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Sweet&Cool  作者: みずの
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Link 4  side:Haruka


 一真のお金の使い方は、良く言えば「豪快」、悪く言えば「ただの浪費」だった。あくまでも私の予想だけれど、結構恵まれた家の生まれなんだろう。気に入った物は高校生にしては高級なものでも、「どうせ親の金だ」と遠慮なく購入していた。


 それを否定する気もないけれど、真似したいとも思わない。私は今の分相応の生活で十分満たされているからだ。ただ、価値観の違いなんだと思う。



 そんな2人が一緒にいることは不思議にも思えたけれど、それ以外のところでは意外に一真とは相性が良かった。音楽の話だけじゃない。物事の考え方が、根本的には似ている気がした。



「直も連れてくりゃ良かったなぁ」

 男の子でも抵抗なく見れそうなインテリア雑貨のコーナーへ来たところで、不意に一真はそんなことを言う。直とは向井くんの下の名前だ。女の私たちが知らないところで、しっかり2人は仲良くなっているようだった。



「向井くんは今日は華江と出かけるって言ってたからねぇ」

 かわいいコースターを見つけて、私は「これイイね」と一真に見せながらそう返す。真っ赤な花の形をしたそれを見て、一真は「…そうか?」と一瞥しただけで興味を示さなかった。


 …物の趣味は合わないらしい。



「なぁ、あの2人って付き合ってんの?」

「え?向井くんと華江?付き合ってないよ」

 多分、向井くんは華江のことが好きなんだろうけれど…。華江の方は、いつまでたっても真意が読めない。





「…華江はね、昔イジメにあってたの」

 少し間を開けて考えた後、私はそんな風に再度口火を切った。


 私と華江は小学生の頃から友達だった。同じクラスになったのは小学校の高学年が初めてだったけれど…華江はその時、既にクラスメイトたちからいじめられていた。


 その時華江はぽっちゃりしていて…(私はそれが逆にかわいいと思っていたんだけれど)、それがイジメの原因でもあった。子どもっていうのはそんなくだらないことで残酷になれるものなのだ。



「だけど高校受験の時にストレスで激ヤセして…今ではすごい美人でしょ?急に周りの華江を見る目が変わってね」

 手にしたコースターを元の場所へ戻しながら、私は一真にそんな説明をする。隣で一真は、黙って聞いたままだった。


「高校に入ってからは、男女問わずすごくモテるようになったの。だから、華江は周りの人間に本当に心を開いてない。『自分は何も変わってないのに、外見が変わっただけで近寄ってくる』人たちが、信用できないから」

「……」

「似てるでしょ、一真に」

 少し微笑みながら言うと、一真は隣で「…ふぅん」と小さく呟いた。

「だけど周りの人間は、華江が本当に心を開いてないことにも気づかない。華江は、合わせるのもうまいから。…それに気づいたのは、多分私と真帆以外では向井くんが初めてだったなぁ」


 だから華江は向井くんには遠慮なく色んなことが言えるし、強い態度にも出られる。それは彼女なりの甘えでもあり、心を許している証拠だと私は思う。


「だから、付き合ってくれたら嬉しいなーと私は思うんだけどね」

 ニッコリ笑って言うと、一真は「…なるほどね」と同じように少し笑ってくれた。

「結構お似合いなんじゃねーの。直はちょっと男としては頼りねぇけど」

「でも優しいよ。華江には、向井くんみたいな人が必要だと思う」

 近くにあったボックスティッシュのカバーを手にしてみせると、一真はそれも趣味じゃないらしくただ首を振って拒否してみせる。ぷぅっと頬を膨らませながらそれを戻して、私は不意に思いついて尋ねてみた。



 一真の、ことを。



「ねぇ、一真は彼女いないの?ブロンドの子とか」

 聞くと、一真ははっきりと横に首を振る。それから、近くにあったマガジンラックを手にしてみせた。ウッド調のそれは確かにシンプルでおしゃれだったけれど、私が求めるかわいさはないのでお返しに首を振って否定してやる。むっと眉を寄せてそれを戻しながら、一真はしばらく黙した後ふと呟くように言った。



「俺さ、彼女いたことねぇんだよな」

「えっ!!?」

 続いた言葉があまりに意外で、私は驚きの声を上げてしまう。なんだか私のイメージでは、女の子をとっかえひっかえ遊んでいるような感じだったから…。


「なんだよ、イケメンは遊び慣れてねぇとダメなのかよ」

「…『イケメン』は否定しないんですね、一真さん…」

 膨れっ面で答える一真に、私は少し呆れ気味に言う。自分は格好良いということをひけらかすわけではなく普通に自覚している辺り、タチが悪い。調子にでも乗っていればツッコミ様もあるのに…。




