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殿と勇者と長老と。えーえーえー





   村人と、長老が、話している。



「 生きて……いらした……? 」



   長老は、こたえない。



「 きいてください。ぼく、は…… 」



   後ろ姿に、問う。



「 ぼくは・・・わからなくなりました 」



   村人は、問いかけた。



「 なぜ、ぼくが、ここに、いるのか・・・ 」




   長老と、村人の まわりには、

   暗黒の村人たちが、

   まっくろに、()(かこ)んでいる。


   それが、生き物でないことを、

   村人は、わかっている。



「 こわいんです、ぼくは・・・みんなを 」



   みんなが、見ている。

   ひとみ の ない 、

   あな の ような シセン で 。



「 みんなを、せおって、

  生きて、いるのでしょうか・・・ 」



   やはり、長老は、答えない。

   うぞうぞ と 、周囲は、うごめいた。



「 そんな、価値が・・・、

  あったで、しょうか…… 」



   村人は、さみしい。

   じぶんと同じものは、

   もはや、見つからなかった。


   それでも、皆が、うらやみ。

   動けなく、、、なっている。


   この、うごめく、彼らたちが、

   ほんとうに、せおう、もの・・・?




「 ぼくは、ふさわしかったのか? 」



   カコ に 。カコ に 。カコ に 。


   村人は、ひっぱられた。

   何度も考えた、

   かつての、出来事に。


   村人は、動けない──。



「 わから、ないんです・・・ 」



   それは、ひとりぼっちの、

   村人にしか。


   わからない、こと、

   だったのかも──。



   でも──……?





『 考えることが 』


「 ──……!? 」




『 ──考え続けることが、

  いつも正しいとは、限らんよ 』




   長老が、こたえたので、

   村人は、(おどろ)く。


   正直、こたえてくれるとは、

   思って、いなかったのである。




『 生と、死は、いつだって、

  世界に……うずまいておる 』


「 ちょ、ぅ……? 」


『 ひとつひとつに、

  意味を求めすぎては、

  いけないのじゃよ──…… 』




   村人は、わからなくなっていた。


   この、(うし)姿(すがた)は。

   自分の作り出した幻影(まぼろし)か……。


   それとも──……?



「 みんなの死に、意味は……あります 」


『 そうじゃなぁ 』



   何かが、チリチリとした。


   これが、"自らの弱さ"の、

   作り出したもの、なら。

   村人は……。


   自分から生まれた弱さに、

   そんなことは、

   言ってほしく、、、

   なかったのである。



『 じゃが、それらは── 』



   ──だが、それでも。



『 おまえを、

  苦しめ続けるものでは、

  あっては、ならんっ 』


「 ──……ッっ 」



   ふり()いた長老は、

   やはり、あの時の、

   おだやかな、ままだった。


   村人は、苦しい。


   彼に・・・しゃべらせることは、

   侮辱(ぶじょく)、なのでは、ないか。



『 悲しいことを、思ってくれるな 』


「 長老・・・? 」


『 ふむ……死が、

  過去を、()()りだしてきておる 』



   長老が、周囲に ゆれる、

   くろい、かつての、ものたちを、見る。



『 みな、生きていた。みな、死んでいく 』


「 それは・・・ 」


『 ほんとうは……、

  すべてを、背負える者など、

  おらんのじゃ。ほっほっほ……♪ 』



   軽快に笑う長老に、

   村人は、少し、ムキになる。



「 それは・・・! ぼくが、弱いから! 」


『 いや……それは、関係ないのじゃ 』



   うごめく中、長老は、静かに告げた。



『 強くても、弱くても、本当は……、

  これを、(まこと)に背負えるものなど、

  いない…… 』


「 そんっ…… 」


『 だからこそ 』



   長老は、伝えたい。



『 "背負おうとしたい者"が、あらわれる 』


「 ……!! 」


『 そのままでは、悲しすぎるから 』


「 そ…… 」


『 だから、いつだって、

  "(やさ)しさ"が、かがやくのじゃ 』


「 ……ッ 」



   村人は、うまく、声に できなかった。

   これは・・・この、目の前の彼は、

   本当に、自分の作り出した、

   マボロシ、なのか──……?



『 おまえを見ていると……、

  ずっと、そう思うょ 』


「 ちょ……、ぅ 、、? 」


『 ──見よ。この、ものたちを 』




   うごめく、うごめく、うごめく。

   カゲ。


   めを、そらせぬ、ものたち。




『 この者たちの中には……、

  おまえを、心から、

  にくむモノも、いるだろう 』


「 ・・・!! 」


『 じゃがな、きけ! 』



   フフンと、長老は、笑った。



『 ワシを(ふく)め、おまえを……!

  ──" ほこらしい "、と、

  思うものも、たしかに、おるのじゃ 』


「 ほこら、、、しぃ……? 」



   村人は、見た。


   うごめく、シセン。

   この、なか、に──……?




