第2話 綺麗な綺麗なヘーリオス
ディアヴォルは日光をもろに受けてしまった。吸血鬼が日光に当たってしまったら、死んでしまう。それは遺体も残らない。
(私は死んだと思った。ヘーリオスによって焼かれ死ぬのだと思った。日傘が燃やされて、日光が身体に当たった瞬間、目の前にニンゲンに殺されてしまった父と母が映った気がした。
あぁ………、私はここで死んでしまうんだ。そのまま塵も残らず焼かれてしまうんだ………。特に目立ったこともできなかったな。私が死んだらネルヴェルが悲しむだろうなぁ〜〜……。ハーヴェストがなんかやってくれるのかなぁ?……ごめんね…皆……………。)
「そう……思っていたのに…。」
「なっ何故…、!!?」
「「生きている(の)んだ!?!?」」
驚きを隠せない2人。ディアヴォルは吸血鬼であるのに、日光を浴びても死なない。それどころか!塵すらも出てきていない。ディアヴォルとんでもなく驚いた。
しかし、この状況になり男はかなりピンチと言える状況となった。
(なぜだ、外に出せばあの女は確実に死ぬと思っていたのに……!!くそ!!このままでは逃げられて俺の評判を落とすようなことをしたら、信頼は地に落ちてしまうじゃねぇか!!新魔王に立候補すんのに!)
男は汗をかく。外の気温が高いからではない、冷や汗をかいているのだ。そんな状況では頭なんて到底回らない。
「お、…俺は前魔王軍の幹部だぞ!!!!!『ドラゴンの貴公子 ウェルダン!!』お前よりも年上だ!!お前みたいなガキ如きに俺の信頼を下げられてたまるかぁ!!!」
こいつは短絡的な思考しかできず、目の前にいる吸血鬼をまた殺そうとした。
男「前は長く苦しませるために日傘だけ攻撃していたが、今度は全身を消し飛ばしてやるぜぇぇぇぇ!!」
そう言いながら男はまた口を大きくあけ、ファイアーボールをためた。
「や、やばい……逃げないと。」
ディアヴォルは逃げようとした。男がファイアーボールを溜めている間は大きく隙を晒す。間抜けに口を開きやがってね。吸血鬼の高いスピードにかかれば逃げることは容易であろう。
しかし、直ぐ側に帽子が飛んできた。男のファイアーボールの熱風でなびいてしまったのだろう。
「あ……帽子………。取らないと…いや…今は逃げ…」
彼女が帽子をみた瞬間、メイド長に言われたことを思い出す。
_______________________「お客様の帽子が風で飛んでいって外へ出てしまったのよ!屋根に引っかかってねぇ!だけと、この軟弱ものらが全然言うことを聞いてくれないのよ!」
「いいのね…。お願い。」
_______________________
『シュットヒュールルル〜〜〜〜〜〜〜』
何かが飛ぶ音がする。
「…………え?今私何を、…?」
"何故か"彼女は帽子をブーメランの要領で入り口まで飛ばしていた。メイド長命令を素直に聞き入れるように。
「はははは!!!何やってんだこいつ!!!!馬鹿な女だ!!死ねぇぇぇえっっっっ!」
ドガーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
「あ……………。」
後ろを振り返ってみたディアヴォルの目の前には業火が迫っていた、屋根を削り取りながらだ。それまるで地獄から来たかと思うほどの熱量を持ち、速度は鳶よりも速い。このままでは当たってしまう…………………。
(な、なんで私は…帽子なんかに…。構って…、。)
ディアヴォルはなぜ帽子を優先してしまったかを酷く後悔した。その時に聞こえたのは炎の轟音と、
コツコツと誰かが歩いている音であった。
「はーーい。ちょっと前失礼しまーーす。」
「な!!へぇ!?」
驚く彼女の視界は男から出る業火ではなく、一人の女性の後ろ姿へと変化した。
『自己防衛魔法』
がっちぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃん!
