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第九話 連絡

「あら? ググ男さんから着信だわ」

 女性事務員は、寝る前にスマホを見た。

 時計は深夜〇時過ぎ。


「もう遅いし……明日連絡したらいいわよね」

 今日は疲れていた。

 そのまま布団へ入る。


 数分後。

 ブーブー。

 ブーブー。


「あら……?」

再びスマホが震える。

画面を見ると、ググ男から通知が大量に届いていた。


『メール送信しました』


『LINEも送ります』


『起きてます?』


「えっ、急用……?」

 慌ててLINEを開く。


『明日、お土産渡したいので出勤時間教えてください』


「……え?」


『大阪出張のお土産です』


『職場で渡すと荷物になるかと思いまして』


『ちなみに日持ちは十四日です』


『人気ランキング一位でした』


『レビュー4.6』


『行列四十分でした』

 女性事務員は苦笑いした。

 さらに通知が届く。


『要冷蔵なので保冷剤六時間対応です』


『受け取りタイミング相談したく』


『起きてます?』

 時計は深夜一時。

女性事務員は静かにスマホを伏せた。


 翌朝…。

「ごめんなさい、寝てました」


「あ、大丈夫です!」

 ググ男は爽やかだった。


「ちなみに、お土産の最適受け渡し時間も調べてきました」


「調べなくていいのよ、そこは……」

 ググ男は首を傾げる。

 相手に喜んでほしい。

 迷惑をかけたくない。

 その気持ちは本物だった。


でも時々“気遣い”は量を間違えると、ただの圧になる。


ググ男、親切の情報量が多すぎる。


 だから嫌われる。

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