表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1038/1216

かぞくのちかい

ひっこし近い(:3_ヽ)_





 それは、思いがけず、

 "ふいうち "、だった、

 のかも……しれない。



 誰が、傷つく、訳でもなく────。







金娘:「──んだからねぇ?

    私が赤ちゃんの時は、

    カーディフでも、

    ナマたまごは、

    気持ち悪がられててさぁ?

    でもね? そこで、母さんが、

    おばあちゃんのアドバイスで、

    デミグラスソースのハンバーグに、

    チーズとナマたまごの黄身、

    かき混ぜて、ぶっ込んで、さ?

    ちょーど、たまごが、

    半熟になるように、オーブンで、

    あっためちゃうワケよ!」


銀娘:「ええぇ……そんなの……、

    ぜったい美味しいヤツじゃん……。

    じゅるぅう……っ」


金娘:「もぅ、ハンザイよ、ハンザイっ!

    もはや、ハンバーグじゃなくて、

    シチューとか、グラタンに、

    近いのよ! アレはさぁー!

    そんで、さ? やらかい黄身って、

    うまいじゃん! って、

    みんなが、なったトコロで、

    トドメの、スキ焼きよぉう!」



 アンティとマイスナは、

 うさ丸たちの位置を感知し、

 種貸城の天守閣へ、

 上へ、上へと、(のぼ)っていた。


 つやつやの、木で、

 できた階段を。

 たわいも無い話をしながら、

 きん、ぎん、きん、ぎん、と、

 あがっていく──。


 


銀娘:「(タウロス)肉を、なま卵につけて、

    食べるの、衝撃だったなー」


金娘:「美味しいわよねぇ。

    おかげで、私が物心ついた頃には、

    カーディフの街じゃ、

    ナマたまご食べるの、当たり前」


銀娘:「カーディフ食堂、やりおる」


金娘:「えっへん!」


銀娘:「でも、アンティの、

    おばあちゃんって、

    なま卵を食べるの、

    抵抗(ていこう)、なかったんだね?」


金娘:「ぁー、なんか、母さんからの、

    マタ聞きなんだけんど、

    おじいちゃんの故郷の料理を、

    何とか、再現しようと、

    してたんだってさ」


銀娘:「そうなの?」


金娘:「うん。おじいちゃんが、

    居なかったら、おばあちゃん、

    お弁当屋さんなんて、

    始めなかったんだって!」


銀娘:「そう考えると、すごいねー!」


金娘:「そりゃあ、そうよぉ……!

    おじいちゃんが居なかったら、

    カーディフの食堂、

    なかったワケだかんね!」


銀娘:「……アンティの、おじいちゃんと、

    おばあちゃん、会って、

    みたかったなぁ……」


金娘:「……! そう、ねぇ……。

    母さん(がた)のほうは、

    今……どうしてるかも、

    分かんない、し……。

    父さんは、親とケンカして、

    家出してきたって、

    言ってるくらいだかんなぁー」


銀娘:「……会って、みたい?」


金娘:「……ま、そりゃあ……ね?

    ま、黄金の義賊のカッコのままじゃ、

    ちょっと、アレだけど☆」


銀娘:「……」


金娘:「……マイスナ?」


銀娘:「ちょっと、うらやましいな」


金娘:「……! ……ごめん……」


銀娘:「……! そうじゃない!

    ただ……わたし、は、

    どこから、来たか、

    よく、分からない、から……」


金娘:「……、……」


銀娘:「……。でも……」


金娘:「 ? 」


銀娘:「あの人は……何か、知ってる」


金娘:「……──! ……。

    ……" マザー・レイズ "」


銀娘:「うん」


金娘:「……お母さんだと、思う?」


銀娘:「そうであったらいいなって、

    思う」


金娘:「……確かに、ね?」


銀娘:「え?」


金娘:「髪の色、似てた」


銀娘:「っ!」


金娘:「でも、私……あの人、きらい」


銀娘:「っ!! な、なんで……」


金娘:「だって、あの人……。

    私にも、何だか、優しい、もん……」


銀娘:「ぇっ……?」


金娘:「仮面で顔、隠してるけど、

    たぶん、40歳は、

    いってないでしょ?

