攻撃スルハ、敵ナラズ。
前回のあらすじ:
変態がポップコーン食べた。
お お き な 、
う さ ぎ さ ん が 、
あ る き ま す 。
お 汚 生 泣 、
ウ 惢 疑 差 ん 餓 、
亜 硫 キ ま ス 。
オ オ キ ナ 、
ヴゥササササギギギSANNNNNNNNNNN-GA、
アルルルルルlllllllllllllll____
み あ げ よ 。
あ れ が 。
ぼ く た ち ダ 。
「なぜなの……」
羊の妹が、言った。
「なぜ、なの……!
せっかく、アンティ、たちが……っ、
あんな思いをして、、!
消し去って……ッ、
──それなのに……っっ!?」
「 ……毒だよ 」
エルフが、
見上げながら、言う。
「ど……?」
「今回、アレを作ろうとした、
" 誰かさん "の、失敗はね。
想定していたよりも──大量の、
" 毒 "が、発生した事だ」
エルフの少年に、
意識が集まる。
「" ミュステルの座 "は、"器"だ。
本来なら、"底"に溜まるはずの悪意が、
"たちのぼる毒"によって、
上に──来てしまった」
「バカな……有り得ません……わ」
「街を、殺せるほどの、
たくさんの毒、ですよ──???
地表の近くまで上昇した"悪意"は、
その時だけ実体化し、
あの……"爪"で、
遺跡を、削り取った。
そして、"底"には、
"善意"だけが、のこった──」
「……私たちが、
たどり着いた時には。
あのような巨大な怪異は、
いませんでしたわ……」
「言ったでしょう。
"誰かさん"にとっても、
あの毒の量は、想定外だったと」
「……まさか」
「"悪意"は、地上に噴き出た瞬間、
大量の"毒の霧"によって、
拡散されてしまった。
あまりに多すぎる"毒"に、
流されてしまっていたんですよ」
「……」
「だが、その毒を、
"おあずかり"できてしまう、
者が、あらわれた──」
「……あなたは、ユユユ殿」
ヒキハが、にらむ。
そうと、思わなくとも。
「アンティ達が……、
あの子たちが、"毒"を、
"格納"してしまったから──。
邪魔なモノが無くなった"悪意"が、
"再集結"、した、、、と──・・・?」
「彼女たちは、"毒"だけを"指定"して、
"格納"できる。
────そうだろう──???」
それは、有り得ない事。
ただの、"人"、の身であれば──。
「あの子たちの……せいだと、いうの」
「毒の格納は、必要でした。
あのままでは、街が、のまれていた」
「だと、しても……」
「ボクたちは、頼って、
あの子たちの、せいにした。
それは、つぐなわなくてはならない」
「……!」
ユユユの耳あては、
知らぬ間に消失し、
淡く、緑に発光する、
しめて、六つの宝石が。
その、音聞に、垣間見えている──。
神聖に、みえた。
みばえ、だけは──。
「できるかぎり、ボクたちで、
足止めする。ヒナワくんの妹姫と、
暗殺職の従者たちは、
近づいてはならない」
「「「「「「「 っ……!! 」」」」」」」
「「「「「「 ── 」」」」」」
「あれは、半人前と、寝首を掻く者では、
お話に、ならないよ──」
七姫と、六銅は、
歩く、山のような怨嗟を見た。
くやしいが……その通りである。
アレは、実力の範疇を、超えている──。
ヒキハが言う。
「では、とことん近づき、
チカラの限り──、
血と鉄の斬撃でも、食らわし続けて、
さしあげましょうか──。
幸い、今は姉様の剣もあります。
力技には、事欠きません」
「面白そうな案ですが、
接近戦は、やめておきましょう。
あのウサちゃんの足元、
見てください──」
──森。
──緑。
──否。
────"灰"。
「"色"、が……」
「文字通り、灰燼に帰しています。
燃えるわけでもない……、
ただ、崩れ落ちている。
ふれれば、"灰"に、なるんですよ」
「──ふん……あれでは、
まるで、"毒"よの──」
後ろで手を組んでいた、
トウゼンローが、鼻で煽る。
「さも……ヌシら二人で行こうと、
括っておるが──、
ワシも混ぜろ。
あの先、我が故郷なり」
「──今回は、下がってくれませんか」
ユユユが返し、
場が、怖々とする。
「我が炎の剣、チカラに成らぬとな?」
「アレは、おかしい。
燃えず、灰に変える異型に、
街長を向かわすのは、
"儀"に反するよ」
「ほ……ぉう!