『 おまえを、にくむ もの。

  おまえを、ほこる もの。

  別に、無理に背負わんで、

  よい。だから──。


  どちらも、あることを、

  忘れては、いけないよ 』




「 どち、らも…… 」


『 どちらかを、忘れてしまった時。

  こちら側は、引き寄せるのじゃ 』


「 ……なにを? 」


『 ・・・"悪意"を 』




   村人は、、、わからない。

   でも、だから、問う。




「 ぼくに・・・できたで、しょうか 」


『 おまえは、いつも、できている。

  ほほ! いままでの冒険を、

  思い出すのじゃ! 』



   しっかりと、長老は、言う。



『 いつだって、おまえは・・・。

  ワシらには、もったいないほどの、

  やさしさを、こめていた 』



   カゲたちが、うごめいた。


   あるものは、せめよるように。

   あるものは、たたえるように。



「 ・・・! 」



   村人の耳は、

   憎悪(ぞうお)しか無いと思っていた、

   その中に……──。


   だが、たしかに……!

   いくつかの声を、

   聞くのだ。

   


『 ふ、、、。

  今だけは、さかいめ が、

  あいまいに、なっておる。

  じゃが、その、お陰で……、

  お前に、会えたでのぅ・・・! 』



   あっけに取られて、

   村人は、見た。


   昔に見た、

   さびしげな、

   笑顔とは、ちがって。



『 ──立派に、なった!

  ふふふ! こんなに、

  まんまるに、なりよって! 』



   長老は、毛むくじゃらの手で、

   村人を、ポンポンと、たたく。


   彼は、おどろく。


   まさか。

   まさか、そんな──……。



「 あなたは、まさかッ、

  ほんとう、に……っ!? 」


『 ホレ。おまえを、呼びに、

  きておるぞ 』


「 ──……!! 」







   " ──ぅしゃよ……。 "


   " ──ぎの、勇者よ……! "



 


「 この声・・・! 」


『 " ひとつのことを、

   成し遂げて、生きろ "── 』


「 ──!!! 」


『 ふふ、ワシは、そう言ったな? 』




   村人は、うなずく。

   かつて、自分を、

   突き動かした、言葉に──。




『 ふふ・・・おまえに対して、

  なんと、小さな、ことを、言ったか 』


「 そんな、ことは……!! 」


『 おまえの、やりたい事を、

  つき進んで、すすめ!!! 』


「 ・・・!!! 」




    それは、激励(げきれい)


    嘘だと、思っていた、


    過去(カコ)からの、" はげまし " 。。




『 それで、、、よかったのじゃ 』


「 長、老・・・ 」





    " ──きろ。 "


    " ──きるのじゃ! "


    " ──おぬしを待つものが "


    " ──ここに、おるぞ・・・!!! "





    声が、きこえる。


    村人の、耳に。


    いや、それは──


 


    " 村人 " の、耳で、あったか?








『 では、のぅ 』


「 !! ぁ……! 」






 カゲは、消えよ。


 過去は、消えよ。


 大丈夫だ。



 忘れは、しないのだから。








『 知れて、よかった 』


「 え・・・? 」






   " ──おきろおおォォォォォォ!!! "





『  う さ 丸  』





  " ──うさ丸ウウウぅぅぅぅううう!!!!! "









『  よ い 名 じ ゃ  ──     』



























 正直に言うと。



 トウゼンローは、" うさぎの勇者 "というのが、


 よく、わかっていなかった。





 ただ、あの少女たちが、


 必死に、(ねが)うから──。




 ────だが。






「 むぅ──っ・・・!! 」






 殿(との)は、たいした事を、していない。



 "カゲ"の中で、倒れていた、



 小さな(うさぎ)に。





 自らの毛先を切り、


 炎の刀を(もっ)て、


 魔術を、()めた、のみである。





 やり方が、わからず。


 しかし、(わら)にも すがる思いで、


 (とも)した、小さな、火は────。






 ──ごぉおおおおおおおおおおおお。










 とぐろを巻く、大炎(たいえん)



 巨大な、純白の、からだ。



 回転する、熱血の、歯車たちよ。










 さぁ──顕現(けんげん)せよ。














挿絵(By みてみん)




『『『 にょぉぉぉおお!!!

    きっと、なあああ !!! 』』』











「 なる、、、ほど・・・!!

  確かに、、、" 勇者(ゆうしゃ) "である・・・ッッ!! 」






 トウゼンローは、納得した。










AAは、前に読者の方が

作ってくれたのを改造しますた!

✧ \(°∀°)// ✧

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『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] うさ丸復活!流石勇者!!
[良い点] 勇者うさ丸AAの完成度の高さ!脳内BGMでbraveheartが流れ出しましたわ [気になる点] 死に近い″カゲ″の中にいたから遺志が繫がって長老と邂逅出来たんやろか… [一言] ″うさ丸…
2022/05/11 09:48 ズブロッカ
[良い点] にょきっとやいなあああああ!!! [気になる点]  てっきり一般的なボウルラビットと別種かと思ってたけど、まん丸になったのは後天的だったんか!  種族名:スーパーボウルラビット [一言]…
2022/05/06 18:29 退会済み
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