第20話「気づいてたんだね」
クリスマスの夜、二人は一緒に過ごし、思いがけない言葉と笑顔を交わす。
その瞬間、気づかされるのは、二人の気持ちがどれほど近づいているかということ――。
※クリスマス3部作(2/3)
クリスマスの夜。
プレゼントを交換して少し経った頃。
静かな時間が流れる中、涼也がふと視線を落として口を開いた。
「……気づいてたと思うけど、会って間もないのに、結衣ちゃんのことばっかり考えてた。四六時中って言ったら大袈裟だけど、ふとしたときに思い出して……」
結衣は目を見開いた後、柔らかく笑ってうなずいた。
「うん。私も……多分、バレてたと思う。涼ちゃんからLINE来るたびに、すっごく嬉しくて、何回も見返したりして……」
涼也は小さく笑いながら、少しだけ真剣な顔になる。
「俺なんかが、こんなふうに思っていいのかなって、何度も思った。結衣ちゃんは、優しくて明るくて、俺なんかには勿体ないって」
結衣も視線を落としながら、少し照れたように呟く。
「私なんかが……涼ちゃんみたいな人気者に想ってもらえるなんて、信じられなかったよ」
そこで、涼也は ふっと笑った。
「俺の方こそだよ。インフルエンサーって言っても、俺なんか中身ただの地味なおっさんだし(笑)」
結衣は、くすっと笑って首を振る。
「そんなことないよ。優しくて、誠実で、涼ちゃんの言葉には、いつも救われてた。……どんどん好きになっていったんだよ」
しばらく見つめ合った後、結衣が小さな声で笑う。
「“私なんかが”“俺なんかが”……ふふ、似た者同士だね」
その瞬間、二人は まるで息を合わせたように、同時に口を開いた。
「……同じこと思いました(笑)」
顔を見合わせて、くすっと笑い合う二人。
その言葉は、以前どこかで交わした“同じこと思いましたw”というフレーズと重なって、二人の距離をいっそう近づけていた。
照れくささと嬉しさが入り混じった空気の中で、結衣は ふと思った。
――涼ちゃんが、こんなに近くにいることが、信じられないくらい幸せだなって。
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