箱庭深層・水電室。下
ROBOT魂のブレンパワードが
楽しみふにゃふにゃやなぁ!
とりま、イニィさんから、
27時間前に、起こったことを、聞く。
金娘:"狙撃"……ですか
銀娘:うまく、いったんだね!
魔王:{{ ええ。私も、
凍結されていたから、
後で、映像記録で
見ただけ、だけどね── }}
あの……巨大なクロいウサギ──、
"ウサミミマガ"の接近と共に、
イニィさんの、"魔王の本能"は、
抑えきれなく、なっていたらしい。
魔王:{{ 本当に、ごめんなさい……。
今回まったく、チカラに、
なれなかったわね…… }}
金娘:い、いえ……!
いつも、助けてもらっているし!
銀娘:その……どんな、感じだったの?
暴走、しかけるって
魔王:{{ そう、ね……。
いきなり、ふくれあがって、
楽しくて……仕方が、
なくなる感じ、かな? }}
それは……、
聞いていて、少し、こわいと思った。
イニィさんのチカラは、
無差別に、全方位に、
放たれて、いいものじゃない。
魔王:{{ 私の重力系のチカラは、
そうそう、負けることは、
ない自負があるのだけれど……。
周囲に、"邪悪"な、
存在が、あると……、
そっちに、引っ張られて、
しまうのだわ。
気をつけなければ…… }}
金娘:……。
銀娘:あれは……邪悪な、
わけじゃ、ないよ
魔王:{{ ……! わかっているわ。
邪悪に……なるしか、
なかった……そうよね? }}
今の、イニィさんの声は、
とっても、慈愛に満ちた、ものだった。
結果から言っちゃうと。
トドメちゃんと、あの、
オオマガツブリ、とかいう、
肉だんご丸が。
あの、壊れてしまったウサギたちの、
"心臓"を……撃ち抜いたそうだ。
魔王:{{ 見事な狙撃だったわ。
まさか、魔術湾曲ができる、
触手を使って、
砲身を造るなんてね! }}
うさ丸は、
限界まで、"衝撃波"を撃ち込み続けて、
"心臓"を包んでいた、
"死の霧"を、
弾き飛ばしたらしい。
魔王:{{ うさちゃんが、防御を剥がし、
トドメって子が、
トドメを、さしたってワケ! }}
金娘:そ、っか……
銀娘:あの肉だんごさんは、
今は、どうしてるの?
魔王:{{ その後、すぐに、
貴女たちが気絶しちゃったから、
今の私には、分からないわ。
フフフ……街中、
大騒ぎになってるのは、
間違いないと思うけどね? }}
は、はは……そりゃ、そうだわ。
あの肉塊が……あの笑顔のまま、
街に入って、従獣登録、
してる、なんてことに、なってたら──。
金娘:で、あの……
銀娘:今の、私たち、って……──
魔王:{{ えぇ……。本当に、よく、
やって、くれたわ……。
貴女たちが、もう少し早く、
気絶して、しまっていたら── }}
──うさ丸の、右手の大砲は、
使えなくなっていたかも、
しれないらしい。
私の歯車のチカラを、
流用していたからだ。
魔王:{{ ピエロちゃんが、
あの戦闘の最後に
気絶しようとした時。
紫電ちゃんが、ムリヤリ、
髪の毛を直結して、
意識深部にまで、
接続して、叩き起こして、
いたんでしょっ? }}
金娘:じゃあ……
銀娘:つまり……
魔王:{{ イェア。その結果が、この状態 }}
まじっ、、、すか……。
もう、私たちは、
放射系の探知機を、
デバイスとして周囲に展開していた。
よーするに、アナライズ・カードの、
"霧吹き"だ。
その"放射"されたものの反射率で、
目が見えなくても、
自分たちの状態を、把握できる。
魔王:{{ あら、お上手。
放射系のアナライズ粒子で、
ソナーみたいに反響した情報を、
直接、映像データにして、
脳に送っているのね。
相変わらず、器用ねぇー!
