復元完了・・・!
おまたたたん。(^^)/
銃神:「して、どうでござるか……?」
近づいてきたヒナワの言葉に、ユユユは、
"お手上げ"のジェスチャーで応える。
アンティとマイスナの状態は、
かなり、ひどいものに見えた。
白童:「黄金の歯車と、白銀の鎖……。
完膚なきまでに、
グルグル巻きに、なっています。
何とか解こうと、ゴウガさんに、
引っ張ってもらって、
いたんですが……」
獣王:「ガオォ、ォ……!」
ヒナワが見れば、
ゴウガリオンの両手には、
にぶく、血が滲んでいる。
あれだけの打撃を繰り出しても、
傷ひとつ付かない、ゴウガの、手が──。
熊神:「ったく、やべぇな……。
ゴウガのダンナが、
かンなりの全力で、
引きちぎろうとしても、
コレだしよォ……。
オレなんかが手伝っても、
キビシイだろうしナ……」
姉乳:「ミスリルの鎖のほうは、
少し、千切れたのよ。
でも……ちぎった所から、
植物みたいに再生して、
瞬く間に、巻き付くの。
勇者の剣と同じ硬さの、
チェーンが、よ?
もし、自分が同じ状況になったら、
涙、ちょちょぎれるわね……」
妹乳:「アンティの……。
アンティの、ほう、は……。
"金の歯車"は、まるで……、
千切れすら、しないのです……。
恐ろしい、強度です……。
まさか、ここまでとは……」
銃神:「……で、ござる、か……」
萌神:「ふん……ゴウガの、、おっさん……。
マジ、あんま……、
ムリ、すんなよ……」
獣王:「──! ガオォォオゥ……!!」
かなり頑張ったゴウガリオンに、
マジな エールを送る、マジカ。
ヒナワの腕の中で、
グッタリする彼女の額には、
少し、汗が滲んでいる。
アンティ達の傍らで、
診察しているユユユが、
神妙な面持ちで、
言葉を紡ぐ。
白童:「やはり……おかしいですね。
こんな、丈夫なモノで、
縛られ続けているのに……。
アンティさんとマイスナさんには、
肌に、鬱血の跡すら見られない」
銃神:「──? どういう事でござる?」
白童:「……普通の人間なら、
歯車と鎖の圧力で、
潰されているレベルなんですよ」
妹乳:「……っ!」
曇る、ヒキハの顔。
白童:「なのに、外傷自体は、
まるで、見当たらない……。
耐えられて、いるんだ」
姉乳:「……それ自体は、救い、よ。
……。でしょ?」
" 異常な、ことでは、あるけれども "。
そんな言葉が、聞こえる気がした。
白童:「さて……どうしたものか」
銃神:「……むぅ」
光る身体。動く髪。
恐ろしい強度を持つ、肉体。
それが、この神秘の拘束に、
抗っている。
銃神:( ……。
やはり、、、"変質"、
しておると、
いう事でござろう、か……。
某の腕や……、体、
いや、それよりも、
遥かに、高度な段階で……)
萌神:「……」
皆、口には出さなかったが、
この二人は……、
もう、普通の人間の領域では、
なくなっている。
あの、大聖堂で聞いた、
たくさんの、告白を。
至高の冒険者たちは、
思い起こしている。
妹乳:「ただ……"ふつう"、を。
求めて……。
それだけで、いいはず、です……」
熊神:「……?」
獣王:「ガォ……?」
妹乳:「この子、たちは……ただ、
"ふつう"の、しあわせ、を──」
優しい、手。
なでる。
妹乳:「なぜ、こんな風に、
ならなくては、いけないの」
どこで、歯車は、
噛み違って、しまったのか?
歯車と、鎖。
この二人が、噛み合うということ。
義賊と、狂銀が、存在し合う世界は、
やはり、おかしいのか──?
少し、冷静でない、ヒキハの中に、
湧き上がる、
無情な、キモチ──。
銃神:「ヒキハ殿……。気持ちは……わかるが、
分かるので、ござるが」
白童:「──ええ。今は……。
急がないと、
マジカさんの魔力が、
もう、持ちません。
ゴウガさん、すみませんが──」
獣王:「……ガォオオオ!!!」
ユユユは、ゴウガの血まみれの手に、
何度目か分からない、
ハイポーションを、かける。
────と、その時……?
……きゅぅぅぅううううんん……!
……ぎぃぃぃぃいいいぃんん……!
金の輪と、銀の鎖たちが、
わずかに、光った。
妹乳:「……っ!?」
姉乳:「──しめたっ!
