うさまる波。さーしーえー
大きな爆発が起きて。
ニヤリと。
アンティは、笑った。
──どぉおおおおおおんんん・ん・ん──ッッッ!!!
花狼:『『『 クルウッッ・・・!! 』』』
妹乳:「な……なにごと、ですの!?」
白童:「──あれは」
トドメと離れてしまったカンクルは、
ユユユとヒキハを拾い、
空中に、退避していた。
大きな外装甲腕と、
血で無理やり背に束ねられた、
三本の特大剣が、
聖なる獣の空駆けに合わせ、
独特のオーラの、尾を、ひく──。
──巨大な、丸いものが。
────大地より、飛び跳ねた。
白童:「どうやら、心強い、援軍のようだ」
陽神:『────直結させました☼
────:よろしい……ですね?☼』
金娘:( ふ…… )
無言で、アンティは、返す。
箱庭に貯蔵されている、
"恒星型火炎球:ソルギア"は、
その出力調整に、
多大なデバイス消費を引き起こす。
地上に、太陽と同じ規模の、
エネルギー体を、そのまんま召喚すれば、
どえりゃーことに、なっからである。
"先人憑依"とは違い、
デバイスに使用された"経験値"は、
完全に消失することは無いが、
一時消費された"歯車"は、
アンティ達が、充分な休養を取らねば、
回復することは無い。
つまり、大きすぎる炎を、
弱体化させるために、
アンティは、消耗してしまうのである。
────だが。
" ほのおどらいぶ "を、装備した、
" うさぎの勇者 "なら、どうだろうか──。
当然:「────燃えて、おる」
炎をまとった、うさ丸は、
まさに、太陽であった。
──くるくると、
空中で、回転し、
──────着地、する。
──ドォオオオオオオオンンン!!!
妹乳:「うさ丸……!」
ヒキハは、空の獣の背から、
彼を、見下ろす。
自分の血の力も、
もう、解けかけている。
もはや、誰かに、
任せるしか、ない。
──あの、怪異への、抵抗を。
炎兎:『『『 にょきっと・・・ 』』』
盃魔:「ま、まもるっ……!!」
大曲:『 マガぁあああーっ! 』
闇兎:❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛
炎兎:『『『 にょきっと、な…… 』』』
地面から突き出した、
大岩の上に、
降り立った、兎ノ王。
目の前では、
猛り狂った、
闇の霧の兎の猛攻を、
あの、肉の塊の従獣と、
小さな杖の魔女が、
なんとか、防いでいる。
闇兎:❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛
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炎兎:『『『 にょき、っと…… 』』』
うさ丸──だけに。
その声が、届く。
彼らの、無念が。
正しく、きこえる────。
炎兎:『『『 にょん…… 』』』
先ほどは、その怨嗟に、
とらわれて、しまった。
だが。
いまは。
もう……耳を、そむけない。
炎兎:『『『 にょき、っと……! 』』』
うさ丸は、向き合う。
過去に、向き合う。
未来に、向き合う。
──現在に、立ち向かう。
炎兎:『『『 にょきっと、な……!!! 』』』
──それでも。
うさ丸は、もう、殴りたく、なかった。
炎のコブシで、炎炎と、
とめどなく、殴りたく、は──。
だから、右手を、出した。
"止まってくれ"、と。
" グー "では無く、" パー " で。
それは、自然な、直感の、カタチ。
炎兎:『『『 にょっ、、、き・・・! 』』』
でも、まもりたい。
しっぽの後ろに、あるであろう、
たくさんの、大事な、モノを。
だから、うさ丸は、
暴力と、防御の、葛藤の間で、
" パー "を、出したのである。
そして、勇者は、
炎兎:『『『 にょきっとおおおっ・・・!! 』』』
──ちからを、篭めることにした。
さいしょ は、だれもが。
何が起きたかなど、
──わからなかった。
──ットォオオオオオンンン──!!!