貴女たちったら! }}
金娘:ぇ……イニィ、さんッッ・・・!?
銀娘:ひ! ひだり、うで、が・・・!?
あっけらかんとしている、
イニィさんのソナーデータを見て、
おどろく。
そりゃ、ごっつんこ合体している、
私たちも、アレ、なンだけど……!!
イニィさんの左手は、
脇の下から、 な い ・・・!!!
魔王:{{ ──あ、ちがうちがう!!
安心して!!!
これは、空間接続で、
別の場所で、"処置"、
しているだけなのよっ!? }}
え・・・!?
イニィさんの左腕の断面を知覚すると、
どうやら……歯車と鎖の、輪の中に、
手を突っ込んでるみたいである。
よっ、よかった……!
ズッパシ、切れているワケじゃあ、
ないのね……!!?
金娘:ほっ・・・!
銀娘:手、ケガしたの……?
魔王:{{ 暴走の影響で、少し、
カタチが戻らないだけなの。
別の場所で、みんなが、
"復元"してくれてるわ♪ }}
そう、なんだ……。
変形……。すぐに、
戻ってくれたら、いいけど……。
魔王:{{ やくたたず魔王より、
自分たちの心配を、なさいな?
えらいこっちゃ なのは、
わかったでしょう }}
金娘&銀娘:
う、ぅん……。
魔王:{{ 頭部と胸部と腹部が、
半融合した状態で、
よく、落ち着いていられるとも、
思うけれどねっ }}
金娘:まぁ、その……
銀娘:ね……?
こういうの、
はじめてじゃ、ないし、さ。
魔王:{{ ぇ? }}
金娘:そ、それより、さ!
銀娘:その、クルルカン、さん、が……。
魔王:{{ ん、あぁ。さっきまで、
看病、してくれていたわね。
目のやり場に、困ってたわよ?
フフフ…… }}
金娘:ぁ……、んー、と……
そうじゃ、なくて……
銀娘:……うん
魔王:{{ ……??? なーに?
急に、しおらしい、
感じ、出すじゃん }}
金娘:"せんぱい"……怒ってた?
銀娘:しゅん……。
いっぱく。魔王の思考。
魔王:{{ ──!! ぁーあ……!!!
"精神融合"を、
自分たちで促しちゃったから、
"金パツ"君がブチキレてないか、
心配しているのねっ!? }}
身もフタもねー説明だなぁ……。
銀娘:しゅんぅ……。
金娘:マイスナは、わるくないわよっ……!!
魔王:{{ ん、私も同意見。
結論から言うと、
金パツくんがキレてる?
と聞かれたら、
答えは、──NO! }}
金娘:──……ッ!!
ほっ、ホントに……!?
銀娘:えっと……意外です……?
魔王:{{ というか、対策済みだったのよ。
貴女たちの精神データの、
脳の部分が融合しなかったのは、
彼と、彼のフィアンセが、
組んでたプログラムのおかげ }}
金娘:さ、さすが、黄金夫婦……!!
銀娘:そっ、そんな、ものが……!!
魔王:{{ まぁでも、むしろ……、
貴女たちの脳みその中に、
融合防止プログラムを、
勝手に、ブッ刺してて、
申し訳なかったなぁー、
──って、感じだったわよ? }}
いやいやいや、いやいや……!!
クラウンと先輩が、
ソレ、やってくれなかったら、
箱庭側の私たちの身体、
コレ以上、まざっちゃってたんでしょ?
シャレにならんくらいの、
超絶・感謝ですやん……。
魔王:{{ ──ただ、誤算はアリ。
あんまりにも引き合うチカラが、
強かったモンだから、
" ぜんとうよー "? の、
一部は接触しちゃったって }}
金娘:……!! 脳の……前の部分、だね
銀娘:……。各部所に、
異変はありましたか?
魔王:{{ 言語を司る、
部分なんですってね。
ま、大きな被害は、
今の所は、ナシ。
ただ、ついさっきまで、
オープンチャットは、
使用不可能だった }}
金娘&銀娘:
……!!
