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妄想犯行計画 未来を掴む推理ゲーム  作者: 魔与音・庵
第5章 森咲杜鷹と雪護喜冬と第2の妄想犯行
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#26 第2の妄想犯行 探索篇 Part.4

探索篇の最終パートです。

【202X 1月1X PM13:00】

【ほこやぎビル 4階 空き会議室】

【残解決時間 141時間】


 ほこやぎビル4階の空き会議室で、テーブルの角に設置されていた無線接続型のスピーカーを発見した、僕と雪護喜冬さんは、すぐに八色警視と明堂警部を報告して、八色さんと明堂さんがスピーカーの情報を関係者への聴取に向かってから、4時間が過ぎようとしていた。



「森咲君、鑑識さんがあのスピーカーを見落としたのはなんでかな?」

「雪護さん、僕は鑑識じゃないから分からないけど――」

「今回の事件とスピーカーが無関係だと判断したからじゃないかな?」

「でも金餅邸の事件の時も……どうぞ調べてくださいと言わんばかりの――」

「網膜認識搭載の近未来換気システムがトリックの鍵だったから――」

「あのスピーカーも全くの無関係ではないと思うんだよ」



 妄想犯行計画の暴かれる側のプレイヤーであるあの子は、現実技術ではほぼ再現不可能なギミックと仮想空間という特異な環境を利用して、計算された計画的犯行のトリックを暴かれバージョンの妄想犯行計画で、トリックを組み立てているのは、匂いの妄想犯行を暴いた時に僕自身が実感したことだ。



「トリックに繋がる鍵がもう1つか2つあれば――」

「この転落事件は暴けるはず……」

「山北さんをあの窓から転落させるトリック……」

「雪護さんはどう考えてる?」

「ゴーグル……コイン……スピーカー………………」

「雪護さん?」

「ごめんなさい、私が犯人だったらと考えてたらどうしてたかな?……なんて考えてた――」

「森咲君、山北さんを転落させた人が――」

「東川さんを陥れる為に幸せコインをトリックに使ってたら1枚だと足りないと私は考えるけど……どう?」

「……1枚だと足りない、そうかあの手だ!」

「暗刺のトリックの犯人、東川さんが探していた鈴のついた鍵と赤葉が出した鍵だ!」

「しっ!だから森咲君、声が大きい!誰かに聞かれたらどうするの?――」

「私達の秘密が、ほこやぎ町の誰かにバレて、杜鷹君がゲームオーバーになってしまったら、私も杜鷹君のあの未来と同じ未来が確定する……だからもう少し考えて欲しい……」



 確かに喜冬さんの言う通りだ。

 例えこの世界が、萬屋赤葉の事件帳の世界をアニメテイストと五感再現と僕の想いを刻想器だった小蒼ちゃんが、再構築した世界であっても僕と喜冬さんが現実の人間である事には変わりはない。

 あくまで僕たちは、ほこやぎ町の僕たちの身体へメガネ型ゴーグルを通して、五感転送した状態で存在してるだけであって、本当の住人ではない……だから僕は浮かれてはいけない……気をつけないとな。



「ごめん、つい……気をつけるよ、雪護さん」

「うん、私も言い過ぎたね、ごめんね」

「謝ることはないよ、雪護さん」


 よし!切り替えて行こう!

 喜冬さんが言っていた、コインが足りない……コインが足りない、東蔵さんを犯人と名指しした時に見せた鈴のついた鍵……鈴のついた鍵……

 今回の転落事件の幸せコイン……外れないゴーグル……小型スピーカー……山北さんが座っていたテーブルの椅子の場所。

 空き会議室にいたマウントタイプの山北さんを警戒させず、ゴーグルを装着する方法……幸せのコインとスピーカー……ダメだ、線が繋がらない!


 ――僕が明堂さんに聞いてない事は…………



 バン!