"儀"と、申したか!」
「若いものに、任してくれないかな」
「王へ隠す者が、よく言いおるよの」
「御二方……言い争いなど、
している、場合では……」
ヒキハの冷や汗まじりの窘めは、
しかし、火の長に届く。
「……老いぼれが前に出、散るは、
未来への魁なり。
たとえ……どう、思われようとな」
「だまれ」
これには、当然、
皆が、たじろぐ。
「年寄りを盾にして、掴んだ若さなどに、
後世に引き継がせるだけの価値など無い」
「む……」
「……ユユユ殿?」
激怒していると、
皆が気づくのに、
しばらく、かかった。
「おまえが死に、
故郷が悲しみに暮れ、
それを乗り越えさす"儀式"を、
おまえは寛容するのか」
「ぬ、し……?」
「ボクはな、"演出"された感動が、
世界で、一番、嫌いだ。
勢いだけで突き進む、
バカげたストーリーに、
心から、あきあきしている」
「……、……!?」
ユユユの、謎の怒気は、
トウゼンローを、
押し黙らせるほどのものである。
「だが──」
誰にも知られることのない、
エルフは、続けた。
「ここには──……、たしかに、
積み重ねられた、"ホンモノ"が、ある。
イノチの営みが紡いだ、
" つぎ "の世界がある」
「……、……?」
「自分の娘の前で、
バカげた自殺行為はやめろ」
「む……」
ユユユの怒る理由は掴めぬが、
トウゼンローは、図星である。
近づけば恐らく死ぬ相手だ。
殿は、多岐なる攻撃を試し、
死と引き換えに、
後世に"対策"を託そうとしたのである。
「何を見ていたんだ、あなたは。
あの、黄金の女の子が、
どう、しかるか、良く、考えろ」
「──!」
「──"全員が、仲良く生き残って、
バカみたいに都合のいい結末を、
転がり回って、考えろ"だろ?」
ヒキハにも、
今のユユユの高揚は、
よく分からなかったが──、
たしかに──と、そう、思った。
それは、あの子が、
言いそうな──ことだった。
不思議と、心に灯る、
何かがあった。
「あなたには、頼みたい事がある」
「!」
トウゼンローは、
"若さ"に、気圧されたのか、
それとも────……?
「ボクたちの後方で、あの、
天を突きそうなウサギを観察して、
彼女たちに、報告を」
「……!! 戦わずして、見よ、と・・・?」
「バカは、若いやつに任せりゃいいんだ」
ヒキハは、何故か失笑を抑えれず、
ユユユに、今は──、
のっかることに する。
「ふ──、そうですわね。
姉の同僚の父を、
捨て駒にするような人生は、
私、ごめんですわ──?」
「む……」
不敵な、女剣士の、笑顔──。
血の、AURA。
手元にあるは、
羽子板のような──、
三振りの、鉄剣である。
「──さて、では。
"至高の回復職"様?
私は、どう動きまして?
近距離がダメなら、
遠くから、血風を孕みましょうか?
土に、鉄が多いのならば、
ひからびるまでは、
多少の時間が、稼げますわよ?」
「ちょっと、待ってくださいよ」
「それとも、足など、
斬り続けましょうか?
あの、真っ黒な、スネなど狙って?」
「わっかんない人だなー」
ユユユが、ぶっきらぼうに、言う。
「ボクと、アナタですよ?
あっちを攻撃しちゃ、ダメでしょう???」
「は?」
ヒキハが、全員の声を、代弁した。
「あのねぇ」
ユユユは、呆れている。
「考え、つかないかな……、
コレ、知ってるでしょう?」
ユユユは、自分のしている、
おおきな、縦長の、
黄緑色の、宝石のイヤリングを、
さらりと、触った。
「この宝石の効果を、知っていますね???」
「ぁ……」
「思い、出しました?」
トウゼンローが、無粋だが、
答えを、言った。
「……"攻撃を受けた際、一定確率で、
聖属性・魔法攻撃を、反射する"、か……!」
「──それがね、六つ、だ」
ユユユの、両肩には──。
ゴ ゥ ウ ン ・・、と・・・!
大型の──"盾"のような、
ゴーレム・アームが、浮遊している・・・!!
「……、……。──ふふふ。
つまり、今回の、作戦は──」
ヒキハが、艶やかに、
笑って、続ける。
「──"姉の同僚を、タコ殴りにする大作戦"、
ですわね?」
「ちがうよぅ」
ユユユが、ため息まじりに、言う──。
「──"姉の同僚を、手加減して、
タコ殴りにする大作戦"さ──」
不敵な笑みの中、
トウゼンローが、不貞腐れる。
「──……ふん、やれやれぃ。
ヌシを、わざと攻撃し、
あの化けウサギに、
反射魔法を当てるならば、
ワシでも刀舞、成し得るであろうが──」
「わっかんない人だなぁー」
ユユユこそ、
やれやれと、答える。
「ボクはね、あの技を、カッコつけて、
"ホーリー・レイン"なんて、
呼んでいますが──、
ソコの、ギリギリと嗤っている、
剣士さんを、見てくださいよ」
「 ふふふ────……ふふふっ 」
「あなた、"光の滝"に呑まれて、
死にたくないだろう???
ははははははっ♪♪♪」
「む……」
トウゼンローは、思う。
"至高"の関係者は全員、
ちょっと、みんな……大変だな、って。
ヒキ姉……バーサーカーモード……?
((((((((;゜Д゜))))))))










