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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第8章 ヒマワリ ── あなたを見つめてる
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第46話「一歩、休む勇気」

穏やかな日常の中に、そっと寄り添う言葉があります。

心に届くやりとりが、少しずつ心を軽くしていきます。

結衣はリビングでパソコンに向かい、仕事に追われていた。集中しようとしても、思考がうまく働かない。

カチカチとタイピングしていた指が止まり、深いため息が漏れた。


「もう…限界かな、頭が働かない」


そのとき、スマホが震えた。画面には“涼ちゃん”の名前が表示されている。


涼也からのメッセージが届いていた。


「結衣ちゃん、今日は どんな感じ? 少しでも無理してるんじゃないかと思って、心配してるよ」


ふっと力が抜ける。

その優しい言葉に、胸の奥が じんわりとあたたかくなった。


「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけ。でも、頑張らなきゃって思ってる」


すぐに返ってきたメッセージ。


「無理しないでね。結衣ちゃんが元気じゃないと、俺も心配だよ。体調の方がずっと大事だから」


画面を見つめたまま、結衣は指を止める。

言葉が胸に響いて、何かが ほどけていく気がした。


「でも…休んでいいのかな。私ばっかり頼って、涼ちゃんに迷惑かけてる気がして」


「結衣ちゃん、迷惑なんて思ったことないよ。結衣ちゃんが疲れているなら、今度は俺が支える番だと思うんだ」


「逃げじゃないよ。俺がそうしたいんだから。時間ができたら学ぶこともできるし、好きなことだけやってもいい。俺は結衣ちゃんの笑顔さえ見られれば、それで十分なんだよ」


結衣の目に、じわりと涙がにじんだ。

誰かにそう言ってもらえることが、こんなにも心を軽くするなんて——。


「涼ちゃん…ありがとう。私、少しだけ休んでみるね」


「それでいいんだよ。休むことに後ろめたさなんて感じなくていいよ。結衣ちゃんが笑顔でいてくれることが、一番大切だから」


「もしお金の心配が出てきたら、俺が支えるから! 遠慮しないで何でも言ってね」


その言葉に、結衣は自然と笑みをこぼす。

少しずつ、涼也に寄りかかってもいいのかもしれない。

そう思えたとき、張りつめていた心がふわっとほどけていった。

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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