第1話 え?これ私死ぬのでは?
修正してみました。
1501年から1600年のヨーロッパと思い浮かべて何を思うだろうか?
この時代は、特にエグい…?ヤバい…?まあ、とても変化が起こった時代であった。 ルネサンスがヨーロッパ中で始まったり……戦争が起こったり…………大航海時代が始まったり……あと、"疫病"も流行った☆
うん、悪いことが半分以上起こっている。まあ、この時代があったおかげで、今我らは普通に生きているのだと思う。
それで話は変わるが……、この時代に"魔族"がいた事はご存知だろうか?
知らない??そうだろう。教科書には書いてないもの。
まあいい、教えよう。この時代の魔族がどんな感じだったのかを……。
これはある魔族である、一人の吸血鬼の物語である……。
それではごゆっくり……………
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16世紀…ヨーロッパ
トントン………
「ねーーーえぇぇぇ。起きてよお姉ちゃん…。」
誰が箱を叩く。どうやらその箱には姉が入っているようだ。
「すぅ〜〜〜〜〜〜〜〜すぅ〜〜〜〜〜zzzz」
「おーーーーい。聞いてる〜〜???」
トントン……
「すぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜zzz」
姉を起こそうとしている妹の見た目は犬歯が発達しており、耳は尖っていて、肌は雪のように白い。
「……………はぁ………仕方ない、またあれをするか。」
彼女は息を吸った。それはもう全力で。
「すぅ………………………
お ね え ち や ん!!!!!!!!!!!!!起きてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇえぇえぇええぇえぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」(バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン)
「ぎぃやあああああああァアアァあああああああああ!!!!!!!
女らしからぬ(差別ではない。そもそもこの頃は差別は当たり前の時代だった、あくまでもその頃準拠)、されど甲高い声を出し、
女は棺桶の蓋をちゃぶ台返しの要領で吹き飛ばした。
「な、何ぃ!!」
「あ、起きた。《《こんばんは》》『ディアヴォル』お姉ちゃん。」
姉であるのはディアヴォルと言う名である。
ディアヴォル「ね〜〜え……………起こす時はもっと優しく起こしてっていったでしょう………!」
妹は姉を起こすため姉が入って寝ている棺桶に向かって、ドラムロールが如き連打をかましたのだ。
妹「ここ1年で10回目だよ、お姉ちゃん……。いつもはきちんと起きるのに、たまに起きなくなるんだから………なんか起きなくなる条件とかあるの?」
「うっっ…………うう、それはわからないけど………で、でも!流石にあの起こし方はなんとかならなかった訳ぇ……?」
姉は妹に頭の中から取ってつけた様な不満を垂れる。
「だって、こうもしないとお姉ちゃん起きないでしょ?だから、こうするしかなかったの。ていうか、起こして貰ったんだから、感謝の一つや二つぐらい、あってもいいんじゃない?」
彼女はがめつそうに、そしていじらしそうに言った。
「そ…、それは、ありがとうだけど………。」
姉であるディアヴォルは感謝をした。彼女は若干押しに弱い。怒っていたのにね。
妹は感謝を言われた後、自分を誇らしそうに言った。
「ふんっ、この可愛くて美しく可憐なこの『ネルヴェル』が10回も起こしてあげたんだよ?もっと褒めて。」
妹であるネルヴェルは更に賞賛を要求してきた。
押しに弱いディアヴォルはそれに応えようとする。
「あ〜〜〜〜、えーと……、あ、ありがとうございますネルヴェル様?貴方みたいな可愛い……えー妹に起こしてもらえて嬉しい……いや違うな(小声)、あ、光栄です!!」
ディアヴォルは無理やり賞賛を作るのは苦手である。
そのあり合わせのようなできの賞賛を聞き、妹は首を傾げた。
「ん〜〜なんかちがうなぁ…。なんで妹なのに様付けするの?後、可愛いのは分かっているから。」
