盃の記憶 前
活動報告にあげた通り、
ここから1ヶ月ほど、
めちゃ多忙になります……(^_^;)
投稿頻度、マジでおちるかもです。
あわわわわわわ……!!
スイッチの『零』もあんのに、
どうすんだ……!!!??(←をい)
盃 中
は 身
` の
う あ
つ ら
わ ぬ
か `
゜
アルカ・トオバラが、
ナトリの孤児院を立ち上げたのは、
結局、周りに流されてのことかもしれない。
彼女は前職に疲れきっていたし、
ある程度の"ヒト"を含んだ、
"知識人"の"善し悪し"も、
理解し始めていた。
ニコニコと笑うのは得意だが、
それが芝居なのか、本心なのか、
分からなくなった頃。
祖父の商っていた、
少し大きめの寺子屋が、
ひとつ、ポツンと、
人手不足に陥ったのである。
祖父が死に、
とうとう廃墟となった、
その場所は。
彼女が仕事を辞め、
様子を見に行った頃には、
既に、孤児の行き着く、
溜まり場と化していた。
「やばい……!! だれか、きたぞ……!」
「ここの、もちぬしか……!?」
「ち、ちがう!
ここは、ぼくらのいえだ……!!」
「こわいよぅ……」
「……箒がある」
本来なら怒る、呆れる所なのだが、
人間関係に少しばかり、
麻痺していたアルカは、
親が無くとも住処を探し、
何処からともなく拾ってきた、
数本の箒で掃除をする、
子供たちの、その行動力に、
幾ばくかの感嘆を、覚えたのである。
「……出てきなさい。あなた達に、
仕事を頼みます」
「……え?」
「し、しごと……?」
「まずは、台所を掃除しますよ」
この日が、トオバラ孤児院の始まりとなった。
アルカは情熱的な人間ではなかったが、
まだ死ぬ気でもなかったし、
金は必要だ。
これだけ人数がいるのなら、
何かしらの雑用はできるはず……と、
打算的ではあるが、
街に掛け合うに至った。
読み通り、街のゴミ拾いや、草むしりなど、
子供でも出来る雑用など、無限にある。
アルカは、教育した。
「この仕事を終えたら、
必ず、お金を持ち帰りなさい。
それが、皆の生活を守ります。
他の皆の終えてきた仕事も、
あなたの生きる糧となります。
わかりますね?」
「そ……それって、"家族"っていうんだろ……!」
「わたし、がんばるね……!!」
アルカが やっている事は、
ようするに、子供たちに働かせ、
その稼ぎの上っぱねを、
少しばかり、ちょうだいしながら、
食いつなぐ、ということなのだが。
幸いなことに、
彼女は子供たちに、ひどい事はせず、
むしろ、自分が生き延びるために、
丁寧に道徳を説いた。
「 いじめは、悪いことではなく、
実は、面白いことです。
それを、誰も教えてくれません。
ですが、それを行い続けたものは、
決して、誰からも、
助けてもらえなくなります。
自分のことを、
嫌いな人間だけの世界で、
あなたは、生きていけるでしょうか。
みんなが、あなたのことを、
いらないと思う世界です 」
「 そ、そんなの、やだなぁ…… 」
「 たのしいけど、こわいことなんだね…… 」
アルカは少しばかり言葉を選ばず、
だからこそ、子供たちは、良く聞いた。
しかも、ある程度の歳になれば、
彼女は子供たちを、
自由に就職させたし、
フラフラしているボロボロの子供を、
彼女は、すぐに連れ込み、
風呂に入れた。
孤児院の評判が上がるに連れ、
彼女の凍った心も、
わずかに、情を抱くほどには、
回復していた。
「 アルカふちょうさま……。
おねがいが、あるのです 」
机で、弱い酒を飲みながら、
家計簿をつけていた彼女は、
ある日、ひとりの小さな少女に、
声を、かけられる。
「 トドメは……この試験を、
受けたいのです 」
ぺらり──。
「 ……"盃の杖"、児童部門……? 」
アルカが、親心を理解するのは、
この時であった。
トドメちゃんのカコ!?(((;゜Д゜)))