    あの人……。だから、

    マイスナのお母さんの可能性は、

    あると、思う。でも……、

    それだったら、私なんか、

    ほっといて……あなたを、

    抱きしめて、あげて欲しかった」


銀娘:「……!! アンティ……」


金娘:「すごく、ね……? ソレが、

    気に、食わないの……。

    言うのが、難しい、んだけど……。

    ……"平等"、なのよ。あの人は。

    わたしと、あなたへの、気持ちが」


銀娘:「ぁ……」


金娘:「すごくね、わかるの。よく……。

    あの人、たぶん、

    私たち、どっちも、

    まもる気なのよ。

    それが……。

    マイスナだけを、

    まもりゃあ、いい……。

    もし、あなたと家族なら、

    なぜ、私も、巻き込むの……」


銀娘:「……」


金娘:「そこが、イヤなの。

    わか、る? ごめんね……」


銀娘:「えへへ……優しいね、アンティは」


金娘:「あ、アンタ、何、きいてたの///

    アンタの、お母さんかもしれない人、

    キライっつってんの、

    あたしはァーっ!///」


銀娘:「わたしから……、ちょっとでも、

    お母さんの愛を盗るのは、

    イヤ、なんだよね?」


金娘:「グッ……!///」


銀娘:「ありがと……嬉しい。

    わたし、しあわせだ」


金娘:「そ、そんな、ん……じゃ。

    ……ぃや、そぉ、だけ、ど……」


銀娘:「家族がいないのは、さみしい」


金娘:「 ! 」


銀娘:「雪山で、のこったのは、

    あなた……だけだったの」


金娘:「……!! ……、……」


銀娘:「でも、すくって、くれたでしょ?

    " 金さじ "?」


金娘:「んっ、ん……?///」


銀娘:「金色のスプーンは、

    どんな物でも、すくいだす。

    それが……たとえ、

    生涯の、テキだとしても」


金娘:「……、何度でも、ね?」


銀娘:「ええ、何度でも」


金娘:「そして、おいしく、

    いただこっかな……?///」


銀娘:「あ、えっちだ」


金娘:「ぁ……やっぱ、いまのナシ///」


銀娘:「もう、フルコース、

    食べちゃったのに?///」


金娘:「カンベン……///」


銀娘:「えへへ……///」




 ふたりは、のぼる。


 おおきな、おしろの、


 かいだん、を──。




金娘:「……私の、おばあちゃんも、

    おじいちゃんも……。

    生きているかどうかなんて、

    わからないの」


銀娘:「……!」


金娘:「でも、逆に言えば……それは。

    あなたの、おじいちゃんと、

    おばあちゃんが、

    生きているかも、

    しれないって、こと」


銀娘:「そ、ぅ……だね」


金娘:「すべてに、可能性は、ある。

    今は────。

    だから──」


銀娘:「……だから?」


金娘:「もし、色々……落ち着いたら。

    さがしに、いこっか」


銀娘:「!」


金娘:「わたしたちの、家族」


銀娘:「 ……、── 」


金娘:「……ぃや、かな……」


銀娘:「──ぅーうん、そんなことないっ♪

    ちょっと、楽しみ」


金娘:「そっ、か……。ぅん。

    それで、もし……ぁ」


銀娘:「ん?」


金娘:「なんでも、なぃ」


銀娘:「……」


金娘:「……」


銀娘:「わたしの家族が、

    死に絶えていたら、

    あなたが、せきにん、とって」


金娘:「  」


銀娘:「ぜんぶ、とって。

    おねがい、クルルカン」


金娘:「わかった。約束するよ。

    オクセンフェルト」


銀娘:「……」


金娘:「……ん?」


銀娘:「……っ///」


金娘:「照れるん、かーぃ!」


銀娘:「いまの……アンティ、

    イケアンだった///」


金娘:「あたしゃー女だ、お姫様っ☆」






 けらけらと、笑いながら、

 

 ちかいあった、


 金と、銀は、おどりでる。




 目の前の、ふすま。


 そら、ついた。




 彼女たちは、" おむかえ "、なのだ──。






銀娘:「カンクルと、うさ丸、この中?」

金娘:「ん♪ まちがいなっし。

    ぇーっと……、入るか……。

    す、すみませぇ~~ん……!!

    ウチのウサギ、いますかぁー……??」




 そろぉ────・・・!








 それは、"ふいうち "、

 だったのかも、しれない。


 だれが、きずつく、わけでもなく──。







 ─── ─ ─ た だ 、










幼火:「  ぁ 、 あ ……   」









 



 アンティと、マイスナを見た、


 ヒナメ・タネガシは、





 嘔吐(おうと)した。








((((;゜Д゜))))

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[気になる点] 生卵を食べる文化醸成は、卵を出荷する衛生環境も大切になってくるから一筋縄ではいかないのん。 [一言] 邂逅してげろっとなあああ!?
2022/04/08 00:13 退会済み
管理
[良い点] 新しい家族増やそうか?ってなるえっちなシーンへの導入かと思うほどの濃厚な絡みでしたわ(*´ω`*) [一言] 今夜は寝不足になるんだろうな… そして察するベアさん
2022/03/14 03:00 ズブロッカ
[一言] ぎょんやーー!!!(うさ丸にかかってない?大丈夫? そして、吐くほどのものを見ちゃったんだ……、普通に死ぬ未来ならいっぱい見てたっぽいし、ろくでもない状況なんだろうけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