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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第2章 コスモス ── ふと、重なる気持ち
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第9話「また笑ってくれた」

「社食で優勝」――その言葉の裏に、二人の距離がまた少し近づく予感がして。

「社食で優勝は笑いましたw たしかに、あれは無敵です」


あのリプライを見てから数日。

結衣は毎晩、その一言を思い出しては、ふわりと頬をゆるめていた。


今日も涼也がXに何か投稿していた。

レシピ動画に、さりげない日常の一コマ、そして……結衣へのさりげない返信。


《……僕もあれ何度か作りましたけど、実際ほんとに優勝でした》


なんでもない一言なのに、たまらなく嬉しい。

会話が続いていく。それだけで、胸の奥がじんわりとあたたかくなっていく。


《実は今日、また社食で食べちゃいました 笑

あれ以来、定食の日を密かにチェックしてますw》


「送信」


スマホを置いた結衣は、ちょっとそわそわしながら画面を眺めた。

すると――通知。

涼也からの返信だった。


《なんと……!社食マスターですね 笑

いつか感想レポート聞きたいかもです》


結衣の指が止まる。

その「いつか」に、少しだけドキッとした。


「いつか……って、なに?」


〈……会いたいって、思ってくれてるのかな〉


早とちりかもしれない。

でも、言葉の端々からにじむ優しさに、どうしても期待してしまう。

“他の誰かにも、同じように返信しているかもしれない”――

そんな不安がふっとよぎっても、今は このやりとりを信じたかった。


《じゃあ、社食マニアとしてお話できるようにネタ集めておきます 笑》


送信してすぐ、また通知が届く。


《楽しみにしてます》


たったそれだけなのに、今日一日分の幸せをもらった気がした。

どうして彼の言葉は、こんなにも優しく響くんだろう。


画面をそっと伏せて、結衣は小さく笑った。

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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