男の業火はなかったことのように一瞬で防がれた。一瞬の灯火といえるものであった。
とんでもない出来事に男はビックリ箱をあけた子供のようになった。
「なっ、なにぃ!?ど、どう言う事だ!!俺のファイアーボールは防いだだと!!?ふざけるな、俺のファイアーボールはこの150年間防いだ者がいない!!!」
足をジタバタさせながら言う。
「150年間で?防いだ者がいない?それじゃあ誇りにもならないよ。幹部なのにそんなことも分からないの?」
ある一人の少女は言う。
「な、なんだとぉ貴ィィィィ様………、あ、貴方は!!!」
突然、少女の顔を見た男は無礼な言い方を一瞬でやめた。そして…青ざめた。
「グッドモーニング〜〜〜〜〜。
私の名前はオーメエー。
肩書はぁ『名前のない大魔導者』だよぉ。」
「!!!あなたがオーメエー様!?……あ!私の投げた帽子!!じゃあこの帽子の主は………。」
どうやら、投げた帽子がオーメエーにキャッチされたようだ。
「勿論私のだよ。まあ、誰かさんが燃やそうとしていたけどね。」
それを言った後、彼女は男の目をみた。
「ひっ………、」
男は恐怖した。彼女の目である。口角は確実に笑っており、下部分だけ見たら親しみやすそうだが、まるでライオン……いや、それよりももっと恐ろしく生物に似たものだろう。そこには殺意しかなく、どう弁論したとしても助かる道はなさそうだ。
(嘘だろ…まさかオーメエー様が来るなどと思わなかった……!)
「あーあ。私の帽子じゃなかったら殺されなかったのにね。残念残念。」
オーメエーはまるで他人事のように喋る。言われている本人は死に迫っているのに。
「まままま、待ってくださいオーメエー様!!わざとじゃないんです!!だから命だけは!!!」
男は命乞いを始めた。先程ディアヴォルに向けた態度とは正反対であり、媚びたネズミのように見えた。
「あー無理ーぃ。私からしたらつらい過去とかお涙頂戴だとかどうでもいいから。あとこの帽子すごく大切なものなんだからね?」
(あの人が命乞いするなんて…。そんなに、この人は強いんだ…。)
命乞いを容赦なく切り捨てるオーメエー。そんなオーメエーの様子を見て、ディアヴォルは恐怖し、男は涙を流していた。しかし、そんな彼の表情とは裏腹に、ある部分は元気になっていた。
「って、わぁ、…///。」
ディアヴォルは頬を赤らめる。
「んーーー?あれぇ?めちゃくちゃ泣いているのに、あなたのアソコは元気じゃなーい!そういえば、男は死にそうになった時に陰茎が元気になったり、子孫を残そうとするって人間の本でよんだなぁ〜。」
オーメエーは楽しそうに知識をひけらかす。まるでゲームの攻略方を知った子供のように。
「あははは!おもしろーーーい!けど………………」
「気持ち悪い。」
先程の笑いがなかったことのようにオーメエーは真顔になった。男を殺すことへ切り替えたのだ。
男は………………
男「ぎゃああああ゙ああああああああああ゙あああああああああああああああああああああああああ゙あああああああああああああああああ゙ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
意訳(死にたくない)と必死に発狂した。
「うわぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!」
発狂した男は生にしがみつくために、ファイアーボールの準備をしている。有機酸素を操る暇もない。当たれば倒せるかもしれないが…無駄だ。
「さようなら、」
ジャッシュ!!ジャッシュ!ジャッシュ!ジャッシュジャッシュ!!!!
「ぐわぁお!……お?………………あ…………。」
彼女の後ろから大量の槍が飛びだし、男の身体を貫いた。頭を貫かれ、それから足、手までと攻撃された。貫かれたことを理解した瞬間男の意識は暗黒へと向かった。
敗因は恐怖である。
↓↙
男「…………………………。」
↑↖
あれほど叫んでいたのに、今じゃこんなにも静かだ。どうやら彼はただの肉塊となってしまったようだ。槍が花道のように生けられていた。
「はーあ、終わっっっった。やはり|ゴミ掃除《ムカつくやつを処すこと》は気持ちいいね。」
清々しい顔で彼女は言う。口角も再び上がった。それを見ていたディアヴォルはこう思った。
(こ、怖い…………。)と。
何を考えているのか変わらないその表情。快不快で平気で同族を殺すオーメエーに酷く恐怖をしていた。
「あ、そうだ。」
「ひっ、」
ディアヴォルはオーメエーの顔がこちらに向いたとき、不意に声が出た。言葉を間違えたら殺されそうな……そんな感じがする。
オーメエーは口を開いた。
「これ、君が探してくれてたんでしょ?」
彼女はかぶっていた帽子を指をさしながら言う。
「はっ、はい…。」
それに少し、言葉が詰まるディアヴォル。何を言われるか分からない……。
「あなた、すごいよ。」
意外。それは感謝であった。
「え、は、はい。」