ということは……!
現実世界の私たちは、
まだ、眠っていて。
箱庭メンバーと、
プレミオムズの皆とが、
コンタクトを、取れていないのね……!?
27時間、経って、るんだっけ……!?
それは……心配、
かけてるかも、しんないわ。
魔王:{{ あと、"融合防止"が、
重点的に組まれていたのは、
頭部のみ、だったんだってさ。
胴体の基本防止-
-プログラムの破損は、
完全に想定外だったって。
よって、今まで27時間、
半融合してしまった、
貴女たちの記憶アバターを、
絶対安静のうえ、
この部屋で隔離治療してたの }}
金娘&銀娘:
うわぁー……。
魔王:{{ んで、心配性な、
お兄ちゃんと、今回、
やくたたず だった私が、
" お守り役 "を、
買ってでた、ってワケ♪ }}
先輩……。
27時間、
徹夜、してくれてたっぽいわ……。
あんがと……せんぱい。
魔王:{{ ちょっとずつ、
頭部を優先しながら、
切り離しを進めてる。
けど、まだ、お互いの眼球が、
重なってる状態よ?
ちな、口と鼻ふくむ気管は、
ほぼ完全に密閉しちゃってるから、
呼吸は、お互いに温め合った、
よく分かんない気体の、
キャッチボールが、継続ちゅー }}
金娘:な、なんてこったぃ……!
銀娘:あれっ、うまくキスが、
できませんね……???
こ、こらっ、マイスナ、
アンタって子は//////
こんな、時にィィィーっ///////
魔王:{{ 舌も、まだ地続きだから、
いつも、やってらっしゃる、
ディープ・キスは、
お・あ・ず・け・よっ☆
ま、一番の深さとも
言えるでしょうけど }}
金娘:しゃ、シャレにならんぅぅ……///
銀娘:アンティの顔が、見たいです。
いつ、元に戻りますか……?
魔王:{{ 起きたら会えるわよぅ!
現実がわの貴女たちは、
もちろん、別々のカラダ、
なんだからね!
よし……これだけ精神が、
安定してれば、
オープンチャットを再開しても、
よさそうだわ! }}
イニィさんは、器用に右手だけで、
パソコンを操作し、
たぶん、クラウンか誰かに、
連絡しているようだった。
金娘:えっと……、
みんなに心配かけてそうだから、
一度、チャットで連絡、いれます
銀娘:そう、だね!
現実の身体は、
ケガ……してないんですよね??
魔王:{{ ええ、そうよ。
ただ、"箱庭"がわのボディは、
こりゃ……切り離しに、
しばらく、かかるわよぉー }}
金娘&銀娘:
ええぇー……!
魔王:{{ 特に、胴体の切り離しは、ねぇ……。
頭部・最優先だったから、
完全に後回しに、
なっちゃってたし? }}
金娘:ぅ、うへぇ……
銀娘:どっ、どれくらい、かかります……?
魔王:{{ 概算、一週間くらい。
ちな、今の貴女たちの、
お腹ん中は、
小腸と卵管が、
攻略不可能な知恵の輪のように、
絡まり合ってる状態よ }}
え、えらいこっちゃああああああああ──……!!
魔王:{{ 頭部は、今夜にも分離するから、
呼吸は、自立するだろうけど……。
その…… }}
金娘:……??
銀娘:……なん?
魔王:{{ お花摘みとかは……その、
工夫するのよ……? }}
……。
金娘&銀娘:
……はい?
魔王:{{ ……"砂時計"って、わかる? }}
金娘&銀娘:
……………………………………ぁ。
……時間を加速させてくれる、
神様、いない?
急募。
銀娘:わっ、わたしは……、
別に、キャッチボールでも……っ///
金娘:父さん、母さん。
私の嫁が、狂ってます……っ///
(っ・д・)=⊃)゜3゜)'∴:.