拘束が……ッ!
ゆるまってるわよ!!」
熊神:「黒いのが、
倒された影響か!?
ったく、おそいぜ!!!」
白童:「ゴウガさん!!! 今です!!」
獣王:「 ガ オ オ !!! 」
銃神:「──" 口 "で、ござる!!
恐らく、互いに、
" 言葉 "を届ける、
ことによって──……っ!!」
ゴウガリオンは、
渾身の力を以て、
アンティとマイスナの、
口元を拘束する、
歯車の輪と、鎖に、手をかける・・・!!!
獣王:「 ガオオオオオオオオ、
オオオッッッ!!!!! 」
咆哮──。
無限の黒に吸い込まれつつも、
尚、響く、雄叫びだ──。
わずかに、ひらく、くちもと。
いまだ。
金娘&銀娘:
「「 ……せいげん、かいじょッ……! 」」
──ぎゅぅいあんおぉおおん・・・!!!
──ぎゆぅぁうおおおぅうん・・・!!!
彼女たちの、
全身のコウソクが、
一気に、 と け る 。
──バシュ、バシュ!!!
──がちゃあああ!!!
──ギャゥウオオン……!!
──ヂァアラァアアアア・・・!!!
──パキン、パキン……!!!
──ジャラララァァアアア・・・!!!
妹乳:「──っ……!!
ぁ、アンティ・・・っ……!!」
姉乳:「やったわ……!
ほれ、狂銀ちゃんも、
返事、なさいなッ!」
金娘:「ぐ、がはっ……!」
銀娘:「ごぷぉ……っ」
吐き出される、透明の液体。
即座に、互いのカミが、
色を、侵し合う──。
──シュラァィィイインンン──……!!
白童:「……!!!」
熊神:「つながった!!」
すぐに行われる。
光の、キャッチボール……!
──Pipipipupupu──……!
──ジャギ、ごぱぁ──……!!
金と銀の、ヨロイは、
至る所が開き。
──バシュ!
───バシュ!
赤と青の、内蔵筋肉が、
露出すると共に。
──ぷしゅぅああああ──!!!
──プシュゥゥウ──ううぅ……・・・!!!
水蒸気と汗が、
湯気と、なったものが、
装甲のスキマから、排出される。
金娘:「 はぁ……、はァ……っ! 」
銀娘:「 はァ……、はぁ……っ! 」
四つん這いの ままの、二人。
その、内部圧力の、
排出による水蒸気は、
乙女の汗、特有の、
少し、艶っぽくもある、
蒸れた香りを、
周囲に、ブチまける。
幾つか転がっている、
口元にあった歯車と鎖には、
涎が、糸を引く。
髪と、肌の、
点滅する、淡い発光が、
それらを
黒の空間に、
幻想的に、浮かび上がらせる。
それは、少々、
皆の言葉を、失わさせ。
その間に、
彼方より、──声が、ひびいた。
陽神:『────:バイタル:
────チェック中……☼
────#-01から:#-77まで:
────全て:オールグリーン──☼』
金神:『>>>……──く、そっ!!!!!
>>>ちく、しょうッッゥ!!!』
月神:〘------復旧;確認したのん-☆
------のーん……;
------やっちまったのんなぁー☆〙
水神:〘#……やれやれ。深く、
#……反省、せねばな──〙
響く、神々の声に。
おおっ! という雰囲気が、
至高の者たちに、明るさを取り戻していく。
妹乳:「アンティ……アンティ……ッ!
マイスナ、さんっ……!!」
金娘:「ちょ、ちょいまち……」
銀娘:「い、いま、ゆらしちゃ、ダメ……」
妹乳:「あっ、ごめんなさい……!」
アンティとマイスナは、
かなりの汗を、滴らせている。
しかし、意識は、ハッキリしているようだ。
それは、周りを安心させた。
金娘:「はァ……、はあっ。
も、だ、だい、じょうっ、……ぶ」
銀娘:「もちなお、した、よ……。
もぅ、へい、き……っ」
熊神:「ホントか……? ムリ、すんなよ!
つ、つーか……///
その、、、"穴だらけ"になってる、
ヨロイは……仕様なのか!?
キワドイんで……そろそろ閉じろ!!」
姉乳:「えっちねぇ!!
だってさ♪ クマさんには、
刺激が強いってよ♪」
金娘:「ちょ、ちょっち、待ってください……」
銀娘:「ローザ……換気、もう、いいよ……」
部分、部分、展開した、
黄金と白銀の装甲が。
インナーマッスルに引っ張られる形で、
バシュバシュと、足元から、
上に登るように、
元の通りに、閉じていき。
神秘の光によって、
溶接される。
姉乳:「ホントに、生きてんのね……」
熊神:「ヨロイの話か?