感謝の言葉に少し動揺するディアヴォル。しかし、今メイドである以上純然たる態度をとる必要があると思い、返事をした。
「死にそうになっていたのに帽子だけは傷つかないように移動させて、あの男の火に当たらないようにした……。はっきり言ってあれは逃げておくべきだと思ったよ。でも…お客様のものだからとあなたは自分の命を捨てる勢いで…………ありがとうね。」
「いやぁ〜!?いえ!お客様のためならなんとかできますから!」
彼女の感謝でディアヴォルは嬉しそうであった。予想外であったが。
「や、やけにうれしそうだね…。まあいいや。
特に一番凄かったのが、吸血鬼が太陽を克服したなんてね。」
「え、太陽を克服………?」
「……………………あ!!私なんで太陽の下を歩けているの!?」
改めて太陽に焼かれてないことに気づいた。
「まあ驚くよね。」
「これは一体、何が起こっているのですか?」
彼女はオーメエーに質問をする。オーメエーはその問いに対して顎に手を当てて考えた。彼女は5秒程考えたが、きっぱりと分からないと口を開いた。
オーメエー「まあ、他の人には"自分が日光克服したこと知らせないで"ね。今は私パーティーを楽しみたいから、じゃあね。」
そういうと彼女はそっぽを向いて、窓を通って城へ入っていった。なぜ、知らせてはいけないのか。そのことで彼女を呼び止めようとしたが、その前に消えてしまった。
「なんだったんだろう…、あの方は。」
そう口した後ふと後ろを振り返った。
「………ああ、どうしようこの死体…?」
魔王軍元幹部だった何かがそこにはあったが、処理は後にした。メイド服の替えがないからだ。
-城の中-
メイド長「もしかしてあのオーメエー様の帽子取ってきてくれたの?」
窓から城の中へ戻ったディアヴォルは持ち場に戻る途中メイド長にとめられた。
「はい…一応…?」
取ったというか、投げたと言ったほうが正しいがまあ、そこは伏せておこうと彼女は思った。
「はぁ、でもよかったわ。吸血鬼が日光に当たってしまったら死んでしまうもの。」
「心配してくれるんですね。」
「いや?単純に人手が減るのは嫌だからよ?」
「聞いた私が馬鹿でした…。」
「それよりも、後もう少しで、魔王の立候補者の投票結果が出るわ。まだ締め切りには遠いからあなたも投票してみたら?」
「え、でも仕事が」
「もう交代の時間になるわ。休憩がてら行ってみなさい。」
「投票、ねぇ…。分かりました行ってきます。…、いや、そんなことより…!!」
彼女はその場を後にした。投票場所にいく…いや、その前にやることがある。
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「ごめん!!!!ハーヴェスト!!せっかく貰った傘、燃やされちゃった!!」
彼女は傘を無に返したことを謝罪しにいったのだ。
「も…もも!!燃やされたぁ!?ディアっち一体なにがあったの!!?」
驚きを隠せないハーヴェスト。燃やされたと聞けばだれでも驚く。
「えーーとね…、」
彼女は必死に弁明をした。その時間約3分。カップ麺が大体出来上がる時間だ。必死になって弁明するディアヴォルであるが、ハーヴェストはしっかりと話を聞いていた。
「え!!私に邪な感情で見てきた人に燃やされた!?で、オーメエー様に助けて貰ったと……。」
「そうだよぉ!せっかく貰ったのに………。ごめん…!」
ハーヴェストに申し訳なさそうに、そして悲しみを持って言う。しかし、ハーヴェストは傘のことなどどうでもよい。
「というか!!ディアっち火傷とかしてないよね!?頬は?目は?足は?腕は?傷付いてないよね!?」
ディアヴォルが無事かどうかが心配であったのだ。ハーヴェストはディアヴォルの身体をペタペタと触り火傷してないかを確認する。電気工事の点検をするかのように。
「ちょっちょっ!!?ハーヴェスト!??そんな触らなくても……!」
「触るよ!!!いや、触らせてよ!もし大切な友達に傷が付いていたら…私、わたし…。」
「…あ、!!」
ハーヴェストの光彩がに潤いに満ちているのに気づいた。友達があともう少しで死にかけたのだから。後もう少しで溢れそうな、あと何秒かで氾濫しそうな、そんな気がした。
「ハーヴェスト……。」
____氾濫させる訳にはいかない。
彼女は腕を回し、そっと抱き寄せた。
「ごめんね、ハーヴェスト。心配かけたよね。」
謝罪とあやしを合わせたような声色で囁く。この言葉がハーヴェストの鼓膜に到達したとき、彼女もまた口を開く。
「……もう、無茶はしないでね。」
二人はしゃがみながら抱きつき、互いの思いを伝え合った。
約1分はこの状態だったそうだ。
ディアヴォルはハーヴェストと別れた後、メイド長の言っていた『トーヒョー場所』?というところへ直行した。
-投票場所-
ここは投票場所。そこには沢山人がいて、我先に投票しようとごった返している。ディアヴォルたち魔族は民主主義を心掛けており、この頃のヨーロッパは絶対王政がほとんどなのに対しかなり革新的な社会体制であった。………、読者諸君は絶対王政は流石に分かるか?