ネルヴェルは少しナルシスト気味である。
「う、嘘はいって…ないよ?」
「知ってる。」
ネルヴェルもそうだがディアヴォルも相当な美形である。ネルヴェルはピンク色のサラサラしたボブカットで、目がジャパン製ののミカンのように色鮮やかなオレンジ色をしている。一方ネルヴェルは白髮で、目は赤く、とても綺麗だ。
ただ共通していることは、犬歯と耳である。前に申したように発達している。そして、肌も白い。まあ、褐色の吸血鬼なんぞいない。だってほとんどが白人だし、日光浴びたら死ぬのだから。
「あはは…そうだねぇ……。」
彼女のあまりにもナルシストな言動に少し、引き気味になるディアヴォル。しかし、実際美人であるため、言うことができない。
「まあ、いいや。次はちゃんとした賞賛ができるようにしてね。それより、仕事があるんじゃないの?急がないの?」
彼女は時計をさし、姉は矢印の方角を見る。どうやら仕事の時間だそうだ。人間はもうすでに、死んだように眠っている時間だというのに。
「あ!そうだ!こんな話をしている暇じゃないし、早く準備しないと。」 「こんな話って言うな!!」
しかしまだ服を着る、朝食(夕食)を食べるなどのことはできる。
ディアヴォルはすぐに服を着て、食卓へ着いた。
そんなディアヴォルだか、妹は彼女が着ている服を見て、思わず笑った。
「………ふふっ、」
わっはっはのような笑い方ではく、鼻で笑うような声を出した。
「ネ、……ネルヴェル。」
彼女は嘲笑った妹を見て、少しムカついた。そして少し恥ずかしそうだった。
ディアヴォルのそのような様子を見て、ネルヴェルは…
「だって……ふふ、その格好…………ふふふふふふ………。」
その笑い声にプチンときたのか、地団駄を踏みながら怒った。
「あああ!わ、悪いぃ!?メイド服で…今日はお偉いさんが来るからこの格好なの!!普段からは着ないよこんな服…。」
彼女が着ている服はメイド服であった。まあ、メイド服で常に外で歩けるやつなんて、メイド喫茶の店員か、時間を止める女か、サメ女ぐらいしかいなだろう。
「いやいや、似合って無いわけじゃないんだよ。むしろいい格好だと思うよ。お姉ちゃんがそんな服着るとは思わなかったからさぁ…。」
「ええ…似合ってる、?ならいいんだけど…。」
「というか、着てからいくんだそれ。」
「だっ、だ、大丈夫。汚さないから。ていうか……仕事場で着ると面倒くさいしぃ…。」
「そういう問題ぃ〜?なんか私立の保育士みたいじゃーん?」
「私立の保育士をなんだと思っているのですか???」
ネルヴェルは困惑するが、ディアヴォルは似合ってると褒められ少し赤面してしまう。それを隠すため、妹が作ったご飯を口に運ぶ。
「あ、これおいしい。これなに?」
「ああこれ?トーストに目玉焼き、そしてレタスと《《ニンゲン》》のロースハムを使った焼きサンドウィッチだよ。」
「ああ、だから美味しいんだ。何処で買ったの?」
「近所のお兄さんがやっている肉屋に売ってたの、だから買っちゃった。まあまあ安かったからね。」
「へぇ〜。なるほど…。」
ディアヴォルはその安さにほうほうと理解をしながら思う。
うんうん、美味しい。肉もそうだけど、久々にネルヴェルが作るからおいしいのかな?」
地味にディアヴォルは妹の料理を褒めている。
「えへへぇ、そうでしょう?だって、いつもはお姉ちゃんが美味しい料理作ってくれるからたまには私が料理作ってあげようと思ったの。」
どうやらいつもは姉が料理を作ってくれるそうだ。今日の姉は寝坊助であったからだ。
「いつかはお姉ちゃんを超えてやる!!」
ネルヴェルはすごい闘争心だ。後ろから炎が出てきそうなくらいだ。
「ふふっ…」
そんな姿に姉は心底嬉しそうだ。ナルシストな所があっても、そういうところは好きだ。
ディアヴォルは食事を終え、身支度をした。
玄関、ネルヴェルが見送りする。
「今日はいつ帰ってきそうなの?」
「うーーん。今日は1日中いないかな。」
それを聞き少し、悲しくなった妹。
「そっか…。気をつけてね。」
彼女は少し寂しいが、そんなことは姉には言えない。恥ずかしいからだ。
「ふふ、行ってきます。あ、そうだ。」
「ん?」
