表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/48

秘密  END

完結です。

 先日、ラブラちゃんがヒロインでしかも転生者だと解った。

 レンバーラ君と話していた内容がまんまその話だった。

 ラブラちゃんの口から転生者と言う言葉が出た時、ハッキリ言って納得してしまった。

 ラブラちゃんにふりかかるラッキースケベ的展開がヒロインだからと言われれば辻褄があう。

 ラノベに出てくるヒロインならスッゴい電波とか痛々しい勘違い娘が定番なのに、ラブラちゃんは王子を攻略したんじゃなくて私と仲良くしてたら王子付いてきたと王子をオマケ発言!

 思わずアホ王子が可哀想に思えて突っ込んでしまった。

 

 

 話しは変わって、ラブラちゃんとレンバーラ君がこの世界を疑似体験していた人間だと言うことが解って、私は思った。

 この世界での私の立ち位置は何処なのだろう?

 今までずっと自分は悪役令嬢ポジションたと思ってきたけど、あっているのかな?

 

「ラブラちゃんはヒロインなの?」

「………あの男の言ってた事は忘れて良いよ!」

「ラブラちゃんがヒロインなら、私は悪役令嬢?」

「………ナルは私の親友!………で、今は……攻略対象者」

「はぁ?誰の?」

「さっきのピンクの髪の男」

「………に、逃げなきゃ!」

「手伝う!または、ブラウド様ともう結婚しちゃえば?」

「だ、だって!結婚は学園を卒業したらって約束してて……今はラブラちゃんと学園生活おくりたいから………」


 ラブラちゃんは感極まったように私を抱き締めた。


「ナル、大好き」

「私もですわ」


 私達はニコニコ笑いあった。







「私、ブラウドさ……ブラウドに話があります!」

「………はい。ちなみに、結婚出来ないとかでは…」

「ないです」


 この日、私は決めていた。


「では、何でしょう?」

「私、前世の記憶があるんです」

「………へ?」


 そう、私はブラウド様に前世の記憶があることを話そうと決めていた。


「私はこの世界とは別の、魔法の無い世界で生活していました。職業は薬学士でした………ブラウド様は私が歳上と話しているように感じた事があると言っていたでしょ?当たり前です、私向こうでは40歳越えてましたから。ブラウドさ……ブラウドには秘密を作るのは嫌だなって思っ……」


 言いたいことを言ってブラウド様の方を見るとブラウド様の顔が表情を無くしていた。

 どうしよう、怒らせてしまった。

 私が怯えた顔をしたのが解ったのか、ブラウド様は私に勢いよく近寄ると強引に腕を捕み引き寄せ乱暴なキスをしてきた。

 何がおきたか解らないうちに口を舌でこじ開けられ私の舌に、ブラウド様の舌が絡まってくる。

 な、何?何で?

 漸く解放された口から粗い吐息と唾液がこぼれた。


「……何で?」

「ナル、俺は君の全てが欲しい」

「?」

「君のその前世の記憶の中にどれだけの男が君に愛を囁き、俺の知らない顔を見ていた?」

「はぁ?」

「俺以外の男と…」

「ま、待って!何で他の男の話が出てくるの?」


 ブラウド様は悔しそうな顔をして言った。


「40歳越えてるって事は………結婚、してたんだろ?」


 な、何?前世の私を思って嫉妬したの?


「………してない」

「へ?」

「私、仕事が恋人って感じだったし友達すら居なかったの………私の中にある全ての記憶の中でキスをしたのはブラウド様がはじめてだよ」


 呆然とするブラウド様に私は軽く触れるだけのキスをして言った。


「恋愛なんて本の中だけで満足だった私が、キスしたくなるほど好きになったのはブラウド様がはじめてです」


 ブラウド様はビックリするほど真っ赤になってうずくまった。


「ブラウド様?」

「………ごめんなさい」

「ですね」

「ごめんなさい………醜い嫉妬で酷いことをしました」


 ブラウド様は頭を抱えた。


「酷いこと?」

「無理矢理キスしてごめん」

「ああ」

 

 ブラウド様は乱暴に頭をかきむしった。


「ブラウド様は嫉妬深くて私の全てが欲しいんですね」


 ブラウド様はビクッと体を震わせた。


「ブラウド様、立って」


 ブラウド様は暫くフリーズするとゆっくり立ち上がってくれた。

 私はブラウド様に抱きついた。


「私だってブラウド様が他の女性と仲良くしてたら嫉妬します。私だってブラウド様を………ブラウドを独り占めしたいよ」

「!!」

「ブラウドは私のなんだからね!」

「は、はい」


 ブラウド様は大きな安堵の息をつき、抱きついている私を抱き締め返してくれた。


「ありがとうございます嫉妬してごめんなさい」

「無理矢理は駄目です」

「はい」

「私もごめんなさい」

「え?」

「この前ラブラちゃんとイチャイチャしちゃった」

「………どうやって?」

「今みたいに抱き締めあってみました」

「………キスして良いですか?」

「な、何で?」

「キスは婚約者の特権では?」

「……そうだけど………」

「拒否は認めない」


 ブラウド様はそう言うと私に優しいキスをした。

 

「ところで、今日は諜報部員が邪魔しないな?」

「私の秘密を教えるのはブラウド様だけですから、事前に下がらせました」

「なら、いくらでもキス出来るね」


 ブラウド様はそう言うと貪るようにキスを繰り返した。

 前世の私は知らない、男の人の欲望を感じながら今まで感じたこともないほどの幸せを感じているのをブラウド様は知らない。

 私はブラウド様にしがみつきながらそんなことを考えていた。



           END

 




 今まで私のつたない話にお付き合いくださりありがとうございました‼

 次の作品も早めに出せたら良いと思っています!

 これからも宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最高でした♡ 一気に読んじゃいました! 誰も不幸にならないストーリーも好きだし、主人公とヒロインとのやり取りも微笑ましく癒されました(*´ω`*) 皆がハッピーエンドで、それぞれの視点のお…
[良い点] さらっと読めて、みんなが幸せになる気持ちのいい展開で、楽しかったです。途中まで王子エンドなのかなと思っていましたが、そうくるかと感心して、そこからは登場人物が納得できるハッピーエンドに向か…
[一言] たまたま漫画を読んで、そのあと文庫本を読み、最後にこのサイトの連載も読ませていただきました!すごくおもしろかったです! 主人公が40歳という設定と最後のエロゲー転生者のオチが好きです笑 これ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