……ふん、フタが閉じてってらァ。
まるで、クチみたいだぜ」
金娘&銀娘:
「「 復元率、100パセルテルジ。
個別思考に完全移行── 」」
妹乳:「……!」
最後に地続きの髪が。
金と銀に、分かれ。
それぞれの瞳が、
ピカピカと点滅して。
陽神:『────舞踏:再開☼』
────おさまる。
白童:( ……。回復が、はやすぎる。
やはり、あれだけの力に、
握り潰されておいて、
擦り傷すら、ないというのは……。
消耗もしていたはずだが、
随時、治っているのか?
その、エネルギーは、どこから?
いや…… )
回復職のユユユは、複雑な気持ちで、
即時、回復する彼女たちを見ていた。
アンティとマイスナは、
調子を取り戻しつつある身体とは、
正反対に……申し訳なさそうに、
ヒナワと、マジカの方を見る。
金娘:「……ぁの、ヒナワ……さん、たち。
そ、その……。。。」
銀娘:「さっき、の……、、
お、なか……とか、、、」
銃神:「──! ……ふふ。
そのような顔は、
御二方には、似合わぬぞ?」
異火:『 そーじゃぞ!
しんぱい ごむよう
ひのようじん じゃ! 』
火の真髄たちは、
軽快に、微笑んでいる。
銃神:「なんだか分からぬでござるが、な♪
心配、めされるでない!
ほぉれ♪ この通りでござる」
異火:『 にししー! 』
萌神:「……!?/// マジ、ばっか……!///
ハラ、見せるために、
ウチ、持ち上げんじゃねー!?///」
銃神:「あ、すまぬ……!(^_^;)」
萌神:「マジあほ……っ///
この羽織のした、
マジ、はだかなんだぞっ……!?
見えたら、どーすんだっ……!?///」
銃神:「そうでござった♪(๑´ڡ`๑)」
萌神:「マジ殴んぞテメェー!!!///」
黒い弾丸にブチ抜かれたはずの、
ヒナワの胴体の大穴は、
なんの奇跡か、
見事に、塞がりきっている。
羽織りを脱ぎ、はだけた肉体には、
細身ながら、
見事に鍛えられた筋肉が、
生命力を感じさせるほどである。
金娘:「……すみません。私たちが、
油断していなければ、
あんな……ことには……」
銀娘:「マジカっちにも、
めちゃ、迷惑かけた。
マジ、申し訳ない……」
萌神:「……マジなんで口調、
うつってんの……?」
銃神:「……よい。
むしろ、"逆"で、ござるよ──」
少女たちの謝罪を受け。
若侍は、
逆に、灰の馬穂髪を垂らしつつ、
ゆるしを、こうた──。
銃神:「──すまぬ。御二方には、
随分な負担を掛けた。
アンティ殿とマイスナ殿が、
応戦しておる合間に……、
某たちが、
力を合わせていれば、
このような事には──……」
熊神:「それは、そうだなァ……」
姉乳:「任せきってた感は、あるわね。
反省してる」
金神:『>>> ふ ざ け ん じ ゃ ね ぇ !!!』
いきなりの怒声に、
皆は驚く。
金神:『>>>く、くそ、ち、ちくしょう……!!
>>>ぃ、いいかッ……!! よく聞けよ!!
>>>アンタたちはッッ、今回ッ……!!
>>>ょ、よく、やってくれたッッ!!!』
その言葉は、自分への怒りに震えた、
"感謝"の言葉であった。
金神:『>>>く、くそッッ、
>>>くそッタレぇ……!!
>>>ぼくたちだけじゃ、
>>>負けて、いたんだッッ……!!!
>>>くそッッ、ど、ド畜生、がッッ……!!!
>>>なんて、失態だ!!!!!』
陽神:『────カ:カネト……☼
────おちついて☼』
金神:『>>>今のスペックでッッ……、
>>>負けるはずなど、ない、とッッ!!
>>>すっかり、思っていたんだ!!
>>>ゆっ、油断、していたッッ!!!
>>>くそ、クソッ……!!!
>>>まさか、"音声入力"を、
>>>使ってくると、は……ッ!
>>>チッッ、くしょう、が・・・!!!』
陽神:『────ほら:カネト……☼
────よしよし──☼』
金神:『>>>──! ……む、、///』
熊神:「──ヲィヲィ、
"初代"サンよォ……カッカ!
