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A CAGE ~囚われた4人の少女~  作者: 7%の甘味料
少女たちの罪と鳥籠からの解放
22/28

第20話

登場人物紹介 


青山 輝樹 平凡な人生を歩んでいた社会人だったが

      痴漢冤罪により人生が崩壊し、少年院の特殊な教育施設の教師になる。


進藤 傑  警察の人間で本人曰く上層部の人間らしい。

      見捨てられたプロジェクトの後片付けとして施設の責任者になったが目的は謎に包まれている。


鮎川 茉莉 施設の生徒、未成年にして国内最強のハッカーにして重度のオタク。

堅剛エリカと仲が良い。


堅剛エリカ 施設の問題児、ヤクザの組長の娘で母の罪を自分で被り警察に捕まった。

      学力が低く単純だが根は優しい、鮎川茉莉と仲が良い。


山本 椎  施設の生徒だが体調不良でほとんど休んでいた。罪状は毒物による大量殺人。

しかしそれは冤罪である事が判明した。

      料理が得意で怖がりな性格


NO.7080  施設の生徒、自分の身元に関する情報を日本人である事と

(ユエ) とある組織にいた番号と愛称の「ユエ」しか分かっていない。

      組織では殺し屋として数百人の人間を殺害したと思われる。

      施設では他人と距離を置いている様子である。


青山輝樹に関する事件の登場人物


鰆田 桜 青山輝樹を痴漢の罪で告訴した人物で、豊鏡女子高の3年生。

    バイト感覚で援助交際や痴漢の冤罪を着せる仕事もしており、月守聖とは敬遠の仲。


青山 美代子 青山の妻であったが痴漢の罪で逮捕をされた事で離婚。

       大学のバトミントンサークルで知り合う。

       現在古山と結婚して古山美代子となった。


古山 竜 青山と同僚で美代子と共謀して青山を痴漢の罪に陥れた。


山本椎に関する事件の登場人物


好村 香苗 椎と同じバイト先で働き、椎とは仲が良かった。

      椎が冤罪を受けた事件の真犯人で

      現在は行方不明。


鮎川茉莉に関する事件の登場人物


鮎川 憲吾 鮎川茉莉の父親、ある会社のデータを娘のウィルスを使い初期化し

      その技術を海外に売ろうとした所国によって殺害される。


大木 保則 そこそこ名の知れた探偵で今年に入って大木探偵事務所を開業。

      茉莉には恩があり父親の行方に関して無料で調査を行った。


堅剛エリカに関する事件の登場人物


堅剛 芳香 堅剛組の組長、堅剛虎鬼門の妻。

     虎鬼門が行方不明のため現在彼女が組を仕切っているが

     その事実は組全体にしか知られていない。


堅剛 虎鬼門 堅剛組の組長、十数年前から姿を消し今も行方不明。


月守 聖 堅剛組の事務所の隣の麻雀店で働いている、鰆田とは敬遠の仲。

    作者の前作「The Reverse Side」の登場人物。



第20話


「これが俺の父親なのか.......」


芳香さんから次の手紙が送られたときそこには写真が同封され

そこには彼女の義理の父親であるが彼女は一度も会った事がない堅剛虎鬼門と芳香さんが写っていた。

「なんというか.....すごい筋肉と言うか....大きさというか...」

それは何というか僕が思うに人間の最終形態と思える姿であった。

身長は2mを余裕で超え腕はまるで鉄骨のように硬そうで腕の太さは僕の何倍にもなる。

足は大木の様にしっかりしており蹴ったりしたら自分が吹っ飛んでいくと思うぐらいの頑丈さだ。

