第19話「クリスマスの贈り物」
プレゼントに添えられたのは、言葉にしきれない優しさとぬくもり。
いつものやりとりも、今日だけは ちょっと特別に感じる――。
静かに、けれど確かに近づく心。
“好き”という気持ちは、もうすぐその輪郭をはっきりと見せ始める。
※クリスマス3部作(1/3)
クリスマスの夜。
結衣と涼也は、約束通りイルミネーションの見える駅前で待ち合わせをしていた。
「メリークリスマス、涼ちゃん」
「メリークリスマス、結衣ちゃん」
きらめく光の下、二人は自然に笑い合い、肩を並べて歩き出す。
イルミネーションも、街の音も、全てが優しく背中を押してくれるようだった。
ディナーの帰り道。少し照れたように、涼也が足を止めて、結衣に小さな包みを差し出す。
「これ、結衣ちゃんに渡したかったんだ。クリスマスプレゼント」
「えっ……涼ちゃん……」
包みの中には、結衣の好きなブランドの小物が丁寧にラッピングされていた。
「何が喜んでもらえるか、結構悩んだんだけど……これなら、結衣ちゃんに似合うかなって」
結衣は、ふわっと笑いながら受け取った。
「うん……すごく嬉しい。ありがとう、涼ちゃん」
そして、結衣もそっとバッグから紙袋を取り出す。
「実は、私も……今日渡したいなって思って持ってきてたの」
袋の中には、小さなお菓子とコーヒー豆、それにホットアイマスクが入っていた。
そして、小さなメッセージカード。
「毎日がんばってるから、癒しになればいいなって……」
結衣は、少し視線を逸らしながら言葉を続ける。
「全然プレゼントって感じじゃないし、いつも渡してるのと同じようなものなんだけど……ごめんね、涼ちゃんみたいにちゃんとしたプレゼントじゃなくて」
その言葉に、涼也は優しく笑って、そっと結衣の頭を撫でる。
「結衣ちゃんからなら、俺にとっては何でも特別なものになるから」
結衣の頬がほんのり赤くなる。
あたたかい気持ちが、胸いっぱいに広がっていった。
静かなイルミネーションの下、二人は そっと見つめ合う。
でも、まだ“その言葉”は、お互いに胸の中に留めたまま。
けれど、今日という日が――確実に、その“気持ち”を確かめ合う瞬間へと近づいているのは間違いなかった。
お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!