「中学の時に好きな人がいてさ」

 お店の中を移動しながら、一真は言う。それについていきながら、私はただ耳を傾けた。


「中1の時に好きになったんだけど…それから、ずっと忘れられない」

「えっ!?今でも!?」

「おう、今でも」

 答えた一真は、ただ真顔で私の問いに応じている。5年目に突入したその想いは…きっと相当の深さを携えているだろう。


「告白とか…しないの?」

 好きになったら猪突猛進…いや、もしかしたら襲い掛かるくらいかも…と想像していたので、私は意外そうに尋ねた。聞かれて、一真は肩を竦める。


「してる。何回もフラレっぱなし」

 苦笑いを浮かべたそのセリフに、私は思わず「…ごめん、変なこと聞いて」と謝ってしまった。「別に」と答えた一真は、今まで誰にも話したことがなかったのか…急に堰を切ったように「実はさ」と言葉を継ぐ。かっこつけてクールぶっていても、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。


「中学卒業してアメリカに行けば、忘れられるんじゃないかと思ってた」

「…無理だった?」

「無理。それどころか、余計に会いたくなっちまった」

 店内を移動した先は、小さなシェルフが並んだ辺りだった。意外にも本が好きだという一真は、こういうのも趣味なのかもしれない。



「…だから、帰ってきたんだ。反対する親を振り切って、一人だけ日本に」

 続いた一真の言葉に、私はなんだか胸がいっぱいになる思いだった。

「会いに行こうよ!」

「……は?」

 一真の両腕をつかんで真正面から言った私を、彼は眉を寄せて見つめ返してくる。私はというと、一真のそんな一途な想いに少なからず感動して、思いつきでだけれどそんなことを口にしていた。


「せっかく日本に帰って来たんだから!その子に会いに行こう!」

「…いいよ、まだ。そのうち会えるだろ」

 何か根拠でもあるのか、一真は小さく否定する。俺様で自信家な彼にしては、珍しいリアクションに思えた。会いたいというわりには…未だ勇気が出ないとでも言うような…。



「それに、その為にこの学校に転校してきたんだから…そのうち嫌でも会える」

「…え?」

 一真がそう言うので、私は小さく目を見開く。

「何、それ。好きな子ってうちの学校にいるの?」

 聞くと、一真は少し目線を逸らして「…あぁ」と答えた。



「えーっ!なんていう人?私知ってる子かなぁ!」

「……お前には絶対言わねぇ。俺が何か言うより先に本人に余計なこと言いそうだから」

「…そんなことしないよ…」

「自信なさそうに言うな!」

 一真は私の頭にげんこつを落とすフリをして、やっと声をたてて笑う。こういう顔を見ると、イケメンともてはやされるタイプというより、ただの一高校生って感じがするのだけれど…。



「で、お前は?」

 ふと一真は、今度はこちらに話題を転換してきた。「え」と目線を上げると、私を見下ろす一真と目が合う。少しだけ、意地悪い笑みを浮かべていた。


「ハルカは好きな奴いねぇの?」

 聞かれて、瞬時にポンッとタクミ先輩の顔が浮かぶ。脳裏に浮かんだそれに、ボボッと顔が赤くなってしまうのを実感する。「すげぇ、タコみてぇ」と一真が笑った。


「いるんじゃねぇか、どんな奴?」

「~っ、一真には教えないっ」

「なんでだよ」

「本人に余計なこと言いそうだから!」

 一真のさっきのセリフを真似ると、一瞬きょとんとしたけれど彼は次の瞬間にはぷっと吹き出した。


「ま、お前の顔見てればそのうちわかりそうだな~」

「…う。それは否定できない…」

 自分でも、そう思う。私は、タクミ先輩を見ればきっとわかりやすいくらいに顔が明るくなってしまうだろうから…。


 きっと次に一真の傍でタクミ先輩に会ったりしたら、瞬時にバレてしまうんだろうな。…そんな予感がしていた。




******



 その日に一真が購入したものといえば、いくつかのキッチン用品(自炊をするとは思えないけれど)とゴミ箱という、実用的なものだった。引越しの片付けも徐々に目途がついてきたらしく、そろそろコンビニ弁当にも飽きてきたらしい。


 後は個人的な趣味で欲しいという雑貨を買うだけだと、翌日の休み時間にはその日の放課後の予定を立てていた。また付き合わされるんだろうか、と横目でチラリと隣の席を見やると、そんな一真と目が合う。

