やさしさおっぱいコースター
おまたんたん(●´ω`●)♪
妹乳:「よく……がんばりましたわ」
涙目で帰ってきた ふたりを見て、
ヒキハは、そっと抱きしめるのだった。
やさしさ おっぱいである。
金娘:「──…、」
銀娘:「──…、」
妹乳:「……! それは?」
アンティの黄金のガントレットには、
真っ白な、不思議な印象を放つ、
広げた手の平くらいの大きさの、
はぐるま が、握られている。
そのギアの歯のうちの、ふたつが、
まぁるく、長く。
ラビットの耳のように、見えなくもない。
大事そうに、それを持つアンティに、
ヒキハは、たずねようか迷ったが、
その前に、仲間からの労りの言葉が響いた。
萌神:「マジ、よくやったぜ……。
今でこそ、もっちゃあいたが、
マジ遅くなりゃあ、
アイツらも、マジ狂い始めて
たかもしんねー・・・。
マジで、かわいそーだがょ・・・」
銃神:「・・・で、あるな。
それに、毒の原因である、
腐敗した臭気など、
今は嘘のようにござる。
ナトリの者として、
感謝に絶えぬ」
異火:『 やったったなー! 』
P・アーツの記録機能によって、
文面だけではあるが、
彼らもまた、闇の底で起こった物語を、
把握している。
当初の、最大の問題であった、
街を覆うほどの毒の原因が、
浄化されたことは、大きい。
だが、その中でも、
ユユユ・ミラーエイドは、
若きエルフの姿で口を手で覆い、
無言で、考え込むのであった──。
白童:「──…、……」
熊神:「よっ、と、……。
えれェ目にあって、
街ひとつ救ってきた嬢ちゃんたちに、
かける言葉のひとつも、ねェのかよ?」
白童:「──!」
ユユユは顔を上げ、
一秒だけ、空白をあけて。
白童:「今回の問題は、ボクたちだけじゃ、
絶対に、こんなに はやく、
改善には向かわなかった。
彼女たちの功績は大きい」
熊神:「クマに言うんじゃなく、
あっちに言えェーっ。
うンにゃ……ワリぃ。
今の言い方は、おれも、
意地がワルかった」
2日間、持続する状態異常を受け、
ダルそうにしながらも、ベアマックスは、
静かなエルフの隣に座る。
熊神:「……くそ、思ったより、
キチぃな。
──……で? どォ思う」
白童:「 ! 」
熊神:「言えよ」
クマの問いかけに、今度はユユユは、
たっぷりと空白をとった。
白童:「……、……" 共鳴術式 "が、
成功していたのなら……、
あのような" 善性 "が、
底に多数、
残留しているのは、おかしい」
熊神:「……」
白童:「" 共鳴 "と言うくらいなんだ、
操作され、貶められた感情たちは……、
" ひとつ "に、なるんだよ」
熊神:「……こんな規模のモンが、
失敗、だと言うのかよ」
白童:「分かりません。誰も、
成功したことが無いんだ。
正解が、分からない……」
熊神:「こんなモンの"正解"が、
わかってタマるか・・・。
だが……おまえの言ってる事は、
確かに、わかる」
白童:「っ!」
熊神:「" コレ "が、成功していたら……、
なんかょ・・・もっと、
おぞまっしいモンが、
生まれてた気がするゼ。
これは、まァ……クマの、勘だ」
ベアマックスの言葉に、
ユユユは、神妙に、深く、頷いた。
白童:「何らかの原因で、" ココ "は、
失敗している。何が原因なのかは、
わからない」
熊神:「ラビットたちのココロが、
すべて、共鳴しなかったからじゃ、
ねェのか・・・?
こんな目にあったってンのに、
あれだけマトモな思念体に、
なっていたンだゼ?
同じ毛むくじゃらとしては、
ソンケーすら、するレベルさ・・・」
白童:「それは・・・あるかも知れませんが」
熊神:「仲間同士で喰い合って……、
それ由来の毒にも苦しんだろーし、
オマケに、ココロ、持ったまま、
ゴーストになって、狂い待ち──たァ、
まったく・・・泣けてくるワな」
白童:「・・・" どく "」
何かを気づきそうになるユユユに、
オシハが、声をかけた。
姉乳:「──ちょっと! あの、
格闘ライオンを支えるの、
手伝って……! " 虚弱化 "に、
慣れていないみたいで、
めちゃくちゃグッタリしてる。
両側から、肩を貸さなきゃ」
熊神:「え"っ…!? おま、
そンなコト言ったって、
おれも、絶賛、
バッド・ステータス・クマだが……!?」
姉乳:「ンなこと言ったら、私も、
絶賛バッステ女剣士だわ、って・・・!