彼女はすでに後ろを向いていたが、ディアヴォルに呼び止められる。
「今日は本当にありがとうね。」
彼女はそう言い残し、満開の星空の外へ行った。
「…………、全くお姉ちゃんったら、。」
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先程満開の星空と言ってはいたが、ディアヴォルからはその満開の星空は見えない。木々が空を隠しているからだ。なぜそのようにしたか?それは日光から身を守るためである。そして、《《ニンゲン》》からにも。
「んー、遅れてないよね…?」
彼女は森の中を小走りになりながら、※懐中時計 を開く。森の中には街灯のようなものが辺りに展示しており、夜でも見えやすくなっている。吸血鬼を含む魔族、魔物たちは暗いところでも視える目をしているが、やはり明るいほうが見やすいから置いたのだ。
※懐中時計の歴史は、16世紀のヨーロッパにさかのぼる。この時期に作られた最初の懐中時計は、置き時計と腕時計の中間のサイズ感であり、衣服に固定や、首からチェーンでぶら下げたりして使用されていました。真鍮製の重い円筒形の懐中時計はニュルンベルグの卵とも呼ばれ、彫刻や装飾が施され、時針は1本だけであった。
出典:時計の基礎知識 懐中時計とは?高級感とカジュアルさが融合した新しいスタイル firekids-magazine
どうやら、まだ時間は10分ほどある。意外と準備に急ぐ必要は無かったと、ディアヴォルは心の中で思った。
「しかし、まあ、5分前にはちゃんと来ないとね…。同僚に迷惑かけちゃう。」
何事にも5分前行動が大切だと言うことは、ディアヴォルは知っている。(現代の旅客機に乗る時は、5分前行動ではだめ。15分は余裕を持つこと。私は乗る1時間前に気づいた。)
「ちょっとだけ、急ぎますかぁ。」
彼女は小走りをやめて、その場に立ち止まった。
「よっと……。」
彼女はその場でジャンプをし、近くの木のてっぺんへと着地した。
「うーーーん……。一発で着けるかなぁ??」
少し心配そうな独り言を漏らす。まず、軽く7メートルはある木の上に乗るなんて、とんでもない。これが《《吸血鬼》》だ。
そしてディアヴォルはそこから遠くにある、大きな城をみた。ここがディアヴォルが働いている場所だ。3ヶ月前に働いている場所だ。
「それじゃあ、いきますか。」
彼女は飛び降りた。しかし、ただ降りるわけではない。
シュット…と彼女は重力に逆らい、木に垂直になってみせた。例えるなら ト のような状態。そして、
『バチ!バチバチバチバチバチ!』
足に力を入れた。足はちょっと膨らむだけで変化は分かりづらいが、パワーはとんでもなく強く、木を粉砕するか如くヒビを入れ続けていた。木はまるでムチのようにしなっていて、粉砕する前に折れるかもしれなかった。
そして、
『バチ……………………………ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオーーーーーーーーーーン!!!!!!!!』
一旦静かになった思ったら、とんでもない速度で、ディアヴォルは飛んでいった。足の力と木の弾性力によるものだろう。その速度は時速約150キロメートル。日本の高速道路のどの車の法定速度よりも速い。
しかし、それでは城にはつかなかった。それなら…
「羽っ!!!!!!!!展ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ開!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
羽を開けばいい。ディアヴォルの背中にはまるで夜にも紛れないような真っ黒すぎる羽をしていた。現代風に言うと…ベンタブラックだろうか?
「いや〜〜〜〜夜風が気持ちいいい………。(大声出しちゃったけど…)これだから、飛行は止められないなぁ…………まあ、極力飛ぶなとは言われているけど……。」
吸血鬼は空をあまり飛ばない。吸血鬼の中には空を飛ぶための羽を退化させたものも存在している。
妹であるネルヴェルがその例だ。彼女は羽のかわりに、爪を魔法なしで出し入れできるように進化している。
では、なぜ空を飛べなくなったのだろうか?
