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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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思わぬ助っ人(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 忠昭は指を失うというハンデこそあったが、昔から喧嘩慣れしていたおかげか、ペガサスの攻撃を紙一重で躱しながら果敢に攻める。

 その猛攻に青山夫妻らは期待を、白虎らは不安を抱いていたが、それも全てペガサスの計算の内。彼の方が遥かに老獪だった。


 ペガサスは日頃から忠昭のことを、頑丈さや痛みに対する強さから『鉄人』と評していた。現に彼は、指を落としたぐらいでは全く怯んでいない。しかし、彼とて普通の人間である。40歳ともなれば年齢によるスタミナや身体能力の低下は否めない。

 そこにつけ込んだのだ。攻めるだけ攻めさせてバテさせる。それが対忠昭用に考えたペガサスの作戦だった。

 作戦は見事大成功。ペガサスの術中に嵌まった忠昭は、絶えず攻め続けたことで、肩で息をするほど疲労困憊になった。


 こうなったら、後は処刑を待つのみ。勝利を確信したペガサスは、忠昭の蹴りをバリアで受け止め、彼の右足を削り取った。

 いきなり足を失った忠昭は、その場で転倒し、うずくまる。


「この時を待ってました。忠昭さん。チェックメイトです」

 死神の宣告のようなその一言に、忠昭は反発し、何とかして立ち上がろうとするが、ペガサスの足がそれを許さない。容赦なく彼の上体を踏みつけ、立てなくする。


「忠昭さん。なんで僕が、ただの人間であるあなたに光の力を使ったかわかりますか? 嬲り殺しにするのなら、ワイヤーカッター等といった武器を使ってもいいのに」


「知るかボケッ!」


「あなたのような人種を敵だと認めているからですよ。高圧的で、動植物を『畜生』と呼んで蔑む。そんな人間至上主義者こそ、世界の敵だと判断したからです。あなたは僕が出会ってきた人間の中で5本の指に入るほど、人間らしい人間でした。故に……」

 そう言うとペガサスは忠昭を蹴飛ばし、神々しき1本の角を生やした天馬の姿に変身した。


「僕の全力を以て、徹底的に嬲り殺しにします。いきます」

 そう言ってすぐ、ペガサスは高速突撃からの我武者羅攻撃と連続突き上げで忠昭を死なない程度にズタボロにしていき、上空からの踏みつけで地に食い込ませると、再び天高く飛翔し、彼の心臓めがけて角で貫いた。

 オーバーキル必至の連続攻撃をくらって忠昭が生きていられるはずがなく、絶命を確認したペガサスは天使の姿に戻り、


「これが今の僕ができる奥義。天使流(てんしりゅう)風林火山(ふうりんかざん)雷撃(らいげき)。さようなら忠昭さん。あなたには地獄の底がお似合いです。ですが、ご安心を。後で恵子さんと遼河君もそちらに送りますから、寂しくはありませんよ。では、Good-bye human.Go to hell」

 と、翔馬の代わりに今生の別れを告げた。その顔は心なしか嬉しそうで、家族の死を望んでいた翔馬共々晴れやかな気持ちになっていた。



 余談だが、ペガサスはこの一件が片付いた後、その足で翔馬の実家を襲撃。恵子と遼河を亡き者にし、15年もの間、友を縛り付けていた血縁という名の呪縛を断ち切った。

 ペガサスの大技・天使流風林火山雷撃は、角の生えた天馬の姿になり、風・林・火・山・雷になぞられた技を連続でくらわせるわざです。

 具体的には次のようになっています。


風……最高速度での突撃

林……連続突き上げ

火……角や踏みつけを用いた我武者羅攻撃

山……上空からの踏みつけ

雷……上空から角で一突き


 ちなみにこの技は、ペガサスの父方であるユニコーン一族に受け継がれている技で、他にもレパートリーがあります。

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