キレるか、感謝するか、
どっちかに、してくれやァー」
姉乳:「感情的ねぇ。ま、素直でよろしい♪」
萌神:「いや、マジ助けたのは、
ヒナワだろ……。
なーに、オッパイが、
マジ出張ってやがる……」
銃神:「からから……♪
それを言うなら、マジカ殿こそ」
何とも言えぬ苦笑いが浮かぶ、
至高の冒険者たち。
神とて、万能ではなく。
その言葉は、"ヒト"、たるもの──。
月神:〘------今回のはー;
------完全に;コッチの失態のんなぁー☆
------やー;助かったのん☆〙
水神:〘#……世話に、なった。
#……"唯一の負け筋"を、
#……引かされたようだな〙
神々の感謝の言葉に、
そして、若が返礼する。
銃神:「……ふ。少しでも、
様々な、礼になれば、良いが」
萌神:「……ふんっ。ウチらの世界の神様は、
マジ、なかなか、物分かりが、
いいじゃーねーか……♪」
減らず口を叩くマジカは、
しかし、お姫様だっこのまま、
実に、眠そうである。
アンティとマイスナは、中腰のまま、
獅子の筋肉質の手を見て、
顔を、曇らせている。
金娘:「ゴウガさんも、お手手、が……」
銀娘:「……痛かったよね? ごめんね……」
獣王:「……! ガオガオオッッッ♪♪」
ゴウガの手は、相変わらず真っ赤だったが、
それでも指の筋肉は、ほぼ無事な所が、
流石の、スーパー獣人パゥワである。
獣王:「ガオォウ・・・♪♪」
瞬間、白い小さな羽根が発光し、
その手は、即座に治癒される。
白童:「……やはり、空間接続による、
神さま直々の、祝福治療は、
すごいな」
感嘆するユユユと、
意識が、トびそうな、マジカ。
萌神:「……く」
銃神:「っ! 御二方……、
すまぬが、そろそろ──」
金娘:「──……! すみません!
毒を、引き継ぎます」
銀娘:「まかせて──」
──きゅぅううううんん・・・!!
──リィィァァインンン・・・!!
銃神:「──!」
金と銀の、
流星群のようなものが、
暗闇の中を、裂くように降り注ぎ。
迫っていた毒の霧が、
今までが、ウソのように、
消え失せる。
大量射出された、
バッグ歯車と、鎖ポケットが、
マジカの押しのけていた毒を、
のきなみ吸い込み、
消し飛ばしたのである。
萌神:「……は、マジで……すげぇ。
実際、ジブンで、やってみてっと、
マジ、なおさら……
この凄さが、
よく、分かるってモンだぜ……。
ふぁ、ぁ〜〜〜〜……///」
銃神:「っ! ……っと。
マジカ、どの──?」
萌神:「むにゃむにゃ……」
やっとこさ、
魔力を使う必要が無くなったマジカは、
ヒナワに全・体重を預ける。
マジで眠っているように見えるが、
意識は……あるようだ。
アンティとマイスナは、
クンっ、と、
反動をつけて、立ち上がる──!!
……──キィンンンッ!!
──ギぃぃいイイン……!!
妹乳:「……っ! 立っても、
平気なのですか?」
金娘:「……ぅん。もぅ、問題ないわ♪」
銀娘:「ありがとう。大丈夫です」
熊神:「ふぃ〜〜。ひと段落、か?
ちっとばかし、休憩させてくれ〜〜」
姉乳:「申し訳ないんだけど、
レモン・スカッシュとか、
あったら、嬉しいンだけど♪」
金娘:「ははは……ちょい待ちです」
銀娘:「氷、だします」
アンティ達は、複雑な笑みで、
要望通りにした。
ストローは人数分、ミスリルで作った。
熊神:「ズズズー……。うめぇぇ〜〜〜〜……!
生き返るぜぇええええ〜〜〜〜!!!」
姉乳:「おかわり所望。
で、どする?
毒の調査は、日を改めてもいいわ」
気遣う姉おっぱいに、
しかし、彼女たちは、顔を振る。
金娘:「……いえ、せっかく、
ここまで降りてきたから」
銀娘:「いこう。もったいないよ」
姉乳:「……いいのね?」
コクン、と、ふたつ。
頷く、その後ろで。
伝説のマフラーを、ワイヤー代わりに。
ふたたび大きな、壁のない、
エレベーターが、組み上げられていた。
ヒナワン、リザルトのこと言わんと・・(;^ω^)