それはまた今度……。
彼女は悠々自適に滑空し、あっという間に仕事場へついた。場所は門である。着いたと同時に彼女はポケットにしまってあった懐中時計を手にとって、時間を確認した。……………、どうやらあと8分で始まるそうだ。つまりディアヴォルが住む場所から2分でここに着いたと言う訳だ。計算すると5キロメートル離れていたのだろう。
-城前-
「いや〜間に合った間に合った。」
少し息が上がったが全然まだ体力は残っている。
それを見ていた門番は言った。
門番「おや、ディアヴォルちゃん〜。今日も早いねぇ。おや?その服!!メイド服!!?可愛いじゃぁーん。」
「あ、あまりジロジロは見ないでください…。可愛いと言われたことはうれしいですけど……。」
彼女は少し頬を赤らめる。
「あっはっはっっ!ごめんごめん。今日もお仕事頑張って!」
彼は彼女に激励の言葉を送った。
ディアヴォル「はい。ありがとうございます!」
彼女は安心し、城の中へ入っていった。
「お?ディアっちじゃん!こんばんは!」
何者かが彼女に話しかける。
「あ、ハーヴェスト!!こんばんは!」
ハーヴェスト「えへへ、今日は一番乗りなんだあ!」
この子はハーヴェスト、女性だ。髪は金髪でスケジュールをきちんと立てる子。この子も同じメイド服を着ている。この子は吸血鬼ではなく、サキュバスに近い種族だ。種族といっても、魔族であるなら、異なる種族であっても交配が可能である。種族が違っても交配が可能と言うのは何が変ではあるが、人間の白人、黒人、アジア人や犬のゴールデンレトリバー、ブルドッグなどの違いだ。
「あ!今日のディアっちの服、めっちゃイケてる!」
ディアヴォル「そ、それは嬉しいんだけども、ちょっと私には恥ずかしいかな…。」
ディアヴォルは顔が紅くなる。しかし、ハーヴェストは立て続けに言った。
「いやいや、私なんかよりも、ディアっちのほうが可愛いよ!!」
無論ハーヴェストもメイド服を着ている。それでもディアヴォルのほうがかわいいと言っている。
「えぇ!そっ、そうかな//。」
「うん!絶対そう!これなら仕事頑張れるよ!それじゃあ私、準備してくるねぇ。」
彼女はディアヴォルに手を振り、仕事の準備のために別れた。
「……………。よし、頑張ろう。」
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「皆さん。こんばんは。」
「「「「「「こんばんは。」」」」」」
朝の朝礼ならぬ、夜の夜礼。城の支配人は立て続けに話し続ける。
城の支配人(男性)「今回の仕事は私の城で、次期魔王候補らがお見えになられる。……、去年、人間の手により、魔王様がお亡くなりになった。」
去年の12 月24日、ある人間の賢者が魔王と戦い、その戦いで魔王が死亡してしまった。しかも、人間《《一人で…》》。
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その日の夕方のことである。
魔王「はぁ…はぁ…くそぉ………くそぉ………!」
膝をつき、息も絶え絶えの魔王。少しでも気を抜くと内臓が出そうで、口も足も腕も腹も背中もズタズタになっていた。それに対し、賢者は頬にかすり傷がついた程度しか傷ついてなく、ピンピンしていた。
賢者「はっ、甘かったな。種族の王にしても所詮は魔族か…。我ら人類に少しでも勝てるとでも思っていたのか?大人しく逃げて、隠居生活すればよかったのになぁ?」
薄ら笑いをする賢者。そんなことをするのは賢者ではないと、魔王は思ったが、そんなことを口走る余裕すらもない。
「まあ、例え隠居生活してもすぐに見つかるとは思うけどな、あはははは!!お前ら魔族は我ら人類には勝てないし、逃げられない。ここにいる奴らは全員地獄へ行った!」
魔王「くぅ………。このダボがぁ…!くそ…"呪って"やるぅ!」
まるでこの世の者とは思えないほど憎悪を見せる魔族の長。しかし、そんな憎悪もそよ風のように受け流されている。
「ダボで結構。お前たちは神様にでも相手してにいるつもりか?笑える。」
ゴミを見る……、いや害悪便所にいるGのような目で見下しながら、
立て続けに賢者は暴言を続ける。薄ら笑いを続けながら…。
「我らがダボなら貴様らは塵芥だ!!貴様らゴミどもに暴言を言う資格なぞ!!!ないんだよぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!」
「消し飛べ!!『BadFeeling!!!』」
その刹那………
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜いや!いやだ!!死にたく………ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!……………………………………………………………。」
