ、っていうのよ。


 ぁ……やべ。



 街の人たちに、

 気をつかってたら、、、。

 もう、真ん中のギルドに、

 ついちまった・・・!




「申し訳ございません!

 ギルドマスター・ブレイクは、

 ただいま、外出しておりまして!」


「少し……お待ちいただければ。

 どうしましょう。ギルドの食堂など、

 ご案内、いたしましょうか?」



「い、いえ……!?

 ここ、待合室、ですよね……!?」

「こっ、ここで、待ってます……!」



 すっかり「場所おしえろや!」と、

 言うタイミングを、(のが)してもーたわ!


 だ、だってぇぇ……。

 北のギルド本部に入ってからというもの、

 すれ違う職員さんたち、ほぼ全てが、

 足を止めて、わざわざ立礼してくれるのだ。



「「 お久しぶりです。

   ごぶさたしています 」」


「ぇ、あ、ど、ドモ……///」

「ぺ、ぺこり……///」



 正直、た、たまったもんじゃないわ……。

 いっかい、いっかい、

 こちらも、お礼し返したんだぞ……?



「ほほほ……♪ そのように、

 立ち止まらずとも……♪」

「アンティ様方は、

 通り過ぎるだけで、よろしいかと♪」


「そーゆぅワケには、いかんでしょ……///」

「こくこくこくこく……!///」




 こちとら、礼節ってモンを、

 実家で、叩き込まれてんのよ。

 食堂娘のハート、にゃめんなよ……?


 そんなこんなで、

 人目が少ない……待合室は、有難い。

 心が、休まるってモンよ……。



「はぁぁ……そーいや、チロンちゃん、

 見かけなかったなぁ……。

 せめて、見知ったヒトなら……。

 モフモフで(いや)されようと、

 おもったのにーぃ」


「チロンちゃん??

 ダレ、ソノオンナ」



 あっ。

 こ……こえーわ。



「アンティノ……ナニ?」

「爪、しまえ。

 私がチチクリ合うのは、

 てめーだけだ……///」



 馴染みの受付嬢ちゃんだと、

 説明する。

 アンタのことも、助けてくれた、

 モフモフちゃんなのよ、と、

 教えてあげる。



「ほぅ……?? モフモフ、なの?」

「うん、たいへん、ちいさなモフモフ」

「ほぉお……♪ それは……さわりたい」



 マイスナが、銀色のクローを、

 わきわき、している。

 にげろ、チロンちゃん。


 そう言えば、うさ丸とカンクルは、

 ナチュラルに、ドニオスに置いてきた。


 え、ひどい?

 いや……アイツ、今回は、

 心身ともに、疲れてたっぽいから──。




 ──以下、回想。



「あんた、今回は……留守番してな?

 ちょっと、ゆっくりしんさい」

「にょきっとぉ……?」


「カンクルは、うさ丸と一緒に、

 いてあげてねっ!」

「くっ、くゅーっ!!!!!」



 そう言って、銅色(どういろ)メイドさん部隊に、

 ドニオスギルドに、

 うさぎチームを届けるよう、

 (たの)んでおいたのだ。



「アンタたちも、今回は、

 色々と、立て込むだろーから……、

 ドニオスで、休んでなさいな」

「ブレイクさんに見つかると、

 ややこいですから」


「チッ……かしこまりました」


「今、舌打ちしたか、オンドレ?」

「舌、なくしますよ?」



 

 と、いうふうに、

 我らが暗殺メイドさん達には、

 休暇を、(あた)えたのだが……。

 6人全員、すっげぇ、ブーたれていた。


 まったくぅ……。

 たまにゃ、ユービーちゃんにも、 

 顔、出せっつーんだ……。

 あんたらの、(すえ)の、妹なんっしょ?


 姉妹、七人、みずいらず!

 と……しゃれこんで、ほしいのだが……。


 この分だと、また、姿を消して、

 そばに、(つか)えている気もすゆ……。



「おるかな……」

「おるかも……」



 呼んだら……でて来そうな気もするので、

 もはや、呼ばないことにした。




 さて……これから、どうすっか。




「こっちから……ブレイクさんに、

 会いに行くつもりが……、コレ、

 呼びつけるカタチに、

 なっとるやんけ……」


「ちょっと、時間かかりそうな、

 感じ……だったよね?」




 北ギルドの待合室で、

 マイスナと、となり同士、座りながら、

 頭をかかえる。




「うわぁ〜〜……、ちょっと、

 美味しいモン、食べて、

 落ち着いてから、

 たずねるつもり、だったのにぃ……!」


「た、たいほ、されないかな……」


「そっ、それは!

