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トドメの、トドメ……? さーしーえー

※挿し絵を追加。





『────遠隔操作モードに移行☼』

〘------All right-☪︎/

 ------Connected-☪︎/〙




 地面に(ひざまず)く、アンティとマイスナ。


 黄金の義賊を、後ろから、

 白華の狂銀が、()きとめる形である。



 (うつ)ろな、金と、銀の、瞳。

 すると、その二人の乙女の背中から、


 光る、ガラスの羽根のようなモノが、

 何枚も、何枚も、

 等速で、じりじりと、せり出す──……!


 ──ビュヮ・ヮ・あぁぁぁぁ──……!



「むむ……!」



 それを見た、トウゼンローは、

 まるで、(やいば)で、

 (はら)から()(つらぬ)かれたかのように見え、

 年甲斐もなく、内心、ドキリとしたが。



『────コストの少ない飛行デバイスで:

 ────出来る限り……時間を稼ぎます☼』

〘------Boost,1;Boost,2;

 ------Active-☪︎*.+゜〙

 


 すぐ(そば)の空間に(ひら)いた、

 金と銀の"(ホール)"から、

 複数の飛翔体(ひしょうたい)が飛び出し、

 それぞれ、怪異(かいい)のほうに射出される。


 ひとつや、ふたつではない。

 金の輪と……銀の鎖で構成された、

 まるで……オタマジャクシのような。



( ……百は……超えておる。

  これを、この二人が……(あやつ)るか )



 二人の背から生えた、

 おびただしい、

 刃に似た、半透明の羽根には、

 光る文字のようなモノが、

 浮かんでは、消えていく──。


 トウゼンローの識量(しきりょう)は、

 彼女たちが、この"遠距離攻撃"を、

 操作するため、(ほか)の"全ての機能"を、

 捨てたことを、悟った。



( 迎撃(げいげき)に……街のために、

  (あやつ)るだけの……人形となったか! )



 近くに、この(そう)英雄(えいゆう)()なんだら、

 トウゼンローは、自らの不甲斐なさに、

 地面を踏み鳴らしておった所だが。



「ワシに、できること」



 トウゼンローは……パサリと、

 髪穂(かみほ)()わえを(ほど)き、

 二人の少女の前に、

 立ち(ふさ)がるように、(かま)えた。


 長い、長い髪が流れ、

 炎の剣には、魔煉(まれん)の気が、

 ()められている──。


 怪異は、もうすぐであった。



( たどり着いたとて──、

  ワシに……(まも)(チカラ)など、

  なかろう。じゃが──……。

  それでも、この双傑(そうけつ)の、

  後ろに立つ訳には、いかぬ── )



 ……チャキ……!