賢者はなんらかの力を使ったその瞬間、魔王は苦しみ事切れた。残っていたのは一部塵とかした肉体と、血液だけだ。
こんな結果は愚かであろう…。
「ふん…雑魚が。貴様らなんぞに遅れなんてとるか。
じゃあーーな。"元"魔王。」
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「それから、あまり次期魔王は現れなかったが、今回新たな候補者らが来たんだ。前魔王の幹部であった者や、種族の長も参加する。だから、成功させるように!」
「「「「「はい!!承知いたしました!」」」」」
「よし、それじゃあ取り掛かれ。」
皆が割り箸のようにばらけた。
(緊張するなぁ……。)
彼女は承知しましたと大声を出したのはいいが、いまいちとても緊張している。
「でも…、頑張るぞ…。あ、ハーヴェスト。」
彼女は近くにいるハーヴェストに声を掛けた。
「あのね、
「一緒に準備しようでしょ!?やろうよ!」
魚が餌を食い入るように話したハーヴェスト。それを見て、ディアヴォルは嬉しそうであった。
「話が早くて助かるよ!」
持つべきは友である。
彼女らは一緒に準備をした。料理の下準備、掃除をする、メイン会場を飾りをするなどして…ね。
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準備をするにつれ、日光が照ってきた。あらかじめカーテンをしているため、日光を遮っている。
「気をつけて、ディアっちは吸血鬼だから日光当たったら死んじゃうからね。」
ハーヴェストはお天道様から庇うようにして言った。
「うん、分かった。」
「一応これあげるね。」
彼女はディアヴォルを気づかい、日傘を渡した。
「ありがとう……。(これで防げるのかな?)」
日傘で日光に当たらないようにできるかは不安だが、もらったことは嬉しい、ディアヴォルであった。
「………、いや待って、日傘持ちながら接客できなくない?」
「あ!そうだった!てへへ、」
「もーハーヴェストぉ〜〜。」
2人が談笑を続けていた時、ついに1人目のお客様が入ってきた。
執事「ようこそお越しくださいました。こちらへどうぞ。」
同僚である執事はその《《お客様》》をメイン会場へ案内した。そのお客様は確実にただならぬ空気を感じた。背は低くく、小学6年生くらいであり、耳はディアヴォルより尖っており、髪は闇に紛れられる黒色。しかし、目は薄いピンクとなっている。ピンクと言えども優しい色ではない。尻尾は少なくとも1メートルはありそうだ。そして、きれいな布でできた帽子を手に持っていた。
「ねぇ、あの方って……どなたなの?」
「えぇ?ディアっち知らないの?あのかたはオーメエー様だよ。」
「オーメエー様?」
ディアヴォルは生まれでは間もなく、偉い魔族のことに関してはさっぱりである。
「『名前のない大魔導者』と呼ばれているんだよ。」
名前のない大魔導者………。
「へぇー、………………名前あるじゃん。」
「それは言わないで。」
「なぜ、そんな肩書なんだろう?」
彼女はハーヴェストに疑問を投げかける。
ハーヴェスト「うーん。分かんないな…。」
ハーヴェストも首を傾げる。
「そっか。」
「「そうだよ。」」
「………へへ。」
謎の笑いが込み上がった2人。
それから本格的に次期魔王候補らのパーティーが始まった。
あくまで、本格的な候補を決めるのではない。あくまで懇親会という定でやっている。その時に自分にお膳立てしてくれだとか、媚を売るとかをし、票を増やすのだ。この時代のヨーロッパは絶対王政が多く、民主主義的なこれはかなり珍しかった。
パーティーには吸血鬼以外にもゴブリン、悪魔、狼男、ドラゴンなど様々だった。人間に近い容姿をしているものもいれば、かけ離れた姿をしている者もいる。まさに十人十色………十魔十色だな。
一方女2人組は接客をしていた。
「はい、スパークリングワインでよろしいですか?かしこまりました。こちらをどうぞ。」
「ありがとね、お嬢ちゃん。」
悪魔の男は礼をいい、別の場所へいった。
「ふぅ……。ちょっとこんなに人がいたら疲れるな…。てか、この服本当に変ではないよね…?って、あれ?ハーヴェスト?」
ハーヴェストの方を見た。どうやら困っていそうだ。
「いい身体してるじゃねぇかサキュバスのお姉ちゃん!どうだ?今日、少し…
「申し訳ございません。そのようなことは固く禁じられております。」(サキュバスだからと言って軽い女として見られているじゃん……、流石に気持ちが悪い…。)
「ええ!いいじゃねぇか!?俺のアレはすごく…
「申し訳ありませんが、そうのような行動は退出対象になられますので…。何卒ご容赦を…。」
彼女はディアヴォルは絡まれている男に果敢に挑んだ。男はドラゴンの様な見た目をしている。
男「……ちぃ、わーたよ。」
男は大人しくそっぽを向き、その場から離れた。