 だ、大丈夫だと、思うけど……」


「うえぇ、なんか、不安に、

 なってきた……!」




 そりゃ、"教会の地下崩落"って、

 大事件は、大事件だけど……!


 前は……なんか、

 "お目こぼし"してくれそうな、

 感じ、だったし……!?




「も、もしタイホされそうになったら、

 そんときゃ、また、逃げるから……!」

「えぇぇ〜〜〜〜……っ!?//////」



 うわっ、つーかぁ……!?

 前に、マイスナを連れて帰った時。

 わたし……ギルドの壁に、

 大穴、あけて、

 逃げてンのよねぇ……!!



「さいしょに、頭さげんのは、

 決定だわなぁぁ……」

「えっ、なにしたの……」



 アンタのために、

 (かべ)に、パンチしただけよ……。

  



「つーか、今から伝える内容、

 なーんも、整理してねーわ……!?」


「そ、そうだねーっ……。

 (なが)れるように、まっすぐ、

 ギルドに来ちゃったもんね……」


「ど、どーしよぉ……!

 くっそー、ヒゲイドさんめぇええ……!

 なぜ、わたしがあああああ。

 私の、ヒミツの、暴露(ばくろ)をおおおお」


「ぁ、アンティ、落ち着いて……。

 えっと……どこまで、

 伝えて、いいんだっけ……?」


「いや……あの分じゃ、

 できるだけ、全部、でしょ……」


「そ、そっか……」


「うわーっ!! ゼッタイ、

 信じて、くれないよぉおお……!」


「そ、そっか、な……?」


「そうよおおお……!

 だって、サ──?」



 私は、やけくそ気味に、

 伝えなきゃな内容を、

 マイスナに、ぶちまける。





  私たちがさ?

  この世界の七人の神さまを、

  次の神さまに、引き継がせる

  存在でさ?


  んで、そのせいで、

  変なチカラを使えたり……、

  ギルド球に(さわ)っただけで、

  入力の文字制限が、解除できるなんて、


  フツー、いきなり言われて、

  信じ、られるぅぅううー?

                」




「そ、それは……むず「 ふんっ、心外だな── 」









 ──。








 ゾワリ、と、した。







 まったく、気配が、


 し な か っ た の に ・・・。






 いきなり。





 ──ポンっ。




 と……。


 肩に……手を、置かれたのだ。。。





「「   ° д °  ごっ…… 」」




「 ──ふんっ、いいかね?

  覚えて、おきたまえ──。


  私は、アホみたいな ヨタ話を、

  あたまっから、否定は、しない。

  信じないのでは、ない。

  まず……"(ため)す"のだよ── 」






 ば、かっ、にゃっ……、……!?


 にゃぜっ、こんな……!?


 簡単に、後ろ、おぉ……っ!?





『────なんと☼』

『>>>すげぇな、このジジィ……』





 せっ、センサーに、

 まったく、反応、がっ・・・!?


 がくがく、ブルブルブルぶるっぶるぅぅう……!






「 ──ふんっ?

  さぁて……♪ なにやら、

  "とても面白いこと"を、

  のたまって、おったな? 」


「「 ぁ、ぁばばばばば…… 」」







 空気が……さけるような、

 おじいちゃんの、声。


 ぞっ、ゾワゾワ、ぞわぁああ・・・!








挿絵(By みてみん)



  ──"七人の神"、云々(うんぬん)は、ともかく。


  ほれ、どうだ──。


  私のギルド球を、


  (さわ)ってみたまえ──。


  ────なぁ? アンティ・クルル?

                     」


「「 あびゃびゃびゃびゃ……!! 」」






 スーパーおじいちゃん、

 ──" ブレイク・ルーラー "。



 北のギルドマスター様は、


 隠密行動(バックアタック)が、おじょうず……!!








「さ、さわるんで……」

「かた、はなしてもらって、いすか……」



「 ふふ、なぜだ? 」







 こわい。








 

とりまゲリョスたおほう(´﹃`)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 久しぶりに会えてブレイクさん嬉しそう♪ [気になる点] 問題はあの男の子やね。 [一言] どんなに強くなっても、メンタルは食堂娘なんだよね( *´艸`)
2022/06/28 00:19 退会済み
管理
[一言] 北の山での決闘を外部から見ると、チロン・ノートで語られた神話の様な光景となるわけで、それをパードリッジの住民は見てるのだから、この状況も然もありなんデスヨネー
[良い点] キンキン鳴らしながら近づいてくるので判るってのはアンマイとカンカン鳴らす消防車くらいやな 何処に行っても子供に大人気のアンティ。遂にパートリッジでもマイスナのお披露目で活動範囲内では顔見せ…
2022/06/20 18:51 ズブロッカ
感想一覧
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