空気を裂く、貫通する、何か──。
闇兎:❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜
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妹乳:「 ──あな、がっ──・・・!! 」
当然:「 ──あいたぞッッッ・・・!!!?? 」
うさぎ。
うさぎ の かたち。
うさ、マーク。
炎兎:『『『 ──にょきっ、とおおおお!!! 』』』
──ットォ──キュぉぉおオオオオオンンン!!!!!
また、うさ丸の"右腕"から、
"発射"される、なにか。
──命中する・・・!!
ばしゅぅおおおおああんんん・・・──ッッッ!!!
闇兎:❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜
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白童:「──"射撃"……しているのか?」
妹乳:「・・・っ!!!」
花狼:『『『 クルルぅう!!! 』』』
ユユユが、ポツリと言い、
後ろに乗るヒキハは、
よく、勇者のカタチを、見る。
妹乳:「あの、うで、は・・・!!」
うさ丸の右手が、、、
──また、" 衝撃波 "を、放つ!!
炎兎:『『『 ──にょきっと、
なああああああっっ!!! 』』』
──ックゥ──ォキュ──オオオオオンンン──!!!
──ずどぉおお──おおおおんんん!!!!!
❜
闇兎:❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜
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萌神:「マジ、ふげぇ……」
銃神:「"射撃"……などと、
なま優しい、ものでは、ござらん。
膨大なエネルギーを……、
圧縮して、前方へと、
撃ち出しておる・・・!!」
当然:「──巨大な、兎型の
────空飛ぶ、張り手・・・!!!」
炎兎:『『『 ──にょんやああああ
ああああああっっ!!! 』』』
──ブシュゥオオオオオオオオオ──っっっ!!!
うさ丸が、大きな右手のデバイスから、
" うさぎ型の衝撃波 " を撃ち出す度に、
背部の尻尾の付け根あたりにある、
赤い歯車型の排気口から、
強烈な炎が、噴き出している・・・!!
──ぼぉおおおおおおおおおっっっ!!!
妹乳:「大量の"炎"をっ……、
攻撃ではなく、
"燃料"に、して、
いると、いうの……っ!?」
白童:「──ははは。
どういう仕組みか、
まったく、わからないな──」
うさ丸は、放つ──。
接近しているとはいえ、
まだ、あの黒い巨大な怪異と、
100メルトルテ単位では、離れている。
その距離を もってしても、
貫通する、チカラ。
──霧の憎悪は、
撃ち放たれる──。
炎兎:『『『 ──にょっっっっ、
きっとおおおおおおおお!!! 』』』
──ズガアァァァァアアオオオオンンン!!!
白童:「……黒霧のボディが、
削り取られていく」
妹乳:「──!!
あの、うでの、色は・・・!!」
──ヒキハは、見た。
うさ丸の、真紅であるはずの、
ごっつい、腕が。
妹乳:「……"黄金"・・・!!」
炎兎:『『『 ──にょやぁあああああっっっ!!! 』』』
──輝く、"黄金の右腕"に、
なっている 様を。
妹乳:( ……あかい、装甲から……、
みぎて、だけ、金色、に……!!
……。
" アンティのチカラ "を、
引き出して、、、
いるんだわっ──……!! )
炎兎:『『『 ──にょきっと、
おおおおおおおッッ──!!! 』』』
うさ丸は、思う。
どうか、止まって、くれと。
おねがいだから、と。
──ぼくは、おぼえて、いるから。
──ズガアァァァァアアオオオオンンン!!!
うさ丸の、悲痛な衝撃が、
ノロイを、ふきとばす。
どうか、どうか、と、
いのり、ながら。
なんど、それが、
おこなわれた、ろうか──。
白童:「 ── やぁ、見なよ 」
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闇兎:❛❜ ❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜ ❜
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❛❜❛❜❛❜❛❜❛ + 、❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜
❛❜❛❜❛❜❛❜❛ ◢◣ 、 ❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛
❛❜❛❜❛❜❛❜❛ 、◥◤ ❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛
❛❜❛❜❛❜❛❜、 + ` ❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❜❛❛❜
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白童:「 ──── " 弱点 " だ。 」