 喜冬さんの話を聞いた僕が、色々と考えながら会議室内をぐるぐる歩いていると、会議室内に置かれた縦長のロッカーにぶつかった。


「イッタ!ロッカー?……」

「あっ!大丈夫?森咲君……気をつけてね」

「ありがとう雪護さん……でも一瞬、何か聞こえなかった?」

「え?何も聞こえなかったよ……」

「そう?このロッカーも鑑識さんは調べたのかな?」

「3時間前、森咲君と明堂警部が空き会議室を一緒に調べてた時、八色警視にどこまで調べたのか聞いてみたんだ」

「八色さんは何か言ってた?」

「えーと、ロッカーは備品ロッカーと清掃道具ロッカーで、事件に関係する物は無かったと報告を受けていると言ってたよ」

「そうか……ありがとう……でも何かあるかもだから僕は中を開けて見るよ……」


 僕がロッカーにぶつかった時に聞こえた音の正体を確かめる為。

2つのロッカーを僕は調べた……

確かに今回の事件に関係する物はないと八色警視へ報告した鑑識さんが言うのも確かだった。

 でもよく探してみたら確かにあった……僕が聞いた音の正体がそこにあったのだ。


「雪護さん、あったよ……転落事件と線を繋ぐ鍵」

「えっ?何?……これ、これだよ、森咲君」



 僕と喜冬さんが見つけたある物を指紋がつかない様に白い手袋を嵌め、明堂さんに渡す為、ビニール袋に入れた。

 あとは八色さんにある事をお願いすれば、犯人はある行動を恐らくするだろう……

 僕がそう考えていると八色さんと明堂さんが戻って来た。


「森咲、例のスピーカーだがな……情報管理部で確認した結果、あれはほこやぎ商事が用意したスピーカー内臓型のテーブルで、大人数の会議でも無い限り、使うことは無いそうだ」

「それと……あのスピーカーを利用した場合、情報管理部でペアリング履歴は残る様になってる」

「あと、ほこやぎ商事は社内用スマホを全社員に支給していて、ガイシャが転落した時間付近にペアリングした履歴が無いか、今、確認してもらっている」

「明堂さん、繋がる点が1つ増えました、ありがとうございます」

「礼は事件が解決してからだ、森咲」

「はい、では次に僕が会議室を調べて分かった情報を共有します…………」



 会議室にあるロッカーにあった、それの情報を僕は、2人に共有した。


「つまり杜鷹君……それが確たる証拠?」

「はい、今回の事件を起こした人物は必ずそれを持っているはずです――」

「明堂さん、それの情報を確認するのはどれぐらいかかりますか?」

「そんなに時間はかからないが……森咲、それがななんだ?」

「明堂さんへの答えは、その状況になったこの会議室でお話します――」

「今回はこの空き会議室で、その人物を待つ必要があるからです」

「そう……でも杜鷹君、失敗は許されないわよ、いいわね?」

「はい!……あと僕たちが昨日、ビル裏に向かおうとした時のビル周辺に設置された防犯カメラの確認もお願いします!」

「了解、分かったわ……明堂君、よろしく」

「承知しました、萬屋警視!」



 この第2の妄想犯行である暗落の妄想犯行は、匂いの妄想犯行以上に計画的な犯行だった。

 しかも1人の人物に対して、誰でも殺める可能性を持っている事件だ。

 でもだからと言って、計算された犯行計画を立てるあの子が妄想犯行計画に対して、何を思っているのかは僕は分からない……

 僕はあの子ではない、喜冬さんもあの子ではない、だからあの子が誰なのか?は暴かれる側のあの子が用意した、妄想犯行計画を暴いていく事でしか、僕たちは、あの子に辿り着く事ができない。

 でも今、僕の瞳が映す目の前の今は、ほこやぎ町。

 だから僕はサラリーマンではなく……仮想の五感探偵、森咲杜鷹としてこの事件を暴く!


 僕たちのハッピーエンドの未来を掴む為に!


 #26 第2の妄想犯行 探索篇 Part 4 完

 #27 第2の妄想犯行 解決篇 Part 1へつづく!


最後までお読みいただきありがとうございました!

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