だがしかし、それはあくまで投票だけの話だ。投票を勝ち取り、見事魔王に就任すれば自分の思うままに舵をとることができる。すべての決定権は魔王だ。
ディアヴォル「うわ〜〜…。人多いなぁ……まるで、ピクルスの瓶詰めみたい…。」
色とりどりの魔族が現代における休日のショッピングモールのようになっていた。選挙にここまで熱心になれるというのは素晴らしいことだ。
ディアヴォル(ん?あそこかな?)
執事「はーーい。順番通りに並んでください〜〜〜。…………順番通りに並んでください〜〜〜。………………、全く並んでくれない……。こいつら猿か?」
城の支配人「余計なこと言うな!!この!!ク◯舌がぁ!!」執事「あいて!」
城の支配人は約25フレームで執事の頭を殴った。
ディアヴォル(2人ともいくらなんでも言い方があるよね…?確かに並んでない人は多かったけども…。)
いくら熱心であってもルールは守らなければならない。それが社会にとって必要不可欠なものである。
折角だから次期魔王の投票方法を説明しよう。
・現代とは違い、紙に候補者を書いて箱にいれるのではなく、箱自体に投票者名が書いてあり投票用紙を好きな候補者の箱に入れる。
・投票は一人一票。
・投票用紙は自分の名前を書くこと。
・監視はされるが、どこに投票するのかは監視官に見られる。
という風になっているが、これを見てどう思う?
絶対に何処かでいざこざがありそうだろう?一人一票なのはいいとして、箱自体に候補者の名前書かれていたら丸分かりだし、不正も起こるだろう。まだ"完全には出来上がってはいない"、民主主義である。
ディアヴォル「ていうか、どのような候補者がいるか分からなければ、投票できないね。候補者は………………」
彼女は近くの壁に貼られてある、候補者の詳細について見る。
1 元魔王軍幹部『ドラゴンの貴公子 ウェルダン』
2 吸血鬼の王『ジャルコール=ブラッド』
3 元魔王軍中隊長 『聖なるトータス』
4 人類対策本部 本部長 『ルイジアナ』
5 オーク村 村長 『戦鎚のヴェール』
6 元魔王軍…………………………以下略
基本的にすべての候補者は前の魔王となんらかの関係がある。階級の差はあれど、魔王の意思を継ぎたいという純粋な気持ちで立候補したものもいれば、好き勝手したいという自分勝手なやつもいる。ウェルダンこそがその典型例だろう。まあ、あいつはオーメエーが花(剣)の台座替わりにしたが。候補者は10名程いるが…、彼女は誰を選ぶのだろうか?
ディアヴォル「……………よし。」
どうやらディアヴォルは投票する人が決まったそうだ。
『スッ………』
彼女は吸血鬼の王 ジャルコール=ブラッドに投票した。理由は単純、同じ吸血鬼だからだ。紙自体がどれだけのエネルギーを持つことは分からないが、一票に関してはみんなと同じ力である。
魔族「けっ、やっぱりあいつ吸血鬼のほうに入れやがったよ。」
魔族「内輪で囲みやがってよ…。」
(ひえっ…離れよ。)
投票を見ていた他の魔族は不満そうに彼女を見ている。彼女はその冬のよそ風のような冷たい目線に気付き、すぐその場を離れた。
しかし、投票は完了した。後は結果を待つのみである。
では、候補者の様子はどうなっているのだろうか?