 だけど…、

「あ、お前今日はいいから」

 ふともたらされた一真の呟きに、私は意外そうに「え?」と首を傾げてしまった。


「大体2日間案内してもらって、買い物できそうな場所もわかったし」

 確かに、駅近辺のビルやらデパートやら…かなりの店に付き合わされた。一真の好みに合う場所も限られるだろうから…3日目ともなれば自分ひとりでも行けるだろうけど…。


「さっきあいつに聞いたんだけどよ」

 椅子の背もたれにもたれながら、一真は長い足を前に投げ出す。顎で示した「あいつ」とは、少し離れた席の真帆だった。

「お前、放課後は好きな奴に会いに行くことになってんだって?」

「…え…」

 続いた一真の言葉に、「余計なことを…」と思わず真帆の方を振り向いてしまう。でも真帆としては、一真から私を解放させるために言ってくれたのかもしれなかった。


「知らなかったとはいえ悪かったな。今日はそっち行っていいぜ」

「……そんな時でも俺様口調なのね」

「おう、俺様だからな」

 なんだか一真と話していると、あの不良教師と話している感覚に襲われる時がある。はは、と乾いた笑いを返したけれど、実際一真の申し出はありがたかった。これで今日は、確実にタクミ先輩に会える。




「直、今日放課後付き合えや」

 前の席の華江と話している向井くんに、一真はそんな風に声をかけている。


 …もしかしたら、一真は一人で行動ができないんだろうか。


 意外に寂しがりやなのかもしれないことに気づいて、私は思わず吹き出してしまった。




******



 放課後になってすぐ、私はまだ教室に残っていた4人に手を振って慌てて廊下を駆け出した。2日間も先輩に会えなかったんだから、妙に気が急いてしまっている。前に先輩と色々あった時は何週間か顔を合わせなかったのに…。今ではそれが信じられないくらいだ。



「廊下は走るなー」

 数学準備室のドアをノックもせずに乱暴に開けると、一番奥の椅子に座っていた名取先生がそんな言葉で出迎えてくれる。

「すみませーん」

 悪びれもせずに答えて、私は中に入っていった。いつもの定位置に鞄を置いたけれど、正面の席に先輩はまだ来てなかった。



「お前、2日間柴田と一緒だったんだって?」

 珍しくパソコンに向かっている先生は、キーボードをカタカタと打ちながらそんな風に声をかけてくる。

「え?あ、はい。街案内してました」

 タクミ先輩に聞いたんだろうか?首をかしげながらも、私はそう返しながらギィッと椅子を引いた。


「…お前もやるなぁ」

 どこか感心したような言葉が、先生の口から吐息と一緒に漏れる。先生の性格を考慮するとそれを嫌味としてしか取れず、私はむっと眉を寄せた。

「そんなんじゃないですよ。だって買い物できる場所とかもわからないって言うし、仕方ないじゃないですか」

「…いや、そうじゃなくてよ…」

 エンターキーを少し強めに押してから、先生はそう私の言葉を否定する。どうやら、さっきのセリフは嫌味ではなく本当に感心していたらしい。


「准一にあんな顔させた人間、初めて見た」

「……は?」

「すげぇ怖かったんだぞ、お前のせいで。あんなの俺のかわいい義弟じゃない」

 少しわざとらしく拗ねたようにして、先生はそう言う。何のことを言われているのか全く理解できず、私の頭の上にはクエスチョンマークが大きく点滅していたに違いない。


「お前が2日連続で柴田と一緒でここに来なかったから、准一がヤキモチ焼いてたってこと」

 私にわかるように、先生は説明してくれたようだった。それでも一瞬何が何だかわからずに、頭の中でその言葉を噛み砕くように考える。それからその意味を理解して、「えぇぇっ」と苦笑いを浮かべてしまった。


「それはないですよ。先生の考えすぎー」

「…お前なぁ………。まぁいいや、そう思っとけ」

 タクミ先輩が私のことでヤキモチを焼くなんて、まったく想像ができない。なんだかそういう感情を抱くところすら思い浮かばなくて…。



 どうせ先生がそうやって私をからかっているんだろうと結論づけて、私は机に置いた鞄を開ける。そして参考書を出そうとしたところで、先生が「あ」と思い出したように声を上げた。



「准一なら、今日来ねぇぞ」

「…え?」

「さっきお前にそう言っといてくれって、伝言頼みに来た」

「………」

 先輩の顔が見れるとウキウキしていた気分が、一瞬にしてどん底に追いやられた思いだった。信じられない気分で、私は先生を見る。その目は、少し八つ当たり交じりのものだったかもしれない。