アンタじゃなくて、、
そこの腹黒エルフに言ってんのよぉ!」
白童:「──! ボクですか」
" 虚弱化 "を受けてしまったのは、
クマ、オシハ、ゴウガリオンであり、
ヒナワはマジカを、お姫様だっこしているため、
自由に動けるのは、
ユユユ、ヒキハ、ガンゼルちゃん、
アンティ、マイスナの五名である。
獣王:「ガオォ・・・スマナ、ィ・・・!」
金娘:「だ、だいじょうぶ? ゴウガさん…、よ、と」
銀娘:「うでの下から、持ち上げるから、がんばって」
ユユユが見ると、
落ち込んでいたはずの、
アンティとマイスナが、
ゴウガの両サイドから補助を入れ、
彼の歩行を手伝っていた。
それを見て、オシハは顔をしかめる。
姉乳:「……ほらぁッ。まだ、
ショックは大きいはずよ。
傷心の女の子ふたりに、
まだ、世話になるつもり?」
白童:「っ! ……まったくですね」
オシハの言動はキツいが、
それが、やさしさ おっぱいであることなど、
それを聞いたものなら、誰でも分かることであった。
ユユユが、ヘッドギア状の魔道具を解放すると、
それは、すぐさま、左右に浮遊する、
神々しいゴーレム・アームとなる。
代わりにヘッドギアは消え、
六つの巨大な宝石がついた、
左右の耳のイヤリングが、露出する。
白童:「──アンティさん、マイスナさん?
少しでも、体力を温存してください。
ゴウガさんは、ボクが支えますから」
金娘:「──わぁ……! び、びっくりした……!」
銀娘:「そのうで、、、けっこうチカラが、あるんだね」
ユユユが操作する浮遊アームは、
がっしりと、ゴウガを掴み、
なんなら、そのまま持ち上げられそうな勢いだ。
獣王:「ガ・ガオ・・・!」
白童:「──ふ。おとなしく、しましょうね♪♪♪」
ユユユはワルそうに笑い、
ベアマックスは、アンマイに語りかける。
熊神:「無理すンな。どの道、
上に帰るには、また、おまえ達に、
頼らなきゃなンねェ」
金娘:「・・・はい」
銀娘:「うごいてたほうが、まし、かも」
熊神:「っむ・・・」
クマは、なんとも言えない感じになってしまった。
義賊クルルカンの言葉を、
狂銀オクセンフェルトが、
まるで、代弁しているようで。
少し困るクマに、意識してか、せずか、
オシハが助け舟を入れる。
姉乳:「私は、アイツらが、あのまま、
平穏に暮らせたとは、思えない」
金娘&銀娘
:「「 ……!! 」」
姉乳:「ここの、暗闇は・・・おかしい。
ずっと、あのままで、
いれた、もんですか──」
熊神:「オィ、オシハ、おま──……」
姉乳:「──アンタたちが、
ココロがあるウチに、
最高のかたちで、送ってやった。
そうでしょう?」
金娘:「そんな──……」
アンティが、言う。
金娘:「そんな、キレイには……言い切れないよ」
姉乳:「……それでいいのよ」
オシハは、アンティと、マイスナを、なでる。
やさしさ おっぱいである。
姉乳:「……迷惑をかけるけれど、
今や私も、二日間は、お荷物駄肉だわ?
"上"までの…"配送"を お願い、
郵送配達職──。
あのスカしエルフの意向で、
王には、まだ言わないけれど──、
アーツの記録で、少なくとも、
上で待ってるギルドマスターには、
筒抜けになってる。
迅速な説明が必要だわ。
役立たずで美人なお姉さんを、
お日様の世界に連れてってね?」
サラサラと話すオシハを見て、
義賊と狂銀は、ポカンとしていたが──。
金娘:「き、ひひ……♪ ちょっと、重量超過かも?」
銀娘:「きょぬーは、料金が、あがるんだぞーっ!」
姉乳:「あぁら。それは ヒドい ルールね?」
妹乳:「ホッ・・・!///」
少し、元気を取り戻した二人を見て、
どれだけ、ヒキハが安心したことか・・・!
銃神:「すまぬが、頼み申す、お二方。
某の、ガンゼル殿のことも、
言わねばならぬし、、。何より
マジカ殿のご両親にも、謝罪せねば」
萌神:「──ん"っ!? ちょ、マジ待て、てめェ!?
マジウチの親に何言う気だマジで!!
マジ余計なコト言うなマジやめとけって!!?///」
異火:『 おっ なんだー!!
おぬしら ばくはつ するのかー!? 』
萌神:「──まっ、マジでキッズは、
だーってろぉ!!!///」
金娘:「……ふふ♪ すぐ、用意します」
銀娘:「ちょっと待ってねっ」
ふたりの笑顔には、まだ寂しさがあったが。
操る奇跡に、一部の澱みも あらず────。
金娘:「──"滑走型"にしましょう」
銀娘:「うえむき、ジェットコースターだねーっ♪」
獣王:「ガオォ・・・?」
晩年に語るが、
ゴウガは、コレが、けっこー、
怖かったと言う。
獣王:「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ────!!!!???」
はやい。