* * * * * *
-候補者席-
「……遅い…!!遅いぞ……!!ウェルダンは何をやっている!?」
投票会場の候補者席に座っていた、聖なるトータスが口を開いた。
「まあまあ、トータスさん……
「私たちはここ三十分くらい椅子に座って待っているんだぞ!!?おかけで尻が斜め方向に割れそうだ!!私たちは椅子の上に置いてある漬物石ではないのだぞ!!!」
人間対策本部 本部長であるルイジアナが落ち着かせようとしたが、トータスは聞く耳を持たない。
なお、ルイジアナは眼鏡を掛けたいかにも研究者な見た目の女性である。服のスリットに尻尾が見えるのがチャームポイント。角が生えてる。
なにが『聖なる』なのか理解できないルイジアナ。お前がそんな状況なのは知らんと、他の候補者が口をパクパクと開く。トータス以外にもヴェールも次や次へと喋りだす。パーティー会場より静かであった候補者席はいずれ蛙の合唱かと思うくらい喧しくなったとき、ある一人の人物が口を開いた。
「やめなさい。」
白く長身で今の時代珍しい髪の長い男性、ジャルコールである。彼はその言葉を言った時、周りは静まり返った。それは夜のゴビ砂漠であった(行ったことはないが)。
彼は続けて言った。
ジャルコール「こんな喚くような姿なぞ、魔王様は望んではいない。私たちは魔王様の意思を継ぐためにここにいる、そうだろう?」
と。
ルイジアナ「彼の言う通りです。私は魔王様の役に立つため必死に人間の研究をしてきたんです。だから、皆さん。結果を黙って待ちましょう?」
ルイジアナは彼の言ったことに同調し、皆に伝えた。反応は皆納得しているようであった。
トータス「た、確かに、そうだ。あの方に顔向けできないな…。」
今まで喚いていたトータスは正しい論理を言われ、大人しく、2人の言うことに従った。人間の大人2人分くらい大きな身体は赤ん坊くらい縮まった(態度の話。身長は大人2人分のまま。)。
トータス「すいませんジャルコールさん…あと、ルイジアナの野郎。」
「ちょっと!??てか私野郎じゃないんですけど!!いくら立場がちょっと上だからといって!!」
トータス「知らねぇよ…。(お前の経歴とかまじで)」
薔薇の花の棘のような言い方に不服なルイジアナであった。
もう一方不服な彼もいた…。
ヴェール「………、ちっ…。」
ルイジアナ「でもまあ、確かにトータスさんの言った通り、遅いですね、ウェルダン様。なにかあったのでしょうか?」
ジャルコール「あいつは性格に難ありだか、時間は守るタイプだ。これはなにかおかしい。」
他の候補者「そうですよね……。」「そうだな。」
皆ウェルダンの到着の遅さに疑問を持っていた。
トータス「まさか、死んだんじゃないのか!!」
笑いながらトータスは答える。
ルイジアナ「まさか……、あの人は強いですよ。」
その時だった、こちらの方へ歩いてくる音がした。
ジャルコール「ん?ウェルダンか?」
少し小さな影がどんどん大きくなっていったように見える。しかし、それでもウェルダンの影にしては小さい。
トータス「遅いぞウェルダン、一体何をしてきっ………た」
文句言うためウェルダンの方へ行ったが、彼の言葉が詰まった。なぜか?そこにいたのはウェルダンではなかったからだ。
「残念!!ウェルダンではないよ〜!」
トータス「オーメエー……様?」
_______________________
ルイジアナ「なるほど…ウェルダン様は体調不良になって、帰ったと。」
オーメエー「そういうこと。ウェルダン君も少し、"人使い"が荒いよねぇ。私に頼みごとするなんて。」
トータス「"人"使い???」オーメエー「あはは…気にしないで、埒が明かない。」
トータス「オーメエー様ではなく、部下を使えばよかったのに、ウェルダンも失礼な奴だな。」
ウェルダンに不満を漏らしたトータス。その不満はもう届くことはないのに。
ルイジアナ「まあ、あの人悪い意味で適当ですからね。私には到底合いそうにない性格です。」
眼鏡を拭きながら答えるルイジアナ。拭いた眼鏡は角の上に乗せた。
オーメエー「いいのいいの。頼まれごとは得意だから。」
ジャルコール「……………。そうか分かった。それでは結果はこの面々で見よう。ありがとう大魔導者。」
オーメエー「お安い御用だよ。それじゃあ頑張ってねぇ〜。」
彼女は手を降ってその場を後にした。
トータス「オーメエー様は優しいな。階級が下のものでもちゃんと接してくれる。なぜ、立候補しなかったのだ?」
ルイジアナ「オーメエー様には好評なんですね。」
トータス「まあな。普通にいい"人"だし……ん?人?なぜ、魔族なのに…
ジャルコール「うるさい。」トータス「はい…。」
さあ、これから結果が発表される……。一体だれが魔王となるのか!!!!?
「なあ……」
「どうした?」
「魔族……
倒しにいかね?」
「…………。ああ、人類のために…ね。」