私と目が合った先生が、少し苦笑いしたから…。



「………」

 来られない時はメールしてって、先輩の方が言ったくせに…。自分が来ない時は、私にメールもくれないなんて。



「…携帯の電源が落ちたって言ってたな」

 私の考えていることがわかったのか、タイミングよく先生がそんなことを言う。

「………え?」

「授業中に電池切れしたんだと。それでわざわざここに来たみたいだったぜ」

「……そう…ですか…」

 それが、本当かどうかはわからないけれど。少なくとも私の心を浮上させるほどのものではなくて、仕方なく私は椅子から立ち上がった。



「…帰ります」

 鞄を持ちながら立つと、先生が目線を上げる。

「勉強してかねぇのか」

「……前に言ったじゃないですか。先生と勉強したって意味ないもん」

 失礼きわまりないセリフだけれど、私の言葉に先生は「そりゃそうだ」と苦笑をもらしただけだった。


 2日ぶりに会えると思っていた先輩に会えず、私はため息混じりに数学準備室を後にした。




******



 教室に戻ったところで、真帆は部活だろうし華江はバイトに行った後だろう。向井くんと一真だって、もう下校しているに違いない。仕方なく昇降口に向かったけれど、足取りは重かった。


 気分が乗らない為に動作の全てが緩慢になっている気がする。下駄箱から履き慣れたローファーを出して、代わりに履いていた上履きをしまった。



 自然と顔が下を俯きがちになる。そんな風に、昇降口を抜け出ようとした…その時、だった。



「…あれ?」

 頭上から降ってきた声に、私は思わずバッと顔を上げる。聞き慣れたその声は、今一番聞きたいはずのものだったから…。


「今帰り?」

 ちょうどバッタリ出くわしたタクミ先輩は、肩から提げた鞄を持ち直しながらそんな風に尋ねてきた。


「ははは、はいっ」

 もう帰ってしまっているだろうと思っていたし、まさかこんなところで会えるとは思っていなかったから。声が、数段上ずってしまった気がする。

「せ、先輩は…もう帰ったかと思ってました」

 言うと、先輩は「あぁ…」と小さく頷いた。

「数学準備室に行った後、ちょっと剣道場に寄ってたから…」

 昇降口を出て、何となくそんな会話をしながら並んで校門の方へ向かう。



 剣道場……きっと、愛海先輩のところだ。

 もしかしたら、本当に携帯の電池が切れていて愛海先輩にも先に帰ることをメールで伝えられなかったんだろうか。



「…先輩は…今日は用事ですか?」

 少し遠慮がちに尋ねると、先輩は少しだけ眉を寄せた。もちろんその表情が示す相手は私ではないだろうけれど…。



「脅迫メールが来たんだ」

「脅迫?」

 聞き返して、私は真面目な話だろうかと先輩と同じように眉間に皺を寄せる。その真剣な表情を見てから、先輩は少しだけ笑った。


「本屋で本買って来いって」

「…それが脅迫なんですか?」

「そう。『言うとおりにしないと昔のあんなことやこんなこと、あんたの周りにバラすわよ』って」

「………理沙さん?」

「そう。しかもそのメールを受信したせいで携帯の電池が切れたんだ」

 尋ねると先輩が困った顔で肯定したから、私も思わず笑ってしまった。本当に脅迫してるつもりもされているつもりもないんだろうけれど、それで言われた通りにする辺り先輩らしい気がする。


「…まぁ、こき使われるのはつわり中だから仕方ない」

 譲歩するように、先輩は呟いた。



「理沙さんつわり大変そうですか?」

 尋ねると、先輩は「うーん」と少し考える仕草をする。そこでちょうど校門にたどり着いてしまったけれど、先輩が本屋に行くなら駅までは同じ道のりなはずだ。このまま何気なく…ただ隣にいたかった。


 先輩の方はそんなこと気にしてもいないのか、いつも通りの無表情。隣にいることを咎められないことをいいことに、私はただついていった。


「そんなに大変な方ではないんじゃないかな。普通に仕事には行けてるし」

 まぁ確かに、つわりについて先輩に聞いてもわからないだろう。それでも少しホッとして、私は安堵の息を漏らした。



 うちの学校は駅からそれほど距離がないので、少し他愛ない話をしていればすぐに着いてしまう。目的地にたどり着いてしまったことに内心でがっかりしながら、私は駅の改札の方に足を向けた。先輩は、駅ビルの中の本屋に行くんならその先のエレベーターを上がるだろう。


「…それじゃ、先輩」

 ペコリと頭を下げると、先輩は「うん」と答えながらもしばらくそこから動かなかった。

「?」

 小首を傾げて見上げると、先輩は少しだけ微笑んでみせる。その笑顔にフワッと、心の中で何かが浮上する感覚がした。同時に胸がキュンと締め付けられる。


「良かったら一緒に行く?」

 駅ビルを指して、先輩はそう言った。「え?」と目を見開いた私は、もしかしたらそれまでものすごく名残惜しそうな顔をしていたのかもしれない。別れるのが嫌で嫌で仕方がないのが顔に出ていて、そう声をかけてくれたのかもしれなかった。



「いいんですかっ?」

 それでも格好つけている場合でもなく、私は思わずその場で飛び上がりそうなほど喜んでしまう。


 そんな私を見た先輩は笑って頷くと、先にあるエレベーターの方へと向かって歩き出した。





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