第45話「二人ご飯」
週末のあたたかなひととき。
二人だけの食卓に、やさしい気持ちが広がります。
結衣の手作り弁当を一緒に食べた後、しばらくのんびり過ごしていた。
(今から俺が作る番だから)
「あれ、なんだかいい匂い……」
キッチンを覗くと、涼也がエプロン姿で料理をしていた。
「わー、本当に作ってる! 嘘じゃなかったんだね?」
「嘘ついたことある?」
涼也はエプロン姿で振り返る。
慣れた手つきでフライパンをあおるその姿に、思わず見とれてしまう。
「……かっこいい」
ぽつりと漏れた結衣の言葉に、涼也は少し照れくさそうに笑った。
「大人気の料理研究家の手料理を、私だけが食べられるなんて……贅沢だなぁ」
「俺もだよ。結衣ちゃんの手料理ひとりじめできたし。……なんか、ちょっと照れるね」
涼也が目を細めると、結衣もつられて笑う。
テーブルに並んだ料理は、どれも彩り豊かで美味しそうだった。
二人で「いただきます」と手を合わせると、食卓に温かい空気が広がる。
「……どう? 味、大丈夫?」
「うん! すっごく美味しい! このスープ、私の好きな味!」
「よかった。結衣ちゃんが喜んでくれるなら、また作りたくなる」
そんな涼也の言葉に、結衣の胸がじんと熱くなった。
どんな日でも、こうして笑い合える時間があるだけで、全部乗り越えられる気がした。
「ありがとう。……ねえ、次は一緒に作ろう?」
「うん。二人で作ったら、もっと美味しくなるかもね」
笑い合う二人の姿は、どこまでも穏やかで、どこまでも優しかった。
食事を終えた後、涼也は ふと考えたように結衣に向かって言う。
「結衣ちゃん、今日は来てくれて本当にありがとう。すごく疲れてたのに、こんなふうに二人で過ごせて、すごく幸せだよ」
結衣は、少し照れくさそうに微笑みながら答える。
「私も幸せだよ。涼ちゃんと一緒にいられることが、何より嬉しいんだから」
涼也は結衣の言葉に心が温かくなるのを感じ、そっと彼女の手を取った。
「結衣ちゃん、これからもずっと一緒にいようね」
結衣は優しく涼也の手を握り返す。
「うん、ずっと。涼ちゃんとなら、何があっても乗り越えられる気がする」
その言葉に、涼也の胸がじんと締めつけられるような思いが込み上げた。
「……ありがとう、結衣ちゃん」
二人は また微笑み合い、穏やかな時間が流れていった。
今回は、涼也が料理する回でした。
結衣がひとりじめしたいって言っていた手料理、やっと実現しましたね(32話のやりとりを思い出してもらえると嬉しいです)♪
二人だけの穏やかな時間が、これからも少しずつ積み重なっていきますように。
お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!




