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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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剛の拳 柔の技(6)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 忍び寄る命の危機に、飛燕と荒鷲の顔が恐怖で歪む。


「ひぃっ! に、兄さん!」


「くっ、体がまだ……くっそー! ムッカつくなーっ!」


「『ムカつく』だ? その言葉、そっくりそのまま返してやる」

 そう言うと、十三は荒鷲の襟元を掴み、大外刈りで勢いよく倒して、そのまま跨がった。


「こっちはお前の何十倍もムカついてんだよ。おやっさん達だけでなく、お嬢を殺して爆弾にしやがって……てめぇらだけは許さねぇっ!」


「く、くそぉっ! こんな柔道バカなんかにぃっ! 離せーっ!」

 そう言いながら荒鷲は逃げようとジタバタするが、鍛え上げられた握力がそれを許さない。暴れる荒鷲に構わず、十三は巴投げを連発しながら、


「柔道じゃねぇバカ野郎。柔だ。くたばれ。煉獄地獄車(れんごくじごくぐるま)ぁっ!」

 と、訂正してから、放り投げた。

 力任せに投げられた荒鷲は、受け身すらとることができずに、そのまま壁に激突して即死。遺体はチューインガムのようにへばりつき、床に落ちてこなかった。


「あぁっ! 兄さん!」


「安心しな! すぐに兄貴と同じところに送ってやっからよっ!」

 兄の死にショックを受ける飛燕にそう言うと、白虎は飛び蹴りからのアッパーで彼を宙に打ち上げた。


「お前なんかに使うのはもったいねぇけど、沙也加さん達をてめぇらの欲で傷つけて、殺したんだ! その報いはきっちりと受けてもらうぜ。血肉1つたりとも残ると思うなよっ! くらえ! 白虎流護皇死神拳・最終奥義!」

 そう言って白虎は、落ちてきた飛燕を真下から渾身の力で1発殴り、


「血肉(ちにく)! 粉(ふん)・砕(さい)・拳(けん)っ!」

 と、叫ぶと同時に、飛燕の体を血肉の塵と化し、周囲に飛び散らせた。


 これで仕事は片付いた。技が見事に決まったと無邪気にはしゃぐ白虎と、彼の強さを間近で見て評価を改めた十三は、互いに労い、紅花から単独行動をして迷惑をかけたことに対するお詫びと感謝の言葉をもらい、地下室から脱出した。



 廃墟から出てきた3人を見て、構成員達は彼らが勝ったと確信し、口々に喜びの声を白虎らにかける。

 それを受けて仕事が終わった実感が湧いたのだろう。フッと気が抜けた白虎は、疲労とダメージの影響で意識を保てなくなり、そのままダウンし、気を失ってしまった。

 せっかく力量を認めてもらったばかりだというのに、この体たらく。少年の締まらない姿に十三は、


「やれやれ。まだまだ軟弱だな」

 と、呆れながらも彼を担ぎ、紅花達と一緒に帝虎が待つ雷ファミリーの屋敷に帰還した…………

 大技炸裂、といったところでしょうか。何はともあれ一件落着です。

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