 漢気(おとこぎ)である。


 街長(まちおさ)の意地で、

 トウゼンローは、剣を、下方に構え、

 アンティとマイスナを、護る形をとる。


 にらめ、怨敵(おんてき)を。


 ちからは、なかろう。

 だが。


 なんと心強い、(ちゅう)()(かべ)よ──。










「くそ……止まらない、ですわ……!!」

「こまったな……???」



 三連剣を()るヒキハと、

 光の滝を()らすユユユも、苦戦していた。


 ヒキハの()る、血で(つな)がれた鉄刀(てつがたな)は、

 時には一直線(いっちょくせん)に、時には羽根(はね)のように、と、

 変幻自在(へんげんじざい)である。


 血のドレスから生える(あか)(いばら)は、

 それぞれが意志を持つように、

 反撃のエルフを攻撃し──、


 それを、いなす白の装甲は、

 空から()る奇跡を、量産していた。


 ──だが、止まらない。

 殺され続けた、弱きモノたちの、

 想いは──止まらぬのだ。



「──やはり……(わたくし)が、直接……!!」

「──だめですよ。黒に触れれば、

 死にます」



 おおきな、おおきな黒い耳を持つ、

 黒い影は──音もなく、

 近づいて、くるのだ。



 今回の、なけなしの"オトリ作戦"は、

 もちろん、アーツを持つ者たちと、

 箱庭の加護を受ける獣にも、伝達された。


 プレッシャーを感じたのは、

 (かなめ)と言える、カンクルである──。



『『『 ク、クルゥ──……!! 』』』

「 が、がんばって・・・! 」



 (ちゅう)に固定された結晶に立つ、

 聖花の(ケモノ)は、

 背に乗せた魔女を引き連れ。


 (はさ)()る、ふたつの怪異を、

 ぶつけ合わせなければ、ならない。



『『『 ク・ククルゥ…… 』』』



 カンクルとて、冷や汗をかく。

 もうすぐ、マガマガ・サンドイッチなのだ。


 どうやって、回避すればいい……。

 やはり、上だろうか……。

 背中の小さき魔女を、守れるだろうか……。


 様々な思いが、聖なる獣の、

 脳裏(のうり)に浮かぶ。



『『『 クルルル……! 』』』



 うさ丸にも、(たよ)りたいが、

 彼は、"聞いてはいけない呪い"を、

 聞いてしまったようで、

 (いま)だ、反応が無い。


 炎と魔法を使う者は、

 どうやら、黄金(アンティ)白銀(マイスナ)に並び、

 消耗(しょうもう)しきっている。


 自分(カンクル)が……やらねば、ならぬと。

 彼も……分かっていた。



『『『 ク、クルルゥウウ・・・!! 』』』

「 だ、だいじょうぶ、です……!

  わたしが……トドメが、ついてる、です! 」



 後ろと、前から、

 あんな、でっかい怪物たちが、

 どんどん、近づいてくるのだ。


 怖くない、はずがない。


 カンクルは、トドメの、

 強がりの……だが、確かな勇気に、

 負けては、ならないと、

 震えを、止める──。



『『『 ──クルッ・・・!! 』』』



 考えは、簡単だ。


 ふたつが、近づいてきたら、

 上に、逃げる。


 それしか、ない。


 (さいわ)い、自分(カンクル)は、

 空中に、"透明障壁(アナライズシールド)"を、

 かなりの速度で構成できる。


 足場には……不自由、無いはずだ。



『『『 クル、ル・・・ッ! 』』』



 大切、なのは……。


 あの、真っ黒・巨大ウサギと、

 触手ウネウネ・肉だんごの、


 できるだけ、ド真ん中の距離を、

 キープすること。


 あとは……。

 上に()けた後に、

 攻撃を……回避(かいひ)しまくる、だけだ。



『『『 来ルルルルルルル・・・! 』』』

「 ご、ごくり 」



 待つ。

 まんなかで。

 こわい。



 じわり、じわり、と。


 空に、四本脚(よんほんあし)で立つ、

 カンクルたちに、それらは、

 (せま)ってきている。


 アンティ、マイスナ、うさ丸。

 いつも共に戦う、最強たちが、

 今、そばに居ない、

 心、ぼそさ──……!




『『『 クル・ゥ・・・!! 』』』



 ──パキ・キ・・パキン・・・!


