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龍神の国  作者: チャロ吉
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2の4 龍神の国の人々 龍神

この国は、素晴らしく発展してきた。以前の記憶を持っているものが、多少いたため自分たちの前世の生き方を取り戻そうと、どんどん開発している。

村や町が出来ている。猿人が率先して街を作っているようだ。

王制を敷き始めたところもある。

僕はなるべく口を挟まない。彼等からの要望があれば、叶えているが、何時もは忘れ去られているようだ。

矢張僕は気配が薄いようだ。こんなに目立つ格好なのに。呪いみたいなものだな。


余りやることがないので、外の世界を見て回っている。

外の世界の人間達は、原始的な生活をしているようだ。未だ文明は生れていない。

その内神が目覚めれば、どうにかするだろう。僕を忘れて眠ってしまった神様だから、余り当てにはならないかも知れないが。


僕には、危惧していることがある。

僕の世界から、出て行った者達だ。殆どは寿命で死んでしまっただろう。

僕の世界にいれば、何度でも生き返ることが出来るけど、結界の外に出てしまえば、また輪廻の輪に絡め取られる。そしてそろそろ良いかな、と言う頃合いで、黄泉の国に送られるのだ。そして、記憶を洗浄される。輪廻の輪に絡め取られた魂は、微少な生物から遣り直さなければならない。

僕の連れてきた魂は、自我はなくならないので、とても苦しむだろう。

皆一度は経験しているので、気持ちが萎えてしまって、自ら、消滅して行くだろう。

確固とした自我がないと、とてもでは無いが耐えきれないほどの、長い道のりなのだ。

彼等は今どうしているだろう。マナが多いと寿命が長いものもいる。未だ生きている可能性があるかも知れない。

出ていったもの達は、僕の小さい世界では満足できなかった。

これから大きくしていって見ようかな。

そうすれば、今いる者達も満足してくれるはずだ。


暫く他の神の弟子が創った陸地の様子を見て回ったが、僕の世界から出て行った者達は見つからなかった。それにしても、他の弟子達の創った世界は、皆同じで、代わり映えがしない。

同じ環境、同じ人々、同じ動物たち、同じ植物だ。

これでは、特色がなくて、つまらないではないか。

もっと違う種族があっても良いのに。動物と人間。昆虫。その他。皆同じ。

「あっ!」

これは若しかして魔獣では無いか。

魔獣が生きていけるのは、此処にもマナが行き渡っている証拠だ。

僕の小さな改変が、此処にも影響していた。あの魔獣達は此処で独自の発展をしている。

僕の世界とは違う見た目だ。凄いぞ。これだけは独自の発展をしているみたいだ。5つの陸地でそれぞれ違う種類がはびこってきている。

後から、神に怒られるかな。でも、僕にとっては魔物も魔獣も可愛い、我が子のようなものだ。

みんな、頑張って生きてね。


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