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-第45-そしてまた遭遇する

「これが魔王?」


「ええ、アイテムや回復魔法を使ってません」


それは勇者らしき男と女僧侶が話をし

その勇者の手には魔王の角らしき物を2つ持っている


「ま、この角高く売れるから皆で山分けだな」


男剣士がそう言った時、ロイと眼が合うと

どこか嬉しそうに微笑み、周りにいた仲間に話かける


「……まだ余裕あるよな?」


「え? ええ、全然あるけど」


「それならもうちょっと稼ごうぜ」


そう言って男剣士が指さした先はロイ達

それを見た男の仲間の3人は臨戦態勢に入る


「……あの格好」


「勇者と男剣士、女僧侶に女魔法使い」


ミミリアは冷静な顔で勇者とその仲間達の職業を言う

すると、リーナが拳を構え、リナリアは相手を睨んでいる


「それに私のこっち側扱いみたいだし……まぁ、いいんだけどね」


「……いきなしだが、負けれないな……リナリア、リーナ、ミミリアいくぞ!」


「はいっ!」

「了解」

「うんっ」


ロイはリーナの後ろにバックステップし、本を構え

リーナは拳と精霊を出し、ロイの前で前衛に立つ

リナリアはリーナの横に立ち、レイピアと小型のスピアを構える

ミミリアはロイの隣に移動し、護衛に入っている

それを見た男剣士は鼻で笑いながら剣を構える


「見ろよ、男が守られてるぜ、それも魔法使いかよ……」


「まぁ、そういうなよ、相手は4人、金も結構持ってそうだしな」


「うんうん、私のあの女悪魔の服欲しいかも」


「……油断しないでください、来ますよ」


「油断はしないさ、一撃で決める! エクスカリバー!」


勇者は光り輝く剣を構えリーナに走る

それに合わせ動く者はいない、勇者がその剣を使うと言う安心なのか

それとも『その程度』と思われ何もしてこないのか……


「ここは俺が行く」


「ロイ様……はい、お願いします」


「いいわよ、いってらっしゃい」


2人に道を開けて貰いロイは薄いオーラーを纏った剣を構え

勇者の武器とぶつかり、その衝撃の風圧を周囲に散らす


「……僕のエクスカリバーを止めるとは……ただの悪魔じゃない?」


「さぁな……ただ『勇者』だけが使えると思うなよ

 ライト・エンチャット!」


「なっ!?」


剣と剣がぶつかる中、ロイは自分の武器に魔法をかける

それは光の小さな球が数個、剣の周りを回り、剣は薄く光輝く

それに驚き、勇者が後ろに飛び退くと僧侶が声をあげる


「あれは……勇者のみが使える魔法、どうしてあの悪魔が……」


「さぁな、でもおもしれぇ、勇者……俺もいくぜ」


「……うん、2人を後ろから魔法で援護する」


「回復はまかせてください!」


「わかった、僕はあの魔法を使う奴を引き付ける!」


勇者はもう一度、ロイに斬りかかるとそれを剣で受け止めたロイの横を通り

男剣士はミミリアに向かう、後ろにいる事から魔法使いとでも思ったのだろう

しかし、男剣士が微笑みながら剣を構えた時、ミミリアも拳を構え殴る


「ちっ、魔法使いじゃねぇのかよ!」


それを間一髪、剣で受け止めた男剣士に追撃しようとするミミリアに

女魔法使いは魔法を放つ


「見た目で判断しちゃだめ、イラプション!」


地面から炎が広がりその周囲を焼いていく

それによりお互いに距離ができる


「わりぃわりぃ」


「まったく……勇者があいつを止めてるか……ら!」


「がら空きよっ!」


女魔法使いの一瞬の油断をリーナが飛び込み殴りかかる

それを女僧侶が片手の盾で防ぐ


「やるわね」


「これぐらいはできます、えい!」


防いだ反対側の手に持っている金属のメイスでリーナに振る

それを後ろに飛び避けたリーナにめがけ

魔法を詠唱を始める魔法使いにリナリアは走り込みスピアを突き刺す


「っ……物理ばっかりじゃない」


「そうですね……男剣士さん、こちらの援護を!」


「ああ、まかせ……」


「させないよ」


「このガキ、魔法使いじゃなくてお前も殴り専門かよ」


「それはどうかな?」


男剣士の前でミミリアは詠唱を始める

それを止めるため、男は剣を構えミミリアを斬る

しかし、それを余裕の表情で避け、左手で男剣士の腹を殴る


「ぐ……」