「……ごめんね。ディアっち、わざわざ。」
「いいのいいの!困ったときはお互い様!頼ったり、頼られたりしてもいいの!」
彼女は屈託のない笑顔を向けた。それは太陽のようであった。
「……ありがとうね。」
彼女は心底嬉しそうに、感謝の言葉を吐いた。
すると何やら遠くで話し声が聞こえた。上からだ。
メイド長「ごめん!あれ取ってきてくれる!?」
「え!!でも日光の外ですよ!!」
「なにか声がする…。」
「なんだろ……?」
2人は疑問に思う。
「少し、様子を見に行って来る。」
「分かったー。じゃあここは任せてねぇ。」
「ありがとう!」
ディアヴォルはハーヴェストに持ち場を任せ、上の階へと向かった。
男「………………。」
「……………………。」
怪しい目線があることも知らずに。
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「どうしたのですか?」
彼女は持ち前の足ですぐに着いた。そこでは執事とメイドかごちゃごちゃと喋っていた。
メイド長「お客様の帽子が風で飛んでいって外へ出てしまったのよ!屋根に引っかかってねぇ!だけと、この軟弱ものらが全然言うことを聞いてくれないのよ!」
「だって、日光には流石に怖いし…」
「死ぬかもしれないから……。」
「メイド長がいってくれよ……。」
「私も吸血鬼だから外にでれないの!あーどうにもこうにも…なんで大半が吸血鬼なのよ!!」
なぜか?それは吸血鬼は顔は一般的に顔受けしやすいからである。雪のような白い肌に、老いない身体、接客には理想的だろう。
このような状況なら、吸血鬼でないものが行くべきである。
「それでは、ハーヴェストに……って…」
ディアヴォルはハーヴェストの元へ行ったが、そこには忙しく働く姿のハーヴェストがいた。はっきりいって話しかけられるタイミングが見当たらない。
(これじゃあ話しかけられないな…。仕方ない。)
ディアヴォルはハーヴェストから貰った日傘を持った。
「私が取っていきます!!」
「え?いいの?」
一人の執事が驚愕したようにいった。しかし、いまはそんなことはどうでもよい。
メイド長「いいのね…。お願い。」
メイド長は素直に彼女にお願いした。
ディアヴォル「任せてください。」
彼女は日傘を開いて外へ出ていった。
男「…………ちぃ。」
「……………………。フフフ。」
どうやら影は二つあるそうだ。
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「帽子……帽子……どこだろ?」
日光が照りしきり、地面も屋根のでこぼこで不安定ななか、客の帽子を探す。
なるべく早く見つけたい。いくら日傘とは言え、ずっと100パーセント日光を遮られるとは思えない。
「あ゙〜〜〜〜〜〜あづぃ!!」
今日は少し温度が高かった。汗をかきながら、帽子を探す。
「あ!あったぁ!」
彼女は帽子を見つけた。
「って……え?」
帽子以外も見つけてしまった。
「…………………。」
「あ、貴方は……!」
そう、ドラゴンの男である。
「な、なぜこんな所に…。」
「お前を殺すためだよ!!」
男は急に激高した。頭に血が上り、真っ赤に腫れるように。
「お前を殺すために先回りしたんだよ!!"立候補者"の俺に泥を塗りやがって!!」
とんでもない言いがかりだ。それを言われ彼女も勿論反論する。
「あ、あれは!貴方が私の仕事仲間に下の世話をしろと言ったのが悪いのでしょう!!」
「うるせぇ!!お前はどうせここで死ぬんだ!!本当はそのうるせぇ口もブツで塞ぎたかったが!もうどうでもいい!お前はここで死んでもらうぜ!」
男は口から火をためた。ドラゴンだからだ。
「死ねぇ!」
「やばい!!!」フュン!
ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンン!!!!
魔法名 _有機酸素を出す魔法_
『口から炎を出す魔法。炎を出す際、周りの酸素濃度をあらかじめ設定し、発火させる。』
なお酸素濃度を設定を誤るととんでもないことになる。呼吸に支障がでます。
男の出したファイアーボールはディアヴォルの頭上を掠めた。しかし、それが狙いだった!
「あああ!!傘がぁ!!」
最初から日傘狙いだったのだ。
「はははははっっっっっっっっっっっはひぃぃぃぃぃぃぃっっっっひひひ!!!!これが天罰だ!!日光で焼かれて消えろ!!」
「うわ〜〜〜〜〜〜ぁぁぁあ!!!!!!!!!!!………………あ?あああ?え?」
なにかおかしいことが起こった。
男「おい、嘘だろ嘘だろ!!??なんで!!!なんで生きているんだぁ!!!?」
ディアヴォル「え…、ええ!!?」
2人とも混乱した。
いったいどうなっているのだろうか?
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