第21話「ちゃんと言葉にするよ」
気づいてると思う――でも、それだけじゃ足りない。
“ちゃんと言葉にする”って勇気がいるけど、大事なこと。
照れくさくて、でも まっすぐに伝えた言葉は、あたたかい記憶になって残っていく。
今夜、二人の心が一つになる瞬間です。
※クリスマス3部作(3/3)
クリスマスの夜も、もうすぐ終わろうとしていた。
けれど、心の中には まだ伝えきれていない想いが残っている。
涼也は、まっすぐ結衣を見つめた。
「……ちゃんと言葉にした方がいいよな。想ってるだけじゃ、伝わらないもんな」
結衣は、息をのむように涼也の目を見つめ返した。
「涼ちゃん……?」
涼也は、少し緊張したように言葉をつなげる。
「結衣ちゃん。俺と付き合ってください」
その一言は、真っ直ぐで、まるで祈るようだった。
結衣は驚きと嬉しさが混ざったような表情で、ふわっと笑って、目に涙を浮かべる。
「……はい、喜んで!」
静かに顔を見合わせて、照れくさそうに笑い合う二人。
「やっと言えた」
結衣は、少しうつむきながら、ぽつりと口を開いた。
「……自分から言う勇気、なくて……待っちゃってたの。ほんとは、ずっと言ってほしかったから、祈りが通じたみたいで物凄く嬉しかった♪」
涼也も、ふっと安堵したように笑う。
「ごめんね、遅くなって。断られたら どうしようって、正直不安だったから……両想いってわかって安心した」
結衣は、そっと笑った後、頭を下げた。
「涼ちゃん、ありがとう。そして……これからよろしくお願いします」
「こちらこそ」
結衣は、少し照れながら涼也の袖をつまんだ。
その仕草は、まるで そっと心を寄せるような、控えめなぬくもりだった。
涼也は、そんな結衣の横顔に目を落とし、優しい声で問いかける。
「……寒くない?」
結衣は小さく首を振って、ふわっと微笑んだ。
「ううん。なんか今、すごくあったかいの」
まるで、心の奥に灯った小さな火が、
寒い夜の空気ごと、やさしく包み込んでくれるようだった。
見上げた夜空には、静かに雪が舞い始めていた。
まるで、お祝いするかのように――。
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