「ばーか、敵の目の前で詠唱なんかしないよ、吹き飛べ!」


のけ反った男剣士にミミリアはその場で体を回転させ回し蹴りを放つ

それを防ぐ事ができず、男剣士は吹き飛ばされる


「……あんたの仲間、強いね」


「まぁな……助けにいかなくてもいいのか?」


「僕は仲間を信じているからね……それに僕にはこれがある」


勇者はロイの剣を弾き後ろに飛ぶと持っている物を投げる

すると、男剣士は何事もなかったように立ち上がり

僧侶と魔法使いの周りに薄い白いシールドが展開される


「……なるほど」


『持ち物までは使えないか……しかも勇者の力を使うのに

 本のページをかなり使った……持って後2回か?』


「さぁ、僕達の反撃だ!」


「ああ」

「行くわよ!」

「援護します!」


勇者の号令の元、面々は行動に入る

それは先程よりも練度が高く、隙がない


「……張り付いてあげる!」


リーナは女魔法使いに張り付き拳を伸ばす

だが、周囲に張られているバリアに阻まれ攻撃できない

それはリナリアが対峙している僧侶も同じ

しかも、僧侶はその中で詠唱を始め、言葉を放つ


「さらなる守護の力をバリアー!」


薄い膜はさらに一段厚くなり

しかも、勇者と男剣士にも薄いシールドが付加される


「……くらいなさい! メド・イラプション!」


先程の地面からでる火よりもより熱いマグマが地面から現れ

それに反応したリナリアとリーナが後ろに飛び退くと

僧侶と魔法使いの間に距離ができる


「今です! 男剣士さんの力と速度を上げます!」


僧侶の魔法により、剣士の注意に光が輝く

それに合わせ、剣士はミミリアに近寄る

その速度は、ミミリアは剣を両手の魔法シールドで防ぐが……


「あめぇ!」


剣はシールドを貫通し、その残った威力はミミリアを吹き飛ばし壁に叩きつける


「次だ! 勇者援護する!」


「僕はいい、僧侶達を援護してくれ」


「わかった」


「させるかよ、メド・イラプション」


ロイの手元には魔法使いと同じ杖があり、それにより魔法が発動する

そのマグマと後ろにいる2人との間にマグマを現し、道を阻む


「……今度は魔法使いの、ならこれはどうだ! イグニッションサンダー!」


勇者は魔法を放つ、詠唱なしでその魔法を放つため手元に持っている

クリスタルのような物を砕く

すると、リーナとリナリアの真上の黒く雲が一瞬にして広がる


「落ちろ!」


雲から放たれた雷の数は多く、防ごうと魔法のシールドを展開している

リナリアに容赦なく降り注ぎ、それを間一髪避けているリーナ目がけ

女魔法使いは魔法を放つ


「今度はそっちががら空き、フレイムスピア!」


火の槍はリーナの背中から突き刺さるとリーナはその場に倒れる

それを横目で見ながら助けようとリナリアに僧侶は魔法を放つ


「だめですよ、光の裁きを……グランドクロス!」


リナリアの足元に光の十字が現れ、それが頭上に光る

その光を浴びたリナリアは膝落とし、倒れる


「これで形勢逆転だ」


「終わりにする……!」


「まだだ、俺達はまだヒール……」


「させねぇよ!」


ロイは本の力で僧侶の武器をだした直後

男剣士はロイめがけ剣を投げる

それを間一髪、メイスで防ぐが……それは弾かれ消えてなくなる


「……剣士、武器無しはだめだ、これを使って」


「ああ」


勇者は腰にあった短剣を男剣士に渡す

何も持ってないロイに勇者は先程の剣ではなく、反対側の腰の剣を構える


「デモンズ・スレイヤーなら……倒せるはずだ!」


勇者はロイ目がけ剣を振り下ろす

その瞬間、ロイの目の前にリナリアが現れその攻撃を受け

服が破け、その場に倒れる


「……助けるとはなかなかだけど、もう遅い」


勇者はそんなリナリアを無視し、剣をロイ目がけ突き刺す

しかし、その剣の先端はロイが持っている


「なっ?!」


勇者は驚き、ロイを見るとその周囲に禍々しい黒と紫のオーラーが立ち込めている

しかし、そのオーラーは一瞬にして消え……次の瞬間、ロイの動きは止まる


「なんだよ、おどろかせん……な、動けない?!」


「僕もだ……これは一体」


「私も……僧侶は?!」


「無理です、手も足も動きません」


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