2029年8月1日 さいたま市桜木町公園
ここは、地元の公園。
鈴との待ち合わせ場所。
「アチ〜!鈴、アイス買ってきたわー」
「律にしては気が利くじゃん」
「じゃ、お前にはやんねー」
「うそうそ。ありがたくいただきますよ」
うまっ
「ここさーあいつと出会った場所なんだよ」
「知ってる。あいつから聞いてた」
「あいつ、そんなこと話すんだw」
「LINE交換もしないで別れたって言うから『バカだなー』ってw」
「そうなんだ」
「あいつ、女の子の話なんかしないからさ」
「ふーん」
「なーに満足そうな顔してんだよ」
「そーゆーやつだったよね。あいつは」
「うん。そだな」
「サッカーしか見てない」
「そうそう。結果として似たもの夫婦だったな」
「律、お願いがあるんだわ」
「なんだよ」
「待ってたら言わないだろうから言うわ」
「なんだよ!プロポーズなんかしねーからなっ!」
「そりゃ、こっちのセリフだわ」
・・・・・・・テレてんなよ。ちょっと期待してんじゃん。
「私さーコーチに専念するわ」
え?「プレイヤーやめるってこと?」
「今のチームはね。別のチームを作ろうと思う」
「なるほどね。いよいよ死ぬまで戦うチーム作りか」
「うん。サッカー教室のシニアで人数集まりそうだからね」
「どこまで伸びるか見たかったけどなー」
「いやいや、これからだって私は真剣よ。伸びる気でなるって」
「仕事は?」
「できればこのまま定年まで・・・」
「承知」
「律、感謝してる」
「これからも頼りにしてちょ」
「うん。結婚はしないけどね」
「こっちのセリフだわー!」
ドラゴンマスクの親父、俺の親友は、いつだって俺を見てる。
だから大丈夫。
ゴールまで行ける。
俺たちのサッカーは終わらない。




