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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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闇の体現者(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 そうこうしている内に、闇は範囲を狭めていき、少しずつ夜空が見え始めた。


「なんだったんですかね? 今の」


「わからん。が、見たところただのハッタリだろう。その証拠に、こちらに被害はない」

 黒龍の推論を耳にし、青龍達は悔しがる。もし本当にそうなら、自分達は黒猫が作ったチャンスを無駄にしたのだから。


「安心して。青龍君。あれはハッタリじゃないから」


「え?」


「どういう意味だ? 天使ペガサス」


「僕の仮説が正しければ、あの闇は消失しようとしているのではありません。発生地点を中心に、収束していっているんです」

 ペガサスの説いた仮説に、敵も味方も疑問符を浮かべる。


「まぁ、何事も百聞は一見にしかずと言いますから、目を凝らしてよくご覧ください。彼女が、闇の体現者となる様を」

 そう言われて、皆、黒猫に注目した。


 結論から言うと、ペガサスの仮説は正しく、予想の斜め上をいっていた。発生した闇は、脈動する黒猫の体に吸収されていき、ただでさえ色黒な彼女の肌を更に黒く染め上げていった。

 しばらくして闇が完全に無くなり、元の空間を取り戻すと、黒猫は手を使わず、まるで亡霊が起き上がるように、不気味に立ち上がった。


 その姿は最早人ではなく、漆黒の翼と深紅の眼を持つ女性型エネルギー生命体のような姿になっていた。

 皆の戸惑う視線を受けたことで、黒猫はようやく、自分が異形と化していることに気付いた。

 その一方で、黒龍は変化に一驚した後、彼女も自分や青龍のような異形になったことに大喜びする。


「そうか! 黒猫。お前もついに人の器を捨て、異形と化したか! こんな近くに同類がいたとは思わなかったぞ!」


「ペガサス! あれ、どういうこと!? 彼女にいったい何が!?」

 ユニコーンに説明を求められて、ペガサスは驚きつつも解説した。


「……彼女はあの闇を得たことで、魔人を通り越して、異端種の魔族になったんだ。所謂デビル化って奴だよ」

 その結論に、ユニコーン達は驚愕した。


 黒猫はご存知のとおり、魔族と人のハーフの子孫だ。デビルアイを使えるのもそれが理由。そこに精神高揚による膨大な闇の発生とそれの吸収により、変貌した。それが今の彼女の姿である。

 ペガサスは彼女が発した闇が、純粋な闇エネルギーだと突き止め、この仮説を立てていたが、彼の予想では、せいぜい先祖と同じ魔人止まり。デビル化までするとは、夢にも思っていなかった。

 お察しの通り、このサブタイトルは黒猫のことを指しています。

 さぁ、ここから反撃開始です。

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