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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第5章 ネモフィラ ── 君を見守っている
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第29話「一緒に、ずっと。」

バレンタインの日、二人の気持ちが交わる瞬間。

小さな贈り物が、二人の絆をさらに強くする。

これから先も、ずっと一緒に――。

バレンタインの日。

結衣は、涼也に渡すために選んだプレゼントを手に取った。

チョコレートを渡すのも定番すぎる気がして、少し違うものを贈りたいと思った。

バレンタインだからこそ、ちょっと特別なものを——そんな気持ちで選んだ。


「……これ、ネクタイ。涼ちゃんに似合うと思うから、選んでみたんだ」


涼也は、少し驚いた顔をしながらも、嬉しそうに微笑んだ。


「ありがとう。こういうの、もらうの初めてだな」


結衣は照れくさそうに笑って、涼也の顔を見た。


「あえてチョコじゃないものを贈りたくて、これにしたんだ」


「嬉しいよ、結衣ちゃん。実は、俺も結衣ちゃんにプレゼントがあるんだ」


涼也は、結衣にキーケースを渡す。


「えっ、これ、すごく素敵!ありがとう」


「チョコじゃないけど……バレンタインに“逆チョコ”みたいなことするの、俺、初めてなんだ」


「私も……バレンタインに男性からプレゼントもらうの、初めてだよ。しかも、それが涼ちゃんって、幸せすぎる……!」


「結衣ちゃんとお揃いにしたくて、選んだんだ」


結衣はキーケースを大事そうに手に取った。


「これ、すごく大事にするよ。ありがとう」


ふと何かに気づいたように、結衣が目を丸くした。


「……あっ! これって、ホワイトデーのお返しも兼ねてるってこと?」


涼也は少し戸惑ったように笑った。


「え?いや、それは それで、ホワイトデーには ちゃんと渡すつもりだよ?」


すると結衣は、思わずぷくっと頬をふくらませた。


「ダメだよ、それじゃ意味ないもんっ!」


「え、意味ない……?」


「これが“ホワイトデーのお返し”ってことにしないと、今の感動が薄れちゃうの!もう、ほんとに特別だったんだから!」


涼也は苦笑しながらも、そんな結衣の真っ直ぐな想いが嬉しくて、やさしくうなずいた。


「……わかった。じゃあ、これはホワイトデーのお返しってことで」


「うんっ!」


——ほんとは、ホワイトデーとか関係なく、

結衣ちゃんには これからも、たくさんプレゼントしたいって思ってる。

そう思わせてくれるほど、彼女の笑顔は、何よりのご褒美だった。


――そして、日常に戻り二人は、お互いに見つめ合う。


結衣は、涼也と一緒にいることで、もっと深く心が温かくなるのを感じた。

涼也も、結衣の笑顔を見ていると、自分の気持ちがどんどん強くなるのを感じていた。


この先、どんな日々が待っていても、二人なら乗り越えられる。


だって、今、こうして一緒にいられることが、何より幸せだから。


「ねぇ、涼ちゃん。これからも、ずっと一緒だよね?」


「もちろん。ずっと、結衣ちゃんと一緒に」


彼の言葉を聞いて、結衣の心は もっと温かくなる。

未来に向けて、二人の絆は さらに深まっていく。

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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