 カンクルは、

 恐怖に押し出されるように、

 だが、勇気をもって、

 少しずつ……上の結晶へと、

 (みずか)らが召喚(しょうかん)した

 階段を、登り始める。


 だいじょうぶ、だ……。

 ここは、ちょうど、中間の、はずだ。

 上手く……うえに、逃げれば。


 あの、ふたつは、衝突する。


 その後、どうなるかは、

 わからないが……。


 あの、エルフと剣士、

 あとは……金と銀の飛ぶチカラも、

 スピードを、調整、してくれて、、、




 、、、────。





 ────黒い、うさぎ、が。










  消えて。








『『『   ク   』』』

「    ぁ    」









 目の前にいたので、


 とても、おどろく。







「──まずいですわっ!!!」

「 転移したのか??? 」





 ヒキハとユユユが、

 置き去りを食らうが──、




 も  う  、  お  そ  い  。







 中間は、崩れ。





 ウサギは、ツメを、振り上げる。








『『『 クルオオオオオオオオオ!!! 』』』

「  ぅわああああああっ!!!  」






 いや、カンクルは、



 よく、やったのだ。





 ふれれば、死ぬ怪異が、


 突如(とつじょ)、目の前に、出現し、


 手を、のばしたのだ。





 よけた。




 カンクルは、よけた。




 それは、生命を、まもること。






 だが──。










「 そんな 」







 ヒキハは、見た。



 トレニアイズ・カーバンクル から、




 小さき魔女が──、









 ────落ちる、ところを。










「    ぇ、    」



『『『   ──クルォン!?   』』』








 しょうが、なかった。



 あの、よけ方で、なければ、



 ()れられて、いたのだ。





 だから、あの たいせいに、なって、




 トドメは、落ちる。







「 うわああぁぁぁぁぁぁぁ 」




『『『  クロォオオ──、

     ッッ・・・っ!?  』』』





 ────ブォ・・ォオオオオンン、、、!!!




 慌てて、追いかけようとしたカンクルに、


 大きな黒いツメが(せま)り、


 命を守るために、


 カンクルは、()ける。






『『『 クルッ・・・!! 』』』





 それが、致命的な、


 (おく)れと、なった。


 



 

「 まにあ── 」

「 わないか 」





 ヒキハとユユユが、

 どうやって、加速したか分からない、

 空中ジャンブで、()めようと、する。




「 なん、と── 」




 地上のトウゼンローが、

 天を見、目を見開く──。


 身体の動力を切っていた、

 アンティとマイスナの意識が、

 覚醒し────、



 射出していたデバイスを、


 集めようと────。








 ────ブォォオオオオンンンンン。




 黒い、ツメ。




 ────しゅるるるるるるる。




 みにくい、触手。








「やめて」






 アンティが、言った。













 ────。
















「 あ、れ……? 」





 トドメは、(すわ)っている。



 どこだ、ここは。



 杖……!



 ぁ、……杖は、持っている。



 たいせつな、つえ。



 ……、どこだ、ここ?






「 ……死ん、だの、かな?? 」





 いや……………。





 (そら)、だ。



 すわっている。



 足は、ブランコ。



 椅子(いす)は、ぶよぶよ、している。





「        」

『   マ  ガ   』





 トドメは、たまげぬいた。


 じぶんが、いま、すわっているのが、




 しょくしゅの、うえ、


 だった、からである。






「      」


『      』





 かおは、ちかい。



 その、かいぶつには、



 くちしか、ないのだ。



 たべられる、のだ。



 のだ……ろうか。





『   マ  ガ  ガ  ッ  』


「 ……、……!、? 」





 トドメは、ちょっと、



 変だと、思った。



 ……?



 なにが、だ……?




 ………………"角度(かくど)"だ。






 食べるなら。


 正面に。


 怪物の、笑顔は、あるはずだ。




 だけど──。




 よこ。





「  よ、こ  」

『  マ  ガ  、 ガ   』





 怪物の、笑顔は──、、、




 " (となり) " に、あった。



 それが、妙な、違和感だった。





 オオマガツブリは──、


 トドメを、


 チョコン、と──、


 


 自分の、ぶっとい触手に(すわ)らせ、



 飛行していたのである。





「  ?????  」

『  マガーガ  』





 トドメは、目の無いはずの、

 オオマガツブリの向いている方を、見て、

 ヒッ……! と、息を飲む・・・!




 巨大な、悪魔のようなウサギが、


 手を、伸ばしてきていたのだ。




 ──ズォォオオオオオオ・・・!!!!!




 それは、死の、"バトンタッチ" 。





「 うわぁああ──っ!!? 」


『  マ ガ ル バ  』






 ──……。



 ・・・・・。





「 ……? 」




 トドメが、目を開けると、


 やはり、何とも、ない。




「 ・・・うわっ!? 」

『   マ ガ ー っ  』




 いや……そうじゃあ、ない、、、!