女性としては身長高めな芳香さんでもかなり小柄な女性だと錯覚してしまうくらいだ。

こんな人間が一人抗争に参加しただけで勝利する事なんて楽勝なのではないだろうか。

それに彼は世界各国から自分の実力によって認めさせた人間を連れてきていると言うし

この後彼らは抗争をするそうでそれで20年以上にも及ぶ堅剛組と怒龍組の抗争を今度こそ終結させるそうだ。

結果は僕らから見れば分かりきってる事だがまた手紙が届くと思うのでじっくり待つ事にしよう。


僕が来てから6ヶ月ユエさんと親密になる事も努力はするものの煙たがれたまま

残り1ヶ月の期間となってしまった、肝心な進藤さんも中々連絡がつかなくなり

こちらにも来ないので正直どうすれば良いのか分からない状態だった。

そんな事を思い教室に向かい授業を始めると


「センセー!俺は寝る!いや今日だけは....ねかせ.......zzzzz」

「私も....ちょっと辛いかもでも寝ちゃだめ....寝ちゃだめ」


授業が始まった瞬間エリカは爆睡を始め。

椎は辛そうな顔を浮かべている。

一体どうしたのだろう、確かに今はもう冬で寒い季節なので眠たくなるにしても何か不自然だ。

唯一無事そうに見える茉莉に質問すると。

「いやぁー昨日皆で白テニのブルーレイを徹夜で見たんだ

 それで皆巻き込んじゃってこうなっちゃった......てへっ」

てへっ....じゃないよ。

おかげでエリカは睡眠モードだし、椎は心ここにあらずだし

こんなんじゃ授業にならない。

「しょうがないなぁ私が何とかするよ!

 エリカ!今起きないとエリカの恥ずかしい話を一つ言うよ」

しかしそれを言っても彼女は寝たままでいるので。

茉莉はしょうがないなぁと首を振りながら。

「あれは7月の後半だったかな猛暑になり始めたのに

 空調が調子悪くて入らなくて皆汗垂らしながら授業受けてたの

 教師はあん時はセクハラ変態教師だから透けたブラばっかガン見してきてマジ腹立つし

 そんな中でもエリカは寝てたんだけど普通に汗流してて服はびしょびしょ 

 んであまりにも暑かったのか授業終了10分前に起きて、顔を上げたら

 エリカはただでさえノーブラでYシャツが汗びっしょりだから目の前から見たら見えちゃいけない所がすけ....」

「やっ!やめろ!あんときの事は流石に俺も気にしてんだよ!

 あの変態糞にやついて俺の事見てるから3発ぐらい蹴り入れたしよ.....」

最後まで言い終わらないうちに茉莉の言葉を遮り

エリカがようやく目を覚ましてくれたようだ。

「目が覚めたかな?」

「は....はい」

彼女にしては素直な返答なので僕が少し心配すると椎が珍しく割って入り

「きっと青山先生に聞かれて恥ずかしくなったんですね」

「んだとっ!椎!てめぇ調子こいてんじゃねーぞ!!」

「んーこれは椎の恥ずかしい事も暴露かなぁ...さっきから眠そうだし」

茉莉は悪魔の様な笑顔で椎を見て、そのまま口を開けて。

「昨日椎の部屋に入った時なんだけど

 最近寒いから椎はベッドで寝てて掛け布団にくるまってたの

 ちょっと可愛いからそのまま様子見てたんだけど

 そしたら包まってた掛け布団に向かってあったかい、青山先生あったかいって

 すんごく顔を赤らめながらずっと言って....」

「えっ!いや違います!ちっちっ違うんですよ!

 私別にそんな事言ってません!」

何時もにまして大きな声で椎が否定したので僕も吃驚していた。

すると茉莉がまたさっきの笑顔で。

「そう否定するところが怪しい.....

 掛け布団を青山先生に見立てて妄想でもしてたんじゃないんですか!」

「だから違います!違いますから!

