表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

第一話 店探し

大学合格が決まった日、母が言った。

「今日はお祝いね。ランチ、お母さんがおごるわ」

 ググ男は嬉しくなった。


「本当!? じゃあ美味しい店探すよ!」

 すぐにスマホを取り出し、検索を始める。

「近所に高級寿司屋あるみたい」

「いいじゃない。今日くらい奮発しちゃう。予約してよ」


 母は笑っていた。 嬉しそうだった。

 だが、ググ男の指が止まる。


「あ、待って。この店、平日しかランチ価格じゃないみたい」


「じゃあ別のとこでいいわよ」


「待って、他も見る。……あ、この店レビュー低い。やめとこ」


 母は苦笑いを浮かべた。


「ここは? マグロが新鮮らしい」


「いいじゃない」


「あ、でもカウンターしかないなぁ。落ち着かないかも」


 検索は終わらない…。


「ここ高いな……。母さん払える?」


「今日は気にしなくていいって…。」


「でもコスパ悪いよ。あ、安い寿司ランチないからイタリアンも探すね」


 母は静かになった。

 ググ男だけが、スマホの画面を見続ける。

 十分後。


「……ググ男ちゃん」


「ん?」

「私もう、スシローでいいわ」

 その声は、少し疲れていた。

 母は寿司を食べたかったわけじゃない。

 ただ、合格した息子と笑ってご飯を食べたかっただけだった。

 ググ男、母の気持ちを検索できない。


 だから嫌われる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