 トドメが座っている触手、

 以外の触手が……!



 "魔素"を、あやつり──、


 "黒い(きり)の手"を、



 "曲げ"て、いるのだ──……!!








「クラウン……"分析(アナライズ)"、しろ」

『────ぇ……?☼』

「ぁんの、肉だんご……はやくっっ!!」




 クラウンは、アンティに急かされ、

 そのとおりに、した。






『────:うそぉ……☼』










「……??? ???」

『 マガマガ、マガマガ 』




 ウサミミマガの()ばした(うで)は、

 (くろ)(きり)となって、

 飛び散っている。




「──ヒキハさんっ、よけなさい!!!」

「ひっ──えんがちょ、ですわ!!!」




 なんとか、誰も、死なず、

 トドメは、ぐるぐる、する。




「 た、、、た、、、 」

『  マ ガ  』




 ……。





「 ……たすけて、くれた、です……? 」







『 ──トドメちゃん!! 』




 ビックリして、

 声の方を、見ると。


 金色の、太陽のような輪っかが、

 浮いていて、

 そこから、声が、する。


 それは、地面に居るはずの、

 "黄金の義賊"の──。




『 ──よく、k、ぃ、、て──!! 』




「  ??、、!?  」




『 ──聞きなさい、聞くのよ!! 』






 な、にを……??







『  ──  、、ィ、ム、してる……!! 』



「 ぇ? 」

 














 ────────────────────


   【 オオマガツブリ 】

     毒:無効

    性質:物理耐性

    特技:大魔湾曲(オオマガツ)

    特性:偏食家( フルーツ )


   固有名:[ 未定 ]

    状態:[ テイム ]

  マスター:[ トドメ・テングノーズ ]


─────────────────────













『 ──テイム、してるっっっ──!!

  アンタがっ・・・ソイツを!!!!! 』








「  、、、……  」

『  マ ガ マ ガ ♡  』









 ……。



 ……………。






 て。



 …………………………………てぃ、む?









「 …… 」

『 マガァ〜〜♡♡♡ 』






『>>>──おぃ、ヤバいぞっ!!?

 >>>──ウサギの方が、

 >>>──なんか、タメてるって!!』


〘#……あれは……範囲攻撃やも、しれんっ!!

 #……すべて即死攻撃なら……事だぞっ!!?〙








 目の前が、真っ黒に、


 なろうと、する、なか、で────。







「  ……、……  」

『  マガァ?  』







 トドメは──、とっさに。


 ねがうの、ならば。











「 ──みんなを、、、まもって。 」

『   マ!   』






 ──。







「 むぅう 」



 トウゼンローは、見た。

 



 目の前の地面に、


 触手が、ぶっ刺さり、


 それを、よけるように、



 黒い、(きり)が、吹き飛んだのを。





 ユユユと、ヒキハ。


 トウゼンローと、アンマイ。


 うずくまる、うさ丸。


 空にいる、カンクル。

 

 マジカと、ヒナワ。






 五本の、触手。




 そして。




 トドメが、座る、いっぽん。






「 すご、ぃ・・ 」

『  マ ガ 、ガ !  』







 強烈な、笑顔では、ある。



 フルーティーな、香りだ。










「マジ、かぁ……」

「で……ござる、なぁ」





 去っていく触手を、

 見ながら。


 へたり込む、マジカが。










  あの、バケモン……、


  まさか……。



  マジ……味方(みかた)、、なんか……?

                  」











挿絵(By みてみん)


「 ゃ、やっ、た? 」

『 マ ガ ぁ 〜 ♡♡ 』











 そして、すべてが、()()った。













((´∀`*))ヶラヶラ

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『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] 人は見かけで判断してはいけない。 意思疎通は大事。 よく分かるね。
[一言] もしや至高の従魔師誕生の瞬間?
[一言] え?マジで!! 予想外の大逆転じゃ無いですか!
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