 そういう、茉莉の弱みだって私知ってるんですからね.......」

「あっ!それなら俺も知ってるぜ!」

そう言うと茉莉は青い顔をするのではなくそう....と一言だけ言い。

二人は自信満々でこう言った。

「茉莉のベッドの下には男同士で恋愛したり裸で絡んだりする本がいっぱいある(あります)!」

二人が声を揃えてこう言うと茉莉はユエさん特有のクスッと言う笑い。

恐らく彼女を意識しての事だったのだろう、この時だけはこの騒動を黙ってあほらしそうに見てるユエさんも眉間にしわが増えたような気がした。

「BL、薔薇は日本の宝!恥じることなんて何もない!キリッ!」

彼女がそう語ると彼女自身はとても清々しそうでとても晴れやかな気分になっていたのだろう。

椎、エリカは呆れた顔をして、僕も何も言えなくなってしまった。


空気が凍りつき皆の目が覚めたところで授業を再開するが。

一番後ろのユエは最近は僕に殺気を送る事なく

当てられれば授業に参加し問題の演習の時間は解き終わると

外の光景をずっと眺めていることが多くなった。

彼女は幼少の頃から殺し屋だったと聞く、彼女の見る眺めは恐らく僕が彼女の場所から見た眺めとはきっと違って見えるのだろう。

それぐらい僕には彼女の事が掴めていないけど僕は彼女の事を知らなければならない。

そのためには彼女の事を僕よりも知っている進藤さんと連絡が取りたいのだが。

エリカのお母さんの一件以来中々連絡がつかない状態だ。

授業も終わり放課後も終わり、教員室に向かうとそこには。

「やぁ色々忙しくてこっちに来れなくてごめんね~」

散々探していた男がコーヒーを飲みながらのんびりしていた。

正直この人が警察の人間でなく給料も出してもらっていないただの人間なら

僕でもこの人の事は殴っていたと思う。

「あれだけ連絡したのにどうして返事すらしないんですか」

「いやぁ君が言う用件は理解してるしその話は機密事項だからさ

 直接言う事が無難だと思うのよ俺も

 だから直接来れる日が見つかんなくてようやく今日来れたから来ました

 むしろ仕事に穴開けてきてんだから感謝して欲しいなぁ~」

とそのままコーヒーを飲んでくつろいでしまった。

そういうことなら返信してくれれば良いのに。

彼がコーヒーを飲み終えコーヒーカップを洗うと。

「じゃあさ~あおちゃん!!

 そろそろ僕も真面目なモードに移りましょっかね」

すると彼は唐突に肩を回し始め、そしてバッグに入っていた黒い眼鏡を取り出し掛けると

先ほどとは雰囲気ががらりと変わり

「これから青山さんには会議室に同行してもらいます。

 会議室の防音対策は完璧ですのでどうぞこちらへ」

今までのふざけが嘘の様に真面目になり彼は僕を連れて最上階の会議室へと向かった。

これが警察での彼の顔なのだろうか、一応彼あれでも警察の上層部って話だしな。

僕は彼の後ろを付いて最上階に向かった。


会議室は空き部屋の中に鍵が掛かった部屋がありそれを進藤さんが解錠し会議室の扉を開いた。

「さて青山さん聞きたいことは何ですか?

 私に答えられることは何でも答えましょう。

 これはある意味貴方がここまで仕事をしてくれたボーナスのようなものと考えて頂いて

 差し支えありません」

やっぱり、あの進藤さんが急に真面目になるとちょっと気持ち悪いものがあるな。

「その別にそんな畏まらなくて良いですよ

 こっちも調子狂うし、眼鏡を外して頂いても.....」

「そうですか....んで青山君何が聞きたいのかな俺に!

 スリーサイズ以外なら無料で教えてやっていいよ!

 俺今凄く寛大な心持ってるから!」

........元に戻ったら戻ったでうざいなこれ...。

もう気にしない事にして僕は質問をした。

「ユエさんの事、そして貴方がこの失敗した計画の後始末を請け負うと決めた理由です」

「二つは多いよ!いや答えるけど一気に聞くべきではないでしょ!

 欲張りだなぁてるきは!そんな欲張りだから3人の娘を同時に自分のものに...」

「あんたが親密になれって言ったんでしょ!何言ってるんすか!」

本当にこの人と会話をするのは疲れる。

そう思った時彼はさっきの様な雰囲気の変わり方ではなく

ほんの少しだけ彼の雰囲気が変わったような感じ。

例えるならさっきの雰囲気の変わり方はリーゼントが突然アフロになる様な変わり方で

今の変わり方は長く伸びたもみ上げをちょっとだけ切るようなそう言った雰囲気の変化が進藤さんから感じられた。

「まぁ冗談はそれくらいにしてそろそろ話そうかな

 ユエの事だよね、まぁ単刀直入に言うよ

 ユエはね........



僕の娘だ____________________」



続く


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